うつ病

うつ病の進行ー止まらない悪循環.2

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うつ病の進行ー止まらない悪循環.2

人の話に耳を傾けることができない

会議やミーティングの席上、説明者の声が遠くに、しかも小さく聞こえ、何をしゃべっているか理解できないことがたびたびある。これもうつ病の影響の一つです。
配付された資料をめくっていても、目も意識も別な世界に飛んでいて、さっぱり頭に入らない。重要な会議の席にありながら、意見や質疑に集中できない。聞き漏
らしたところを、あらためて質問しようとする意欲がわかない。
もしかしたら、それは会議の内容云々より、自分自身の中で異常が起こっているからかもしれません。神経が混乱し、経験したことのない自覚症状が表面化してい
るのです。私も、次のような経験をしました。
まず、手のひらに不快な発汗を感じます。会議で発表の順番が近づいてくると、緊張から胸の動悸が激しくなり、不整脈を自覚すると、ますます冷静さをなくしました。気持ちを落ち着けるので精一杯で、ひどいときには体が震えることもあります。
聞き漏らさないようにしようとか、メモをとろうとしてもダメです。意思とは関係のない何かの力で、神経とこころがねじ曲げられ、意識と肉体反応のズレに苦し
みます。それまでは不安や焦りなど、こころの中だけでおさまっていたものが、体感で苦しみを思い知ることになるのです。
うつ病の恐ろしさは、まさにこれからはじまります。
次にあげるような症状に心当たりがあれば、かなり神経がまいっていると認識してください。
①寝つきが悪く、眠りも浅いが、目覚めは早い
②ストレスを感じると動悸が激しくなる
③ちょっとの緊張でも、手のひらやわきの下に汗をかく
④どうしようもなく自責的になる
⑤わけもなく惨めになり涙が出る
⑥こころが苦しくて叫びたくなる
体を休めようと横になっても、いろいろなことが頭を駆けめぐります。スムーズにいかない仕事や人間関係などにさいなまれ、神経は眠気に逆らって覚醒し、いつまでも眠れません。
なかなか寝つけないでいると、次第に「翌朝、寝過ごしてしまうかもしれない」という恐怖が襲ってきます。そして、眠ったのか眠れなかったのかわからないまま朝を迎え、慢性的な睡眠不足におちいります。
うつ病になると、自虐的な考え方をするようになります。自分がしっかりしていないから迷惑をかけている、うまくいかないことのほとんどは自分が原因と、自責の念が異常に強くなりやすいのです。
そんな本人にとって、起きているあいだは、「情けないことの連続」ですから、つらくて哀しくて、自然に涙があふれ出てきます。こんな状態では、とても人の話に耳を傾ける余裕などありません。
もうあなたの神経は、うつ病に好き勝手に締めつけられています。うつ病独特の苦しみは、経験した人にしかわからない、何とも言えないつらさなのです。
《ポイント》
この段階は、病院に行っても、医師によっては「なんでもっと早く来なかったのか」と叱られるほどに病気は進んでいます。当然、自分の意思や努力では回復不可能。神経が変調をきたし、正常な思考や冷静な判断はできないでしょう。発汗や動悸はそのあらわれです。
自分の異常さを自覚し、とにかく誰かに気づいてもらうことです。一刻を争います。上司に「自分は病気です!」と話してください。病院へ駆け込んで、ありのままを話しましょう。

自殺を思いつく

「なにも死ぬことはないだろう」という声があります。「死ぬ気でやれば何でもできる。結果として死なずにすむ」と言う人もいます。
たしかにそのとおりなのですが、うつ病が悪化し続けた先には、死が待っているのです。本人の意思とは関係ありません。
これまで述べてきたような症状があらわれ、さらにひどく、顕著になってくれば、本人も自覚せざるを得ません。動悸、不整脈、息苦しさ、めまい、発汗、食欲不振と極度の便秘、だるさをともなう脱力など、身体的な苦痛が容赦なくおそってきます。そしてもっとつらいのは、はた目からはうかがい知れない内面のすさまじさです。
妄想に包まれた孤独感、屈辱に打ちのめされた敗北感、卑屈なまでの劣等感、ねじれた思考回路、うなる不快感の鳴動、錯乱する感情……などなど正体不明で難解なものが頭とこころの中に吹き荒れている、それが実感でしょう。
もう自分で制御することは不可能なところまで追いつめられました。一歩まちがえば、命を落とす危険性もあります。
治療の手を打たず、うつ病のなすがままにされていた人が、最後に投げ込まれる耐え難い苦痛の海。ここで、「これはヤバイ!」と踏みとどまれればよいのですが、哀しいかな、最悪のパターンに流れて行く人も少なくありません。
現在、日本では年間3一人を超える人が、自ら命を絶っています。その中にはうつ病におかされた人も多数含まれ、ここまで述べてきたような、いても立ってもいられない苦しみにさいなまれていたはずです。このままではいけないと、抜け出す努力も立ち直る努力もしていたのに、その前に、ふとした瞬間に何らかの力によって、背中を後ろから押されてしまったのでしょう。
体内に住みついたうつ病。それが彼らをビルの屋上からジャンプさせたか、駅のホームから線路へ飛び込ませたか、薬を口まで運ばせたか。いずれも本人の意思ではなく、その人に入り込んだ「うつの妖怪」のせいとしか、私には思えません。配属されて7、8ヵ月たったころ、私の神経は衰弱し、うつ病に手を引かれるかのように、悲劇へ続く道の臨界点まで来ていました。
夜遅く、地下鉄日比谷線のホームの水飲み場のわきに鞄を置いて、コンクリートの淵に身をあずけ、腕組みをして目を閉じます。ふと、ある地下鉄のホームで自殺があった話を思い出しました。おそらくその方も、苦しみから逃れたい一心からとっさに、あるいは迷っているうちに、体が向こうへ崩れたのだろう。
電車到着の予告がされます。もし、いま飛び降りても、恐怖に負けてはい上がってくる時間の余裕はある。さらに電車が近づいてきます。いまなら一瞬にして……
などと思いながら、結局何事もなく、いつもの車輛のいつものつり革にぶら下がるのでした。
オフィス街ではときおり「ドサッー」と何かが落ちる音を聞くそうです。でも、人はあまり騒がないと聞いたことがあります。自分も何かに引かれてとっさに窓から飛び出せば、後戻りできない。たとえ後悔しても数秒間で楽になる。恐さを感じることもなく、腫を浮かせながら窓から地面を見下ろしていました。
次の瞬間、早春の風の冷たさに、私は我に返りました。そして、病院へ行くことを決意したのです。
錯乱する意識の中にあっても、瞬間あらわれる正気を見逃してはいけません。わずかな生への執着を待って、全身でその正気にしがみつくことです。誰でもいいから、恥も外聞もかなぐり捨てて命乞いをしてください。それが、その場から引き返すための唯一の手段です。
迷うことなく上司に告げ、病院へ行き、精神科の待合室に並んでください。そここそが、いまのあなたがすがる場所なのです。
病院へ行っても、立ち直れるかどうかはわかりませんが、とりあえず命だけは失わずにすみます。私自身、自殺を思ったのはそのときだけでした。家族の元に帰ってからは、そのことを考えることはありませんでした。
命が残るというのは、再び苦しみの中へ戻ることでもありますが、また元気になれるチャンスにかけましょう。
《ポイント》
精神科の窓口に行くのは、勇気が要るものです。でも、こだわりを捨ててその扉をたたきましょう。また、自殺を思いつくまでになって、はじめて行
くような場合は、一人では危険かもしれませんから、誰かに同行をお願いしてください。
医師の質問には、つくろうことなく素直に正直に答えましょう。あなたの苦しさを訴え、医師の指示に必ず従ってください。全幅の信頼をおくことがスタートです。
入院をすすめられたら、上司に話して、受け入れる選択をしてください。ただし、最初から思い切った配置転換をしてしまうと、あとで後悔するとも聞きます。初期の段階なら短期間で治る可能性も高いので、業務の担当者替え程度にとどめておいたほうが無難です。長期になるようであれば、配置換えを嘆願することです。
いずれにしても即断せずに、落ち着いて決めたほうがいいと思います。
【進行中の注意点】
うつ病が進行すると、いろいろなところに症状が出てきます。それでも「自分は病気だ」という自覚がないと、事態は深刻になるばかりです。癌や成人病であれば、人間ドックの血液検査の数値が、治療のきっかけになります。うつ病の場合は、数値に替わるものとして、表情や言動に異常さを見るしかありません。
本人が気づかないようであれば、まわりが理解、納得させて、医師への相談をすすめてください。また、本人も「大丈夫か?」「休んだら?」といった周囲の気遣いを救いとして、病院へ行く決意をすることです。
そして、さらに深く思いつめることになっても、生への執着を捨てないでください。瞬間、誰かが思いとどまらせる信号を送ってくれますから、それを見逃さないでください。

うつ病の治療の長期化の分かれ目

うつ病が治るとはどういうことか?
はじめての診察は十分ほどで終わりました。医師は、投薬治療に加えて、入院、配置換えなどで環境を変えたりしながら、うつ病に至った原因を見つけて解消していくという、一般的な治療方針を説明しました。治っても再発をくり返す場合が少なくないこともつけ加えました。
一通りの説明を受けて、私は人事担当者に配置転換、すなわち転勤を申し出ることにしました。仕事自体をやめようとは思いませんでしたが、立ち直ってまた戦列で働こうという気力はなくなっていたのです。
さて、うつ病の体験者の話で、「ある日突然、病気から脱出した」といったことを聞く場合があります。そう書かれている闘病記もたくさんあります。たしかに、そのように脱していく人もいるのでしょう。しかし、私自身の経験から言えば、目から鱗が落ちるように「突然、脱出!」などということはありませんでした。うつ病の症状や回復のプロセスは人によってさまざまです。症状が軽い人もいれば、重い人もいる。短期間で治る場合も、治療が長期化する場合もあります。それに、たとえ症状が軽い人でも、治療法が合わなかったりすれば、治るまでに時間がかかることもあります。
私の場合は、薬を服用しながら、2週間おきに通院していました。担当医の「いかがですか?」を合図に、私の話を聞いていただきます。よく眠れるか、薬の副作用はあるか、あるとすればどの程度かなどの質問に続いて、「仕事はどうですか?」といった話もします。薬のせいで午後になると体がしんどくなるという場合は、「量を半分にしてみましょう」と指示されることもありました。
先生は他愛のない会話の中に、私の回復度合いを読み取られていたのでしょう。
「うつ病判定機」なるものがあって、数値がいくつとか、何色のランプが点灯しているからどの程度、などと明確にわかればいいのですが、うつ病はそういう病気ではありません。私の口調や表情、受け答えの際の理解度、冷静さ、話の内容などから判断されていたのだと思います。これらは、うつ病の一般的な治療の形だと思われます。
うつ病の回復について話を戻しますが、ただ体調や精神状態がよくなっただけでは、治ったことにはなりません。病気になる以前の状態に戻っただけ、ともいえるでしょう。なぜなら、また激務に追われたり、複雑な人間関係に巻き込まれるなど、こころや体に負担がかかる条件がそろえば、うつ病を再発する可能性があるからです。
うつ病は、その人の「性格」と「思考」に深く関係しています。うつ病になりやすい気質、物事のとらえ方、考え方というものがあり、それを変えない限り、治ったことにはなりません。だから、治療にあたる医師も、患者の話を聞きながら、患者と一緒に病気になった原因を探していきます。
体調や気分がよくなったからといって、すぐに「もう大丈夫」などと過信するのはよくありません。

うつ病は「環境」を変えて「投薬治療」をすれば治るのか?

うつ病の基本的な治療法は、休養と薬物投与、認知手法、そしてそれらの複合治療です。だから、うつ病と診断された患者に、医師はまず休養をすすめます。休みをとるとか、さらには入院するといった選択です。
私がかなり回復したころのことですが、同じようにうつ病に苦しむ、入院中の友人と話す機会がありました。薬の影響なのか、会話も成り立たないほど朦朧としていました。その後も、何度か入退院をくり返したようです。私自身は通院治療でしたが、たとえ入院したとしても、大変な心労が続くものだと知りました。
上司に頼んで配置転換をしてもらい、治療環境も整えた。指示されたとおりに薬も飲んでいるし、通院もしている。これで元気になれるかもしれない。患者はそう期待します。しかし、そう簡単にはいきません。やっかいなこの病気は、治療をはじめてからも、さらに根を広げていく生命力を持っているのです。
東京にいた時期の私の業務内容は、案件の企画立案、それに関係する部署や外国を含む関係機関との調整、説明資料の準備、予算の確保など、いわゆる担当する案件の調査官業務でした。
民間の企業で働かれている方もそうであるように、霞ケ関で働く人々の仕事の量は多く、朝から時には深夜まで業務に追われています。また、その内容も国の根幹、基幹となる大変な案件も少なくありません。抱える案件が大きいだけに、チームで取り組まなければ成し遂げられないものばかりで、責任の重さもあって、私の生活のサイクルは「安定的で健全」とは程遠いものとならざるを得ませんでした。
福岡に異動してからは、ほとんどの人が24時間をカバーするシフト交代で働いており、不規則な勤務です。そのため、これもまた健康に重点を置いた生活パターンとは縁遠いものでした。
このように、「環境を改善する」といっても、完全に健康優先、治療優先というわけにはいかない場合もあるのです。うつ病は、「環境」や「薬」だけで治せるものではありません。多くの場合、患者はうつ病にかかる原因となった「性格」や「思考方法」を抱えていますが、そうした「負の性格と負の思考」は急には変えられません。回復に向かって治療する一方で、回復を遅らせる逆向きの力を内在させているような状態が変わらなければ、治療は長期化することになります。
数年たっても回復しないとき、患者の焦りは強くなり、そして失望します。個人差があるとはいえ、うつ病の平均的な治療期間は3ヵ月といわれます。2、3週間から半年という説もあります。私自身は結局5年間かかりましたが、福岡に帰って2年目を過ぎたころから、とくに焦りが強くなりました。
そのころの私のように、なかなか治らないうつ病に苦しみ続ける人のこころと体は、こんな状態ではないでしょうか。
①スッキリした目覚めにほど遠い
ずっと不眠に悩まされた私ですが、治療をはじめてからは、薬が強制的に眠りの沼に引きずり込んでくれました。しかし、必要以上に眠らせようとするのか、朝起きてもスッキリ感はありません。神経の高ぶりを抑える成分が、より多く調合されていたからかもしれません。薬のせいだけでなく、「今日のしんどさ」を思うとつらくなる、という精神的なものもありました。
②食事はとれているのにパワーが出ない
元気がないのも、うつ病患者の特徴の一つ。一日中ボーッとした気分が続いていました。食後の薬が日に3度あったので、力が出ないのはその影響のような気がしていました。焦らず、薬を手放せる日を待つしかありません。 この時期は、軽い抗うつ剤や睡眠剤の助けが必要です。患者がしんどさを訴える場合は、一日一回など服用回数を調整することもあります。
また、ボーッとしてしまうことや元気が出ないことなど、なんでも「薬のせい」と考えてしまうと、必要な薬物治療の中断につながりかねないので危険です。ボーッとした気分などは「うつの名残」ともいえます。
③元気なふりをしてしまう
私は配置転換をしてもらい、仕事を続けながら治療することを選びました。そのため、たとえ治療中でも、日常業務は待ってくれません。当然、ひどく疲れることもあります。
自分のうつ病が周囲に知れているようであれば、隠そうとするのはマイナスでしょう。人の目が気になると、健康や元気さを装うようになり、なおさら苦しくなります。疲れたら事情をあかせばよいのです。まわりは受け入れてくれます。
④治っていると虚勢を張る
とくに壮年から熟年にある人は、立場を気にして無理をしがちです。病気のイメージを隠そうとしますが、それは虚勢にしか映りません。そして何より、ふりをすることは回復を遅らせます。
「あの人はうっ病だ!」という負のレッテルをはがしたい。病気持ちの印象を薄めたい。健康を印象づけて、マイナスイメージを一日でも早く払拭したい。そんな願いと心根から、私も虚勢を張ってしまうことがありました。
しかし、卑屈さから来るふるまいは、私を過剰に張りきる管理職に仕立て、いまに思えば、はた迷惑で困った人になっていました。
⑤口もきけないほど憔悴する
仕事に追われていると、とくに夕刻がつらくなります。エネルギーが底をつくからです。これもうつ病の症状の一つで、本当に「口もきけないほど」疲れてしまうのです。
事情を知らない人や心ない人からは、「覇気がない!」などと言われることもあるでしょう。でも、そんな陰口は気にせず、無視することです。

いつまでも続く「回想」と「反省」

環境が整い、専門医との2人3脚がはじまれば出口は近い。今日にでも、明日にでも……と期待はふくらみます。睡眠時間も8時間とれるようになれば、治らないのが不思議と思えるからです。
環境、投薬治療そして睡眠、これらは医師が言う治療の条件です。環境は、仕事の多忙さ困難さ、友人や上司などの人間関係を意味し、力まなくても転がる程度の忙しさならば、環境は悪くないといえます。
神経がデリケートな人は、日常の会話ややりとりの中でストレスを蓄積していきます。サクサクと進まない仕事も、血圧を一気に押し上げます。とはいえ、同僚とのやりとりがかみ合わないのはよくあること、会社人間であれば避けられない試練みたいなものです。うつ病の人も、それはわかっているのです。でも、本人の意思とは関係なく回り続ける「反省の独楽」がこころの中にあるかのように、「何かまずかったのだろう」「うまくいかなかった原因はどこにあったのか」「あのとき発した言葉は、どこで勘違いされ、顰蹙を買ったのだろう」……と、悔恨が渦巻くのです。
私も、他人の言葉に傷つき、勝手な思い込みが暴走していました。報告や仕事が遅いと言われているのではないか。悪い風評が渦巻いている。先ほどの薄ら笑いは自分に向けられたものではないか。ちょっとしたことから、妄想は破裂するほどふくらみ続け、ありもしない情景が頭の中を回りはじめるのです。
役立つ反省であれば、あなた自身の学習機能を高め、明日の栄養になる健康的な勉強といえます。しかし、「うつ病思考パターン」にはまった反省だと、出口の見えない回想の世界で、不毛な反省に活力を吸い取られるだけです。後悔に苦しみながら、背中は丸くなり、視線は落ちていきます。
この独楽を止めるには、いま取りつかれている病気、うつ病の実体を、なんとかあぶり出さなければなりません。絵や写真にすることはできませんから、あなた自身が存在を知覚し、その動きを観察することが必要です。
次の項目に当てはまる行為、それをさせているのがすなわち「うつの存在」です。
①病気になった原因をしきりに考えている
公園のベンチで「なぜ自分はうつ病になったのだろう」「どうしたらならずにすんだのだろう」と、いまさら考えても仕方のないことを、いつも思い起こしている。
答えが見つかるはずはないのに。
②誤解を解こうと言い訳をしきりに考える
たとえば、会社の発展を思って提案した企画が、個人的な興味や目立ちたいがために出した、といううわさが立ちはじめたとします。「いや、そうではない。それは誤解だ、自分の本意は……」などと言い訳をしきりに考える。
いったん走り出した誤解は、一個人の力ではどうすることもできないのに、「そのうち誤解が解ける」とは考えられない。
③きつい言葉が、耳元でくり返される
担当した案件について、顧客から「説明を受けていない!」とクレームが来れば、当然上司や同僚からは叱責されます。「いままで何やってきたの!」といった言葉が、相手の表情と一緒に頭の中でくり返される。しかもエンドレスに。「誰にだって失敗はあるよ!」と開き直ればうつ病も逃げていくのに。
④眠気はあるのに回想のせいで眠れない
悔やむ、反省する、そして答えを探し求める。ほかのことに頭が切り替わらない。脳みそが勝手に回りだして眠りを妨げる。これがうつ病の中で一番つらいのではないでしょうか。
もちろん、薬によって以前よりも眠れるようにはなります。しかし、投薬治療をはじめてからも回想の癖がなくなることはなく、しばしば悩まされました。「毎日が闘い」と気負う気持ちがあったからでしょう。眠りに落ちてからも、裏画面では回り続けていたように思います。

「後悔」と「自己否定」がつきまとう

回想と反省は健常者にもあることですから、そのことが即うつ病ということではありません。ただし、過剰に気になる人は厄介なものを呼び込みます。それは「邪推」と「妄想」です。
「すみません!」とか「申し訳ない!」と頭をかけばすむ程度のミスを、重たく考えて気にやんで、後悔の念を抱え込んでしまうことが問題なのです。
後悔は、とりも直さず自己と自己の選択の否定にほかなりません。普通の人なら、後悔しても、要点だけ押さえたらサラッと流し、明日に役立てます。でも、うつ病
の人はそれで終わらず、「誰かが手を貸してくれれば失敗しなかったかもしれない、ひょっとしたら誰かの作為があったのだろうか」といった思いが走りだすのです。
そうした邪推は脈絡のない妄想になり、消しても払ってもわきあがります。あらぬことまで想像し、患者の休息時間を取り上げ、神経をじりじりと締め上げます。
仕事を終えたあとは、安堵と休息がもたらされるリフレッシュの時間ですが、この大切な時間を、うつ病の人は自分自身を痛めつける時間にしてしまうのです。
社会に出ると人の評価はシビアになります。間違いも失敗もつきものですし、いちいち気にやむことはないのですが、うつ病の人にはこたえるのです。ただの失敗で終わらずに、神経を圧迫するほど自分でふくらませてしまうからつらいのです。
失敗の原因を探りすぎるのはやめましょう。「これが原因だ!」と明確に言えるものがないのが当たり前。この「当たり前」を納得することが、とても大切です。
うつに取りつかれている人は、原因を探し、その要因をつぶせば解決すると考えてしまいます。机の引き出しや座布団の下、脳みその片隅、または記憶の何コマ目かに潜んでいるに違いないと錯覚するのです。「正解があるはず」というのは妄想ですから、たとえ打開策が浮かんでも架空のものでしかありません。
冷静さをなくしたら、当然まわりの声は届きません。暴走としか言いようがない思考は、人の意見を聞く平静さをなくしてしまいます。これもうつ病患者の特徴といえるでしょう。目つき、そして行動もおかしくなっていきます。哀しいかな、本人に自覚はなく、ただただかたくなになっていくだけです。

うつ病治療の長期化を防ぐポイント

うつ病治療の長期化を防ぐポイントは、自分が病気であることを自覚し、一日も早く神経科、心服内科、精神科など、専門家のもとに足を運ぶこと以外にありません。本人が気づかない場合は、まわりの人が本人を納得させて医師に相談することです。
治療中は、回復へ向かおうとする力と、病気に引き戻そうとする力が押し合いへし合いしている状態で、引き戻そうとする力がなかなか弱まらないために、治療が長期化するのではないか、と私は考えます。そして、病気に引き戻そうとする力とは、本人の思考やこころではないかと思えるのです。
また、これも個人的な考えなのですが、体調や気分の面だけの回復は、うつ病になるスタート地点に舞い戻ったことでもあり、根本的な解決がなされていないために、比較的すぐに再発してしまう。そのサイクルが早いので、結果として治療の長期化になるのではないでしょうか。
私も治療が長期化した一人ですが、その経験から、治療における反省点は、このブログで何度も記述したとおり「反省・後悔」をしないことだと考えます。
長期化させないためには、両発のサイクルを、自分からすすんで外れればよい。それには、ものの見方とらえ方、早い話が性格を変えることが必要で、手っ取り早いという結論に達しました。
 
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