うつ病

うつ病の分類

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うつ病の分類

うつ病を分類する

うつ病の患者さんが医師やカウンセラーなどの専門家のもとを訪れると、病名をあらわすさまざまな専門用語を耳にします。こうした専門用語のなかには、重複した意味をもつものもあります。軽症のうつ病、中等症のうつ病、重症のうつ病の3つに分類しています。この3つの病気には、はっきりとした違いがあります。

軽症のうつ病

軽症のうつ病(mild depression)では、一時的な抑うつ気分がみられます。特定の出来事により大きなストレスを受けたあとに始まることが多く、抑うつ気分のほかに不安も感じます。このタイプのうつ病は、生活面に気をつけるだけでなあることも少なくありません。

中等症のうつ病

中等症のうつ病(moderate depression)では、抑うつ気分が続き、身体症状もみられますが、個人差があります。生活面に気をつけるだけではなおりにくく、医師による治療が必要です。

重症のうつ病

重症のうつ病(severe depressjon)は、生命をおびやかす病気です。症状は激しく、身体症状、妄想、幻覚がみられます。できるだけ早く医師に診てもらうことが大切です。

うつ病をあらわすその他の用語

医療関係者がうつ病を分類するために用いる専門用語には、つぎのようなものがあります。

反応性うつ病

反応性うつ病(reactive depression)という用語には、2つの意味があります。1つは、特定の出来事(失業など)によるストレスがきっかけとなるという意味での「反応性」のうつ病で、長くは続かないのがふつうです。「つらい出来事に対する正常な反応が、短期間だけ強めに出てしまうこと」と言い換えてもよいでしょう。カウンセリング、家族の支え、ストレス管理、実践的な対応によってなおります。
なお、特定の出来事によるストレスがきっかけとなって、重症のうつ病になることもあります。うつ病になりやすいタイプの人が病気を発症したあとにこのような出来事がぶりかかった場合には、その病気がストレスヘの反応であるか否かを特定することはできません。
「反応性」という言葉は、患者さんがまだ社会的状況に反応し、人づきあいを楽しむことができるという意味でも用いられます。

内因性うつ病

これといった原因がみあたらないうつ病は、内因性うつ病(endogenous depression)と呼ばれることがあります。その症状は強く、身体症状をともなうことが多いようです。食欲不振、体重減少、早朝覚醒、朝に悪化する抑うつ気分、性欲減退などがみられ、ふつうは医師による治療を受けないとなおりません。
この定義の問題点は、特定の出来事によるストレスがきっかけとなって、同じ症状が生じる場合があることです。また、うつ病の原因となった出来事を特定できないからといって、そのような出来事がなかったと断定することはできないはずです。

神経症性うつ病

軽症のうつ病で、調子のよい日もあれば悪い日もあるようなものは、神経症性うつ病(neurotic depressjon)と呼ばれることがあります。抑うつ気分は夜に悪化する傾向があります。寝つきが悪く、夜間に何度も目がさめますが、早朝覚醒はありません。ふだんより長く眠る人や、ふだんよりイライラする人もいます。「神経症性(neurotic)」という用語は乱用されることがあるため、最近では、「神経症性うつ病」という用語はあまり使われなくなりました。そもそも、これは軽症のうつ病の別名にすぎないのです。

精神病性うつ病

精神病性うつ病(psychotic depression)は、身体症状をともなう重症のうつ病です。現実を正しく把握できなくなるため、妄想や幻覚をともなうことがあります。医師による治療が必要です。

双極性障害

双極性障害(bipolardjsorder)または双極性うつ病(bipolar depression)は、躁うつ病(manic-depressive illness)の別名です。躁うつ病の患者さんは、高揚した気分が続く時期と抑うつ気分が続く時期を繰り返し、抑うつ気分には軽症のうつ病から重症のうつ病まで幅があります。
この病気の人が高揚した気分、すなわち躁状態(manic)にあるときには、意気さかんで、睡眠や食事をあまり必要とせず、基本的に幸せに感じています。過剰なほど精力的で、早口になり、頭の中でアイディアが渦巻いているように感じられます。判断力が低下し、妄想や幻覚をともなうこともありますが、うつ状態のときとは反対に、その内容は非常に肯定的です。「自分は王族と知り合いだ」とか、「自分は要人だ」などと、事実に反することを信じ込んだり、「自分は金持ちだ」とか、「特殊な力をもっている」などと思い込んだりします。高揚した気分は抑うつ気分と同じくらい破壊的になることがあり、判断力の低下と妄想の結果、ヨットや超高級住宅などを衝動買いして、経済的なトラブルを引き起こすこともあります。

単極性うつ病

単極性うつ病(unipolardepression)とは、抑うつ気分がすっと続き、高揚した気分になる時期がないようなうつ病を言います。圧倒的多数のうつ病の患者さんが、これにあたります。

激越性うつ病

激越性うつ病(agit日ted depression)とは、実際にはうつ病の種類ではなく、焦燥感、不安、落ち着きのなさなどの症状をさします。

制止性うつ病

制止性うつ病(「etarded depression)も、うつ病の種類ではなく、症状をさす言葉です。患者さんはこのとき、精神機能と身体機能の両方が不活発になり、集中しにくい状態にあります。病気が重いときには、勤いたり、話したり、良べたりすることさえむすかしくなり、餓死の危険があります。

気分変調症

軽症のうつ病が2年以上にわたって続く場合には、気分変調症(dysthymia)と診断されます。その間、症状は一時的に消えることもありますが、2か月以上消えていることはありません。おもな症状は決断力の低下と自己評価の低下です。薬による治療よりも精神療法のほうが有効です。

仮面うつ病(「ほほえみ」うつ病)

仮面うつ病(masked depression)[「ほほえみ」うつ病(‘smiling’ depression)]の患者さんは、胸の痛みや睡眠障害など、うつ病を思わせる症状をいくつも呈しているのですが、抑うつ気分を訴えません。そのため、体の病気についての検査をいろいろ受けてから、ようやくうつ病と診断されることもめすらしくありません。症状は、抗うつ薬を用いた治療によりなおります。

器質性うつ病

体の病気や薬の作用によるうつ病は、器質性うつ病(organic depression)と呼ばれます。

反復性短期うつ病

反復性短期うつ病(briefrecurrent depression)とは、最近認められるようになった病気で、重いうつ病を何度も繰り返しますが、1回あたりの持続日数がわずか数日間であるようなものを言います。

季節性感情障害

季節性感情障害(seasonal affective disorder:SAD)という用語は、もともとは、毎年きまった時期に起こるうつ病全般をさしていました。その原因はなんでもよく、1年の特定の時期に仕事がきつくなることも含まれていました。けれども今日では、冬になって日照時間が減ることを原因とするうつ病のみをさすようになりました。 SADの患者さんは、炭水化物やチョコレートをしきりに食べたがったり、眠りたがったりします。
キーポイント
・うつ病には、さまざまな種類があります。
・軽症のうつ病は薬を用いなくてもなおることがありますが、中等症のうつ病と重症のうつ病は、しばしば薬物療法が必要になります。
・うつ病には、長く続くものもあれば、一時的なものもあります。
・気分とは関係のない症状にも、うつ病が関係していることがあります。

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