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医者が勧めるAGA(男性型脱毛症)治療

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医者が勧めるAGA(男性型脱毛症)治療

小児科医「常在菌は皮脂が好き!洗いすぎは逆効果」

寺澤さん登場!
さて、目下の興味は、太陽油脂で教えられた常在菌の働きについてである。ぜひ、専門家の意見が必要だと思っていたところ、常在菌の有用性を訴えている仙台市在住の小児科医、寺澤政彦さんにお話をうかがうことができた。
ちなみにこの寺澤さん、ドラマにもなった週刊少年マガジン連載中の漫画「クニミツの政」(安童夕馬著、朝基まさし画、講談社)に登場していることでも有名だ。第20巻において、食とアレルギーの観点から、農薬の使用の是非を論じている。その容貌は漫画を参照していただくことにして、取材スタートだ。
「人間の皮膚には1兆の常在菌がいるんですよ。腸には100兆もいる」
と、寺澤さんは話し出した。常在菌とは、皮膚、腸、口腔、呼吸器など人体の各部に存在し、平素は無害に活動しているさまざまな菌の総称である。
「これら互いに抑制し合っている菌同士のバランスが崩れると、皮膚炎とかが起きやすくなる」
 
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たとえば、思春期以降のニキビ。これは、ホルモン分泌の変化のほか、常在菌アクネ菌の異常繁殖が一因をなしているそうだ。
また、水底を伴うとびひという皮膚炎も、ブドウ球菌なる細菌が原因だ。ブドウ球菌は常在菌として広く人間の皮膚に存在している。平素は無害だが、抵抗力が弱った場合、中耳炎から副鼻腔炎、さらに食中毒から肺炎までを引き起こす。最近では抗菌剤(抗生物質)に耐性を示すMRSA(メシチリン耐性ブドウ球菌)に変わりつつあり、治療がどんどんむずかしくなっているという。
そして、中高年に最近多いフケ症。こちらも、常在菌のバランスが崩れたために起こることが多い。
少量ならば健康の証ともいえるフケだが、あまりにも多い場合、マラセチアという菌の異常繁殖を疑わなければならない。この菌によって受けるダメージを回復するため、頭皮そのものが新陳代謝のスピードを大きく加速させ、角質の屑であるフケをどんどんと生み出している状態なのである。
「ハゲる前には大量のフケを伴う」という体験的談話があるが、確かに危機的状況にある頭皮では脱毛も引き起こされる。これが粃糠性(ひこう性)脱毛というものである。
私は寺澤さんに、フケ症の予防も含めて常在菌とのつきあい方を尋ねてみた。
問題は洗いすぎ
「常在菌にはテリトリーというのがあるんですよ。互いに互いの嫌がる毒素を出したりして勢力を保っている。たとえば、健康な人なら、鼻の奥にはブドウ球菌はいない。ブドウ球菌の侵入を防ぐため、インフルエンザ菌や肺炎球菌、モラキセラ・カタラリスなどが常在しています」
皮膚においても、体の部位ごとにさまざまな菌が定住しており、互いに棲み分けている。ところが、肌のバリア機能が損なわれている場合、普通はそこに定住できない菌が棲み着いたり、ある特定の菌の勢力が異常に増してしまって、さまざまな皮膚炎を引き起こすのだという。
それでは、どうすれば健康な皮膚、丈夫なバリア機能を維持できるのだろうか? 合成洗剤の害は、あらゆるところからさんざん間いていたので、私はこれらが皮膚にとって害になるのか間いてみた。
「どうかな。そういう化学物質は、結局は量と付着している時間が問題でしょう。仮に石けんでも、くっつけたままにするとかぶれますよ。もし、合成洗剤に問題があったとしても、もっとほかに肌に悪影響をおよぽす物質はいっぱいあるから、医学的に取り上げられるには、これは優先順位でかなり後ろに来るでしょう」
予想に反した冷静な答え。確かに、化粧品分野ひとつとっても、もっとひどい成分はいくらでもある。発ガン性が指摘されて回収騒ぎになることすら、まれではない。たとえば、コウジ酸が有名だ。03年、美白化粧品に含まれていたコウジ酸に発ガン作用があることが認められ、この成分を含む化粧品を製造・輸入することを厚労省は禁止した。だが、ある種の防腐剤やタール系色素など、コウジ酸よりはるかに危険とみなされうる成分は数多くあり、いまだに使われ続けているのだ。
とすると、洗浄剤自体には、あまりこだわらなくていい?
「人によってなにに刺激を受けるかは違うから、一概には言えない。私もね、アトピーの治療で患者の人と話すと、合成洗剤でもいいんですかなんて驚かれるんですけどね。問題は、過剰な殺菌や洗浄のしすぎのほうにあると考えています」
私は、すかさず五木寛之氏を引き合いに出した。全然洗わなくても、とくに皮膚に異常をきたさない人もいる。ああいう人の頭皮は、どうなっているのだろう?
「かなりいい常在菌がいるんでしょうねえ。全部、菌がうまいことやってくれてるんでしょ」
だが、皮脂が酸化すると、皮膚を刺激して炎症になる。だから洗えというのが一般的なスキンケアの常識なわけだが……。
「いや、ほっておいても、脂は常在菌が食べるつまり分解するでしょう。ほかの動物でもそうなってるはずです。まあ不快なときは水浴びすれば済むわけだから……」
そして、寺滞さんはむかしを考えてみればいいとアドバイスしてくれた。
「昭和30年代なんて、風呂に入るのは週に2回程度だったというからね、調べてみてごらん。それでも、ほかの国々からはかなり清潔だっていう評判だったようだよ」
さっそく、調べてみた。日本国語大辞典第二版オフィシャルサイトには、こう書いてある。
「70年代半ばまで日本人の平均洗髪回数は3日に1度もあったかどうか。当時、丸谷才一氏がエッセイで『三日に一度はかならず頭を洗う』と自信みなぎる筆致で書いていましたから、おそらく氏は文壇でも洗髪回数が多いほうではなかったかと思われます」
70年代よりさらに以前の洗髪状況はどうだったのだろうか。家事評論家の先駆として有名な西川勢津子さんの「ちょっとすてきなないしょ話」(文春文庫、85年)にはこんな記述が見られる。
「(花王の宣伝部長であった山形弥之助氏は)昭和のはじめに花王石鹸に入社して、1年に数えるほどしか髪を洗わなかった日本人に、月に一回から、とうとう週に一回シャンプーをさせるように習慣づけた、かくれた恩人なのです。髪は一年に一回、七夕の日に、ふのりや小麦粉で洗うだけ、なんて信じられないでしょうけれど、昭和一桁というのはそんな時代だったのです」
「毎日頭を洗うのは、肌や常在菌にとってよくないことなんでしょうか」と寺滞さんに質問すると、
「えー? いまの人、毎日洗ってるの?」と驚かれてしまった。
少なくとも、若者は毎日シャンプーで洗っていると思います。ほとんど常識と言ってもいいんじゃないですか。
「私はね、子どもに、4〜5日に一度、シャンプーしたり体を洗浄剤で洗えって言いますよ。そのほかの日は、お湯で洗い流すくらいで充分。そもそも、入院患者なんて風呂に入らないじゃない。
濡れタオルで体を拭くだけなんだけど、それでも汚れと常在菌の70%は取れちゃうからね」確かに、水洗いで汚れの大半は取れる。ただ、頭皮は髪のせいで脂が取れにくいのも確かなのだが。
「けど、洗いすぎはまずいでしょう。たとえば、顔のニキビなんか、洗いすぎはもう完全に逆効果ですよ。洗えば洗うほど、結局、常在菌のバランスがどんどん崩れていきますから。遺伝的になりやすいっていう部分は大きいんだけど、根本的には普通の人では悪さをしない菌が、ほかの菌より強くなっちやって炎症が起こっているわけだから」

朝シャン止めたら生えてきた

たとえばダブル洗顔(クレンジング後に洗顔フォームなどで再度洗う)という洗顔法があるが、これは欧米では受け入れられない常識だ。フランスなどでは、ミルククレンジングで拭き取るだけの洗順法が主流であるという。
おそらくダブル洗髪……予洗いのあとしっかり洗い直すべきってヤツも、日本だけなんでしょうかね。
「女の人で、こう、分け目が薄くなっているのいるじゃない? あれ、明らかに洗いすぎじゃないかなと思うよ」
「実例はあるんですか」と聞くと、「朝シャン止めさせたら生えてきた例ならある」そうだ。
「朝洗うの止めるように指導したら、元どおりになったよ。そりゃ強いシャンプーで洗いすぎれば、頭皮は傷むよ。それだけいつも負担がかかるんだから」
もっとデータがないとなんとも言えないのだが、興味深い一例であることは確かだ。牽引性脱毛といって、髪を後ろに束ねたりしていると、引っ張られる生え際部分などが薄くなることがあるという。慢性的な負荷は、頭皮にとっていいことではないのだろう。
こうなると、寺潭さんがどのくらいシャンプーで髪を洗うのかが気になる。
「3日にいっぺんくらいかなあ、ほかの日はお湯で流す。それで充分ですよ」洗浄剤は何を使っているかと問うと、石けんとのこと。
やっぱ石けんなんですか。
「まあ、自分に合ったものを使えばいいわけで。ぼくのお袋は、石けんですらなくって、サイカチっていう木の実を使っていたなあ。あれが、なんか自分に合うって言ってました」
こういう常在菌のことって、皮膚科医は積極的に言いませんね。本を見ても、免疫学者や細菌学者や寄生虫学者とかばっかりで。
「胃腸科なんかでは、研究は盛んなんだけどね。腸内細菌があるから……」
寺澤さんが予想するに、皮膚科としては、いままでの殺菌・抗菌原則を簡単に覆すわけにもいかないからではないかとのこと。
「でも、ほかの分野の研究がもっと盛んになれば、皮膚科も影響を受けざるをえないと思いますよ。
最近の研究なんだけど、腸の常在菌を調べたら、まだ未知の細菌が200以上も発見されたというんだよ。だから、菌そのものにもまだわからないことは多いし、これからという側面があるよね」現在、フケ症をはじめ頭皮の異常が増えているという。いかに菌と共存するかは、ヘアケアにとっても重要事項ではないだろうか。

内分泌科医

虎の門病院から緊急提言育毛もサプリもほどほどに

田ロ医師登場!
皮膚科と小児科に続く取材は内分泌科だ。本来であれば、これも潜人取材とすべきところだが、残念ながら、どう考えても私がいきなり内分泌科にかかることはむずしい。性転換志願者として行くか……と考えもしたのだが、人前で局部でもさらけ出すハメになるまいかと、気が気でない日々を過ごすハメに。だが、知人の伝手をたどることで、なんとかホルモンの専門科医をゲットー しかも皇族・政治家御用達の、虎の門病院ときた。私が女だったら、いまごろ王の輿は間違いない。
さて、取材先に現れた田口学さんは、拍子抜けするほど温厚そうな人である。動物で言えば……ラッコに似ている。一挙に緊張がほぐれた。
あれですか、オナニーしまくると抜けますかね。
「いや(笑)、なんだって?」
あのですね、髪のためにオナニーしないっていうファンタスティックな運動が一部であるんですよ。「禁オナ」っていう。あれ、どうなんだろうかってホルモンの先生にお聞きしたかったんで
す。オナニーしまくれば、男性ホルモンの分泌が盛んになってしまってヤバいんではないか、という俗説からきているようなんですが。
「……それは、たぶんないなあ。ホルモン分泌量は、あくまでも生理的な調節にもとづいて厳密に調節されているわけで、そんなことをしたら溜まっちゃうだけじゃないかなあ」
仮にですよ、すごい田心が、1目5回10年間続けたとします。で、彼がほとんどやらなかっ
た場合と比べて、彼の田心性ホルモン分泌量はダ
ントツにアップしたりしますかね?
「ないか、ほとんどないと思いますねえ(笑)
あくまでオナニーネタで引っ張って本当に中し訳ないんですが、あと、粒子の中の栄養素は髪にとって重要じやないかという理由もありまして……。
「いや、そんなにたいしたことないですよ、しすぎて栄養失調とかありえませんよね」
5回とかでも?
「5回とかになると、さすがに……」
と粘っこく続いたオナニー談義がついに幕を閉じ、いよいよ、目的のホルモン薬についての話である。

市販育毛剤の女性ホルモンは効果的?

えーとですね、女性ホルモンが脱毛治療にも使われるんですが……。よく見るのが、エチニルエストラジオール。これ、ピルの成分ですよね。
「ああ、更年期障害でも処方しますよ」
このエチニルエストラジオール、あと安息香酸エストラジオールとか……。
「どちらも、ほとんど同じモノです」
こういう女性ホルモンがすごく少ない量だけど、育毛剤に入っているんですよね。もうかなりむかしから育毛剤に使われてるんですが、どの程度、効くんでしょうか?
「わかんないなあ。局部的に男性ホルモンの作用を抑えているのかなあ……? 直接、拮抗するものがあれば、まあ可能性はありますけど。まあ、ちゃんと効くなら、ダブル・ブラインド・テストをするなりして科学的に証明できないと、なかなか信用できないよね」
いや、見たところ、ホルモン系の成分に限らず、育毛剤でそこまでやってるのはほとんどないです。
このダブル・ブラインド・テスト(二重盲検法)とは、プラセボ(思い込み)効果を排除して信頼性のある薬物のデータを採るための重要な手法だ。該当の薬の使用群と、偽薬を与えた使用群に被験者を分け、その効果を比較する。この際、誰になにが投与されたかは医者にも明らかにされないという、薬品の効果を測定するには欠かせないテストである。
大手の化粧品会社なんて、広告費の半分くらいをこういう検査のために使えばいいんですけどね。で、先生のとこ、髪のためにホルモン治療受けに来たりする人いますか?
「いない、いない(笑)!!」
じゃ、性転換の人は?
「それも、残念ながら、いないですねえ」
うーん、もし私が性転換志望者として潜入取材していたら、虎の門病院創立以来だったわけだ。
惜しいことをした・・。
えーと、それで、プロペシアっていう抗男性ホルモンが、男性型脱毛の抑制に使われているんですが、こういうのは内分泌科では……?
「うーん(笑)。よくわかんないなあ。それは泌尿器科の領域だよね。前立腺の治療の。ま、ぶっちゃけて言いますとね、医者っていうのは、自分のとこの専門領域以外はよくわかんないですから」
ちなみに、男性機能の弱った人に対する男性ホルモンの投与は行っているらしい。

ビタミンの過剰摂取に気をつけろ

では、専門家として、そういうホルモンを操作する薬を投薬する際の注意点とかありますか?
「やっぱり、ちゃんと健康チェックを欠かさないことだね。いろいろ臓器に負担がかかるから」
つぎに望ましい食生活についてうかがうと、ビタミンの摂取法について教えてくれた。たとえば、βカロテンについてである。
βカロテンって、体内でビタミンAになる前駆物質ですよね。ガンを防ぐとかなんとか、テレビでさんざん見ました。ジュースにもいっぱい入ってますよね。
「ええ。そもそもは、緑黄色野菜をきちんと摂取している人のほうがガンになる確率が低いという調査結果があったんです。そこで、ビタミンAやβカロテンがガン予防に効果的ではないか、いろいろな調査がなされたんですけど・・結果としては、特定のもの、たとえばサプリメントでβかロテンばかりを大量に摂取しても、必ずしも効果はなかったんです」
サプリメントじゃ効果がない?
「だから、いろいろなカロテノイドをまんべんなく摂る。つまり、食事としてバランスよく摂取することが大切ですね」
しかし、後日これについて補足取材を行ったところ、βカロテンは効果がないだけですむような代物ではないことが判明した。欧米各国で行われた大規模疫学調査では、サプリメントによる単独のβカロテンの投与は、とくに喫煙者において肺ガンのリスクを高める可能性があるという結果が出ている。たとえば、フィンランドでの3万人規模の疫学調査では、βカロテン摂取喫煙者の肺ガン死亡率が8%上昇したため、
「βカロテンとビタミンAのサプリメントによる摂取は害であるかもしれない」と結論づけられた。また、1万8000人規模のアメリカでの調査によっても、これらのサプリメントの摂取は肺ガンと循環器障害による死亡率を高めてしまうことが報告されている。
これは考えさせられるニュースだ。細胞レベルでの抗酸化能力が実証されているはずのこうしたビタミン群が、なぜ逆に人の死亡率を上げてしまうのだろう?
まず、全体のバランスを考えずに、単一の栄養素だけの摂取が好ましくないからと考えられる。
「ビタミン・ショック」(ハンス・ウルリッヒ・グリム、イェルク・ツィットラウ著、佐々木建・花房恵子訳、家の光協会、03年)によると、ビタミン類の成分は、それこそ無数に分類されうるという。たとえば、カロテノイドにはβカロテン以外にも、現在650種類もの成分があると推測されており、ビタミンAに変化するものだけでも50種類以上存在する。たまたま、現在の技術力で安価に合成できるのがβカロテンなだけであって、これだけ摂っていれば健康になれるということはない。むしろ、特定の物質を過剰に摂取するのは、栄養バランスを崩すきっかけになる。
さらに、合成のビタミンは、天然物に比べて吸収・分解されにくいという特徴をもっている。その作用にはまだ不明な点も多いのだ。たとえば「ビタミンの過剰摂取が有害でないという証拠はない」という理由で、ノルウェーでは、ビタミンとミネラルを添加した食品の輸入を禁止しているくらいである。

ビタミンは普通の人では欠乏しない

育毛なんかの本を見ても、ビタミンの摂取はけっこう推奨されてるんですよ。サロンでも、サプリメントはどこも常備してました。もう、健康食品会社みたいなところもありますからね。……
で、先生、ビタミン剤とか飲んだりしますか?
「飲まない、飲まない。というよりねえ、ビタミンは普通に暮らしている人なら足りなくなるなんてことはないよ」
確かにそのとおりだ。そもそも人間は、ビタミンC以外のビタミンは体内でっくり出すことができる。拒食症においてもビタミン欠乏はまれにしか起こらないというから、健康な人がサプリメントを常用する場合、そもそも過剰摂取になっている可能性が高い。さらに言えば、βカロテンやビタミンB類は着色料として広く食品に使われているし、ビタミンCやEなども酸化防止剤として食品加工過程に必須のものである。つまり、菓子や清涼飲料水、弁当など加工食品には、安価に製造された合成ビタミンがはじめから大量に添加されている場合が多いのだ。
育毛のためにサプリマニアになるのは、場合によっては体の機能を低下させてしまい、髪にも逆効果となるおそれがある。できるだけ生鮮食品で栄養を摂取するに限るだろう。サプリメントの摂取にせよ、髪のためになにかしようとして、それが逆効果になっちやたまらないですね。
「うん、カロテノイドをとってみても、医学的に有効とされている而もありますし、使い方がむずかしい。もっともっと研究しなきやダメでしょう。結局、まだ人間の体はわからないことばかりなんですよ。だから、まあ健康が一番で……髪もそこそこにってことで」
もちろん、健康でないと生えるものも生えない。ホルモンというよりは食生活の話になってしまったが、これはなにより有益な情報である。本当の意味での健康志向とはなにかということを、深く考えさせられるものであった。

パレスクリニック

未承認薬オンパレードパレス流発毛術

さて、ついに! 未承認薬を使用した毛髪治療の潜入取材である。
まずは、パレスクリニック。東京都内でも有数の先端治療を行うとのことで、受診決定。場所は東京メトロ東西線竹橋駅の巨大な駅ビル。毎日新聞本社が入っていることで有名だ。1階はアーケード街になっており、その一角にテナントがある。驚いたことに、待合室は若い女性でいっぱいである。壁にはレーザー脱毛から、ケミカルピーリング、イオン導入、ヒアルロン酸注射やらボトックス注射といった、さまざまな美容外科的ポスターが貼られている。
髪関係のポスターは一枚もない。もしや、来るところを間違ってしまったのだろうかと、不安な気分でいると、男がひとり入ってきた。ルーズなジーパンを引きずって、財布のチェーンをぶらぶらさせた金髪の小僧。少なくとも、いまは髪の悩みじゃなさそうだが……。受付の看護師との会話を聞くと、どうやら脇毛なのか、すね毛なのか、ともかくレーザー脱毛を受けにきたらしい。かたや毛を抜きに、かたや毛を生やす方法を聞きに来ているわけだ。なんとも皮肉な。
ただまあ、俺も太腿の裏にまで、ゴキブリの脚みたいな毛が生えているしなあ……よしゃ、いっちょ抜くか、とレーザー脱毛の料金表を見てみる。完全に抜くには1回では無理なので、フリーパス料金が設定されていた。いったん全部抜いたとしても、休止期の毛がまた生えてくるから、こういうものは何度もやらないといけないのである。これによると、女性用の料金は、両脇5万円。両脚が2万円。乳首周辺も2万円。そして外陰部9万円……。外陰部。外陰部か。受付の女性の群れを眺めながら、俺、医学部もう一度行こうかな!などと馬鹿なことを考えていると、看護師が私の名前を呼んだ。

バイアグラ先生登場!

指示されたとおり、いったんアーケードの通りに出て隣のブースに移動する。髪関係の外来はちょいと離れている。なんだか、後ろめたい気分だ。入が来やしないかと恥ずかしいので、そそくさと歩き、すばやく診療室へ入り込む。
医者は、歳のころ50代前半と思われる小柄なおっさんだった。顔色はあまりよくない。髪は、薄いのがぺったり頭に張り付いていて、お世辞にも豊かとは言えない。
イスにかけたとたん、「バイアグラ」とロゴマークがプリントされたペン立てが目に入り、衝撃を受ける。あっ、すげえ、こいつはかなりレアだ……とすっかり気を取られていると、バイアグラ先生は大きく咳をした。
「で、髪のご相談ね?」
あのですね、分け目が薄くなってきたので……。診てもらおうと思いまして。あの、いろいろありますよね、治療法が。「ええ、まあ、ヘアエステとか育毛と、発毛もやりますね。というか、メインは発毛ですね」
バイアグラ先生は、それじゃあとりあえず脱毛の種類を説明するから、と机の上のファイルを開いた。中には、3つの脱毛症例が並んでいる。
「まず、男性型脱毛。それと、円形脱毛。あと、休止期脱毛。こういうのがある」
ちなみに、休止期脱毛とは、ストレスや頭皮の緊張などで毛の成長が滞るものだという。
「でも、ないだろ、ストレス?」
なんという失礼な……。私はそんな能天気に見えるのか?
「まあ、とにかく男性型の線で診てみるから、その説明ね」
医者はさっさとファイルの別のページを問く。
「男性型脱毛はね、毛の成長サイクルが短くなって、毛全体がミニチュア化するの」
そして、ファイルの絵を示す。
「毛が、成長の途中でストップかかっちゃって休止期に移行する。だから、この休止期になる前に毛乳頭に成長促進剤を入れる。こういう薬がミノキシジル。リアップに入ってるヤツね」
このほか、抗老化作用のある成長ホルモンや、ヒトプラセンタ(人の胎盤)まで注射してくれる。これらは薬物として認可されており、細胞を活性化したり、免疫力をつける効果があるらしい。
「だけど、基本的に男性型脱毛はホルモンの問題だから」
とバイアグラ先生は、デヒドロテストステロンの話を始める。
「5αリダクターゼがつくるヤツ。知ってるだろ? これが毛乳頭に作用すると、自己免疫反応が起きて、細胞分裂が止まって、毛のサイクルが短くなっちやう。で、こういう反応をブロックするのがフィナステリド。いわゆるプロペシアっていう薬ね。あと、ノコギリヤシとかもあるんだけどね」
ノコギリヤシは、プロペシアと比べればずっと弱いものの、植物成分のうちではよく効くほうで、なによりも安全性が売りだとのこと。

未承認薬オンパレードー!

私はプロペシアの安全性はどうなのか、尋ねてみた。
「でもまあ、ちゃんとチェックしながらやれば使えるよ。だってね、世界で何百万人も使っているからね。まあ、女性のピルみたいなもんですよ」
東大病院はもちろん、日本毛髪科学協会と比べても、リスク評価は低い。まあ、これで商売しているのだから当たり前だが。
ほかにどんな薬があるのか聞いてみると、かなりすごい薬がそろっていた。
ミノキシジル関連で、ザンドロックスという5〜12・5%までの高濃度製品があった。12・5%とはすごい。リアップが1%になったいきさつは、欧米で主流の5%では皮膚の弱い日本人にかぶれが頻発してしまうおそれがあったためなのだが。
「薄いと、やっぱり効かない人がいるからね」
効かない場合、徐々に濃度を上げていき、かぶれが出たらストップするという手法をとるようだ。
さらに、スピロノラクトン製剤(商品名アルダクトン)。毛髪治療薬としては、アメリカでも認可されていない薬だ。これは、ミノキシジルと同様の降圧剤だが、かなり強い抗男性ホルモン作用がある。プロペシアのように酵素の働きを阻害するのではなく、男性ホルモンのレセプターに先回りしてその働きを封じてしまうものだ。アンドロゲン遮断薬ともいわれるこの薬は、デヒドロテストステロンだけでなく、テストステロン自体の働きも無効化するため、女性化の副作用がかなり強烈と
いう。このため、内服で使うことはめったになく、毛髪治療には塗布用の外用薬として使うことが多い。
このスピロノラクトン……内服薬もいちおう用意してるんですね。
「飲むときは量は少なくするけどね」
まさしく未承認薬のオンパレード。日本毛髪科学協会では「一部の医者は治験ということで、なんでも使うから」と言っていたが、そのとおりだ。おそるべし自由診療。なにもかも、この医者の能力ひとつにかかっていると言えるだろう。

パレス流脱毛症の見分け方

「それで、あなたの診断だけど。男性型かどうか見分けるのは簡単なんだよ」
バイアグラ先生はディスプレイの電源を入れ、テレビの脇のスコープを手に取る。ヘアチェックが始まるようだ。
「ちょっと、先にハゲない部分を見るから」
スコープが当てがわれているのは、私の後頭部。わさわさと毛が生え出ている様子がうかがえる。
「ほらこれ、細い毛があるでしょ。機械壊れてるから、手動で数えるよ」
医者はボールペンでディスプレイをかつかつ叩いて、毛の数を数え出した。
「細い毛は、1、2、3……5本な。で、太い毛もある。こういうの正常毛な。これが、1、2、3・・・・で、37本くらいある」
あ、いま、ちょっと数え方が適当だったような気がするが……。医者はかまわず説明を続ける。
「で、こういう細い毛の割合を出すことで判断する。ハゲないところの細毛率は、全部で42本中の5本だから(紙に計算して)……まあ12%ぐらいな。で、気になるところは?」
もちろん、前頭部生え際である。映し出された頭皮は、後頭部と違って明らかにまばらな感じだ。しかし、バイアグラ先生は一見して「まあ大丈夫じゃないか」と言った。
数えると、細い毛が3本、太い毛が22本。「25分の3だから、細毛率は……12%か」
後ろと同じですよ。
「うん、大丈夫だよ。きみ、男性型じゃないね。この前のほうの細毛率がね、後ろに比べて明らかに高いと、30%とか40%とかだと、男性型になってくるんだけどね」
ちょっと待ってくださいよ。これ前のほう、本数自体が明らかに少ないでしょ。後ろ37本で、前25本ですから。だいたい前のほうは、毛穴ひとつから、どれも1本しか出てないですもん。
「うん」
うんって、これは、まだ細毛化してないだけで、結局、男性型脱毛の進行中なんじやないですか?
「でもねえ、あくまでも男性型脱毛の診断基準は、毛のミニチュア化だからねえ。あなたの場合、それとは判断できない。老化かもしれない。だから、いまのところ、まあ境界例だね」女性でも、前のほうは本数自体が少ないらしい。皮膚の細胞が老化するうえ、頭頂とか前頭部は血行も悪くなって減りやすいのだという。
「まあ、いまのところできるのは、正しいヘアケアをするということね。でも、頭皮見るとね、やっぱり脂が多いみたいね。毎日洗ってる?」
なんだよ、ここでは多いって言われてしまったぞ。頭皮洗浄サービスがあるから、多いなんて言ってるんじやないだろうな……。
「まあウチでもシャンプー出してるから、それ使ったほうがいいよ。あと、男性ホルモンも調べてみたほうがいいね。いまはいいけど、将来的な遺伝の而もあるからね」血中テストステロン値ですか?
「いや、活性型のデヒドロテストステロンも調べるよ。こっちのほうが重要だからね。結果出るのに2週間かかるけど」
ええと、ホルモン値より、男性ホルモンを受け取るレセプターの感度のほうが問題だとも聞いているんですけど。
「うーん。レセプターの反応が強いと、デヒドロテストステロンの量も増えるから。そういう相関関係にあるね。で、どうする? 血液検査してみる?」
とりあえず、参考のために私は血液検査をお願いする。
「そんで、ウチはヘアエステで脂を取る施術もやってるから、それもやってみたらいいね。ウチ、もうひとり専門家がいるからね」
バイアグラ先生は、脂の中のデヒドロテストステロンも悪影響を及ぼすから、と説明した。皮脂腺でつくられるデヒドロテストステロンは、脂の中にも入っている。毛穴に脂が溜まると、毛母細胞にまで作用して、男性型脱毛の反応を促進させてしまうという。育毛サロンでも、似たような説明はあったが……。
ということは、頻繁に頭皮を洗えば洗うほど、男性型脱毛は治まっていくんでしょうか?
「いや……。もちろん洗うだけじゃダメだよ。いっしょにプロペシアを使わないといけない」
それでは、プロペシア単体の投与と、それにヘアエステを加えた場合では、どの程度効果に差があるのだろうか。データはあるのかと聞いてみたが、「ない」とのこと。
一般的に、男性型脱毛には「たとえ頭皮の皮脂を除くような処置を続けても毛髪の顕著な回復は見られない」(前掲『毛髪を科学する」)という医学的な見解がある。だが、わずかとはいえ、脂の中のデヒドロテストステロンが関与しているなら、見逃すわけにもいかない。この件は、ほかのクリニックも取材することで確認しよう。
バイアグラ先生は、ほかに質問はないかと申し出てくれた。よし、最後に質問だ。

プロペシアは8割に効く?

あのですね、プロペシアを使う場合、どういうチェックをするんですか?
「まずね、はじめに血液をチェック。で、大丈夫だったら使う。また4ヵ月後くらいに血を調べて、
変な数値が出てなくて臓器が大丈夫だったら、また使う」
プロペシアは、肝臓に負担をかける薬である。ほかの病気にかかったら、薬の適合性を考えて中止するかどうか決めるという。
耐性などが出て、効き目がどんどん弱ることはないんでしょうか?
「さほど耐性は強い薬ではないけど、どんな薬でも徐々には効かなくなる。そういう場合は、別の抗男性ホルモンに切り替える。そうすれば、またあとで効くようになるから大丈夫」
スピロノラクトンからノコギリヤシまで準備されているのは、こういう理由からだったのだ。
で、プロペシアですが……言われているほど効くんですか?
「まあ、8割くらいの人に効くって言うね」
日本毛髪科学協会では、実際のところ満足できるほど効くのは1〜3割と言っていたのだが、言い分が大きく違う。
ほんとに、医者として、臨床的に見て、そんなに満足するほど多くの人に効果が出ますか?
「まあねえ……。個人差はあるけど、いまのところ一番いい薬だからねえ」
どうも積極的な感じではないが……。言いにくいところがあるのだろうか。使用上の注意を聞いてみた。
「まあ、安全な薬だけどね、やっぱり性欲が減退する。ちょっと、人によって女性っぽくなるね」
説明書にもある注意事項だ。プロペシアの説明書によると、治験者の2〜3%に勃起不全、性欲減退、射精量減少が認められ、発売後市場調査では胸が肥大する例も見られたという。
「あとね、子どもつくるときは飲まないほうがいいね」
これは、尿道下裂など男子胎児の生殖器に異常をもたらす、催奇形性の問題だ。日本毛髪科学協会でも注意されたことなので調べていた。
プロペシアの説明書には、確かに服用者の精液中に抗男性ホルモンのフィナステライド成分が検出されると記している。だが、検出された平均値が一般的に奇形を生み出すようなレベルではないということで、とくに服用男性の性行動を禁じてまではいない。
とはいえ、これはあくまでも臨床段階においての結論である。精液から微量といえど抗男性ホルモン成分が検出されるのなら、医者として子づくりの際に断薬させるのは当然である。ちなみに、尿中には服用量の39%もが排泄されるという。
また、「子どもつくるときは飲まないほうがいい」とは、服用中に子どもができてしまうことを絶対に避けなければならないという意味である。だが、万一できちゃったらどうするのか! 有史以来、子どもというものは、ついついできちゃうものではないのか? とにかく、避妊は完璧にする、もしくはできるだけアレをしない、アレをするなら配偶者やパートナーには服用していることをあらかじめ知らせるなど、さまざまな道義的な問題と向きあわねばならなくなることは間違いないだ
ろう。
ちなみに、前立腺肥大の治療に用いられるプロスカーは、—錠中にフィナステライド成分を5mg含んでいる。これはプロペシアの5倍にあたる。こちらの薬では、「妊娠中か、その可能性のある女性は、プロスカーを服用している男性との性的接触により薬剤の暴露をうけないようにすること」という注意事項がはっきりと公表されている。

良識ある医者は飲むミノキシジルを使わない?

あのですね、飲むミノキシジルはどうですか? さっきカタログになかったんですが。
「(困惑した顔で)いや! あれは……あれはダメです、使えない。もう、循環器から全身まで副作用が強すぎる。アメリカでも良識のある医者は、こういうのを髪の治療には使わないよ。そもそも、ミノキシジルっていうのは、内服の降圧剤だったんだけど、あまりに副作用が強すぎるということで、扱われなくなったものだからね」
飲用ミノキシジルの話は取材当初からよく聞いていたが、ここまで危険なものだったとは驚きである。
ほかに使用する薬はありますかと質問すると、「女性ホルモンも出せますよ。ほとんどピルみたいなもの」との返事。しかし、避妊薬のピルは、高濃度の女性ホルモン剤である。男性に投与すると本当に女性化してしまうが……。
「まあ、そうならない程度だけどね。うまく量を見ながら。でもさあ、プロペシアだって女性ホルモンみたいなものだよ。精子つくる能力も低下するでしょ」
確かにプロペシアは、乖丸に多く分布している5αリダクターゼの作用を阻害する。結果として精子形成に障害を起こす。ここらへんの医者の説明は、さすが「インフォームド・コンセントを重視している」と宣伝でうたっているだけあって、正直でありかたいのだが……。プロペシアですらかなり怖くなってしまったことは確かだ。
そろそろ引き上げ時である。医者はもうすでにガンガンに貧乏揺すりをしている。採血してヘアエステに行くように指示をもらい、私は診療室を出た。別室にて看護師による採血。顔を背けているうちにブスリ。思ったより痛くなく、それも手早く終わった。脱脂綿を注射跡に貼りつけられ、そのまま休む暇もなくヘアエステヘご案内となる。

発毛、なかなかうまくいきません

ふたたびアーケードの通路に出て数ブロック歩き、さっきのバイアグラ先生の部屋のさらに奥の小部屋に案内される。戸を開けると、おそらく40代前半といった医者が、パソコンをいじっていた。
「あ、どうも」
医者は目を上げて、私にイスを勧める。髪はかなりある。真っ黒くて、七三分け。顔立ちはかなり濃い。長いまつげに縁取られ、目つきなど、どこか女性的だ。ところが、やたらとヒゲが濃い。
鼻から下は青々としている。
これは……かつてテレビで流行った、石橋貴明扮するホモ侍に似ている。ホモ侍先生と呼びたいところだが、あのキャラは一時期差別問題に発展したというから、今回は略して石橋先生と呼ばせていただこう。
「えー、ヘアエステのご相談ということで」
石橋先生は、なんともしっとりした声で説明を始めた。
まずはじめに、クレンジング剤を塗ってスチームを頭にかける。つぎに、シャンプーとリンス。
その後、育毛剤の塗布を行う。最後に、頭皮と肩のハンドマッサージ。しめて50分で、—回5250円。
うおツー 安いですね。育毛サロンだと、もっといろいろやるにせよ、相場1万5000円ぐらいはしますよ。
「育毛サロンはエステですからね(笑)。まあ、こちらは治療行為の一環としてやってますから」
ここで使う育毛剤について聞くと、医薬品ではなく殺菌目的のものになるという。要望によっては、ここで処方されている発毛剤を使うこともできるという。
えー、話は変わるんですが、このヘアエステは、ミノキシジルとか使わないとしたら、どのくらい効果があるんですかね。
「それは、まあ、これだけだと……まあ、よくて、予防になるかならないかくらいでしょうね」
つまり「育毛」ですよね。
「ええ。そもそも発毛自体がなかなかうまくいきませんよ。男性型脱毛の場合は、かなり進んだ人だと最先端のお薬を使っても発毛は厳しいです。とくに50〜60代になってくると……薬自体が効きにくいので」
どちらかというと、ああいう薬は若者向きということなんですか?
「そもそも脱毛現象っていうのは、体自体の老化現象でもありますしね。皮膚の老化とか、組織の老化、血行障害とか。まあ、どうしても(治療開始は)早いほうがいいですね」
「ほかに質問がありますか」と尋ねられたので、この業界について聞いてみる。

企業と医療の癒着トラブル

えーとですね、こういうクリニック、ほかにもあるじゃないですか。城西クリニックが所属しているヘアメディカルグループとか、かなり繁盛してるみたいですが……どうなんでしょうか?
「ああ、あそこはアートネイチャーですよね」
え、ええッ、アートネイチャー?
と驚いてみせたのだが、じつは承知だったりする。
かつてアートネイチャーは、ヘアメディカルグループ(当時の名称は「メディカル発毛研究所」)と「発毛時代」という共同企画を立ち上げていた。アートネイチャー側が男性型脱毛の患者をメディカルグループ所属のクリニックに送り、代わりにメディカル側はアートネイチャーが販売するシャンプーなどを客に勧めるという関係で成り立っていた。企業と医療の癒着的な関係である。この「総合発毛理論」と称する脱毛治療には、ミノキシジルが使われていたという。
しかし、テレビCMでも大きく宣伝されていたこの「発毛時代」は、結局3年ほどで幕を閉じてしまう。おもな原因は、企業側とクリニック側で利益をめぐるトラブルがもち上がったことであるという。アートネイチャー側が客にカツラを売りつけてしまい、メディカル側に客を回さないといった内部告発記事が写真週刊誌に掲載されたこともある。「発毛時代」の終焉の理由について、アートネイチャーに電話で取材した。
「あちらは発毛に関しては独力でもできますから、そういう意味でわれわれが必要ではなくなったんでしょう」
アートネイチャーの潜入取材では「未承認薬の実験を社内で行った」と聞いていたが、いまから考えると、この「発毛時代」プロジェクトに関係したものだと予想される。かの丸山カウンセラーは、医療機関と提携しているリーブ21を徹底的に非難していたが、実際はアートネイチャー自身も通った道であったのだ。なんとも皮肉な裏事情である。
アートネイチャーとヘアメディカルはもう分かれたんですよね。
「あれ、経営者同じじゃなかったっけ?」
いや、ヘアメディカルのほうは、薬用紫電改つくったり、リアップの監修とかで有名な武田克之っていう医者いますよね。あの人が理事長やってる非営利NPOと関係あるみたいですが。シヤンプーとかリンスとか、そこで企画して売っているみたいですね。
「詳しいね。そうだっけ」などとだらだらと業界の話が続き、本日はお開きとなった。
「で、どうしましょうか、ヘアエステ?」
ぜひ一度お願いしたいと言うと、受付で会計の際に予約を入れてくれとのこと。支払いは、保険適用の血液検査代が5000円、それに診療費込みで8000円程度だ。
次回、私の血液からはどんな検査結果が出るのだろうか、いささか不安ながらも楽しみである。

化粧品会社薬剤師

石けんかアミノ酸系か?最後の聖戦
光山さん登場!
石けん側に続いて、今回は一般化粧品側の取材である。今回ゲットしたのは、某有名化粧品輸入会社で薬事関連業務を担当し、薬剤師の資格をもつ光山秀男さん。化粧品開発の分野でも活躍しており、「芸能人は歯が命」のCMで一世を風靡した歯磨き粉「アパタイト」の開発陣のひとりであった経歴をもつ。
これはぜひお話を聞かせていただかねばなるまいと、待ち合わせ場所のトルコ料理屋へ。取材先に現れた光山さんは、これまた気さくなおじさんであった。頭髪は豊かな短髪で、これまた信頼性がある。いったいどんな洗浄剤(シャンプー)をお勤めするのだろうか?
これまで、いろいろ育毛サロンやら医者やらを当たってみたが、どんなシャンプーがいいのかイマイチよくわからない。どういう基準で選べばよいのだろうか?

ラウリル硫酸、ラウレス硫酸はNG

「うーん。やっぱりピンキリあるからねえ」
ラウリル硫酸ナトリウムはあまり使われなくなってますが、ラウレス硫酸ナトリウムとかは、まだまだ盛んに使われてます。合成界面活性剤だからダメだという医者がいたり、別にそんなに関係ないと言われたり。
「ラウリルもラウレスも、ぼくはいいと思わないな。刺激が強い、しかも発ガン性も取り沙汰されていたし」
やはり、開発者側としても、できるだけ使いたくない成分なのか。
ちなみに、合成界面活性剤に関する明確な発ガン性のデータは、いまのところない。発ガン性に関する疑惑は、いちおう日本では70年代にケリがついたとされている。三重大学をはじめとする各大学や研究機関の調査において、合成洗剤の皮膚吸収が動物実験で実証され、手荒れなどの皮膚障害との関連性も裏付けられた。それでも、発ガン性だけは確認できなかったのだ。
実際、一部の合成界面活性剤は刺激性が強くて、主婦湿疹などの原因になることも多いようですし。まあ、どうしたらいいかなと。
「うーん、ぼくは、やはり肌の健康を考えたら、ラウレスとかは使わないにこしたことはないと思うよ。ぼくも自分かつくる化粧品には使わない。業界的にも、化粧品にはあんまり使わなくなってきているし。ほかにも、いっぱい界面活性剤はあるから、別のを使ってもいいんじやないかな」

アミノ酸系シャンプーはお勧めか?

アミノ酸系シャンプーはどうですか?
「アミノ酸系シャンプーはすごくいいと思うよ。あれはね、刺激がないし、洗ったあとの髪も指通りはなめらかだし。とくにね、美容師さんの手荒れが治まったっていうこともよく聞いてますよ」
以前、石けんメーカーの人と話したとき、アミノ酸系シャンプーも合成界面活性剤だから、肌に浸透していってダメージになる、って聞いたんですが……。
「うーん、アミノ酸はタンパク質を構成するものだし、肌に吸着しやすい。それは確かだと思いまずが……。私はアミノ酸程度まできたら、そこまで問題はないと思います。石けんも、肌にはよいとはいえ、界面活性剤なんだから浸透力はあるし」
使いやすさなど考えたら、やはりアミノ酸系が一般的には製品として受け入れられやすいでしょう、と光山さんは付け加えた。
でも、アミノ酸系シャンプーとうたっていても、純粋にすべての洗浄成分がアミノ酸系だけのシャンプーって、ほとんどないですよね。なかには、ちびっとしか入っていなくて、あとはひどい成分なのに、堂々と「肌に優しい」だのうたっているのもあります。
「うーん。アミノ酸系は洗浄力が低いから、一面仕方ないところがある。たとえば……以前つくったことあるんだけど、ココイルグルタミン酸ナトリウムだけでつくろうと思ったら、ちゃんと洗えるようにするため、濃度が70%は必要になった覚えがあります」
普通は20〜40%ですから、2倍近く界面活性剤が入ることになるんですね。そうするとコストもかかるってことですか。
「そう、アミノ酸系洗浄剤は高いんだよ。ラウレス硫酸ナトリウムが1キロ250円程度なのに、ココイルグルタミン酸ナトリウムはキロ500円以上はするからね」
結局いまだに、ラウレス硫酸ナトリウムとか、指定成分級の強い成分が盛んに使われているのは……。
「やっぱりコストの問題が一番でしょう。そもそも安い。それに、洗浄力が強くて刺激性があるけど、薄めて、あといろいろ緩和剤なんかを入れれば、さらに安くあがるし」
だいたい、若いうちは肌が強いからかなり強い成分だろうと、めったなことでは大きな被害にはならない。あとは、流行のいろんなイメージをくっつけてしまえば、内容がどうであろうと勝手に売れてくれる。買い手に知識がなければ、シャンプーなど化粧品の安全性が高まっていくことは望めないのかもしれない。

界面活性剤はできるだけ使わない

やはり、アミノ酸系で洗ってますか?
「ええ、アミノ酸系で」
私は光山さんの頭髪を見た。豊かな短髪で、まったく問題がない。
アミノ酸は洗浄力が低すぎるということはありませんか?
「いやいや、どんな製品だって汚れが落ちないなんてことはないよ。洗い方の問題だよ。石けんだってなんだって、雑に洗ったら、そりゃなんだってダメなんだから」
洗髪の頻度を尋ねると、「3日に一度くらいかなあ。いや、私けっこう脂は出るほうなんだけどね」とのこと。
でも、化粧品業界だと、毎日洗えっていうのが通説じゃないですか。
「いや、私が毎日洗ったら、肌が痒くなっちゃうんじゃないかな?」
界面活性剤で洗うこと自体が、少なからず肌にダメージを与えると言われているようなので、私も、洗髪回数をちょっとずつ減らそうかと考えているんですが。
「界面活性剤は、まあ……本当はできるだけ使わないにこしたことはないよね」
美容業界でも、肌に負担をかけないためにダブル洗顔をやめようという動きが広まっているようだ。ゲラン、クリスチャン・ディオールといった有名化粧品会社の美容アドバイザーを歴任した佐伯チズのベストセラー「佐伯チズの頼るな化粧品!」(講談社、03年)などに詳しい。洗浄は肌に負担であり、老化をそれだけ早めるというのが彼女の持論である。
「ぼくもね、肌への負担を抑える化粧品つくってるんだよ」
話を聞くと、光山さんは「アシスト・フォーム・ジェル」なる製品をつくっているという。界面活性剤の量を減らすためのジェルであり、これを洗顔剤などに足すと少ない量で洗浄が行えるそうだ。保存科その他の成分が気になるところだが、育毛にも使えるかもしれない。美容的側面ばかりでなく、こうした安全性の面でも、化粧品技術がどんどん発達してくれるとありがたい、と感じた次第である。
 
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