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間違いだらけのシャンプー法

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決して使ってはいけないシャンプー剤

洗浄力の強いシャンプー剤の危険

 髪の悩みの深さは当人でなければわからない。他人から見れば、なんでもないよう なトラブルでも、当人が受ける衝撃の度合いははかり知れない。

 私は、今から十三年前のある日、自分の前髪が、いつの間にか白くなっていること に気づいて愕然とした。鏡の前で前髪を手櫛でかきあげたところ、生え際の一部が白 髪に変わっていたのである。

 同年代の友人たちの間では、この数年前からすでに白髪が話題に上っていたが、い ざ自分がなってみると、たった数本の白髪に驚くほど大きな衝撃を受け、たかが白髪 ごときにこれほど動揺してしまっている自分に困惑した。これが、私がヘアケアに興 味を持った瞬間であった。

 蛇足だが、現在も黒髪を維持していられるのは『髪と肌の成分は同じ』という、エステティシヤンとしての知識があったおかげと、わが来し方に感謝している。  年齢を重ねるにともない、誰もが避けられない白髪でさえこうなのだから、「自分の髪の毛がなくなってしまうのではないか」という不安にとらえられてしまった方の 焦り、心配、苦悩は、想像以上であると思う。

 相談者の話を総合すると、健康であった髪と頭皮が間違った手入 れ(ケア)によって傷められ、その果てに脱毛症を引き起こしてしまうプロセスが明 らかになる。  周囲のなにげない言葉などで脱毛不安にとらえられた方が最初に実行するのが「育 毛の大敵」と宣伝されている頭皮の皮脂を取り除く行為としての洗浄力の強いシャン プー剤の使用である。

 その結果がどうかというと、なぜか以前より皮脂の分泌が多くなる。そこで、さら に強力なシャンプー剤を探し求めては使用する。すると、これも初めの数日間は効果 がありそうに思えるが、そのうち脂性はますますひどくなる。さらにより強いシャン プー剤を模索してと悪循環を繰り返すうち、次第に髪は薄くなり、気がつくと脱毛症になってしまっていた。

 以上がよく聞く大多数の方々に共通した体験である。

 私たちの身体を乾燥などのトラブルから護っている保護膜(皮脂膜‥皮脂十水分) 

を形成させるために分泌される皮脂は、分泌されて空気にさらされると、やがて酸化 する。酸化した皮脂は粘着力を持ち、空気中のチリやホコリを呼び込む

 この酸化した皮脂や汚れを取り除くのが、入浴、洗顔、シャンプーの最大の目的で あり、風呂上がりの顔が突っ張るのは、皮脂が取り除かれてしまったために起こる現 象である。

 皮膚から保護膜(皮脂膜)がなくなると、人体の保護システムに従って、猛烈な勢 いで皮脂が分泌され、皮脂膜が形成される。顔の突っ張りがじきに治まるのはこのた めである。

 洗浄力の強いシャンプー剤を使用して、皮脂を必要以上に取り去ってしまうと、分泌される皮脂も必要以上に多くなるわけだが、これを繰り返すと、分泌量はますます 多くなり、限界にまで達すると、反対に全く分泌されなくなるなど、皮脂の分泌量に 狂いが生じてくる。そうなると、頭皮に細かなフケや、湿疹が発生する。

 こうしたプロセスを経て、脱毛症を発症させる条件が整えられるのである。つまり 洗浄力の強過ぎるシャンプー剤を使い続けると、確実に脱毛症になってしまうわけで、 絶対に使用してはいけないのである。

 

  ちなみに、洗浄力の強いシャンプーで皮脂を取り過ぎた場合にあらわれる現象がある。それをおおまかに記すと、次の4点になる。

 ①シャンプー後、リンスやコンディショナーを使用する前の髪を触ると、きしみを  感じる。きしみ感は、髪と頭皮からのSOSである。

 ②使い始めておよそ一週間もすると、髪がパサパサする。パサパサ感は、やはり、  髪と頭皮からのSOSである。

 ③毎日使用しているうちに、髪に縮れがあらわれる。縮れも髪と頭皮からのSOS  である。

 ④皮脂分泌が次第に多くなる。これも、頭皮からのSOSである。  ヘアケアの基本はシャンプーであるが、使用するシャンプー剤は、しなやかで効果 のあるものを、慎重に選択しなければならない。

 

髪と頭皮を傷める石鹸シャンプー

 シャンプーによる頭髪トラブルはたくさんある。なかでも多いの が、ご自分が使用したいと考えているか、あるいは使用中である市販のシャンプー剤 や育毛剤についての問い合わせである。

 そしてそのような相談者の方々からは、毎日のように他メーカーの新製品に対する コメントを求められる。しかし際限なく売り出される新製品を、一つひとつ試用テス トするのは物理的に不可能であり、意見をいえる立場にもない。さらに私は、良心的 なヘアケア製品を扱う小さな会社を営む者で、商品の評論家でもない。この点をご理 解いただいて、他社製品の効能に対する私見は、差し控えさせていただいている。

 前置きが長くなってしまったが、石鹸シャンプーをご使用になっている方の相談が かなり多いので、弊社を訪れた相談者の一例をここに紹介する。 頭皮全体が赤く変色していて、髪に全く艶のない四十代の男性が、かゆみを訴えて 相談に来られた。非常に見識が高く、大手企業の役員をされている方であった。

 お話を伺ったところ、長年抜け毛に悩まされていたそうで、数カ月前から、知人に勧められて石鹸シャンプーを愛用されているのだという。

 ご本人は、「とても調子がよいので、石鹸シャンプーに問題があるとは思えない」 と強調されたが、髪と頭皮の状態が、その思い込み違いを証明していた。  石鹸シャンプーは、脱毛症に悩む方たちの間で、なぜか『もっとも安全なシャンプ ー剤』だと思われているが、これは大きな誤解で、私はむしろ大変危険なシャンプー 剤だと考えている。

 石鹸は、動・植物性油脂と苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を主成分にした、アル カリ度が高く、洗浄力の非常に強いシャンプー剤である。

 石鹸には、固形、粉末、液状のものがあり、この液状のものと粉末を加工したもの が石鹸シャンプーである。石鹸シャンプーはアルカリ度が高く、非常に強い洗浄力を 発揮する。洗浄力の強いシャンプー剤の危険性についてはすでに述べたとおりである。  石鹸シャンプーが育毛によいという説は、単に「合成洗剤がよくない」という逆説 からひねり出された俗説に過ぎないようで、私の経験からいえば、石鹸シャンプーは、 決して安全なシャンプー剤とはいえない。

 また『自然成分あるいは天然成分をセールスポイントにしているシャンプー剤は安 全」といった根強い風説もあるが、たとえば、猛毒で知られるトリカブトや毒キノコ も、天然自然のものであることを考えればわかるように、自然のものだから安全と短 絡的に思い込むのは、非常に危険であるといえる。天然自然成分のみで作られたシャ ンプー剤であれば、無条件によいともいえないことを理解していただきたい。

 

殺菌シャンプーは自殺行為と同じ

 世間には、脱毛症の原因に対するさまざまな俗説がはびこっていて、その中には、 「頭皮に付着する細菌」説まであるのだから、驚いてしまう。

 このとんでもない俗説に従って、殺菌効果のあるシャンプー剤が売り出されてい これも好調な売れ行きだという。 て そして弊社には、殺菌効果のあるシャンプー剤を使い続けて、頭皮の雑菌に対する抵抗力が弱まり、深刻な脱毛症を発生させてしまった方たちの相談も増えている。

 地球上にはたくさんの微生物がおり、その中には、入に害を及ぼすものも多く、空 気中には常にそれらの菌が浮遊している。極端ないい方をすれば、私たちは常に細菌 に包囲されているといってもよい。

 それらの菌を体内に入り込ませないために、私たちの身体は一枚の大きな皮膚で覆 われており、頭皮を含めたこの皮膚には、『常在菌』と呼ばれるたくさんの菌が生息 し、皮膚についた雑菌を食べ、私たちの身体を護ってくれている。

 私たちの身体は、常在菌に護られているのである。はかり知れない生命の神秘現象 といえる。

 これらの常在菌は、非常に生命力が強く、普通の入浴や海水浴など、温冷水にさら されたぐらいでは死滅しない。

 しかし、殺菌効果のあるシャンプー剤を使い続けると、私たちの身体を護っている 生命力の強い常在菌も、打撃を受けて徐々に働きを弱めてゆき、中には死滅してしま う菌もある。殺菌効果は、悪玉のばい菌だけでなく、善玉の常在菌にも影響を及ぼし てしまうのである。

 そして、常在菌が弱わり、雑菌に対して抵抗力がなくなった頭皮には、当然のこと 部 ながら雑菌の繁殖力が増す。

 つまり殺菌効果のあるシャンプー剤を使用し、大切な常在菌にまでダメージを与え てしまうと、頭皮はばい菌に対して無防備な状態になり、その結果、炎症が起きやす くなる。しかも頭皮に炎症が起きると、必然的に抜け毛が増えてしまう。

 私の経験と独断でいえば、シャンプー剤は、頭皮の汚れを落とすためのものなのだ から、殺菌効果のあるシャンプー剤など使う必要はない。さらに、脱毛症の直接原因 は、決してばい菌ではないのだから、もうそれだけで、脱毛予防のために殺菌シャン プーが不必要であることはおわかりいただけると思う。

 脱毛症を回避したいのであれば、殺菌効果のあるシャンプー剤を使ってはならない し、殺菌効果のあるシャンプー剤を使うと、かえって抜け毛が増えてしまうという結 果になりかねない。

フケ用シャンプー剤は脱毛促進

 電車の中などで肩にフケを散らした方を見たとき、不潔な印象を覚えたという経験 をみなさんもお持ちだと思う。一分のスキもないオシャレも、それだけで台無しであ る。

 フケには、大きなものと小さなものがあり、大きなフケを漢字で『罫胎』と書く。 文字通り、雲のように重なった脂という意味で、洗髪不足などが原因で頭皮に積もっ てしまった酸化皮脂が、剥がれ落ちてフケになることからこの字が使われているが、 今日のように、衛生設備が整っていなかったころのフケの発生原因が、頭皮に積もっ た汚れだったことから、この字になったと思われる。

 この雲脂を顕微鏡などで観察すると、無数のばい菌が確認できる。汚れのカタマリ なのだから、きわめて当然なことであるが、この事実から、フケ用シャンプーとして 市販されているほとんどのシャンプー剤には、殺菌剤が配合されている。つまり、ほ とんどのフケ用シャンプー剤は殺菌シャンプー剤であると考えて間違いな い。殺菌シャンプー剤の危険性についてはすでに述べたとおりである。

 一方、洗髪不足などから発生する大きなフケとは全く逆な原因で発生するのが、小 さなフケである。小さなフケは、洗髪時の皮脂の取り過ぎによって引き起こされた肌 荒れが原因で、皮膚の一番外側にある、大切な角質が剥がれ落ちてしまったものであ る。この小さなフケは、ほとんどの場合、シャンプー剤の選択ミスが原因である。

 このように、全く逆の原因で発生してしまった大小のフケだが、どちらの場合も、 放置しておくと深刻な脱毛症につながる。  まれに、毎日洗髪しているのに大きなフケが発生する方もいるが、そんな方の頭皮 は、洗髪していてもきちんと洗えていない場合がほとんどである。

 こんな例もあった。ひどいフケ症で弊社に相談にお見えになった方であるが、長ら くフケ用シャンプーをご使用になっていたというこの方の頭皮は、すでに脱毛が始ま っており、全体に小さなフケと、細かな湿疹があった。特に、耳の後ろと首の上は、 目を覆うばかりに大きなフケが発生していた。

 この方は、シャンプーのたびに毎回五分以上も頭皮をもみ洗いしていたのであるが、 後頭部(首の上)だけ、ほとんど洗われていなかったために起きた現象であった。大小どちらのフケも、肌によい成分で作られたシャンプー剤を使用して、毎日正し く洗髪すれば、いとも簡単に解消するので、特別にフケ用シャンプーを使用する必要 はないし、むしろ殺菌効果のあるフケ用シャンプーは、決して使用してはならない。

 そしてフケはまれに、カブレ、皮膚炎などが原因で発生する場合もあるが、そのよ うな場合は、医師や確かな専門家の指導に従ってシャンプー剤を選択すべきである。

 しかし、独断と偏見で申し上げれば、カブレ、皮膚炎などの原因も、おおむねシャ ンプー法の間違いやシャンプー剤の選択ミスによって発生したものである。

シャンプー剤をつけたまま時間をおいてはいけない

 世間には、ビックリさせられるほどさまざまなシャンプー剤が出回っており、メー カーによってシャンプーに対する考え方にも、ピンからキリまでの違いがある。

 なかでも、「頭皮の汚れを完全に落とすために、シャンプー剤をつけたまましばら く時間をおいてから洗う」という方法を勣めているメーカーもあるが、これはとんで もない間違いである。

 古い話で恐縮だが、幼かったころ見た映画の中で、「美空ひばり扮する姫君が、川の水で濡れた手を腰までおろした黒髪でそっと拭く」という大変印像的なシーンがあ った。映画の題名や内容は失念したが、その仕種は私の脳裏に強く刻まれ、長じた今 も、ときどき髪の毛をハンカチ代わりに利用することがある。髪の毛は、非常に早い スピードで水分を吸収するので、ハンカチ代わりに利用できるのである。

 雨の日など髪の毛が重く感じられるのは、髪の毛が水分を吸収するからであり、せ っかくカールした髪がすぐに伸びてしまうのも、このためである。この力を利用して、少し前まで湿度の測定に髪の毛が使われていたくらいである。

 その吸水力の強い髪の毛に、シャンプー剤をつけたまま、五分圭一十分もの間放置 しておいたらどうなるか? 想像していただけると思う。

 特にオイルシャンプー類を使っている方が、『髪に有効成分を吸収させるため』と いって実行しているけれど、見当違いも甚だしい。

 「あたため」と「冷し」が同時に行えない理屈と同じで、《汚れ落としの洗浄行為》 と《有効成分を吸収する行為》が同時に効果をもたらすはずはない。さらにいえば、 シャンプーのために水分をたっぷり含んだ髪の毛が、シャンプー剤に含まれたオイル 分を吸収するはずもない。

 逆にシャンプー剤を塗りつけたまま長時間放置すると、洗浄成分によって髪の毛が 傷むだけでなく、頭皮のタンパク質を傷めてしまう。

 また、「酸化皮脂を溶かすため』と称して、シャンプー前に頭皮にある種の液剤な どを塗り、時間をおくシャンプー法を勧めるメーカーもあるが、そんなことをしなく てもシャンプーをすると、汚れと酸化した皮脂はきれいに落とされる。わざわざ事前 に皮脂を溶かす必要はない。

 それどころか、このシャンプー法によって必要以上に皮脂を取り除いてしまうと、かえって皮脂分泌が盛んになってしまうだけでなく、さまざまなトラブルを発生させ る。

 このシャンプー法で頭皮の皮脂分泌に異常をきたしてし まった方や、深刻な『角化異常」を誘発させ、湿疹を発生させてしまった方が大勢いらっしやる。

 私たちの身体を覆っている皮膚は、表皮と真皮(表皮下の結合組織層)とに分かれ ており、表皮はおよそ二十八の細胞層で構成されている。

 皮母細胞とも呼ばれる基底細胞から、毎日一つの細胞が生み出され、生まれた細胞 は徐々に形を変え、およそ十四日後に角質に変わる。角質は、これもおよそ十四枚の 層をなしていて、私たちの体内に病原菌などの異質物が入り込まないよう厳重にガー ドしている。

 この角質は新たな角質ができあがると、一番外側の角質がアカとなって剥がれ落ち る仕組みになっていて、常に十四枚の層で保たれている。つまり皮母細胞は、私たち の身体をガードする角質細胞を作り出すために、毎日一つの細胞を生み出す働きをしているのである。

 この角質が人為的な作用によって失われてしまうと人体の保護機能が作動し、皮母 細胞は失われた角質の枚数だけ細胞を生み出すことになる。同時に、生まれた細胞も 通常のサイクルより早いスピードで角質に変わる。通常のサイクルと違うこの作業が 繰り返されると、角質に変わる過程で異常が発生してしまい、角質に変化する前の細 胞が表面に出てしまって、その結果、皮膚病などのさまざまなトラブルを発生させる。 この現象を『角化異常』と呼ぶ。

 洗顔せっけんを顔につけたまま、しばらく放置した場合を想像してみていただきた い。間違いなく肌荒れを招いてしまうのは、ここであらためて強調するまでもない。 そしてこの状態は、頭皮にあっても全く同じである。

 しかも髪の毛で覆われている頭皮が肌荒れを起こしてしまっても、すぐに気がつく 方は少なく、脱毛症になってしまって初めて相談に見えるのである。

 汚れのひどい洗濯物を長時間洗剤に浸しておくと、汚れの逆戻り現象によって、薄 汚れた仕上がりになってしまうだけでなく、生地そのものまでが傷んでしまう。シャンプー剤の長時間放置も全く同じ現象だと思っていただければ容易に理解していただ けると思う。

 わざわざ面倒な思いをしてまで脱毛症になる必要はないのだから、シャンプー剤を 塗りつけて時間をおくことは、絶対に避けるべきである。

 

・ブラシなどを使用 してはいけない

・シャンプー剤をつ けたまま時間をお いてはいけない

・指の腹で頭皮を大きくゴシゴシと 30秒以内で洗うのが正しい

 

シャンプー時にブラシなどを使用してはいけない

 シャンプー時に頭皮をブラシでこすり洗うために、ブラシとシャンプーをセットに した商品がよく売れているという。しかも「そのブラシを使用すると、とても具合が よい」という方が多く、心地よい刺激がクセになるようである。

 たまにしかシャンプーしない方やフケ症の方などは、その心地よさについ力が入り 過ぎて、頭皮に引っ掻き傷をつけてしまう方もいる。

 仮にブラシを使って手足や顔などで試していただくとよくわかるが、石鹸をつけた皮膚をブラシでこすり洗いする行為を何日も続けると、次第にかゆみを覚えるように 銘 なり、そのうち細かな湿疹ができてしまう。さらに続けると、毛細血管が浮き出てく る。  こうなってしまうと、元の状態に戻るまでに、途方もない時間が必要になる。

 好奇心旺盛な私が、試しにこの方法で足首を洗い続けてみたところ、およそ二週間 でかゆみが発生し、その三日後には湿疹が認められた。

 もちろんその時点で、ブラシでのこすり洗いは中止したが、やっかいなことに、足 首の湿疹はその後慢性化してしまい、少し刺激を加えただけでもすぐに肌荒れを起こ してしまうようになった。後悔先に立たずである。

 この実例からもわかるように、シャンプー時にブラシを使用して頭皮をこすると、 皮膚の一番外側の角質が剥がれてしまうだけでなく、皮下に張り巡らされた、髪の毛 よりもさらに細い毛細血管まで傷つけてしまう場合もある。

 さらに怖いのは、ブラシの先で傷つけられた頭皮は、雑菌の絶好な繁殖場所にもな ってしまい、炎症などの原因になる。

 何事もそうだが、度を超すと悲惨な結果を招くことになる。たかが頭を洗うだけのことだけれども、シャンプーをする際には、道具など使わず、両手指の腹で頭皮をこ すり洗う。それが洗髪だと心得て欲しい。

 

頭皮を長時間洗ってはいけない

 育毛サロンなどで「毛穴の中の皮脂をもみ出すようにして頭皮を長時間もみ洗いすると、脱毛の予防になる」といわれて実行している方があとを絶たないが、これこそ 不見識な行為といってよい。

 私たちが食べ物を連想したり食事の際に出てくる唾液は、消化を助ける目的で分泌 され、常に口中にたまっているわけではない。

 同様に、皮脂は体温調節を目的に分泌される汗と同じで、必要に応じて分泌される 成分であって、分泌の必要がない状態の毛穴に余剰皮脂が潜んでいるわけではない。

したがってどんなに長時間洗っても『毛穴の中の皮脂』が取り除かれるはずはない。

 また脂性の方の中には『皮脂が育毛の大敵である』といった間違った認識を信じて いて、シャンプー剤を塗りつけた頭皮を五分以上もこすり洗いする方がいる。なかに は十分以上洗い続ける方もいるが、これも同じくらい徒労な行為である。

 およそハ割の方が、「長時間洗ってはいけないとわかっているのに、どうしても、ついつい洗い続けてしまう」 とおっしやる。この方たちにシャンプー法をあらためていただくのも、説得するのになかなか根気を要する。皮脂が育毛の大敵であると いった間違った認識は、脱毛症に悩む方たちの脳裏にそれほど深く刻み込まれてしま っている。由々しき問題である。

 繰り返して述べるが、皮脂は、髪と頭皮に限らず、私たちの体を乾燥や肌荒れなど から保護する役割を持って、全身の皮膚から分泌される大切な成分であり、決して育 毛の大敵などではない。ましてや絶対に、脱毛症の直接原因にはならない。

 シャンプー剤を塗りつけた頭皮を長時間こすり洗うと、ふやけた皮膚が傷つきやすくなり、しかも肌荒れが起こる。すると人体の保護機能が作動し、皮脂が大量に分泌 されるので、脂性が一気に進み、ひいては脱毛症まで発症させてしまう。  入浴の際に体を洗う時間と比較して考えれば、シャンプーに長時間のもみ洗いは不 要であることは一目瞭然であろう。  シャンプー剤を塗りつけた後は、せいぜい三十秒以内のこすり洗いで充分である。

一日に何度もシャンプーしてはいけない

 ヘアケアの基本はシャンプーである。  しかし、ことわざにもあるように、何ごとも『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』 で、一日に何度も洗髪を続けると、かえって脱毛症を促進させてしまう。

 お話を伺ったところ、一日 に何度も洗髪しているという。お客さまのお話の要点はこうである。

 「一日一回寝る前にシャンプーするのが基本というけれど、以前通 っていたサロンでは、「一日何回でも、できるだけ(髪の毛を)洗った方がいい」と いわれていたので、時間があるとどうしても洗髪したくなり、ついつい洗ってしまう」

 さらにその方は、「きれいになるのだから、何回洗っても別に問題ないですよね」 というのであるが、これは大きな誤解である。

 たとえば「きれいになるから」といって、一日に何度も風呂に入り続けたり、顔を 洗い続ける方はまずいないだろう。第一そんなことをしたら湯疲れしてしまい、身体 の調子まで狂わせてしまう。

 私たちの身体は、洗髪、洗顔によって皮脂が失われると、命を護る保護システムが 慟いて、大量の皮脂が急速に分泌される仕組みになっており、一日に何度も洗髪を繰 り返すと、皮脂の大量分泌が習慣化されてしまい、深刻な脂性を引き起こすという結果を招いてしまう。そんなことのために大切な時間を無駄にしてまで一日に何度も洗 髪する必要はない。繰り返していうが、洗髪はヘルメットや帽子を着用する方で、夏 場に大量の汗をかいた場合を除いて、一日一回、入浴の際に行うだけで充分なのであ る。

高圧水流などの器具を使用してはいけない

 近ごろ、「シャンプー時に高圧水流で頭皮を叩き、毛穴の中の汚れをきれいに洗い 落とす」という器具がいくつか市場に出回っているそうで、弊社にはこの器具に関す る質問も急増している。

 「シャンプーだけでは毛穴の中の汚れまでは落とせな い。『確実に利くハゲ治し理論」に、「洗浄力の強いシャンプー剤は危険」と書いてあ ったが、水で毛穴の中の皮脂を洗い出すのだから問題がないのではないか。それに強力な水流がシャンプー剤もきれいにすすぎ落としてくれるし、適度なマッサージ効果 もあるので、育毛には絶対よいはず」と想像たくましくおっしゃる。

 また、「せっかく育毛剤を使用しても、皮脂が邪魔をして、効果が半減してしまう が、この器具で毛穴の中の汚れまできれいに叩き出せば、育毛剤の効果も倍増する」 などとおっしゃる方もいる。

 しかし、水分(汗)と混じり合って保護膜を形成させる皮脂は、油とは違うのであ り、皮脂そのものは人体に必要な有効成分の浸透を妨げたりはしない。

 この事実は、温泉の湯治効果からも容易に理解していただけると思う。

 温泉は昔から、病やケガに効果があるといわれているが、その温泉に入るたびに全身の皮脂を徹底的に洗い流す人はいない。そんなことをしなくても、確実に湯治効果 は得られるのである。

 全く同じ理屈で、皮脂が育毛剤や化粧品の効果を妨げるといううわさは、根拠のな いものであり、真っ赤なウソである。

 たとえいかなる方法であっても、皮脂を根こそぎ取り去ったりする行為は絶対にや るべきではない。

 

髪の毛だけを洗ってはいけない

 シャンプーという行為は「髪の毛を洗うもの』と勘違いしている方が随分多いが、 シャンプーは髪の毛ではなく、実は頭皮を洗う行為である。  頭皮を洗うと、その泡などで髪の毛の汚れも一緒に落ちるので、意識的に髪を洗う 必要はない。

 シャンプーという日常的な行為を、髪の毛を洗うことだと信じ込んでしまい、洗髪 のたびに髪の毛をもみ洗いすると、髪の毛を覆っているキューティクル(毛の表面を 覆う硬いタンパク質層)が互いにぶつかりあって壊れてしまい、その結果、枝毛や切 れ毛などのトラブルを発生させてしまう。毛糸の束をもみ洗いすると毛玉ができてし まうのと原理は同じだと考えてもらえばよい。

 「美しい艶やかな髪を保ちたい』と意識的に髪を洗っている女性たちに、枝毛や切 れ毛などのトラブルが多いのもこのためである。

 一方、脱毛症を心配する方も、洗髪をするときに、抜け毛に対して必要以上に神経質になってしまい、頭皮はおろか髪の毛さえも洗わない方がいる。 

 もし本当に髪のトラブルと訣別したいのであれば、勇気をもって正しいシャンプー 法を実行していただかないと、当たり前のことだが脱毛症を克服できない。

 髪と頭皮を清潔に保つことは、脱毛予防に欠かせない絶対条件の一つであり、シャ ンプーという行為は、髪の毛の汚れ落としではなく、『頭皮の汚れ落とし』である。

 頭皮の汚れを放置しておくと、頭皮の皮膚呼吸困難、雑菌の繁殖、ひいてはフケ、 かゆみなど、さまざまなトラブルを発生させてしまう。

 頭皮をきちんと洗えば、その泡で髪の毛もきれいになるが、洗髪時の抜け毛を心配 してソロソロと髪の毛を手で押さえるように洗うだけでは、いうまでもなく、頭皮の汚れは落としきれない。  そればかりか、落としきれなかった汚れがどんどん蓄積されてしまう。

 正しい洗髪法については第五章で詳しく述べるが、健康な髪の毛を保つためにも、 洗髪時の抜け毛などは気にしないで、両手指の腹で頭皮をゴシゴシと強くこすり洗い、 汚れをしっかりと落とさなければ洗髪する意味がない。

 繰り返すが、洗髪は髪の毛ではなく、頭皮を洗う行為なのである。

 つけ加えると、Aさんにはついに正しいシャンプー法を実行していただけなかった。 脱毛不安に捉えられてしまった方の思い違いを正すのは、それほど困難なのである。 私の説得力不足、力不足を思い知らされ、つくづく反省させられた事例である。

 

すすぎを簡単に済ませてはいけない

 ときどき驚くような質問、相談が寄せられる。その代表的なのが、「◯◯のシャンプーは肌によい成分で作られているから、なるべくすすがない方がいい んですよね」という質問である。冗談ではなく、真剣な相談なのだから、その間違い を説明するのに、毎回少しばかり苦労する。

 なかには、「飲んでも害がない」と信じ込んでいらっしゃる方さえいて、返答に窮 することもしばしばである。商品に対する絶大な信頼をお寄せいただくのはうれしい 限りだが、この種の誤解を解くのはなかなか骨が折れる。

 あらためて記すまでもないが、シャンプー剤は、洗浄を目的として製造されている ものである。配合成分がいかに肌によいもので構成されたものであっても、完全にす すぎ落とさなければならないし、ましてや食品ではないのだから、飲用されるなど、 とんでもないことである。  これほど極端ではないが、「洗髪とは、シャンプー剤で泡立てることであり、すす ぎは泡がなくなればよい」と考えている方も多い。

 実際は、シャンプー剤の作用によって髪と頭皮から浮き上がった汚れを完全に取り 除く行為が洗髪である。つまり、シャンプー剤の泡で汚れを包み込み、その泡を完全 にすすぎ落として、初めてシャンプーといえるのである。

 配合成分の内容に関わらず、洗浄剤であるシャンプー剤を残したままで、髪と頭皮 に日光が当たると、洗浄剤が化学変化を起こし、大きなダメージを与えてしまう。  この場合の化学変化は、ドライヤーの熟でも誘因されるので、くれぐれもすすぎを おろそかにしてはならない。すすぎが完全であれば、適切なドライヤーの使用によっ て髪や頭皮が傷むこともない。

 洗浄剤であるシャンプー剤は、神経質なくらい丁寧にすすぎ流してちょうどよい。 シャンプーは、完全なすすぎをもって初めて目的が達せられるわけである。

 そして補足としていえば、洗髪でもっとも大切なのが、シャンプー剤の選択という ことになる。

正しいシャンプー法

ヘアケアの基本はシャンプー

 私が小さかったころ、近くの空き地に三軒の家が建てられ、両端の家には、新婚ら しい若い夫婦が住むようになったが、なぜかまん中の家は空家の状態が続いたままだ った。  同時に建てられた家なのに、一方の家だけが眼に見えて古びてゆくのに、もう一方 の家は新築時とあまり変化がなかった。

 子ども心に観察していると、まもなく二軒の家の違いは、その家の主婦の生活態度 に反映されたものだと判明した。

 いつまでも新築当初のままの状態であった家の主婦は、毎日家の隅々まできれいに 清掃していたが、一方の主婦はたまにしか掃除をしなかったために、家の傷み具合に 著しい差が生じたのである。

 これらの違いは、たとえば台所で使用する鍋の汚れ具合にもあらわれる。

 ためしに毎日使用するふたつの鍋の一方を、内外とも磨き、残る鍋を内側だけ洗ってみるとよくわかる。内側と外側を毎日磨いた鍋は、二十年使用しても新品とあまり 変わらないが、内側だけ洗った鍋は数年の内に見るも無惨に汚れてしまい、買い換え を余儀なくされてしまう。

 要するに、入が住む家も、煮炊きに使用する鍋も、毎日の手入れを怠らなければ、 いつまでもきれいな状態を保てるのである。

 同じことは髪や肌についてもいえる。戦後になって家庭風呂の普及にともない、日 本人の入浴回数が普及前に比べて急速に増え、ほとんどの方が毎日風呂に入るように なった。それにともない、女性たちの肌年齢も年々若くなっている。もちろんその裏 には、化粧水や乳液など基礎化粧品類が進歩したお陰もあるが、なによりも、毎日の 入浴で肌の汚れを翌日に持ち越さなくなったことが最大の理由といえる。

 ところが中には、『洗髪すると毛が抜ける』と信じ込んで、風呂に入っても髪を洗 わない方がいる。そんな方に限って脱毛症に悩んでいるのであるが、頭皮の汚れによ って起こる毛母細胞の呼吸困難が脱毛症の最大の原因であることを考えれば、しごく 当然の結果なのである。風呂に入っても髪を洗わないのは、入浴時に顔を洗わないのと同様に不自然で不衛生な行為であるばかりでなく、頭皮についていえば脱毛症につ ながるので、ぜひとも改めていただきたいと思う。

 いつまでも健康な髪の毛を保つには、髪と頭皮を常に清潔に保たなければならず、 そのためにも毎日の洗髪を習慣づけていただきたい。  

 

コンディショナーの使用で髪長もち

 一般に、男性の方は洗髪後、「コンディショナーを使用すると、脂性がひどくなっ てしまう」と誤解して、コンディショナーを使いたがらない傾向があるが、むしろ逆 で、コンディショナーを正しく使用すると、脂性は解消される。

 また、女性たちの中にも、コンディショナーの役割を、単に「洗髪後の髪の櫛通り をよくするため」に使用するものと勘違いしている方が意外に多いが、コンディショナーは、洗髪後の髪と頭皮の圈(アルカリ度・酸性度)を整えるのが主目的で使用す るものである。  頭皮を含む人の肌は、弱酸性の状態がもっとも望ましいが、洗髪直後の皮脂が洗い 落とされた髪や頭皮は、アルカリ度が強くなる。近ごろ流行の『弱酸性シャンプー』 を使用した場合もこのメカニズムは変わらない。これは、洗浄剤を使用したときばか りでなく、水やぬるま湯で洗顔した際に、顔が突っ張るのと原理は同じである。

 つまり、洗顔、シャンプーなどで保護膜(皮脂膜)が失われたためにあらわれる現 象なのである。  入浴直後や洗顔後に化粧水や乳液を使用すると、この肌の突っ張り感は直ちに解消 されるが、これは、化粧水や乳液の配合成分の作用で、人工の保護膜が 整えられるからである。しかし、化粧水などを使用しなくても、ある程度時間が経過 すると、やがて突っ張り感は薄れる。肌を乾燥などのトラブルから保護するために、 洗顔直後は皮脂が大量に分泌され、猛スピードで保護膜(皮脂膜)が形成されるから である。

 不精な方が、化粧水などを使用しないで過ごせるのも、このためである。ただ、そういった方の肌は、化粧水などを使用する方と比較すると、老化が早くなってしまう。

 この事実は、基礎化粧水の普及にともなって女性たちの肌年齢が若くなっているの を見ても、容易に理解できると思う。

 同様に、洗髪直後の頭皮は、フケ、かゆみなどのトラブルが起きないように、大量 の皮脂が急速に分泌されて、猛スピードで保護膜(皮脂膜)を形成させる。  皮脂は本来、保護膜形成のために分泌されるものであるが、分泌量が多過ぎてもよ くない。洗髪後の髪にコンディショナーを使用すれば、肌に化粧水や乳液を使用する のと同様の効果が得られ、必要以上の皮脂分泌が抑えられるので、面倒がらずに必ず 使うようにしていただきたい。

 保護膜(皮脂膜)のもっとも大きな役割は、頭皮の呼吸を妨げることなく表皮水分 を保持することである。したがって、コンディショナーは、大豆などに含まれる油脂 「レシチン」や、もっとも保水力が高い成分である「ヒアルロン酸」などが配合され ているものが理想である。

 また「コンディショナーはヌルヌルして嫌だ!」といって、ぬめりがなくなるまで 洗い流す人が多く見られるが、『髪と肌の成分は同じ」というコンセプトに従って作られ、洗顔後の乳液としても使用できる弊社のコンディショナーに限っていえば、実 はコンディショナーのヌルヌルが保腹膜となって、シャンプー後の髪と頭皮を健やか に保つので、完全に流してしまっては、使用する意味がなくなってしまう。

 しかし、市販のコンディショナーは、皮脂膜のような保護の働きは二の次に考えて いて、単に櫛の通りをよくするために油膜を作ることを目的としており、かえって頭 皮の呼吸を妨げるものが多いので注意が肝要である。

 なかには、「コンディショナーの成分を残さないよう」勧めるものまであるが、コ ンディショナー本来の目的からして、そのような商品は使用する意味がないばかりか トラブルの元と考えたほうがよい。

 髪をベストコンディションに素早く整え、しかも必要以上の皮脂分泌を抑えるため にも、必ず肌にもよい成分で作られたコンディショナーを使用することが肝要である。

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