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通販の成功をもたらしたユニーク戦略

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通販で成功したユニーク戦略

商品の由来物語を売る

馬路村農業協同組合【高知県安芸郡馬路村・年商約30億円】

ゆずぽん酢とゆずジュースでなんと30億円の売上!
高知県東部の山中に、人口1300人足らずの馬路村という静かな村があります。
 かつては営林署があり、林業が盛んだったこの村では、昭和61年(1986年)から、野生の柚子で作ったぽん酢醤油「ゆずの村」を通販で売り出しました。そして、その後発売された柚子のジュース「ごっくん馬路村」と合わせて、これまでになんと30値円近くを売り上げたのです。いわゆる村おこしを、これほど大きく成長させた事例は、おそらくほかにはないでしょう。
 「ゆずの村」は、昭和63年に『日本のI〇一村展』で大賞を受賞。平成9年度には、地域づくり関連自治大臣表彰と、優良地方公共団体自治大臣表彰を受けました。さらに、地場産業の開発などの推進と、地域イメージ向上などに積極的に取り組む地方公共団体としても表彰され、「馬路村・柚子のふるさと村づくり」として『第25回サントリー地域文化賞」を受賞するなど、数々の栄誉に輝くこの村には、全国各地の自治体が見学に訪れています。
 もともと馬路村では、地元で作った柚子の搾り汁を、都心の百貨店の物産展などで売っていました。当初は知名度もないためか、なかなか売れず、ひどいときには1日8000円しか売れない日もあったといいます。それでも馬路村の農協の人々は、あきらめずに物産展への出展を続けました。

配送伝票を書いてもらい、それをリストに
 ところがある日、思いがけない幸運が舞い込みました。物産展を開催していた百貨店に、なんと馬路村出身の係長がいたのです。その係長は、ふるさとの商品ということもあり、馬路村の農協の担当者にエスカレーター前の集客しやすい場所を、売場として提供してくれました。すると、今までのことが嘘のようにお客様が売場に集まってきたのです。
 しかし、売れたのはこのときだけで、また売れない日々が続いたことから、農協の担当者は考えまた。これからもっと柚子の商品を売っていくためには、都心に住む人のリストを持っていれば、直接その人たちに売れるのではないかと。
 それからは、お客様の名前や住所、電話番号などの顧客リストを集めることを目標に、都心の百貨店の物産展に積極的に出店し、一升ビンが重いことを理由に配送伝票を書いてもらうことを勧めるようになりました。これが、馬路村農協が通販を始める基礎となったのです。
 そして、馬路村が通販を本気で始めるためには、柚子を搾っただけの搾り汁だけでは、将来売り続けていくことに不安を感じ、柚子のぽん酢醤油や柚子のジュースなど次々と商品開発をしていったのです。

卓越した広告表現でイメージ戦略
 馬路村では、「ゆずの村」を商品にするにあたって、あるデザイナーにパッケージデザインを依頼。その「ゆずの村」が「日本のI〇一村展」で大賞を受賞したことから、このパッケージの素朴でふるさとを感じさせるイメージをすべてのデザインに広げていくことになったのです。
 これまで作られたチラシやポスターは、「ぽくの村は、馬路村」「馬路村は山の中。」「馬路村はかつて営林署だった。」といったストーリー性を感じさせるコピーと、ノスタルジックなイラストや馬路村の子供たちを出演させたものでした。
 そのデザインは、プロデューサーとデザイナー、そして農協の担当者により、「村ごと売る」という発想から、「届いた箱を開けると村の風が吹く」というコンセプトで、村ごとブランド化が始まったのです。
 チラシのコピーーには村の生い立ちや村の子供たちのことが書かれているだけで、別にぽん酢のことをくどくど説明していません。しかし逆に、そのことによって消費者は、「このぽん酢は、きっと山の中で自然に育った柚子を使って村人たちが大事に作り、高知の山中から出荷されてくるのだな」と感じます。馬路村はこのように、商品に物語を付加することで「ゆずの村」を他のぽん酢と差別化したわけです。
 購入者は、商品が届いて箱を開けるとき、まさに馬路村の風を感じた気分に浸れます。それこそが顧客の満足感なのです。

商品の物語性が顧客に満足感を与えた
 仮に馬路村が、ただの商品写真や説明的なコピーをぽんと載せただけのありふれたチラシやパンフレットを作っていたとしたら、商品はこれほどヒットしなかったでしょう。ぽん酢の写真を見せられて、それが欲しいかと聞かれれば、誰もが「そんなもの、スーパーでもコンピニでも身近で買えるわ」と思ったことでしょう。
 商品の差別化のポイントは、その商品の生い立ちや、商品が育ってきた土地の自然風土、すなわちj田来物語〃を感じさせることです。これは通販の基礎知識ともいえます。モノがあふれているこの時代に、わざわざ通信販売でモノを買わせるには、その商品に何らかの物語を感じさせる必要があるのです。
 もう一つ大事なことは、売り手の熱意や愛情です。「ぽくの村は、馬路村」という素朴なコピーには、馬路村の人たちの商品に対する熱意と、村への愛情が感じられ、それが消費者の心を動かしたともいえるでしょう。

食品通販には加工品が向いている
 馬路村の通販は、柚子ぽん酢「ゆずの村」や、柚子のジューース「ごっくん馬路村」など、
柚子に特化した食品通販です。柚子そのものを売るのではなく、ぽん酢という加工品を売
ったことも成功の理由のIつといえます。
 第1章でも述べたように、通販では、水産物や農作物などをそのまま売るより、加工品
にして売ったほうが、付加価値をつけることができるため、つけたい値段がつけられるの
で有利なのです。
 〈馬路村農業協同組合〉の成功は、小さな組織が選択すべき通販のセオリーを確実に選び、
実践してきたたまものといえます。

プロ向けの商品を一般消費者ヘ
大野水産(東京都・年商1億5000万円)
一般消費者の手に入らない高級魚で価格をキープ
 東京・築地の高級魚を、ファックスとインターネットで一般消費者に向けて通販している大野水産。同社では、この2つのメデイアを活用し、それぞれの顧客に向けた単品通販を行なっています。
 すでに述べたように単品通販では、通販でしか手に入らない希少性のある商品、現地でしか食べられない産直品、生産者が自家用にしていた商品、プロに流通している商品などを扱うと、成功につながりやすいものです。
 〈大野水産〉が扱っているのは、築地から有名料亭に流れていく魚介類。つまりBtoBのプロ・ユースです。こうした商品は希少性があるため、売り手がつけたい値段をつけられるので、価格競争を避けられるメリットがあります。

社長自らホームページを企画制作
 高紙魚を販売するにあたり、最初、大野水産の大野社長は「高級住宅街に住む人なら買ってくれるだろう」と考え、大田区・田園調布や渋谷区・松涛などにチラシをポスティング(郵便受けなどに投入すること)しました。しかし、注文はまったくありませんでした。
その後、みずから新聞社に売り込み、記事として取り上げられたりしたのですが、注文は皆無でした。しかしこれらは無駄ではなく、雑誌の取材は増え、各媒体の属性を知ることができました。たとえば女性誌の「Lee」は確実に購買に結びつくといったことや、日経新聞は直接購買には結びつかないにしても他の媒体に注目される、といった点です。
 そしていろいろと悪戦苦闘の末、まずはプロしか入れない築地の世界をみんなに知ってもらおうと、築地市場の見学会を開いてみると、そこに参加したのは、昧にこだわりをもつ普通の人たちでした。決して、田園調布や松涛に住むお金持ちではなかったのです。
 この見学会を通じて顧客は徐々に広がっていき、大野社長はやがて、築地であがった高級魚をすぐさま顧客に知らせたいと思い、ファックスで通販をするようになりました。味にこだわりをもち、旬を食べたいと思う顧客にとって、一般消費者が立ち入ることができない築地のナマ情報や高級魚がいち早く手に入ることはとても魅力的なことなのです。そうしてファックスでの顧客も徐々に拡大。その後、新たな顧客を獲得しようと、インターネット上のショッピングモール〈楽天市場〉に出店。月商500万円を売り上げています。もともと築地の仲卸をしていた社長がウェプマスターとなり、ホームページの企画制作から顧客管理まで、すべてI人でこなしていました。
 現在は、社長の他3名のスタッフが販売商品の仕入れやホームページの企画を担当しています。

ほぼ毎日、ネットの情報を更新中
 大野水産は〈楽天市場〉のモールに出店しています。モールだと、インターネットを立ち上げた際に必要になってくる「集客」「販促」「お客様とのコミュニケーション」を効率的に行なうシステムを備えているためです。インターネットショップ立ち上げの際はモールがもっているそれらの機能をフルに活かし、お店や顧客リストを徐々に充実させ、顧客との信頼関係を築くことに力を入れます。そして、それが構築されたら、後は顧客の信頼を裏切らないよう、確実に運営を継続していくことが大切になります。
 さらにネットショップでは、ほぼ毎日ページのどこかが更新されていることが、成功の条件の1つとされています。〈大野水産〉でもネットショップ専任のスタッフをつけて、ほぼ毎日ホームページを更新し、生きた店づくりを心がけています。商品の性格上、顧客の年齢層が高いため、ホームページはシンプルな作り。旬の魚介類の情報や、魚の調理法の説明などが掲載されています。
 また、週に3回、メールニュースも無料配信。さらに有料のネット会員を募り、「お買い得情報」や一般の消費者が知らない築地の生情報などを掲載し、築地ブランドを前面に押し出しています。
 社長みずからが選んだ高品質の商品と、築地というブランドを最大限活用した同社のネット通販は、こだわりの昧を求める消費者から強く支持されています。

サンプルを送って休眠顧客を握り起こす

            佐藤園【静岡市・推定年商40億円】
10年間ずっと変わらない宣伝コピー

 静岡県静岡市にあるお茶の老舗〈佐藤園〉の戦略は、かなりユニークです。同社では、全国紙に4段広告を年に1回しか出さず、しかもその広告コピーは10年前のフレーズのまま。「もしおいしくなければ代金はいただきません お試しのI〇〇円」。このコピーを、今も変わらず使っています。
 〈佐藤園〉では、先着5000名のお客様に、自社の深むし煎茶の100円のお試しパックを配布しています。この広告で、最高1万名の応募が集まったといいます。有料サンプルの広告で1万名のリストを集めることは、簡単なことではありません。そういったことからも、このコピーのもつ訴求力は大変強いものといえます。そのうえ、応募してきたお客様には、お試しパックに「100円は、このたびはい
ただきません」という送り状をつけて送っています。結果的に、無料でお試し品を配布していることになるのです。この手法は通販業界でも有名で、健康食口皿の通販で同じ手法をとっているところも現れています。
 実は同社では、新聞広告を打ち始めてから5年目に、
一度コピーを変えたことがありました。けれど結局、「もしおいしくなければ代金はいただきません お試しの100円」という10年前のフレーズが一番レスポンス
(消費者の反応)が高かったため元に戻し、以来、ずっとこのフレーズを使っているのです。
 同社が行なっている新規顧客獲得のための宣伝はこれだけ。「それだけじゃダメだろう」と誰もが思うのですが、通販業界も新規顧客の獲得は年々難しくなってきており、むしろ休眠顧客の掘り起こしがテーマになっています。つまり、以前買ってくれたけれど今は買っていないお客様に、もう一度買っていただくようにするわけです。
サンプルを送るとレスポンス率が6割!
 〈佐藤園〉では、次のような手法で休眠顧客の掘り起こしを行なっています。
 まず、過去に同社自慢の静岡茶のスタンダード「安倍の清流」(1500円)を買った人を、休眠掘り起こし顧客のターゲットとしてセグメント(絞り込み)します。1500円というのは、〈佐藤園〉が扱うお茶のなかでは中間の値段にあたります。
 同社では、このお茶を1回でも買った顧客を、「お茶の昧がわかる人、深蒸しを好む人」と位置づけており、この客層をターゲットとして、年に一度、新茶のサンプルを送るのです。
 送られた人は、「前に買ったことのある佐藤園が、新茶を送ってくれた」と喜びます。
 最初、試しに、ターゲットとした1000人の休眠顧客にこのサンプル送付をやってみたところ、なんと約6割の人が再びお茶を買ってくれたといいます。レスポンス率60%というのは、驚くべき数字です。
 あまりの成果にびっくりした〈佐藤園〉では、この手法を広げて、相当数の休眠顧客の掘り起こしに成功しました。
 ただし、なかには何の反応も返ってこないケースも当然あります。そういう人に対して、いつまでサンプルを送り続けるのかは秘密だということですが、だいたい3年間ぐらいは送っているようです。
 何も買っていないのに3年間もサンプルを送ってもらったら、たいていの人は、「そろそろ何か買ってあげないと悪いかな」という気持ちになるはず。
 〈佐藤園〉では、そうした消費者心理の裏の裏まで読んでいるのかもしれません。

こまやかなサービスで魅了
一度聞いたら忘れられないユニークなドメイン名
心斎橋みや竹【大阪市】
 〈心斎橋みや竹〉は、大阪の心斎橋商店街で100年もの間、傘の専門店として商いをしてきました。けれど、店主の宮武さんは現代の商店街で傘店として商売を続けることに限界を感じ、平成8年(1996年)10月、思い切って店舗を閉めてインターネットショップを開店。ドメイン名は、「kasaya.com(カサヤ・ドット・コム)」というユニークなものです。
  いまでこそ、ドメイン名を店名やブランド名でなく物そのものの名前、たとえばハンコヤとかカバンヤなどにすることが有効な手法として定着していますが、それをネットショップの初期に実践していたのが、カサヤ・ドット・コムです。
 ネットショップのほうは、開設当時は厳しい状態でしたが、ホームページ開設から3年目には、当初の売上の50倍以上をあげるまでになりました。
 傘のネット単品通販を成功へと導いたのは、宮武さんの豊富な商品知識と、傘に開するうんちくの深さを活かして、お客様が求める最適な傘を見立ててあげる「お見立てサーピス」という手法でした。

「うんちく」「入手困難」「目利き」で差別化

 同社のネット通販の特徴は、主に、「うんちく」「人手困難」「目利き」の3つのキーワードに集約されます。
 一番目の「うんちく」は、豊富な商品知識に裏打ちされたもの。〈心斎橋みや竹〉のホームページには、傘についての商品知識、たとえば商品の由来などが、こと絹かに書かれています。宮武さんは、「傘のことなら〈心斎橋みや竹〉に聞けばいい」といわれるくらいの店作りを目指しているのです。

 ネット通販には、その商品に精通した人々が集まってくるので、普通の店舗以上に深い商品知識が必要です。別ないい方をすれば、商品知識が豊富な人にとってネット通販は、うんちくを思う存分語れる場なのです。現実の店で、お客様万人ひとりにうんちくを披露していたら、それこそ商売になりませんが、ネット通販ではそれが可能であり、それができるかどうかが成功を左右するといっても、過言ではありません。
 次の「入手困難」は、文字通り、普通の店舗では入手が困難な商品を揃えることです。同店では当初、自社の商品しか扱っていませんでしたが、ネットショップ開設後3年目に内容を一新し、他のショップや傘メーカーをネット上で結んで、一般消費者には購入が難しい商品も手に入れることができるしくみに転換しました。その結果、このショップでは、皇室御用達の傘や職人が作った傘など、探しにくい商品も販売されるようになりました。
 消費者は、ネット通販に対して、町の店で買えるような品を求めてはいません。どこを探したらいいのかわからない商品、探すのが面倒な商品を求めています。〈心斎橋みや竹〉は、こうしたニーズに応えることで、顧客満足度を高めていったのです。

三番目の「目利き」も、顧客の満足度と信頼度を高めた要素です。この店は、ギフトサービスがとても充実しています。
 たとえば、お客様が希望するギフトの種類や予算に合わせて商品を選んであげる「お見立てサービス」。これは、ネット上でギフトのメニューをお客様に選んでもらうシステムです。贈り先の好みが伝わるよう、店側があらかじめ用意した項目を、お客様にチェックしてもらい、それをもとに傘の目利きである宮武さんが、最適の商品を選ぶのです。傘の目利きだからこそ、できるサービスといえます。
 さらに〈心斎橋みや竹〉では、ギフトの中に入れるメッセージカードの代筆も行なうなど、まさに「かゆいところに手が届く」サービスで顧客満足度を高めています。
 購入されたお客様へのアフターサービスも充実。宮武さん自身がお客様の質問などに答える「ヘルプデスク」(フリーダイヤル)を設けています。
 返品、交換、修理、質問など、お客様へのアフターフォローを面倒がらず、努力を惜しまずに行なう〈心斎橋みや竹〉の姿勢からは、傘に対する情熱と愛情が伝わってきます。 なお、お見立てサービスはお店が多忙なため現在はお休みしていますが、このようにまるで現実のお店で買い物をしているような、宮武さんのきめ細やかな心づかいが〈心斎橋みや竹〉を有名ショップにしていったのです。長年、心斎橋商店街でお客様と対而してきたからこそ、なしえるサービスではないでしょうか。
 そして今、同店には、「みや竹でないと傘は買えない」という多くのファンがついています。

顧客の心をくすぐる物語性

タキダエンタープライズ【福井県坂井郡三国町】
 福井県の最北端に位置する坂井郡三国町は、周辺に東尋坊や越前松島などがある港町。
 《タキダエンタープライズ》の滝田社長の家は、この町に代々続く漁師の家筋でしたが、先代のときに漁師をやめ、ドライブインと旅館を経営していました。
 しかし、観光産業の落ち込みが激しくなり、経営は困難に。父の跡を継ぎ2代目社長となった滝田さんは、他の事業を始めようと模索し始めます。そして、地元で水揚げされる新鮮な魚介類を活かして、独自性のある加工食品を作り、それを販売することを思いつきました。
  こうして平成6年(1994年)、《タキダエンタープライズ》を設立。商品のブランド名は、「越前海鮮倶楽部」と決まりました。これは、ブランド名だけでどこの地域の商品かがわかる、優れたネーミングだといえます。
「越前海鮮倶楽部」の主力商品は、「海鮮献上焼き」という煎餅です。丸形の生地の中央に、甘エビやほたるイカ、蟹などの魚介類をのせて焼いた煎餅で、トッピングする魚介類を一つひとつ手でのせています。
 この商品は、会社の設立当初に滝田さんの企画によって生まれたもの。全国の百貨店の催事に地道に売り込んでいった結果、やがて量販店、百貨店、コンピニエンスストアなどでギフト商品として販売されるようになりました。
 さらに同社は、百貨店などでの商売がうまくいっているうちに、今後の経営のためにも新しいチャネルを開発しようと考え、平成12年(2000年)から通販も開始しました。
こちらのほうも順調とのことです。

手作り感で物語性をアピール
 漁師の家筋から生まれた〈タキダエンタープライズ〉では、日本海の魚場を知り尽くしていることを、セールスポイントの一つにしています。商品には、滝田家の歴史を紹介し、魚に詳しい滝田家が選んだ原料を用いていることをアピールする栞などが入っています。
これは、この章の最初で紹介した「由来物語を売る」手法です。通販ではイメージが大切であり、物語性のある商品を開発することがヒットに結びつくものなのです。
 さらに同社の場合、主力商品の「海鮮献上焼き」そのものも、物語性をアピールするものになっています。地元自慢の海の幸をふんだんに使ったこの煎餅は、生地から具がはみ出したり、形も不揃いだったりするところが、お客様に受けているのです。お客様は、不揃いな煎餅に、素朴な漁村の人たちが一つひとつの煎餅をていねいに焼いている姿を重ね合わせて、手作りの心のこもった商品なんだと感じるのです。
 また、生地に魚介類を丸ごとのせるという独自の製法や、地元の名前を前面に出した「越前海鮮倶楽部」というブランド名も、商品のストーリー性を強調することになり、購入者の満足感につながっています。
 手作り感にあふれた商品で成功した〈タキダエンタープライズ〉では、量販店の業界が不安定なため、さらに新たなチャネル開発にも取り組んでいます。
 海外市場に参人すべく、欧米でも体によい食材として注目度の高い大豆を原料としたスナック「ソイチップス」を開発し、海外のフードショーなどに出店。この商品のパッケージは、外国人が日本をイメージできるようにと、歌舞伎をモチーフにしたデザインです。
この「ソイチップス」から、また新たな商品物語が誕生するかもしれません。

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