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通販サイトの販売促進活動の基礎知識

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目次

通販サイトの販売促進活動

販売促進とは購買の直接的な動機付けを行なう活動

広告・販売促進・営業活動の得意分野 企業にとって、なぜ販売促進が必要なのでしょうか? 当然のことながら、企業は収益を得るために存在しています。ですから、すべての企業活動は収益に貢献することが基本になります。販売促進も、そのために実施します。 広告は「認知促進・イメージ形成」が得意分野ですが、販売促進は「購買の直接的な動機付け」が得意分野です。そして、営業活動は「直接販売」が得意分野です。このような広告、販売促進、営業活動の得意分野を、企業は効果的にかつ正しく使い分けることが収益を得るために必要になります。 新商品の発売を例にとりましょう。 たとえば、新商品が化粧品であれば、「どのような悩みを解消する化粧品が新発売されたのか?」「自分の肌に合った化粧品なのか?」

薬の通販は、こちら→サプリ館

薬の通販は、こちら→エイビス薬局

「パッケージなどの見た目は、好きになれるか?」 というように、消費者にその化粧品の認知の促進とイメージを形成してもらうことが、広告の役割となります。 キャンペーン期間を設け、その期間に消費者が化粧品を購入すると特典がもらえるなど、購買の直接的な動機付けを行なうのが、販売促進の役割となります。 そして、お店で店員が、お客様に実際に化粧品を試してもらい、直接話しかけて販売することが、営業活動となります。 また、新聞折込チラシなどに広告を掲載した期間と、売り場に設置するPOP広告のタイミングが合っているか(広告掲載日と販売促進の連携)、店員のお客様への対応が、広告に掲載している事柄(キャンペーンや特典の内容)に合っているか、販売促進の施策に合っているか(店員や営業部門と販売促進の連携)といったことも、企業にとって必要な活動です。 広告、販売促進、営業活動がうまく連携しないと、せっかくの努力が無駄になることもあります。逆に、それぞれを連携させ、統合的に実施していくことによって、効果を増幅させることが可能です。その結果、企業の収益の拡大に貢献することが期待できるわけです。

販売促進の目的

販売促進の目的

 

販売促進はマーケティング活動の一部
マーケティング活動の最終仕上げ
現代マーケティングの第一人者として知られ、日本でも数多くの著書が翻訳されているアメリカの経営学者、フィリップ・コトラーの定義によれば、「マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス」とあります。 一般的な商品のマーケティング活動では、ターゲット市場から期待する反応を引き出すために、さまざまなマーケティング・ツールを使います。複数のマーケティング・ツールの組み合わせを「マーケティング・ミックス」と呼びます。「4P」と「4C」 マーケティング・ミックスの分類は、これまでさまざまなものが提唱されてきました。最も代表的なものは、1961年にアメリカのマーケティング学者、ジェローム・マッカーシーが提唱した「製品」(Product)、「価格」(Price)、「流通」(Place)、「プロモーション」(Promotion)からなる「4P」という分類です。

マーケティング4P

マーケティング4P

 

マーケティング・ミックスとは、マーケターがターゲット市場から期待する反応を引き出すために用いるマーケティング・ツールの組み合わせのことなので、当然、企業は事業の内容や戦略の相違によって、異なるマーケティング・ツールの組み合わせを行ないます。たとえば、
「いかに製品を開発するのか?」
「どんな価格で売るか?」
「どんな販売チャネルを使うか?」
「どんなプロモーションを行なうのか?」

といった判断を下します。 4Pというマーケティング・ミックスの視点は、売り手側の見方です。これに対して、1980年代、マーケティング・ミックスの新たな発想である「4C」を提唱したアメリカの広告学者が、ロバート・ラウターボーンです。 前述の「4P」のような“プロダクトアウドのマーケティングの概念について、買い手側の視点での「4C」という根本的な批判を行ないました。これが、“マーケットイン”の発想へと転換する大きなきっかけになりました。 ラウターボーンは、売り手は4Pを設定する前に、まず買い手の視点で4Cの検討から入るべきだと主張しています。 4Cとは、「顧客価値」(Customer value)、「顧客コスト」(CustomerCost)、「利便性」(Convenience)、「コミュニケーション」(Communication)からなります。それぞれ、4Pに対して次の図のような形で対応しています。

マーケティング4Pと4C

マーケティング4Pと4C

 

ラウターボーンが主張しているのは、「マーケターはターゲット市場の顧客を4Cの視点で理解すれば、4Pの設定もはるかに容易になる」ということです。
4Pと4CはIつひとつ対応して考えることができます。
「Product」である「いかに製品を開発するのか?」に対して「Customervalue」は、「お客様にとっての価値とは何なのか?」

「Price」である「どんな価格で売るか?」に対して、「Customer Cost」は、「お客様にかかるコストや時間はどれ くらいなのか?」.「Place」である「どんな販売チャネルを使うか?」に対して、「Convenience」は、「お客様にとっての利便性はど のようなものか?」.「Promotion」である「どんなプロモーションを行なうのか?」に対して、「Communication」は、「お客様との対 話はどのようなものか?」 そもそも、マーケティングがターゲット市場を決めて顧客を理解することから始める活動だということを考慮すれば、ラウターボーンの主張はきわめて正当性があります。 前述の4Pである「いかに製品を開発するのか?」「どんな価格で売るか?」「どんな販売チャネルを使うか?」「どんなプロモーションを行なうのか?」といった判断も、対象となる顧客や市場が決まっていて初めて下すことができます。 適切なマーケティング・ミックスを行なうためには、まず「顧客ありきの視点」が必要なのです。 しかし、逆にいえば、4Pがマーケティング・コンセプトに基づくものであることを考えると、4Cの視点はあらかじめ4Pの中に埋め込まれているといえます。 たとえば、「いかに製品を開発するのか?」という視点ではなく、「顧客にとって、どんなベネフィット(利益、便益)をもたらす製品を開発するのか?」という視点に変えるだけでも、顧客ありきの視点をもつことができるからです。

このようなことは、ごく当たり前に考えられますから、そもそも顧客志向でないマーケティングなどありえないといえるでしょう。
マーケティング4Pの中のプロモーションには、「広告」「販売促進」「PR」があります。広告で商品の存在を認知させ、PRでその商品の価値を広く伝えていったとしても、最終的にターゲットとの接点をつくり、購買の直接的な動機付けがなされなければ、販売にはつながりません。

「顧客志向」で消費者とコンタクトをとる

マーケティングの成功例として有名なのがサントリーの『伊右衛門』です。本木雅弘と宮沢りえが登場する江戸時代の京都を舞台にした「日本の伝統」を掲げたテレビCMで、ブランドイメージを訴求したことは、記憶に残っていると思います。 従来の緑茶飲料よりも2倍以上の広告宣伝費用をかけて、先発ブランドとの決定的な差別化を図り、交通広告や店頭のPOP広告、べ夕付けの景品類など、さまざまなコンタクト・ポイントで消費者にアピールすることに努めました。 『伊右衛門』を販売重点商品と位置づけたセブンーイレブンでは、約1万の全店舗に最低1段の棚を確保するように促しました。サントリーも、のれん形の販促物をコンビニ向けに用意しました。これらのプロモーション活動により、予想をはるかに超える販売量になりました。
『伊右衛門』の成功は、ブランドイメージの訴求だけでなく、マーケティング活動の最終工程である「販売促進」に力を入れたことも、大きな要因といえるでしょう。

なぜ、いま販売促進なのか?

マス広告による販促効果に限界あり 時代が変わり、生活者の意識・行動・価値観も変わり、「買い方」も「売り方」も変わりました。「購買の直接的な動機付けをする活動」である販売促進は、ますます期待が高まっています。 販売促進も新しい時代にふさわしいものに変わらなければなりません。実際に販売促進において、どのような環境変化が起きているのか見ていきましょう。不況かつ飽和で、モノが売れない 商品の販売環境は大変厳しい状況にあります。簡単には売れない時代です。それは現代が、モノに満ち溢れた飽和時代・成熟時代にあるからだということを理解しなければなりません。 高度成長期やバブル経済の時代に、日本は成長を続けました。商品をつくれば売れた時代です。販売活動にあまり力を入れなくても、商品は自然に売れたのです。

ところが、時代はやがて成熟期という、商品が飽和し、つくっても売れない時代に入りました。一方、生活者は豊かな時代の中で確かなものを見る目を身につけ、商品を選ぶ目が厳しくなっています。 このようなことから、企業は売るための知恵が必要になり、いかに消費者の購買欲求を刺激するかに力を入れなくてはならなくなったのです。 かつて小売店を牽引していた百貨店やスーパーが、次々に経営不振に陥っていることが象徴的な例です。 東京・銀座の百貨店では、2010年、松坂屋銀座店にアメリカのファストフアッションチェーン『Forever21』が出店したのを皮切りに、その後、家電量販店などもオープンしました。総合的に商品を扱っていた百貨店が、専門店化の動きを見せています。 これまでの百貨店共通の特徴としては、ターゲットをある程度富裕層に定めて、高級ブランドを中心に展開してきたことが挙げられます。しかし、多くの百貨店はここにきて、「ユニクロ」のような、ブランドイメージを活かしたワンランク下の商品群を揃え、富裕層とは異なる顧客をターゲットとしています。これまでにない展開によって売上を伸ばすことに、より一層力を入れているのです。 もちろん、「友の会」に代表される会員組織づくりによって、顧客を囲い込み、会員だけの特売情報や、積立金サービス、お年玉キャンペーン、さらにイベントヘの招待・優待も引き続き行なっています。 以上は、囲い込んだ顧客への購買意欲を刺激し、来店頻度や購買単価を上げるための代表的な例といえるでしょう。

価格訴求の限界
パソコンやAV機器を中心とした電化製品の価格比較ウェブサイト『価格.com』に、月間約3766万人(2011年12月末現在)のユーザーがいることからわかるように、長引くデフレ期であることはもとより、インターネットの普及によって価格の透明性が一般化してきています。徹底的なコストダウンだけでは、限界にきているといえるでしょう。 ましてや、いまは「安い」のは当たり前で、「安くていいモノ」でないと競合に勝てない時代になってきています。単なる価格対策では商品は売れません。 このことは商品企画力が、販売効果を上げるための大きなインパクトになっていることの表われでもあります。しかし現在、新商品は次から次へと世に出ており、中長期的に取り扱われる商品はごく一部で、他はすぐに撤退せざるを得ない大変厳しい状況となっています。 ですから、商品企画力以外で、販売効果にインパクトを与えられる方法が必要となってきています。 小売店が企画力のある商品をメーカーから仕入れ、取り扱い、それなりの陳列を考えただけでも、一時的に売上を伸ばすことはあるかもしれません。しかし、それだけでは弱いでしょう。すぐれた「キャンペーンアイデア」を考え、さらには繰り返し購入してもらうための施策を実践しなければ、価格競争に巻き込まれることはもとより、中長期的に発展できるとはいえません。 キャンペーンアイデアの一つに、百貨店でいえば、地域を限定して、農産物や海産物などの特産品を集めて展示即売する物産展の中でも、『北海道物産展』は人気があります。いまや百貨店全体の売上にも大きく影響を及ぼすようになっています。

マス広告による効果の限界
企業が出稿する広告媒体の中で、「4マス媒体」といわれるテレビ、新聞、雑誌、ラジオは、ここ数年、広告媒体としての取扱いが軒並み減ってきています。これは、それぞれの広告の効果が落ちてきていることはもとより、長引く不況で企業が費用対効果を強く求め、そもそも効果を測定しにくい媒体として敬遠するようになったからでしょう。 かつてマス広告は、商品・サービスのイメージを訴求することが中心的な役割でした。そして、店頭での販売促進のそれは、テレビCMの商品・サービスのイメージを想起させ、販売につなげることでした。 しかし、現在は単純に商品・サービスのイメージを訴求することだけに、企業は広告予算をかけられなくなってきています。 このことからも、販売促進による直接的な購買の動機付けが必要となってきているのです。 すぐれたキャンペーンアイデアを考え、店頭で展開していくことはもとより、いままでマス広告が得意であった「認知促進・イメージ形成」の分野に聞しても、インターネットを絡めた販売促進の工夫で、商品・サービスのイメージの訴求に影響を与えることができます。

新メディアヘの対応
インターネットが各家庭に普及していることはいうまでもありませんが、いまや「スマートフォン」も普及し、これまでのマスメディアの役割が変わりつつあります。いわゆるI対多数への高い費用をかけたアプローチから、より限定された対象への低コストでのアプローチが可能になったのです。 また、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の登場は、インターネット上の新しいコミュニケーションの形を実現しました。その他、YouTube、Twitter、Facebookなどを総称して「ソーシャルメディア」といいます。 中小店でも、キャンペーンやイベント、新商品の告知だけでなく、地域情報の発信、顧客とのコミュニケーションをソーシャルメディアにより、リアルタイムに行なうことによって、さまざまな効果を生み出しています。 中でも情報の伝播力が高く、日本人のコミュニケーションに合うといわれるTwitterは、やり方によっては効果的な販促媒体になるでしょう。 予約をTwitter上で受け付け、2割近くのお客様がTwitter経由という飲食店(東京の豚肉料理専門店『豚組』)もあるなど、販売促進を実施するにあたってTwitterは無視できない存在になってきています。 携帯電話も、スマートフォンに進化し、いままで以上に、いつでも、どこからでもアプローチできるという利点を活かせる機器・性能になってきています。消費者の購買データやニーズに応じた販促情報を、最もふさわしいタイミングで提供でき、購買までつなげられるツールとして、販売促進に必要不可欠となっているといえるでしょう。 このように、いままで以上に新しい手法を学び、時代にマッチした販売促進の施策に取り組むことが、企業には求められています。 今後インターネットは、単独で販売促進に活用するだけでなく、他の販促手法と組み合わせて使うことで、さらに効果を高めることができます。

販売促進が行なわれる領域

本領を発揮するのは「販売時点直接型」
販売促進ぱ守備範囲”が広く、その活動がカバーしている領域はさまざまです。その領域(販促手法)は、主に次の5つです。具体的に見ていきましょう。

販売時点直接型
販売促進が最も本領を発揮する領域が、「販売時点直接型」です。
たとえば、消費者に商品サンプルを配り、その商品を実際に試してもらうことによって(試用体験)、購入を決断して
もらうことです。または、消費者に試しに買ってもらいやすくするために、割引チケットなどを配布することもそうで
す。つまり、「いま、その商品を買ってもらう」動機付けを担います。
「商品サンプル配布」の代表的な例を見ましょう。化粧品・医薬品・医薬部外品の通信販売を手がける株式会社再春
館製薬所(熊本市)の8点セットの化粧品無料サンプルです。

化粧品無料サンプルの告知は、TVCMをはじめ、新聞広告、ウェブサイトなどで実施します。これに対し、消費者は電話、ハガキ、FAX、インターネットで中し込むことができます。
中し込んだ消費者には、約3日分の試用ができる「化粧落しジェル」「洗顔石鹸」「保証液」「美活肌エキス」「クリーム20」「保護乳液」「光対策 素肌ドレスクリーム」「泡の集中パック」の8点セットの化粧品無料サンプルとともに、
肌について考えるパンフレットなどを送付しています。

媒体活用型(新規顧客向け)
マス媒体であるテレビ、新聞、雑誌、ラジオではなく、新聞折込広告チラシやDM(ダイレクトメール)など、ターゲット層・配布エリアを絞り、限定した範囲で購買の直接的な動機付けをするのが、「媒体活用型」の領域となります。 しかし、「マス」といわれている媒体でも、たとえばローカルテレビや、地方紙、ローカルラジオなども、購買の直接的な動機付けができるのであれば、販売促進の活動領域といってもよいでしょう。 また、チラシといっても、ポスティングチラシ、街頭・店頭配布チラシ、店頭・屋内設置チラシ、商品同梱・会報誌同封チラシなど、さまざまです。 その他、地域密着型の店舗ビジネスでは、フリーペーパー(クーポン付き情報誌)、交通広告、屋外広告などの活用が代表的です。

媒体活用型(既存顧客向け)
既存顧客に媒体を活用して、購買の動機付けのためのアプローチを行なう領域です。 一度でも購入した顧客にDMを送る際は、事前に氏名、住所などを取得しておくことが必要です。Eメールでアプローチをする際は、メールアドレスを取得しておく必要があります。 このアプローチは、通販ビジネスであれば、再度の購入を促すことであり、店舗ビジネスであれば、再来店を促すことがその目的となります。 コストがかからない効果的な販促策としてよく使われるのが、小売店や飲食店でおなじみの「モバイルメールの活用」です。 たとえば、和食店が「本日、とっても珍しいカレイを仕入れました。常連さんには新鮮な刺身を食べてほしいです。5人分限定で予約を受け付けていますので、お早めに!」というように、タイムリーな情報を既存客に配信することによって、高い動機付けになることが少なくありません。

イベント活用型
文字どおり、イベントを活用した販売促進の領域です。新規顧客、既存顧客のどちらにも活用することができます。 イベント自体の認知をPR的な意味合いから、地域に対して話題の拡散を狙うことや、企業や商品・サービスの認知を広げることにも貢献できます。 まずはイベントに集客することがポイントとなります。業種によってさまざまな切り口があるでしょうが、楽しく、盛り上がるイベントを企画したいものです。 イベント活用型の領域での販売促進は、購買の直接的な動機付けだけを目的にするのではなく、むしろ認知や話題拡散を目的にすることに向いています。 東京のJR飯田橋駅に隣接した「飯田橋ラムラ」は、飲食店、小売店を中心に約30店舗のテナントが出店する商業施設ですが、毎週、「ラムラミュージックライブ」が開催されています(2012年1月時点)。 それほど大きくない会場(広場)ですが、40〜50名のお客様が観客として集まってきます。中には毎日通う常連もいるほど、人気のイベントとなっています。「毎日、どこかで何かをやっている商業施設」をテーマに、ほんの小さなライブでも続けていることによって、地元はもとより、少し離れた地域からも人が集まり、消費者に認知され、商店街への売上にも貢献しています。

インターネット活用型
インターネットを活用する領域は、通販ビジネスでは欠かせないものです。店舗ビジネスでも、他の領域と連動して実施することが求められます。 単純に、自社・自店のホームページのアクセスを増やすだけにとどまらず、そこからどのように販売につなげていくのかを考えなければなりません。 販売に直接つなげるためには、メールマガジンを発行したり、ブログを活用したりなど、アクセスしてきたターゲットに継続的にコンタクトがとれるように工夫することが必要です。 ある地方の美容室チェーンでは、定期的にキャンペーンの告知を行なっていますが、その際、ホームページをタイムリーな情報提供の媒体としてうまく活用して、常に予約でいっぱいになっています。 具体的には、お店の訴求ポイントを明確にしたうえで、店内空間の写真とわかりやすい料金メニューをホームページに掲載しています。それだけではなく、キャンペーンや新サービスのお知らせ、お客様の喜びの声、そして顧客にとって役に立つヘアケア情報、親しみやすいパーソナルな話題を書いたスタッフ日記を頻繁に更新することによって、アクセス数を増やしています。 また、メール会員に登録してもらうことによって、一度興味をもったお客様に定期的に情報を流して、能動的に接触することで、来店につなげています。 ターゲット層に合わせ、モバイルサイトも同時につくっておいたことも、集客に貢献しました。 これからは、Twitter、Facebookなど、ソーシャルメディアと絡めた販売促進も活用していきたいところです。

「販売時点直接型」「新規顧客向け・媒体活用型」「既存顧客向け・媒体活用型」「イベント活用型」「インターネット活用型」の詳細は、改めて後で解説します。

販売促進の業務と役割

「買い手」と「売り手」の両方に影響を及ぼす4つの販売促進の業務
マーケティングの理論では、販売促進は「広義」と「狭義」に分けられます。 狭義の販売促進は、広告と営業活動を補完し、両者を調整して効果的にする販売諸活動というし実際には、明確に業務範囲を分けている例はほとんどないでしょう。 現実の販売促進の業務は、次の4つのケースに分けられます。ことになります。

(1)営業・販売を直接支援する業務
狭義の販売促進では、この領域だけを扱う場合もあります。購買の直接的な動機付けをする活動として、実店舗の場合であれば、販売員が売りやすくするためにキャンペーンやPOP広告、その他の販促媒体を通じて、営業・販売を直接支援します。

(2)広告による市場開拓業務
商品や店舗自体について、マス媒体を中心に、消費者に認知してもらうとともに、消費者に認知促進・イメージ形成をしてもらい、市場を開拓します。

(3)マーケティング全般を補う業務
商品開発、価格、流通、プロモーション全般を判断しやすいように、あらゆる調査や分析をもとに、企業側から「売る」という営業・販売の領域以外で、「売れる仕組み」をつくることを補完します。

(4)製品開発、商品企画への提案業務
「どのような製品を開発すると売上に貢献するのか?」「どのような商品企画を立案すると購買につながるのか?」を
(3)の業務を通じて、製品開発、商品企画部門に提案します。

小さな会社・お店の場合は、1人もしくは少人数のチームで、販売員を支援するどころか、自身が販売員になり、さらには製品開発、商品企画を立てながら「売れる仕組み」をつくるなど、すべてを担うことも少なくありません。
販売促進は、企業規模、業種、業態の実態に合わせて、最も効果的な体制や方法をとる必要があります。

営業・販売と販売促進の違い
販売促進は、営業や販売を補完するものとして出発した歴史から、営業に従属するものと思われている而が少なくありません。逆に、営業や販売にアドバイスする立場にもあるので、販売促進がこれらの部署の上位にあると思われている面もあります。
売上を上げる目的は同じでも、両者の役割は次の図のように分かれます。

営業・販売と販売促進活動の違い

営業・販売と販売促進活動の違い

 

営業・販売の役割は、顧客や見込客に対して直接、商品・サービスを売ることにあります。しかし、販売促進の役割は、原則的には商品・サービスを直接、顧客に売ることではありません。売る当事者である営業・販売とは一定の距離を置いて、営業や販売がより多く売ることができるように工夫することが、販売促進の仕事といえるでしょう。 売る当事者の営業・販売の担当者にとっては、「売り方」が中心の課題です。しかし販売促進の場合、「売り方」は 「売れる仕組みづくり」の一部といってもいいでしょう。 たとえば、ファッション販売店では、販売員が直接お客様に対応してヒアリングをしたり、ファッションのトータル提案をしたりなど、個別の商品を見せながらコミュニケーションを図り、商品を多く売ることが主な仕事となります。 一方、販売促進の担当者は、お客様に来店してもらうまでの一連の流れをはじめ、どのような時期に、どのようなセールやキャンペーンを実施するのかという企画から販売促進の実務、そして店頭でのディスプレイからPOP広告などの「店頭手法」の管理までが仕事です。 このことからも、この役割を明確に分けている企業にとって、役割をもった両者が「どのようにしたら、それぞれの特性を活かせるのか?」を考え、補完し合うよきパートナーとして認識し、活動していくことが大切です。

社内の理解とやる気を醸成するのも仕事
当たり前のことですが、販売促進の対象は、顧客であるエンドユーザーです。商品・サービスを販売するためにはそのターゲット層に商品・サービスを認知してもらわなければなりません。

しかし、素晴らしい広告を積極的に展開することによって、社会的に話題になり、目立つキャンペーンによって多くの人々に認知されるようになっても、必ずしも商品・サービスが多く売れるわけではありません。 その要因はいろいろと考えられますが、多い例として、ターゲット層に届ける商品・サービスの訴求ポイントと、そのためのメッセージの乖離、販促媒体の選択ミスが挙げられます。 たとえば、若い女性をターゲットにしているにもかかわらず、新聞折込広告チラシをメイン媒体にして訴求するという失敗です。そもそも、若い女性は新聞を読まなくなっています。いくら大量に新聞折込広告チラシを配布しても、若い女性には届きません。 また、社内での情報共有がうまくいっていないことにより、販売促進に含まれる媒体上でのメッセージと、実際に店頭や店舗内で対応するスタッフの接客が異なっていると、顧客はそのことに“ギャップ"を感じます。最悪の場合、失望して、二度と来店しない場合もあります。 たとえば、お店で一番拡販したい商品を決めたとしましょう。その商品の特徴をあらゆる販促媒体で訴求しておいたにもかかわらず、スタッフにしっかりと伝わっていなかった場合はどうなるでしょう? お客様はせっかくその商品のことが気になって来店しているのに、スタッフが他の商品を勧めたり、その商品の詳細が説明できなかったりして、機会損失をするといった例は少なくありません。 このような失敗が起きないように、自社の営業・販売・接客スタッフをはじめ、あらゆる社内スタッフヘのコミュニケーションを密にしなければなりません。社内に理解されない、または伝わらない販促活動は、失敗する確率が高いといっても過言ではありません。 さらに、販売促進担当者は、関わるスタッフ全員が当事者として「たくさん売ろう!」という気になる企画やコミュニケーションを積極的につくることも重要です。 期間的に余裕をもった販促企画を立てて、数値目標や、各スタッフの役割分担も明確にし、何度かミーティングを重ね、意識合わせをすることです。場合によっては、数値目標を達成したときのインセンティブを与えるなど、社内への動機付けを積極的に行ないたいものです。 奨励金や大入り袋を渡すなど、わずかなものでも「売り手」の売る気づくりによい影響を及ぼすことができるでしょう。このような「売り手」に対しての影響も、販売促進担当者の重要な役割です。

販売促進の仕組みと流れ

マインドシェアを獲得しよう
顧客の階層とターゲットヘの心理目標を考える

マインドシェアとは何か
「マインドシェア」とは、一人ひとりのお客様の自社・自店に対する想いのシェアのことをいいます。購買の直接的な動機付けをする販売促進の観点から考えると、市場のシェアである「マーケットシェア」を得ることよりも、お客様の心の中でのシェアである「マインドシェア」を得ることのほうが重要です。
ひと口にお客様といっても、販売促進では、自社・自店との関係の深さにより、さまざまな種類に分けられます。

顧客の階層(未認知客から常連客まで)
具体的に見ていきましょう。マインドシェアの考え方は、次のように説明できます。 たとえば、居酒屋や美容室など、あなたが常連客になっているお店を思い浮かべてください。 おそらく常連客になる前は、そのお店の名前を聞いても、どんなお店かわからなかったでしょう。これが顧客の階層の一番下、「未認知客」に当たります。 次に、知人や友人にお店の評判を聞いてよさそうだと感じたら、試しに入ってみるでしょう。これが「トライアル客」です。 実際にサービスなどを体験し、満足度が高ければ、再び足を連ぶようになるのが「既存客」です。気づいたら、「常連客」になっていた、というような流れではないでしょうか? このようにマインドシェアを広げていくことで、お客様は一番上の顧客の階層である常連客に昇華していくのです。

ただ一足飛びに、常連客まで駆け上がることは不可能です。いくつかの段階を踏むことが必要になります。 流れとしては、まず、「未認知」の見知らぬ人(未認知客)が、「認知客」である「何か聞いたことがあるような気がするけど……」という階層に上がり、「準見込客」である「このお店のこと私知っているわ……」という階層を経て、 「見込客」である「タイミングが来たら、このお店に行くかも……」という階層に上がるというわけです。 最終目標は、マインドシェアが最も拡大した「常連客」です。一番上の顧客の階層である常連客が、「いいお店なので知人にも紹介したいわ!」というロコミの発信源となっていきます。 お店にお客様が共感できるところがあるからこそ、常連客になり、友人、知人、家族にも紹介したくなるわけです。 ところが、常連客は必ずしもロコミを広げてくれるとは限りません。自分にとってよいお店は、他の人に教えたくないと思う人も少なからずいるからです。 たとえば、やっと見つけた隠れ家的なコンセプトをもつイタリアンレストランがあったとしましょう。自分のひいきのお店に大勢の人が来店することに対して抵抗がありませんか? 隠れ家的なコンセプトだからこそ、自分以外の人にあまり知られたくないのです。 このようなことは、他の業態や違うコンセプトのお店でもよくあります。なぜなら顧客には、「よいものは独り占めしたくなる心理」が働くからです。

このことから考えると、顧客の心を満たすマインドシェアの現実的な目標は、「常連客」の階層ではなく、「ここは私のためのお店ね!」という「既存客」の階層になるでしょう。

お客様が共感できるコンセプトをつくる

「マインドシェア」を拡大していくために必要なこと

マインドシェアを拡大していくステップ

では、どうしてお客様はお店のファンになったのでしょうか? そして、ロコミをしてくれるのでしょうか?
前述のように、お客様に「ここは私のためのお店ね」という心理状態になってもらうためには、私たちは何をしたらよいのでしょうか?
販売促進の観点から、重要な対策上のポイントは次の2つです。
【ポイント1】お客様に「何に対して共感してもらいたいのか?」を決める
【ポイント2】「ポイント1」で共感を得たお客様のコミュニティをつくる
まず、お客様がお店のファンになった理由から考えてみます。これは【ポイント】と関連しています。

あなたのお店がイタリアンレストランだとしましょう。似たようなお店はいくらでもあるはずです。その中から選んでもらえるということは、あなたのお店に、商品のよさや価格だけでなく、お客様に喜んでもらうための独自の取り組みがあり、それにお客様が共感したという側面があったと考えられます。
たとえば、「大切な記念日を演出する」というコンセプトをもつイタリアンレストランで、単に食事やワインを提供するだけでなく、記念日をお祝いするためのメニュープランや催し物があれば、その取り組み対して、お客様が共感してファンになっていくわけです。
つまり、「共感できることがあった→ファンになる」という流れが見えてきます。

【ポイント1】のお客様に「何に対して共感してもらいたいのか?」の答えが、マインドシェアを拡大していくために重要な、会社やお店のコンセプトとなります。
このコンセプトが、次の図の中心にあるものです。このコンセプトを核として、新しい顧客にロコミで広がっていき顧客コミュニティをつくることになります。つまり、「ポイント1→ポイント2」となるわけです。

マインドシェアを拡大していくステップ

マインドシェアを拡大していくステップ

まず、「ステップ① 新規来店促進」として、顧客は、お店の看板やチラシなどを見て、初回来店します。次に、「ステップ② リピート客来店促進」で、再来店します。さらに、「ステップ③ 常連客育成促進」で、何度も来店します。
最後に、「ステップ④ 紹介促進」で、その常連客に友人、知人、家族を紹介してもらい、新しい顧客が来店します。このようにコンセプトを中心に、ぐるぐる回っていきます。
また、「ステップ① 新規来店促進」で、いきなり来店しない場合もあります。たとえば、ホームページを見た顧客が 「何かよさそうなお店らしい」と感じて、資料請求や問い合わせをしたり、メールマガジンに登録したりすることがそ
うです。その顧客に対して、「ステップ①見込客獲得」のアプローチによって実際に来店してもらうことが、2ステップのアプローチとなります。
見込客を通り越して、いきなり来店する場合が、1ステップのアプローチとなります。
また、一度もしくは何度か来店しても、何らかの理由でしばらく来店しないお客様も多いでしょう。そのような場合は、「ステップ⑤ 休眠客掘り起こし」によって、再来店してもらうアプローチが必要になることもあります。

顧客コミュニティと販売促進
いずれにしても、「顧客コミュニティ」をつくることが大切です。
そもそも、「コミュニティ」とは何なのでしょうか? 辞書を引くと、「共同体」などと出てきます。しかし、本書での定義は、「共感を軸につながるゆるやかな顧客の連帯感」とします。
では、コミュニティをつくるために、お客様をどう成長させていけばよいのでしょうか?
まず、コンセプトに共感してもらい、お客様に何度も来店してもらうために、コンセプトに合ったメッセージを定期的に発信します。そして、コンセプトに合った特別な交流の場としてイベントなどを開催します。このお店とお客様、さらにお客様同士のゆるやかな連帯感を築いていくことが大切です。

また、コンセプトは軸なので常に変わりませんが、販売促進策は、お客様のマインドシェアの浸透度による階層ごとに異なります。それぞれ適切な対応を行なうことで、費用対効果も高くなっていきます。 既存顧客には既存顧客向けのアプローチとしての販売促進策があります。この場合、新規顧客向けのチラシをつくるよりも、お礼のメッセージ(サンキューレターなど)を送るほうが効果的でしょう。もちろん、新規顧客にも新規顧客向けのアプローチとしての販売促進があります。新規顧客に既存顧客向けのDMを配布しても、費用が多大にかかり、コスト対効果は悪くなります。

集客ステップを理解する

「新規来店促進」から「休眠客掘り起こし」まで

集客のための6つのステップ
顧客の階層ごとに異なる集客ステップについて見ていきましょう。
それぞれの集客ステップを理解することは重要です。ぜひ下の図を理解したうえで、「どこに力を入れるのか?」「どのような優先順位で、販売促進をしていくのか?」などを考えて、実行に移してほしいと思います。

店舗向け集客ステップの各施策

店舗向け集客ステップの各施策

 

この図に挙げた集客ステップは次のとおりです。

・新規顧客、トライアル客を集める(ステップ①)
未認知客、または認知客に対しての販売促進策を実施します。

・見込客をトライアル客になるよう促す(ステップ①-2)
ステップ①で、すぐに来店や購買につながらなかった顧客に対しての販売促進策を実施します。ただし、「顧客リスト」を取得していないと実施できません。

・トライアル客をリピート客になるよう促す(ステップ②)
初回来店した顧客に対し、再来店してもらうための販売促進策を実施します。

・トライアル客、リピート客を常連客に育てる(ステップ③)
初回来店、または何度か来店している顧客を、常連客にするための販売促進策を実施します。

・紹介を促進する(ステップ④)
何度か来店している顧客や常連客から、友人、知人、家族を紹介してもらうための販売促進策、またはロコミを誘発するための販売促進策を実施します。

・休眠客を掘り起こす(ステップ⑤)
 一度、もしくは何度か来店しているが、何らかの理由でしばらく来店していない顧客に対し、もう一度来店してもらうための販売促進策を実施します。
ここで一つ大切なことがあります。新規顧客、トライアル客を集めるステップ①は、最もコストがかかり、むずかしいステップだということです。
ですから、できるだけその他のステップ(②〜⑤)に力を入れたいものです。コストはもとより、あなたやあなたのお店のスタッフの時間、エネルギー、知恵を、お客様に何度もリピートしてもらうことに使ってほしいと思います。

各ステップでの施策を、もう少し詳しく紹介しましょう。

ステップ① 新規来店促進
新規顧客は、「まだお店の名前も知らない、または聞いたことがある」という程度の心理状態です。何かきっかけがないと、そのお店には行きたいと思いません。ではどうしたら、行きたいと思うのでしょうか? それには、ある程度信頼できる情報の発信が必要になります。情報の発信というと、次のような販促手法・販促媒体が考えられます。

 

■販売時点直接型
①試用体験手法
商品サンプリングを配布して購入促進を図る手法
②価格訴求手法
価格政策による工夫で購入促進を図る手法
③キャンペーン手法
抽選によって景品を進呈し、景品の魅力で購入促進を図る手法
④プレミアム手法
特典やおまけによって購入促進を図る手法
⑤制度手法
ポイント制度やメンバーシップ制度など、制度をつくって販売をバックアップする仕組み(手法)
⑥店頭手法
「POP」を代表とする、何かしらモノを用いて店頭で通行人に告知する手法
■媒体活用型
①新聞折込広告チラシ
宅配される新聞に挟み込んで配布する媒体
②ポスティング
個人宅の郵便ポストや新聞受けに投函する媒体
②街頭配布
(ダイレクト・ハンド)
人通りの多い街頭や駅前、また繁華街などで、地域周辺の住民、通勤者に向けて手渡しで配布する媒体
④店頭・屋内設置
(テイク・ワン)
⑤ダイレ外メール(DM)
スーバーやレストランなど、各店舗のレジ横などに簡易パンフレットや小型のチラシを設置して、持ち帰ってもらう媒体郵便・宅配・電子メールなどで、直接相手にメッセージを伝える媒体
⑥FAXDM
FAXで送るダイレクトメール
⑦同梱・同封広告
特定の会員や顧客に発送している「会員誌」「通販カタログ」「請求書」などに、チラシを同封・同梱し、他社ルートを活用しで相乗り"という形で封入する媒体
⑧フリーペーパー
無料で特定の読者層に配布する媒体(広告収入をもとに定期的に制作される)
⑨交通広告
鉄道、バス、タクシー、飛行機などの移動性のある車両の内外、駅、空港などの施設内、構内、敷地内を利用して掲出する媒体
⑩屋外広告
街を通行する歩行者やドライバーといった幅広い対象に実施する、屋外にある媒体

■イベント活用型
①セールス型イベント
直接販売につなげることが目的のイベント。デモンストレーション販売、販促キャラバン、展示販売がある
②認知促進型イベント
新商品やサービスのキャンペーンや既存ブランドの認知拡大を図ることが目的のイベント。パフォーマンス・イベント、パブリシティ・イベントがある
③社会貢献型イベント
文化貢献のためや、環境問題に対応するなど、社会貢献がコンセプトのイベント
④商談型イベント
実際にキャンペーン対象の商品を見てもらったり、サービスを体験してもらいながら商談を速やかに進めるためのイベント
⑤店頭型イベント
経営資源が少ない中小企業や個店の場合でも対応できるイベント

■インターネット活用型(PC販促ツール)
①検索連動型広告
検索エンジンで入力されたキーワードに関達して露出される広告。リスティング広告やPPC広告とも呼ばれる
②コンテンツ連動型広告
プログやSNSなどの記述コンテンツの文脈やキーワードを解析し、内容と関係性の高い広告を配信するシステム
③バナー広告
ウェプサイトのページ内に表示される横断幕(バナー)型の広告
④テキスト広告
ウェプ上でテキストだけを用いて表現する広告
⑤メール広告
インターネットの電子メール機能を利用する、文章を主体とした広告
⑥ストリーミング広告
ネット上での動画配信広告
⑦成果報酬型広告
(アフィリエイト)
ウェブサイトの運営者が、商品を販売したい企業とアフィリエイトプロバイダーを通じて提携し、アフィリエイターとなり、成約したときにその対価として販売手数料や紹介手数料を受け取るシステム

・インターネット活用型(モバイル販促ツール)
①ピクチャー広告
アクセス数の多いポータルサイトなどに、画像ファイル形式の広告を掲載して、媒体社によって用意された規定のサイズ内で展開する広告
②コンテンツ連動型広告
SNSやブログなどのコンテンツの上部、下部などにある広告
③メール広告
配信メール全文が広告情報であるもの。メールマガジンの先頭部分(ヘッダ)に掲載される5行程度のテキスト広告や、許諾者宛のオプトイン・メール広告が有名
④検索連動型広告
モバイル検索エンジンの利用が一般化していることから、PCでの展開と同様の検索キーワードに連動した広告が可能となった

 

この他、新製品の発売や新事業への取り組みといったニュース性の高い情報を、新聞やテレビなどのメディアに報道してもらうために提供する広報活動(パブリシティ活動)があります(パブリシティ活動については、販売促進の活動領域ではないため、本書では取り扱いません)。

ステップ①-2 見込客獲得
業種や取り扱う商品・サービスによって、いきなり来店してもらうというアプローチがむずかしい場合があります。 たとえば、小売店、飲食店、ヘアサロンでは「よさそうなお店なので、試しに行ってみよう」という顧客の心理も働きやすいでしょう。しかし、エステサロン、リフォーム店、工務店などは高額ですし、住宅業、葬儀業などは購買頻度がそもそも低いので、気軽に商品・サービスを試してみようという顧客の心理は働きづらいといえます。 では、このような業種は、どのようにアプローチしたらよいのでしょうか? 一つの答えは、商品やお店を少しでも意識している人に「欲しい」と手を挙げてもらうことです。 「少しでも意識している人」とは、前出の「顧客の階層」の図の階層でいうと、まだ「見込客」とはいえません。「準見込客」に入るでしょう。 この準見込客を見つけ出す方法として、「オファー」といわれている資料請求、ガイドブック、小冊子を準備することが挙げられます(オファーを準備する)。

オファーとは、「顧客リスト」を獲得するためのものです。この顧客リストに対し、その後、定期的に手紙などを使って、購買意欲が高まるまでアプローチを続けることが必要です。 準見込客を見つける例として、葬祭場をもたない小さな葬儀屋のケース(佐藤葬祭・東京都世田谷区)を紹介します。 この葬儀屋では、準見込客を集めるために、「葬儀がわかる小冊子」「よくわかる葬儀後の手続き」など、数種類の小冊子をつくりました。この小冊子を、チラシやホームページで告知したり、セミナーを開催したりして準見込客に届けています。小冊子の効果は、手元においてもらうことで、自分や家族に「もしものこと」があったときに、思い起こすきっかけをつくれることです。 それに加えて、定期的に「お便り」を送っています。この小冊子に興味をもった人から、自身の住所などの情報を提供してもらいます。それに基づいて作成したリストに対して、年に4回、イラストにメッセージを添えた季節のお便り (絵手紙)を送っています。 このお便りは、準見込客に対し、定期的にさりげなく接触することによって、「もしものこと」があったときに思い起こしてもらうための小冊子の効果を、さらに補完しています。 葬儀屋の場合、消費者側に需要がなければ成り立だないビジネスです。それまでの間、辛抱強くお便りを送り続ける必要があります。このとき、季節のお便りなど、消費者側にさりげなく記憶に残してもらえる内容にしなければなりません。売り込みは禁物です。

ステップ② リピート客来店促進
お店に初めて来店するお客様を、「お試し客」「トライアル客」と称することがあります。 このような初回来店のお客様と、2回目に来店したお客様を比較すると、お店に対する関係や信頼度に大きな差があることに注意しましょう。 あくまでも初回来店のお客様は「このお店は、私に合うお店なのだろうか?」と、試しに来ているにすぎません。 このお試し客が2回目に来店してもらえれば、その後何度もリピートしてもらえる可能性がぐんと高くなります。 ですから、お試し客がリピートせずに失客した場合は、「なぜ、一度は来店してもらえたのに、2回目は来店してくれないのか?」に注目して、次の対策を考えなければなりません。 お客様が再来店しない理由として、お店側が提供する商品・サービス、そして接客の品質がよくないことが挙げられます。 しかし、販売促進の観点からも、せっかくお試しをしてもらえる状態までこぎつけたお客様ですから、必ずリピートしてもらえるようにアプローチをおろそかにしないようにしたいところです。 その例として、長野県の美容室グループ『りんごの木』でのリピート客来店促進のDMを紹介します。 DMには、「お礼状」「小冊子」「返信用ハガキ」を同封しています。 「お礼状」では、お試し客へのお礼のメッセージを丁寧に綴っています。まずはさりげなく来店感想・髪型の感触をうかがい、もしも気に入らない場合は連絡をもらえるように促しています。 「小冊子」では、お店のコンセプトとして「お客様の大切な場所づくりを目指したメッセージ」はもとより、店長、スタッフのお客様への想いなどを率直に伝えています。このとき、店長、スタッフのパーソナリティも前面に出し、できるだけ共感してもらえる工夫がなされています。「返信用ハガキ」は、サービス向上のためのアンケートの役目を果たしています。 また、リピート客を増やす販促策として、初回来店時に「ポイントカード」を渡すといった方法も効果的です。 DMは、初回来店日から1週間〜10日後に送るという工夫もあります。もう一つのお試し客への対策を見ましょう。美容室でよく使われている「ごめんなさいカード」です。

ごめんなさいカード

ごめんなさいカード

 

美容室では、1人のスタイリストが1人のお客様に長いときは数時間も対応する場合もあります。このため、予約制をとっているわけですが、予約をせずに来店するお客様もいます。このお試し客に対して、他のお客様に迷惑をかけてしまうのでその場ですぐにサービスを提供するのはほぼ無理です。たいてい、お断りをしているはずです。 極端にいえば、一生そのお試し客は来店しないかもしれません。このチャンスを逃さないための工夫が「ごめんなさいカード」です。 「ごめんなさいカード」の表面には、「せっかく来店していただいたのに中し訳ありません。ぜひまたお会いしたい」というメッセージが書かれています。さらにその裏面は、「感謝の気持ちをこめて、ささやかな特典を用意しました」という内容になっています。

ステップ③ 常連客育成促進
「常連客」は、マインドシェアがかなり拡大していて、お店の魅力も熟知しています。彼らの声は”第三者的”で、お店の想いを代弁してくれます。 常連客を活用すれば、紹介促進によって、新規来店促進にもつながります。代表的なものとして、次のような販売促進策(販促媒体)があります。

■常連客育成促進のための販促媒体
①手紙
内容は、売り込むことではなく、あくまでも購入や入金してもらったときの「お礼状」としての役割が必要。年賀状や暑中見舞い、または季節のお便りも、お客様との接触がある美容室、エステサロン、ブティックなどの業種にとっては欠かせないアブローチ
②ダイレクトメール(DM)
ハガキや封書を直接郵送する方法。個人に直接アプローチできる
③ニュースレター
自社発行の「手づくり新聞」のようなもの。「お店通信」「情報誌」「会報誌」「瓦版」などと、呼び方はさまざま。内容は役に立ち、親しまれる情報が中心になる。DMと違って、継続的に出しても顧客に警戒心をもたれないという利点がある
④カタログ
商品の特性や機能、スペックなどの基本情報を的確に表現し、説明するためのもの。顧客のライフスタイルの提案も行なえる
⑤Eメール(電子メール)
パソコンや携帯電話などに、電子メールを送信するもの。既存客へのアプローチ方法として主役になっている
⑥メンバーシップ制度
定期的に会報やメールマガジンなどを発行し、年に数回のイベントや展示会などを実施。入会金、年会費がかかる場合とかからない場合があるが、割引特典会員として登録し、ポイント制度を展開する場合も少なくない。一定期間に自宅などに商品を届ける定期宅配制度も、メンバーシップ制度を応用した手法といえる
⑦ファンづくりイベント活動
ゲームや抽選に参加することはもとより、お得な買い物ができたり、食べる、見る、体験するなど参加してもらうことに注力し、「楽しかった」「おいしかった」「もらって得した」などの有形無形のメリットを参加者に与えるようなファンづくりを目的としたイベント

ステップ④ 紹介促進
紹介促進は、よい商品・サービスであれば、口コミなどが起こりやすいといえます。
一般的には、「紹介制度」をとり、紹介した人と紹介された人の両方に何かしらの特典を差し上げます。「紹介カード」などによって、紹介者を増やすという方法です。
そのほかにも、次のような紹介促進が可能です。

■紹介促進の方法
①口コミ用ツール
カタログなどの資料を請求すると、割引やプレゼント特典などクーボ
ンが進呈されるツール。いつでも友人、知人に渡せるように、比較的小
さめのサイズが望まれる。渡した本人にも商品のお試し券・金券があ
る場合や、化粧品などは、単純にロコミしたくなるように化粧品サン
プルを添付するなど、方法はさまざま

②口コミのしかけづくり
お店やサービス、商品にキャラクターを用いるときに、こだわりなど
を語ることができるストーリーをつくってあげることも方法の一つ。
それをPOPやセールストーク、mixi、TwiUerに代表されるゾーシャル
メディアなどで積極的に展開することも、口コミのしかけづくりにな

③イベントに友人、知人も招待(優待)
ファンづくりのイベント活動などは、お店の存在を知ってもらい、お
店や商品・サービスヘの感想をもらいやすいことからも、友人、知人の
招待(優待)は有効な方法の?つ。既存顧客に送っているニュースレ
ターやDMなどに、イベントのチケット(招待券や優待券)を複数枚入
れることで、紹介促進が起きる例は少なくない

ステップ⑤ 休眠客の掘り起こし
「休眠客」とは、見込客より上の顧客リストを取得できている階層を指します。何らかの理由で一定期間、来店もし
くは購買していない顧客のことです。
ここにアプローチしていない場合は、ぜひ最初に、このステップを実施してみてください。
休眠客は、お店のことを一度は認知していますから、もう一度思い起こしてもらうことによって、常連客になる可能性を秘めています。
この休眠客の数が多いほど、常連客になり得る顧客の数は増えます。
ただし、休眠客へのアプローチを始める前に、考えておきたいことがあります。「一度、来店したにもかかわらず、そ
れがなぜ継続しないのか?」を分析しなければなりません。

次の5点が予想できます。
1.商品の品質に満足しなかった
2.店の雰囲気が悪かった
3.接客対応が悪かった
4.単にあなたの店のことを忘れている
5.引っ越しをしているなど、その他の要因

5.はどうしようもありません。しかし、1.2.3.は対策が立てられます。まずどこに原因があり、「なぜ休眠客になっているのか?」を分析したうえで、その対策として休眠客にDMを送りましょう。そこを考えないでアプローチしても、無駄になってしまいます。

ある美容室が休眠客にアプローチしたDMでは、「新人スタッフが入りました!」「シャンプー台が変わりましたにというように、何かしらの変化をお知らせしています。
何の考えもなく、単に「店に来てください!!」と投げかけても結果につなげることはむずかしいでしょう。
ここまで、階層別(6ステップ)の販促手法をひと通り紹介してきました。
ステップ①〜⑤の顧客の階層ごとに、販売促進策が異なることを理解してください。

売上は「客数×客単価×購買頻度」で決まる

客数、客単価、購買頻度のどれをアップさせるか?
課題に合った販促手法を選ぶ
どのような商売、ビジネスでも、売上は「客数×客単価×購買頻度」によって決まります。
したがって、客数、客単価、購買頻度がそれぞれアップすれば、売上もアップするわけです。
客数とは、顧客数のことで、客単価とは、来店した顧客が購買した1人当たりの平均金額のことです。
購買頻度とは、一定期間内で顧客が商品やサービスを購入する頻度のことをいいます。
「客数×客単価×購買頻度」として考えたときに、それぞれ10%ずつUPしたとしたらどうなるでしょうか? [1.1×1.1x I.1=I.331]となり、約33%の売上が伸びることになります。
客数、客単価、購買頻度の3つのうち、どこを伸ばしていくのか? それとも全体を少しずつ伸ばすのか?
会社、お店の課題を明らかにして、販売促進策を検討していかなければなりません。
販売促進の活動がカバーしている領域は広く、多様になっています。

その活動領域は、「販売時点直接型」「媒体活用型(新規顧客向け)」「媒体活用型(既存顧客向け)」「イベント活用型」
「インターネット活用型」に分けられます。
そこで、販売促進の活動領域ごとに、客数、客単価、購買頻度のどの課題解決に影響を与えられるのかを、次の図に整理しておきます。
ぜひ、選択の目安にしてください。

役割別販促手法

役割別販促手法

 

 

販売時点直接型

①試用体験手法

「商品サンプル配布」「お試し体験」などがある 試用体験手法とは、短期間のうちに多くの見込客に商品・サービスの試用機会を積極的に提供することで、認知から購買に至るまでの時間を大幅に短縮できます。 この手法を大きく展開するにはある程度の経費がかかりますが、見込客の多い場所で用いれば、それまでにかけた投資に合う見返りが期待できます。 試用体験手法は、商品・サービスの特徴を、どんなアイデアで消費者に体験させるかがポイントになります。  「商品サンプル配布」では、ニーズのあるターゲットのもとにサンプル(試供品)を確実に到達させることと、他の商品との特徴の差異を明確に注目させることが必要になります。単に試供品を配ることではありません。 また、試用体験自体が告知展開となる活動が多いので、告知活動は控え目になるケースもあります。 試用体験手法としては、次に挙げる方法があります。

1.商品サンプル配布
商品のサンプルを見込客に配布し、試しに使ってもらって、その商品のよさを実感してもらうという方法です。この方法は、「サンプリング」ともいわれます。なかでも、商品を配布する展開を「プロダクトサンプリング」と呼びます。 サンプル配布の目的は、実際に商品の購入に結びつけることにあります。次の表のように、配布方法の違いによってタイプが分けられます。状況に応じて、適切な場所で必要な期間に限定し、ターゲットも絞り込んだ展開が可能です。 試用体験から、購買の動機付けとともに販売の拡大へと、短期的に効果が上げられます。

・商品サンプル配布の種類

戸別配布
ターゲット層の多い地域を選び出し、その地域の家庭に集中的に商品サンプルを配布
弁当宅配業で、一人暮らし層を顧客にしたい場合には、近くにコンビニや飲食店のないワンルームマンションを選ぶ。高齢者の多い下町でもよい。自炊の手間や外食のコストが省ける点を訴求ポイントとして打ち出す

郵送配布
ターゲット眉に向けて、商品サンブルを郵送で配布子ども向け学習教材であれば、プレゼント懸賞をきっかけに住所を集め、賞品としてサンブルを配布。興味をもっている家庭にダイレクトに届けられる

店内配布
店内で商品サンプル品を配布
パン屋などで、売りたい商品のファンを増やしたい、お店全体の売上を上げたい場合には、試食品を配布。味を知ってもらうことで、別の商品を買っているお客様の単価を上げたり、購入頻度を増やしたりすることができる

商品添付配布
ターゲットが同じと考えられる商品に、商品サンプルを添付
ベビーフードを訴求したい場合には、月齢に相当するサイズのおむつにおまけとして試供品をつける。確実にターゲットのもとに届けられるし、ジャストタイミングでの配布が可能

応募者送付
新聞、雑誌などを利用し、商品サンブルに興味のある人を募集。応募者に商品サンブルを送付
アンチエイジング化粧品であれば、ミセス向け情報誌などで希望者を募る。誌面を見ているターゲット屑が、情報を求めている点を有効に活用。必ず応募要項と一緒に効果を裏づけるような説明文を入れることが重要

街頭配布
駅前や店前など、ターゲット層の多く集まる場所で、商品サンプルを配布
風邪予防グッズなど、流行や季節に合わせた商品を訴求したい場合には、大勢の人が集まる場所で配布する。世の中の動向に合わせた話題性、連鎖反応をつかめる点でも効果的

拠点配布
展示会やイベントなど、ターゲット層の多く集まる場所で、商品サンプルを配布
低価格のケア用品の訴求には、高校生が集まるイベントでの配布が有効。仲間との話題の共有につながる。イベントの参加者層が、学内でのオピニオンリーダーになれば、その話理性も拡大する

同梱送付
ターゲットが同じと考えられる商品のカタログなどと一緒に、商品サンプルを配布
通信販売において、コーヒーメーカーの購入者にコーヒー豆の厳選品サンプルなどを同梱。興味や関心のタイミングに合わせられる点で、確実なターゲットに向けたサンプリングが行なえる

 

また、この方法はブランドロイヤリティが高い競合品からの買換えも可能にします。 しかし、多くのサンプル配布は、人手を要するため、ターゲットI人当たりの到達コストがかかるうえ、必要なターゲットだけを狙った到達がむずかしい面があります。 結果として、費用効率が低下しやすいというデメリットがあります。 サンプル配布は、新規顧客の買上を増やす方法として有妨t生は高いものの、一般的な売上アップという面では、後述する他の方法と比べて、費用効率が低くなることがあります。 この方法では、他ブランドとの差異の明確化が重要です。商品の機能面に優位点があるだけでなく、試してみて、すぐに違いがわかることがポイントになります。 ブランドを試してもらう働きであり、購入経験率の低い商品に適していることがわかります。 反対に、ブランドの浸透率の低い市場を選別しないと、費用効率が著しく低下する恐れがあります。 ある化粧品販売店が新規顧客の獲得に至ったケースを紹介します。その販売店では、数日後、新商品であるオーガニック化粧品の発売を予定していました。そこで、化粧品メーカーからサンプルが届いた時点で、見込客に向けてサンプル配布を実施しました。その際、新発売キャンペーン時に使える割引クーポンも一緒に渡すことにしました。 その結果、試しに使ったお客様が「お試し価格」につられ、相次いで来店したのです。 このように、サンプル配布後にキャンペーンを実施するなどして、購入衝動を駆り立てるしかけを行なう必要があります。 また、商品の購入につながった場合にも、購入を継続したくなるような情報発信やカウンセリングなどのしかけを用意しておくことも大切です。

2.お試し体験
商品について、サンプル配布は低価格品で行なわれますが、お試し体験は車などの「試乗体験」のように、高額品で行なわれます。 商品以外では、学習塾の「体験レッスン」もこれに当たります。体験レッスンは、必ずしも無料である必要はありません。仮に少額でも有料にしたほうが、「クオリティに自信がある」とターゲットに捉えてもらえることもあります。 お試し体験は、実際に商品・サービスを体験できるため、使いやすさという機能的な側面だけでなく、心地よさなどの情緒的な側面も伝えることができます。短期的に商品・サービスの体験を形成できるため、比較的短期間に購買の動機付けが可能となります。 代表的な例を次の表に示します。

・お試し体験の代表例

車・バイク販売業
試乗体験
点検時の代車、レンタカーとして、試乗車をターゲットに貸し出す。家族構成やライフスタイルに合わせたセールスポイントを伝えておくことが大切

住宅・リフォーム業
住宅展示場にて体験
モデルハウス内において、料理やインテリアなどのレッスンイベントを開催。使い勝手や雰囲気を体験してもらえるし、しかも長時間滞在となるので、商品のよさを強く印象づけられる

エステサロン
体験コース
「1年間有効、4回まで脱毛1000円」など、試用体験してもらう。何度か足を運んでもらうことが目的。まずは来店してもらい、親密度を高めることからスタートする

整体・マッサージ業
体験コース
通常、オプションに設定しているメニューを無料にし、試用体験してもらう。オプションのメニューは、オリジナリティーのあるものを用意し、他店との差別化を図る

学習塾体験レッスン
夏休みなどに家庭学習用教材を用いて無料体験教室を行なう。
在籍者の紹介であれば、バッグや文房具などのプレゼントを付けて、仲間での意識を拡大させる

スポーツクラブ
体験レッスン
まずは来店してもらうことを目的に、期間限定でワンコインレッスンを行なう。「いま行かないと……」といった気持ちをもたせるため、実施期間は短くする

資格スクール
体験スクール
アロマスクールなどでは、卒業生に協力してもらい、無料でアロマ講習会を行なう。資格を設定するなど、目標と到達点を明確にさせることが、学習意欲の向上につながる

 

しかし、高額品や商品以外のサービスについては、お試し体験の場所や時間が限定されることはもとより、対応する人の技術や接客のクオリティによって販売への影響が小さくありません。
お試し体験をした見込客には、期間を限定した割引特典を付けるなど、購入率を高める工夫が必要になるでしょう。
あるスポーツ教室での事例です。競合の多い地区での新規オープンだったため、価格やオリジナリティーが勝負でした。ウリは栄養士とのコラボレーション教室。新規オープン時に、破格のワンコインキャンペーンを行ないました。
その際、参加者にはダイエットフードを無料で提供したり、入会後のコース料金の割引を限定で設けたりしました。
目的や特徴を明確にした試用体験により、ターゲット層への直接的な働きかけに成功しました。
このスポーツ教室では、新規キャンペーン後も、定期的にワークショップやイベントを開催するなど、教室側と見込客とのインタラクティブ性を重視した展開をとり、トライアル客の継続意欲を盛り立てています。このように、競合の多い業種では、目的や特徴を明確にし、他社との差別化を図ることが大切といえます。

3.モニター制度
「モニター」とは、「テスト的に試してもらう」ことでもあります。たとえば、感想文を書いてもらうなど、何らかの条件を付けて商品・サービスを試してもらうのがモニター制度です。これを、「モニタリング」ともいいます。
モニターをする人の選別方法の違いから、次の表のようなバリエーションがあります。

■モニター制度の種類

応募先着モニター
モニターの人数を先着の何人かに限る方法
新商品や季節品などに有効。タイミングが肝心。また、モニタリングの期間を決めておくことで、集中的に話題を集められる

応募抽選モニター
応募者の中から抽選でモニターを決める方法
リフォーム会社や家電量販店などで行なう。ファミリー向けの商品であれば、家族構成や生活スタイルを重視して抽出。セールスポイントを最大限に活かせるターゲット層へのアピールにつながる

コンテスト型モニター
感想文、論文、キャッチフレーズなどを募集し、その中から対象者を選び出す方法
食品などの場合、商品を使ったレシピコンテストを開催。コンテストの結果発表が広告宣伝材料になるし、応募によって集まったアイデアも訴求の手がかりになる

依頼型モニター
購入の見込度の高い顧客、オピニオンリーダーなどを選別して、モニターを依頼する方法
こだわりの食品や化粧品などを、雑誌やタウン誌の読者モデルに使ってもらい、そのコメントを掲載する。ターゲット層のお手本となるモニターを選ぶことが大切

オフ・プライス型モニター
モニター用の特別割引価格を打ち出すことで、見込客の応募を誘い、見込客のリストを得る方法
店舗ごとの売上促進や商品アピールに用いる手法。
健康食品や化粧品など、ブランド・スイッチの切替えなどに効果的
モニター制度は、実際にモニターをする人の自宅で商品・サービスを使ってもらい、その機能を十分に理解してもらえる方法です。
これにより、モニター体験者は、商品・サービスヘの愛着が高まります。そして、リピート促進や、新規の顧客を紹介してもらうことにもつながります。
何度かモニターになってもらっているロイヤリティの高い顧客に、別の商品・サービスのモニターになってもらい、ロイヤリティをより高めることもできるでしょう。 モニターによっては、今後の商品・サービス開発に必要な消費者の代表的な“濃い感想”をもらうこともできます。 しかし、体験者が限られたり、モニターをしてもらうためのコストがかかったりするというデメリットがあります。特に、新製品の場合は、モニター体験者に時間をかけて試用してもらわないと本当の実感はつかめません。 モニター制度では、ターゲット層を明確に決めて、その層にモニターを依頼するのが鉄則です。モニター後は、アンケートを必ず実施し、その商品・サービスのクオリティの改善はもとより、「お客様の声」として、今後の販売促進の材料にするといいでしょう。 美容室の事例を紹介します。駅から離れた美容室の場合、新規顧客となるのは、その近隣地域のお客様である可能性が高いです。新規顧客の獲得は、初回来店時が最大のチャンスといえます。 ある美容室では、初回来店時のお客様(トライアル客)に限り、モニター料金として、カット料金を半額にしていました。ここまではよくある話です。もう一つ、初回来店時のお客様には、タウン情報を掲載したお店オリジナルの手づくり冊子を用意していました。 掲載したタウン情報は、既存のお客様から集めたもので、新規のお客様にとっては興味や関心を大いにひきました。 このように、「初めてのお客様」=「街へ新しくやってきた方」という図式から実施した独自の情報発信によって、トライアル客との距離を縮めることに成功したのです。

4.デモンストレーション
商品のよさを、見込客の目の前で実演して見せるのがデモンストレーションです。主として小売業の店頭や店内で行なわれる販促活動の一種で、略して「デモ販売」または「実演販売」とも呼ばれます。
デモンストレーションの実施場所の違いから、次の表のようなバリエーションがあります。

■デモンストレーションの種類

店内デモンストレーション
売り場で展開するデモンストレーション
炊飯ジャーでケーキを焼<などのデモを行なう。機能をウリにしたものは見た目で判断しにくい。競合商品との差別化を図るためには、プラスαのアピールが必要

エキシビジョン展開
ホテル内の特設会場、各社共同の見本市会場などで展開する商品デモンストレーション・イベント
たとえば、展示会における美容機器や健康器具などのデモンストレーションが相当する。操作方法の紹介や、商品特性をきめ細かくアピールすることができる

レジャースポットでのイベント展開
人の多く集まる場所で華やかに繰り広げられる、イベント型の商品実演展開
イベント会場において、特設ブース・ステージでイベントを開催する方法。新商品のブランド構築などに用いる。認知度の低い暦へのアピールに向いている
デモンストレーションは、実際に商品を使って見せ、その商品の機能や性能、使用方法や使い心地などを消費者に直接訴えかけることで、購買に結び付ける方法です。マネキン、デモンストレーターによる実演や説明によって購買を促します。
食品や飲料をはじめ、調理器具や家電製品、健康器具によく利用されています。スーパーで実際に料理方法を実演し、試食ができる「試食販売」や「試飲販売」は、デモ販売の代表的な例です。 デモ販売は、メーカーが実演販売者を派遣して行なうことが多いです。消費者に対しては、商品の直接的な宣伝および試用機会の提供になります。一方、小売業に対しては、販促を実際に助ける販売店援助(ディーラー・ヘルプス)と位置付けられます。 売り場以外でも、特設会場やレジャースポットでのデモンストレーションの展開がありますが、この場合には、「顧客リスト」を取得し、その後定期的にアプローチするなど、リピート促進のしかけを工夫しないと、費用効率が著しく低下する恐れがあります。 あるキッチン用品のデモンストレーションの事例を紹介します。つくり立ての温かさを長時間保てる食品保存容器で、訴求のポイントは電子レンジでも使えることでした。 デモストレーションの内容は、電子レンジ調理によるクッキングレッスン。ターゲットとなる主婦層が集まる食品売り場近くのスペースで、デモンストレーションを行ないました。電子レンジでも使える食品保存容器=電子レンジ調理器具といった斬新な展開が評判になり、集客と販売に成功しました。購入者には、レシピカードを配布したことで、使用食材の売上アップにもつながりました。

5.カウンセリング
カウンセリング(counseling)とは、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行なわれる相談援助のことです。カウンセリングを行なう人をカウンセラー(counselor)、相談員ともいいます。 このカウンセリングを、販促手法の一つとして応用することができます。 たとえば、情報が溢れている今日では、消費者が商品を購入する際にどの商品を選んでよいのか迷っているケースが少なくありません。そこで、見込客の立場に立って買物の相談に乗り、販売に結びつけるわけです。 代表的な例を次の表に示します。

・カウンセリングの代表例

百貨店の洋服売り場
スタイリングコーディネーター
その人の立場、性格などから、身につける服や装飾の色やデザインなどをコーディネート
スーツを求める男性客に対し、会話の中から職種や立場の確認を行ない、シャツやネクタイとの組み合わせ(コーディネート)も踏まえてアドバイス。流行やシーズンなどを考慮したうえで、専門的にアドバイスする

エステサロン
エステティシャン
肌の状態を生活・体調などをもとにカウンセリング。定期的な肌のチェック方法や実際の手入れ方法についてサポート
対話の中から生活スタイルや悩みをキャッチし、ライフスタイル全般における解決方法をアドバイスする。施術以外に得られる興味や関心を引く情報によって、顧客のマインドをキャッチ

結婚式場
ブライダルカウンセラー
予算、家族構成、心の状態を配慮し、結婚式や披露宴など、ブライダルに関わるすべてをコーディネートおよびサポート
気持ちを大切にしながら、イメージと現実との調整を行ない、実現できるプランをコーディネート。イメージの具体化が顧客獲得につながる

酒店
ワインアドバイザー
予算、好みなどを配慮し、どのようなワインがいいのかをアドバイス。なお、レストランで担当しているワインアドバイザーは、試用体験手法ではなく、サービスの一環
ワインに合う食事やシチュエーションなどをヒアリングしたうえで、ストーリー性を重視したワインの選択肢を提案

墓石店、葬儀社
お墓ディレクター
予算、家族構成、文化的な価値を配慮し、墓石の素材や施工方法をコーディネート
ほとんどの人が専門的な知識や情報をもっていない。まずは不安感を取り除くために、情報を提供し、そのうえで希望やイメージを明確化させるといったサポートを行なう

カウンセリングを試用体験として活用する場合、商品の売り場で実施されることが少なくありません。また、学習塾やスポーツクラブでも、この方法を活用しているところを見かけます。 商品・サービスの知識の乏しい見込客に対して、各種の相談に乗ることで、信頼を獲得することができます。その結果、高額品であっても、販売しやすい環境が生まれやすくなります。 しかし、担当者の知識が少なかったり、十分な対応ができなかったりすると、会社やお店の信頼を失うことになり、逆効果になることもあります。そのため、相談に乗る専門家の能力の高さが重要になってきます。 生命保険会社の事例を紹介します。保険の加入を検討しているお客様へのカウンセリングです。 まず、生命保険会社のカウンセラーが、お客様が保険の加入を検討し始めたきっかけ、健康の不安を解消するためか、貯蓄のためかなどを確認しました。次に、その目的を明確にしたうえで、現在の家族構成やライフスタイルについて詳細にヒアリングしました。もしもお客様が検討していた保険が実際に望んでいる保障と合うものでなければ、予算を変えずに、プランの再提案を行ないました。 数か月後、あるお客様が入院することになり、保険の保障が必要な状況が起こりましたが、カウンセラーによるアドバイスで、健康の不安を解消する保障を重視したプランを選んだことにより、お客様はきちんとした保障を受けることができたのです。 このように、専門知識を要する商品・サービスを扱う場合には、お客様に向けて必要な知識や情報を伝達することで、着実なお客様の確保につながります。

6.診断サービス
既存客や見込客が使用している商品・サービスの診断や点検を行ない、買替え需要(または「ブランド・スイッチ」の促進)を図るのが診断サービスです。点検後、まだ使用できるのか、修理の必要性がないのかを診断して、買替え需要の獲得を目指すという方法です。 会社やお店にとっては、新たな商品・サービスをすすめる場合に役立ちます。既存客や見込客にとっても、いまの商品・サービスで十分なのかどうかを確認できます。双方にメリットがあります。 ただし、無理に買替えをすすめると、既存客や見込客の信頼を損ない、逆効果になることもあります。 この方法を積極的に活用できる例を次の表に示します。

■診断サービスの代表例

車・バイク販売業
点検
無料点検サービスを行なう。ただし、毎日実施すると、店舗スタッフの意識が散漫になったり、消費者から警戒されたりする可能性もある。日にちや曜日、週などを決めて定期的に実施すれば、お得感もあるうえ、来店も期待できる

住宅・リフォーム業
診断
ライフステージの変化、築年数などを考慮したうえで将来の快適性を診断。顧客の願望をビジョン化して提案

エステサロン
体験コース
試用体験の際、無料で現状診断を行なう。診断結果を伝えたうえで、改善方法をアドバイスする。また、他のコースを提案する際は、試用コースとの違いを明確に伝える

整体・マッサージ業
体験コース
不調が見られる箇所について説明する。はじめに、普段の生活に取り入れられる改善方法をアドバイスしたうえで、本来受けてはしい施術コースをすすめる

学習塾
体験レッスン
生徒が苦手とする箇所を具体的に提示。克服方法をアドバイスしたうえで、自己学習より効率の高い学習計画を提案

スポーツクラブ
体験レッスン
身体測定などを行なう。目標や目的を明確にし、プロの知識を活かしたアドバイスを行なう。あくまでも楽しく通えるよう、娯楽性や快適性をアピール

資格スクール
体験スクール
適性診断などを行なう。簡易で娯楽性の高いものを用意し、関心を引きつけたうえで、目的や目標を明確に示す。
たとえば、店頭に、既存客や見込客が使用している商品を持参してもらって、点検・診断を行ないます。持ち込みがむずかしい商品は、訪問によって、点検・診断する場合もあります。基本的には無料で実施することが多いようです。
既存客や見込客にとっては、使用中の商品を点検できるというメリットがあり、会社やお店にとっては、修理や買換えの需要を生み出せるというメリットがあります。

ただし、使用中の商品を点検してもらうのは、プライバシーに関することなので、心理的な抵抗があることも少なくありません。「個人情報保護法」などに則り、誠実に対応する必要があるでしょう。 診断サービスの対象になるのは、電化製品、オーディオ製品、宝石などの商品です。鞄や靴でも、高額な商品であれば当てはまります。 この方法は、住宅・リフォームなどで多く見かけるでしょう。商品の点検だけでなく、身体の一部もしくは全体に関する点検として、ヘアサロン、エステサロン、マッサージ店、スポーツクラブなどにも応用できます。 学習塾、資格スクールの試験も、診断サービスの一つといえるでしょう。 あるリフォーム会社の事例を紹介します。この会社では、経年変化による耐久性診断を無料で行ないました。その際、経年変化による今後の耐久年数を診断するだけでなく、現在の家族構成やライフスタイルについてもヒアリングして、過去に同様の結果をもつお客様のリフォームを参考例として提案しました。リフォーム後のイメージを明確にしたことで、お客様の考えを修繕からリフォームに切り替えることに成功したのです。 このように、診断サービスを行なう際は、結果をもとに不安をあおるのではなく、生活の中の楽しみを提供することで、商品・サービスに対する満足度を上げていくことも大切です。

②価格訴求手法

「クーポン付き情報語」が有名 価格訴求とは、一時的に商品・サービスの価格を引き下げ、購買を容易にする展開のことです。商品・サービスそのものの価格を変更することではありません。 価格訴求手法は、簡単なアピールで即効性があるためによく使われますが、結果として商品・サービスのブランドの価値を大きく損なうこともあります。 この手法は、基本的に「ブランド・スイッチ」(ある商品カテゴリーの中で、1つのブランドから他の競合するブランドヘ購入者が切り替えること)がしにくい人に効き目があります。しかし、需要の先喰いを起こし、通常時にマイナス効果を及ぼす恐れがあります。 ですから、限定的に使用することが最大のポイントです。たとえば、値引きが単なる安売りに見えないように、「キャッシュバック」など、価格自体を下げずに実施する工夫も大切です。 価格だけに反応した見込客は、価格によって、他の商品・サービスに移ってしまう可能性も少なくありません。そのため、見込客には「あくまでもお試しのためである」ことを意識してもらう必要もあるでしょう。 次の方法があります。それぞれ詳しく見てみましょう。

1.クーポン
クーポンとは、特定の商品においてターゲットに発行する割引券や優待券のことです。ターゲットは、その商品の購入時にクーポンを持参すれば、クーポンに記載されている額面金額分の値引きや優待を受けることができます。すべての消費者に対する値引きできはなく、クーポンを持参しなければ、同じ商品を購入しても値引きや優待を受けることができません。 特定の商品の購買を促す方法として、実施主体で分類すると、「メーカーが自社商品の販売促進のためにクーポンを発行する場合」と、「小売店、サービス業が自店の顧客のために独自にクーポンを発行する場合」があります。 メールマガジンの会員登録者に配信するクーポンは、リピート客や見込客の獲得、休眠客の掘り起こしに向いています。たとえば、定期的な購入が予測される洋品店、趣味の店、美容室、マッサージ店やエステサロンで、その効果が期待できるでしょう。 販促媒体では、「クーポン付き情報誌」(フリーペーパー)が有名です。雑誌やインターネットサイトに掲載する割引クーポンは、新規顧客の獲得に向いています。飲食店や、新商品発売時、新規開店時に効果的です。

クーポンを配布している媒体によって分類すると、次の表のようになります。

■クーポンを配布している媒体例

紙媒体広告
新聞折込広告チラシ、ポスティングチラシ、街頭配布
チラシ、店頭配布チラシ、雑誌広告、新聞広告、フリーペーパー、DM
紙媒体に親しんでいる主婦や、高齢者眉などをターゲットに、飲食店や化粧品、健康食品、地域密着型店舗のクーポンを掲載。消費者がクーポンを持参することで、割引サービスなどを受けられる仕組み

デジタル媒体広告
PC、モバイル
デジタル媒体からの情報収集が主となる若い層をターゲットに、メルマガやホームページ、インターネット情報にクーポンを掲載。出力や画面提示による割引を行なう仕組み

インナー向け媒体
PC、モバイル、DM、店頭で手渡し
既存客に向けて、顧客単価を上げたり、リピート率を上げたりするのに有効。新サービスやキャンペーン情報の告知に利用する

パッケージングクーボン
パッケージに封入する、または添付する
商品そのものに付加するタイプのクーポン。メーカーの協力を必要とする。次回購入時の特典や割引、おまけなどを入れる。リピータ一をつかむために有効

インスタントクーポン
商品に直接貼られていて、その場で利用できる
スーパーの割引クーポンが相当。お得感を感じさせることができるので、見込客の購買意欲を駆り立てる

クーポンは、自由に特典の水準を決められ、購買の動機付けが高いのが特徴です。特典の内容に注意して的確に展開した場合は、新規顧客の獲得に有効に機能します。
「限定使用」が可能なクーポンは、地域ごと、ターゲット層ごと、日程ごとなど、個々のニーズや課題に合わせて、仮説を立てて検証すれば、最適な水準に動機付けを調整できるので、費用効率がよいでしょう。
クーポンは、店舗での展開が可能なため、小売店などの地域密着型店舗の集客に向いています。たとえば、飲食店の飲食代金割引、小売店の割引サービス、マッサージやエステ、美容室の割引サービス・オプションサービスなどです。
これらの場合、コミュニティ紙・タウン誌への掲載や、新聞折込広告チラシ、街頭配布、店頭・屋内設置、ポスティングやDMなどを活用します。
また、クーポンの内容にも、次の表に示す種類があります。

・クーポンの種類

値引き・割引
割引全額、購入金額、割引率など、販売価格の一部を値引きする方法
飲食店や美容室などの10%OFFクーポンや、1,000円引きクーポンなどがある。利用者にお得感を感じてもらうことで、来店を促す。実施期間を設定することが重要

お試し券
少額負担として購入金額の一部を負担してもらう方法
エステなどの1000円お試し券などが相当。見込客の来店意欲や購入行動を促すために用いる

購入券
割引の一種で購入金額を明示する方法
家電量販店で用いられる特別購入価格券が相当する。購入検討中の見込客の購入行動を促すために用いる

無料サービス
飲食店や宅配飲食業がドリ
ンクを無料でサービスする方法
飲食店の飲み物無料券や宅配業のオプション無料券が相当する。値引きによる商品価値の低下をすることな<、付加価値によってお得感をもたせる
スーパーの店頭や陳列棚に、割引クーポンが置かれていると、お客様はそれを手にすることで他の人よりも安く買えるという事実から、お得感を感じて購入意欲がアップします。
お店に来店したお客様は、すでに商品の購入を決めていたり、検討中だったりしますが、購買欲求が高まり、その商品を購入するだけでなく、関連商品として、ついでの商品や他の商品をさらに購入していきます。

このように、クーポンの存在が顧客単価のアップにつながっているのです。

2.キャッシュバック
一般的なキャッシュバックの仕組みは次のとおりです。 対象となっている商品・サービスを購入した顧客が、その購入を証明する保証書や領収書を、メーカー、小売業、サービス業に送ります。メーカー、小売業、サービス業は、顧客の購入費の一部をチケットやカード、現金で直接払い戻します。 値引きは、販売価格を変更することですから、いったん価格を下げると元に戻すことがむずかしくなります。しかし、価格をそのままにして、一部の現金を戻すキャッシュバックであれば、価格政策への影響が少なく、比較的いつでも実施できるというメリットがあります。 たとえば、携帯電話会社やインターネットサービスプロバイダによる通借料に応じた「ポイントキャッシュバック」、学習塾やスポーツクラブによるオフシーズンの「入会金キャッシュバック」、クレジットカード会社による金融商品販売での利用料金に合わせた「ギフト券キャッシュバック」などがあります。 キャッシュバックは、サービス自体の価値を下げることにならないので、ブランドイメージを大切にしている業種に向いた手法といえるでしょう。

キャッシュバックには、「抽選方法」と「もれなく方法」の2つの方法があります。詳細は次の表のとおりです。

■キャッシュバックの種類

レジ連動型キャッシュバック
レジで、直接キヤッシュバックする。量販店などで、期間限定でもれなく行なわれることが多い
スーバーのキャッシュバッククーポンなどが相当。購入したその場で現金が返還されるので、顧客にとっては割引のような感覚をもつ

割引還元型キヤッシュバック
購入した一定金額がもれなく次回の割引金額として還元される。量販店など
で継続的に行なわれている
半年以内であれば、次回商品購入が20%引きになる、といった実施方法をとる。リピート客の確保に有効

カード型キャッシュバック
購入した金額がカードに記録され、ポイントで蓄積される。ある一定全額に達すると、割引金額が還元される。家電量販店で、継続的に実施されている
家電量販店やスーバーで実施。継続来店を促し、常連客獲得に効果が期待できる

金券型キャッシュバック
レジで、次回来店時に使用できる金券を渡す。購入した金額に応じて金券を配布する場合と、もれなく一律の金券を配布する場合がある。飲食店で継続的に行なわれることが多い
ビデオレンタル店や書店で精算時に渡す500円券などが相当。定価が決められていて、価値を下げることのできない商品を扱う場合に有効

レジ連動型キャッシュバックの目的は、基本的にその日の購買動機と購買単価を上げるためです。割引還元型キャッシュバックやカード型キャッシュバック、金券型キャッシュバックは、どちらかというと次回の購入につなげるのが目的です。
注意点として、「もれなく方法」を行なうと、かなりの費用がかかることです。顧客が期待している分、一度始めると途中でやめづらく、中止したときの影響が大きくなりやすいというデメリットがあります。このことからも、コスト面を十分に配慮して実施する必要があるでしょう。

3.各種割引制度
前述のクーポンは、ある特定の商品に対して一律にターゲットに発行される割引券のことでした。各種割引制度は、時間や年齢、記念日など、さまざまな条件によって、値引きの対象になる仕組みです。
この方法は、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリピート化にもつながります。 たとえば、次の表のような種類があります。

割引制度の種類

割引制度の種類

 

割引制度の種類

割引制度の種類

 

お歳暮の「早期割引」では、実際の商品価格は下げずに、配送料を無料にすることで、割引感を出しています。カラオケ店の「タイムサービス」は、ワンドリンク制を設けるなど、顧客単価の最低ラインを守るようにしています。 割引方法によっては、家族や友人などの紹介客を増やすことができ、顧客の囲い込みに有効です。 注意するポイントとして、「キャッシュバック」と同様に、割引分の費用がかかり、一度始めると、顧客が期待しているため、途中で中止したときの影響が大きくなりやすいことです。 携帯電話会社の「家族割引サービス」はいまでは当たり前の割引サービスになりました。以前は、携帯電話会社にとって新規加入者の獲得は競合他社からの移行がメインで、割引サービスを行なうことで顧客確保につなげることはできても、どんどん低価格化してしまい、サービス自体の価値が下がってしまうことになりかねませんでした。 そこで、割引サービスを家族間に限ることで、一定コスト以上の赤字を防ぐことに成功しました。また、世帯全体の家計費節約にもつながるので、いったん加入してもらうと長く利用してもらえるというメリットがあります。

4.均一価格
均一価格の方法は、価格政策の一つです。 100円ショップは「単一価格」に絞り込んだ代表的な成功例といえるでしょう。割引価格による販売が多くなることで、消費者は価格への不安感が高まっています。そもそも、その価格に妥当性があるのかという不信感があるからです。
以前は、価格が不透明といわれていたリフォーム業、葬儀業界も、価格への信頼性を高めるため、この方法の採用が一般的になっています。
均一価格は、顧客から値引きされない方法でもあります。
この方法を応用した例を見ていきましょう。

(1)バンドル
バンドルとは、「かたまり」とか「束」という意味です。商品を個々でなく複数まとめて販売する方法です。「1個500円を3個で1200円」というように、通常はI個当たりの商品単価が安くなるように設定します。
飲料のセット販売(ケース売り)が有名です。また、スーパーでよく見られる、肉や魚などを「3点まとめて買うと1,000円」もそうです。
すでに顧客が商品の購入を決めている場合、少しでもお得に手に入れたいという意識があります。顧客単価を上げる方法として有効です。

(2)松竹梅
昔から、料亭や寿司屋などで使われてきた「松竹梅」という表現も、均一価格の一つといえるでしょう。 「松竹梅」は、選択肢を絞り、顧客が選びやすくなる方法でもあります。人間の心理として、「上中下」の3つがあると 「中」を選択しやすいので、一番販売したい価格帯を「竹」に設定することがあります。 最近は、飲食店だけでなく、通信販売業や、ホテル・旅館業でも応用されています。 温泉旅館であれば、松=満喫コース(マッサージや館内施設利用料金十宿泊代)、竹=のんびりコース(飲み放題十宿泊代)、梅=ゆったりコース(露天風呂利用料金十宿泊代)などのように、宿泊に付随する食事やお風呂のプランを変えたり、本来はオプションとなるサービスをつけたりして、利用料金の違いを設定します。

(3)パスポート
日本の法令上ではパスポートを旅券といいます。しかし、ここでは「一般に身分を証明する文書ないしはカード類」として、販促手法として紹介します。 ある一定額で、パスポート券を顧客に購入してもらいます。一定のルールは設けるものの、基本的にはパスポート券をもっている人は商店街、施設、イベントにおいて自由に使えるようにするというものです。 大きく2つのケースが考えられます。 1つは、商店街、レジャー施設、イベントに使える方法です。ある一定額で、パスポート券を顧客に購入してもらいます。 商店街であれば特定のエリアの範囲を決め、そのエリア内のお店で自由に使えることにします。そして、エリア内で利用してもらうことで、顧客に得をしてもらいます。 この方法は、商店街全体の売上を上げる効果があります。 もう1つは、顧客の購買頻度を上げる方法です。ディズニーランドの「年間パスポート」が、その代表例といえます。 ある一定期間であれば、何度でも施設内に入場できます。購入者だけが使えるもの、家族間で使えるもの、法人利用が可能なものなどがあります。 この方法は、遊園地をはじめ、動物園、博物館で導入するケースが少なくありません。 レジャー施設では、パスポートを購入して一定以上の乗り物を利用した顧客は、かなり得をすることになります。 娯楽施設やテーマパークの年間パスポートは、入場料金や基本料金をパスポート化することで、顧客の利用回数を増やすことが目的です。顧客の利用回数が増えれば、飲食代や物品購入代など、顧客が入場後に利用する商品・サービスの売上アップにつながります。 年間パスポートによる販促手法は、飲食店、美容室、ネイルサロンでも応用することができるでしょう。

5.増量パック
通常のパッケージよりも容量を増やし、消費者に割安感を訴求するのが増量パックです。価格を一定にして増量する場合と、価格の上昇以上に増量する場合があります。 季節のタイミングに合わせた需要期に増量パックを販売することによって、大型サイズの商品に対するニーズを獲得することができます。近年の代表例では、日本コカ・コーラ社が、需要期である夏場に3 5 0m1缶の清涼飲料を価格据え置きで500mに増量したケースが挙げられます。  「詰め放題」「食べ放題」も増量パックの応用ですが、これらの方法も割安感だけでなく、好奇心をくすぐるために効果的です。 詰め放題は、スーパーの食品売り場でよく行なわれています。用意した品物を用意した袋に好きなだけ詰められるという方式です。一方、食べ放題は、ビュッフェスタイルで用意した料理を、価格と時間を決めて、好きなだけ食べられるという形です。ホテルのケーキバイキングは、女性に人気があります。 レジャー施設での乗り物の「乗り放題」も、これに当たるでしょう。 同じ価格で商品の量が増えるため、顧客側に「割安感」と「好奇心」の刺激をもたらし、購入を促進するメリットがあります。企業側は、集客効果が期待できます。 しかし、販売価格を変えずに商品の量を増やすので、原価コストがかかります。オペレーションの仕組みを考え、人件費などのコストを抑えることによって、品質を落とさないようにする必要があるでしょう。飽和・飽食の現代では、単に量が増えても質が落ちてしまえば、逆に顧客を失ってしまいます。

③キャンペーン手法

「クローズド懸賞」をキャンペーンアイデアに活用
キャンペーン手法は、商品と消費者の接点をつくり、その商品の消費を奨励する目的で行ないます。
「スイープ・ステークス」(懸賞やくじなどの総称)といわれる懸賞については、景品表示法によって、商品の購入を条件とする「クローズド懸賞」と、商品の購入を条件としない「オープン懸賞」に分かれます。特にクローズド懸賞は、さまざまなキャンペーンアイデアとして応用することができます。
キャンペーン手法は、販売促進の成否を分ける重要な要素だといっても過言ではありません。すぐれたキャンペーンを考えるためには、すぐれた「キャンペーンアイデア」を考え出す必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.オープン懸賞
オープン懸賞は、商品を購入しなくても景品をもらえるものです。「一般消費者向けのもの」と、「来店者を対象とする制限付きのもの」に分けられます。
たとえば、新商品の認知度を高めるための販促手法として活用されます。
誰でも応募できる方法をとるのが一般的です。消費者にその商品の名前や特徴を回答してもらい、回答者の中から抽選で景品を進呈します。
景品を魅力的なものにして、応募数の拡大を図れれば、早期に商品の認知度を高めることができます。
このようなことからも、オープン懸賞は、小売業というより、メーカーがマス広告によって告知する必要があります。
懸賞の応募内容の違いから、次の表のようなバリエーションがあります。

■オープン懸賞の種類

クイズ・タイプ
多くは、"虫食い"となっているところにブランド名や商品特性を書き込む
キャッチコピーや商品特性のうち、一単語を伏せ字にし、訴求ポイントをヒントにする。ハガキやインターネットで応募する

アンケート・タイプ
商品の使い方などについてアンケートをとり、抽選で応募者に商品を提供する
収納容器の収納アイデアについてのアンケートなど。アンケートは集計をとり、広告宣伝材料として活用

コンテスト・タイプ
ブランドの名前やキャッチフレーズの募集を行なう。あるいは懸賞論文、商品の使い方のアイデアコンテストなど
イメージキャラクターの名前の募集など。商品の特徴や特性を情報として提供しつつ、認知度を高めることができる。
オープン懸賞は、他の方法と比べて、直接的な販売効果は期待できないことから、以前より利用が少なくなってきています。とはいえ、食品や日用品の新発売時には、クローズド懸賞と併せて行なわれることが多いです。 高額商品の場合は、購入資金をプレゼントすることで、応募してきた消費者の名前、住所などの情報を収集し、それを見込客のデータベースと結び付けます。その後の応募者へのアプローチによって、販売の可能性を高めることができます。 あるフォトスタジオの事例です。このスタジオで、誕生日をテーマにしたフオトコンテストを行ないました。応募条件は、その年に1歳を迎える子どもがモデルであること。コンテストの結果は店頭で発表し、入賞者に記念撮影をプレゼントしました。 子どものいる家庭には、七五三や入学式など、年齢に合わせた写真撮影の機会があります。オープン懸賞時に集めた住所や年齢、お子さんの情報や写真を有効に活用し、定期的に割引クーポンやプレゼントを届けています。

2.クローズド懸賞
クローズド懸賞は、法律では「取引に付随する懸賞」といわれます。商品の購入者が抽選によって景品をもらえるものです。商店街の大売出しなど、昔から活用されています。
応募条件として、懸賞を行なう企業の商品の購入やサービスの入会などの商取引が必要です。次の表のように、一般懸賞、共同懸賞、総付(そうづけ)の3つに分類されます。

・クローズド懸賞の種類

一般懸賞
特定の商品の購入者を対象に、商品に封入した当たり券、もしくは点数
シール、購入レシートをハガキに貼って、メーカーや販売店に応募することにより、賞金や賞品を提供する。インターネットによる懸賞のほとんどは、「会員登録」「メルマガ登録」を応募の条件としている。
パン屋などでおなじみの「点数シールを集めるとお皿がもらえます」といったもの。
継続購入者の確保に有効。
懸賞景品告示により、10万円まで(商品価額が5000円未満の場合は商品価額の20倍まで)

共同懸賞
商店街やショッピングセンター内の複数店舗が共同で行なう。○円以上の購入者を対象にしたくじ引きなどショッピングモールや商店街のセールや、大売出しの時期に行なう福引など。顧客単価を上げる方法懸賞景品告示により、30万円まで

総付
「ベタ付け」ともいわれる。商品の購入者全員に何らかの景品を付ける。いわゆるオマケ。ある特定期間に特定の出荷ロット商品を購入した人全員に、もれなく何らかの景品が付くもの。商品にあらかじめ付属している場合と、ハガキなどで応募してあとで景品を受け取るケースがある。
消耗品など、買い置きのできるものを対象とし、購入量を増やす方法。
一般消費者告示により、商品価額の10分の2まで(商品価額が1,000円未満の場合は200円)
クローズド懸賞は、「商品単体の販売で実施する場合」と、「お店で販売している商品や、商店街全体で実施する場合」があります。
購入者に抽選券や補助券を手渡したり、購人後のレシートを使ったりするなど、方法はいろいろです。これらは、ある一定の金額が集まると抽選できるという方法で行ないます。

いずれも、「景品表示法第3条(景品類の制限および禁止)」で規定されています。 一般懸賞・共同懸賞は「懸賞景品告示」で、給付景品は「一般消費者告示」で規制されています。 オープン懸賞は、メーカーがマス広告によって告知する必要があります。しかし、クローズド懸賞は、ほとんどの業種で行なうことができます。 クローズド懸賞は、小売店や商店街の各種セールで欠かせない方法です。小さなお店でも、やり方次第で拡販の可能性が高まります。 地域の小売店でできる例を紹介します。 近隣に大型量販店がオープンしたため、客足がぐんと減ってしまった商店街がありました。それぞれの店舗で、割引セールなどを行なっていましたが、年末年始を控えていて、どの店も大きく売上をアップさせたいと必死です。 こうした場合には、毎年の歳末のセールと福引きに合わせて、全店舗共通の「全部のお店のレシートを集めるだけで福引きができるスタンプラリー」を催して、小売店同士が協力し合うといいでしょう。

3.キャンペーンアイデア
景品表示法の規定の分類の中でも、クローズド懸賞は、さまざまなキャンペーンアイデアとして応用することができます。 すぐれた販促手法が最終的に販売につながることは、改めていうまでもありませんが、「どのように伝えるか?」よりも「何を伝えるか?」のほうにエネルギーを注ぎたいものです。 その「何を伝えるか?」ということは、すぐれたキャンペーンアイデアを考え出すことに尽きます。 キャンペーンは、販売促進の成否を分ける重要な要素だといっても過言ではありません。 また、キャンペーンは、期間を決めずにだらだらとやるものではありません。期間限定であることが、最低限の条件となります。 ネーミングも含めて、単純な割引ではなく、お客様の納得と信頼を得られる、購入につながる理由を考える必要もあります。 キャンペーンは、ほとんどの業種で、新発売や需要時期に拡販するために実施することができます。消費者の興味や関心を引くものを考え出したいものです。 キャンペーンアイデアの種類は、次の表のとおりです。

キャンペーンアイデアの種類

キャンペーンアイデアの種類

 

キャンペーンアイデアの種類

キャンペーンアイデアの種類

 

キャンペーンアイデアとして、レンタルビデオ店における「雨の日キャンペーン」を見たことがあるでしょう。雨が降った日は、専用ののぼりを店前に出しています。 人は、雨の日に外出していれば寄り道を避けて、早く家に帰りたいものです。お店にすれば、客足の減少につながります。そこで、この心理を逆手にとり、「雨の日だから家で楽しもう!」と打ち出し、さらにレンタル料金5%割引や、1本無料サービスなどを行なっているのです。 このように、顧客の拡大だけでなく、顧客を減らさない方法としても利用できます。成功したキャンペーンは、継続して行ない、お客様を固定化する必要がありますが、それでマンネリ化して飽きられないように工夫することも忘れないようにしたいものです。

④プレミアム手法

「給付プレミアム」と「抽選プレミアム」がある
プレミアム手法とは、いわゆる「おまけ」の提供で、購買を誘発する仕組みです。 この手法が多く使われる理由は、あからさまな値引きではなく、プレミアムの分だけ、魅力を上乗せできるからです。値引きは、値引いた価値しか生じません。 逆に弱点もあります。「おまけ」をつけて「おまけ」を売り込むという矛盾です。 商品自体の魅力を訴えたうえでプレミアム品の魅力も訴えなければならず、商品とプレミアム品それぞれの訴求の焦点がぼけやすくなります。そのため、商品の特徴がシンプルに伝わりにくいというデメリットもあります。 プレミアム手法は大きく2つに分けられます。商品を購入すれば必ずプレミアム商品がもらえる「総付プレミアム」と、商品を購入したうえで抽選でもらえる「抽選プレミアム」です。

1.総付プレミアム

総付プレミアムとは、商品を購入すれば必ずもらえる「おまけ」のことです。次のように、4種類あります。

(1)封入プレミアム
封入プレミアムとは、プレミアム品を商品と一緒にパックし、一体化した展開のものです。
プレミアム品の提供の仕方の違いとして、プレミアムがパッケージの内側に封入される「インパック」、外側に添付される「オンパック」があります。
また、商品の外側にプレミアム品を置くなど、パッケージとは一体化せずに切り離される「オフパック」もあります。
オフパックの場合、商品の持参と引き換えに、プレミアム品をもらうか、商品購入時に直接もらうかしなければなりません。
たとえば、飲料の限定パックに付いたプレミアムグッズがあります。メーカーの協力を要しますが、既存顧客の購入数のアップや、トライアル客の獲得において効果が期待できます。

(2)プレミアム容器
プレミアム容器とは、商品パッケージ自体を小物入れなどのプレミアム品にしてしまうものです。
たとえば、化粧品のクリスマスコフレがあります。限定販売を行なうことで、購入行動を促進することができます。

(3)応募もれなく進呈プレミアム
応募すれば必ずプレミアム品がもらえる方法です。
応募条件の違いから、「単数購入応募方法」と、「複数購入条件応募方法」があります。
通信サービス会社による入会プレミアムグッズがそうです。顧客満足度のアップにおいて効果が期待できます。

(4)自己精算式プレミアム
レシートなどの購入証明や、指定の金額を送れば、必ずプレミアム品がもらえる方法です。(3)「応募もれなく進呈プレミアム」と同様、応募条件の違いから、単数購入応募方法と、複数購入条件応募方法があります。
たばこメーカーによるプレミアムグッズプレゼントがそうです。既存顧客の継続購入を維持したいときに効果的です。

2.抽選プレミアム
抽選プレミアムとは、商品を購入したうえで、抽選でプレミアム品が当たる方法です。
次のように2種類あります。

(1)応募抽選プレミアム
応募抽選プレミアムとは、レシートなどの購入証明を送ると、プレミアム品が抽選でもらえる方法です。
応募条件の違いから、「単数購入応募方法」と、「複数購入条件応募方法」があります。
(2)インスタント・ウィンプレミアム
インスタント・ウィンプレミアムとは、「スピードくじ」として、その場でプレミアム品が当たる方法です。
当たり券の発生方法の違いから、「確率ゲームタイプ」と「管理ゲームタイプ」があります。
確率ゲームタイプは、どのカードにも当たり券が隠されているタイプです。消費者がカードの一部である銀色で覆わ
れている部分を、スポットで爪やコインで削ると、当たりを示す文字やマークが現われる「スクラッチ・カード型」を活用するのが一般的です。
管理ゲームタイプは、あらかじめ当たりはずれが決まっているタイプです。当たりはずれの発見プロセスに工夫をこらし、消費者の興味を高めることが必要です。
以上のように、プレミアム手法を成功させるには、プレミアム品の内容によるところが大きいといえます。話題性やインパクトはもとより、商品との関係性や、ストーリー性が大切です。

プレミアム品は、商品本体の購入に対する返礼でもあるので、商品の一部であるという意識で安全性やクオリティにも気をつけたいところです。
さらに、プレミアム品はブランドの価値を代弁するものでもあります。そのため、そのブランドの価値を象徴するようなものを選択するといいでしょう。ブランドコンセプトに適合しているかどうかの点検も必要です。

⑤制度手法

「ポイント制度」など、実施期間は長い
販売促進は、一定期間に展開され、終了後は通常の販売方法に戻るのが普通です。しかし、制度手法は例外として、販売体系の中に制度として組み込まれます。 そのため、制度手法の特徴は、他に比べて実施期間が長く、比較的長期にわたり特典を提供することです。顧客が繰り返し商品・サービスを購入することを狙うものです。 この手法では、需要の核となるユーザ一層を獲得することが課題になります。そのため、特定層の顧客を確実に管理するという、いわゆる「ダイレクト・マーケティング」の手法を活用します。 商品・サービスを頻繁に利用する顧客を優遇することで、優良顧客をつなぎ止めるという狙いと、一般的な顧客を優良顧客に導くという狙いの2つがあります。 ですから、多くの顧客のうちの誰が優良顧客なのかを把握する必要があります。 また、制度手法の計画にあたっては、「いかにして長期にわたる顧客満足を形成するか?」「いかに良好な顧客関係を形成するプログラムをつくり上げるか?」がポイントとなります。
人手した顧客の購入履歴や、ライフスタイルに関わるデータをもとに、顧客にとってより価値の高い商品・サービスの提供を継続していくことが重要です。
次に挙げる方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.ポイント制度
ポイント制度は、「フリクエンシー・プログラム」ともいいます。これは、顧客の購買状況・利用状況の把握と、自社の商品・サービスを頻繁に購入・利用する優良顧客に対する優遇措置を結び付けた制度です。
小売業者の間では、「フリクエンシー・ショッパー・プログラム(FSP)」と呼ばれています。ホテル業界に限り、「フリクエンシー・ゲスト・プログラム(FGP)」といわれています。
次のような代表的なタイプがあります。

(1)トレーディング・スタンプ
消費者の購入金額に応じて一定枚数のスタンプを発行し、割引購入特典を進呈する方法です。
あるいは、スタンプが一定量たまったら特定の商品と交換する方法です。消費者は好みの景品をもらうことができます。
洋品店によるポイントスタンプなどがそうです。常連客の獲得において効果が期待できます。この方法は、店舗ごと
の実施が可能です。

(2)ポイントカード
(1)「トレーディング・スタンプ」を発行する代わりに、カードを利用して、顧客の購買金額や購買点数を把握する方法です。多くは、電子処理の仕組みになっています。
商店街やチェーン店でよく見かけます。顧客が他店に流れてしまうのを食い止めるのが目的です。コアファンの獲得において効果が期待できます。

(3)マイレージサービス
「マイレージサービス」(またはマイレージプログラム、Frequent nyer program : FFP)は、航空会社が行なう顧客へのポイントサービスのことです。
主なマイレージサービスは、会員旅客に対して、搭乗距離に比例したマイル(一般的に単位はポイント)を付加し、そのマイルに応じた無料航空券、割引航空券、座席グレードアップなどのサービスを提供するものです。

最近では、航空会社だけでなく、小売業やサービス業でもポイント集計システムを「マイレージ」と称して活用することも増えています。 一般的になった「キャッシュバック型ポイントカード」に、マイレージサービスといった呼称をつけることで、競合との差別化を図るケースが少なくありません。 ポイント制度は、金融機関や航空会社をはじめ、一企業や企業グループが運営する場合と、地方自治体などが中心となって運営する場合があります。 企業グループが運営する場合は、参加企業は購買に準じた互換性があるポイントや割引特典を発行します。加盟企業が多くなればなるほど、固定費の負担が軽減されます。企業にとってはポイントの収集速度が速くなるというメリットがあります。 チェーン展開のアバレルショップの売上増大を目的としている場合、ポイントカードとの併用で、トレーディング・スタンプを活用し、店舗の独自性をアピールします。たとえば、近隣の飲食店の協力を得て、割引サービス券を特典にするなどが考えられます。

2.メンバーシップ制度
メンバーシップ制度は、会員組織をつくることでもあります。店舗の場合、その店の購入者を組織化し、購入頻度、来店頻度を上げる目的で行ないます。メーカーの場合は、ある特定のブランドの購入者を組織化し、次の商品・サービスの購買に結び付けるか、または見込客を組織化して、その商品・サービスの購入を誘導する目的で行ないます。
組織化する対象の違いから、次のバリエーションがあります。
(1)見込客の組織化
商品・サービスの購入を検討している見込客に入会してもらい、その商品・サービスに関連する情報を提供します。
情報面で、見込客への接触を密にし、親近感を高められます。また、購買のタイミングの機会創出など、商品・サービスの購入において有利な判断を引き出すことができます。
インターネット通販において、ホームページ会員を募り、メールマガジンやキャンペーン情報の提供を行ないます。
(2)既存客の組織化
商品・サービスの継続購入だけでなく、より多くの購入、あるいはワンランク上の購入への移行を促進します。また、コア・ユーザーとの接触頻度を増やすことで、購入の促進はもとより、ブランドに対するよい評価者・推奨者というファンを育てることもできます。
インターネット通販やカタログ通販のクラブ会員などがそうです。既存客の顧客単価アップの促進において効果が期待できます。 多くの場合、会員に向けて、定期的に機関誌やメールマガジンを発行し、年に数回イベントや展示会を行ないます。また、割引特典会員として前述のポイント制度を展開する場合も少なくありません。 たとえば、「定期宅配制度」は、メンバーシップ制度を応用した手法といえるでしょう。 食品や化粧品などの一般消費財を扱う通信販売業では、顧客が注文する手間が省ける利点があることから、定期的に商品を届ける制度として、定期宅配制度が活用されています。 定期宅配制度には2つのケースがあります。 1つは、ある一定の商品を定期的に宅配するケースです。新聞や雑誌が代表的です。もう1つは、顧客が支払う価格に応じて、ある一定のカテゴリーの中で、顧客にとって必要性が高く付加価値のある商品のバリエーションとして宅配するケースです。後者では、ワイン好きの顧客から月額一定の会費を徴集し、「ソムリエが選んだ厳選ワイン」と謳い、会費以上の価値のワインを厳選して毎月宅配するという例が見られます。 その他、メンバーシップ制度には、購買回数や来店頻度によって会員のランク自体が上がっていく手法もあります。

3.紹介制度
紹介制度は、商品・サービスの購入者から友人や知人などの新規顧客を紹介してもらうために、紹介する人、紹介される人の双方に特典を与える制度です。 まずは、購入者に紹介をお願いする方法をとります。すでに商品やお店の利点を理解しているので、効果が期待できます。 ただし、注意しておきたいのが、ある程度の購買頻度、来店頻度が多い顧客、つまりロイヤリティの高い(いわゆるお店のファンである)顧客が、必ずしも新規顧客として友人や知人を紹介してくれるとは限らないことです。 いゆわる「行きつけの店」や、愛着のある商品については「人には知られたくない」という心理が働くこともあります。 逆に、商品・サービスの体験が少なくても、紹介してくれる人もいます。 このように、ロイヤリティの高さと、紹介実施率が必ずしも比例しないということも知っておきましょう。 前述のように、紹介制度は、一般的に紹介する人、紹介される人の双方に特典を与えることになります。 紹介してくれる人に、店頭やDMで内容を告知し、協力を依頼します。通常、紹介してくれた人には謝礼を用意し、紹介された人には割引や特典を提供します。紹介された人は「紹介状」を持参して、商品・サービスを購入します。このとき、履歴を残して、双方にお礼を忘れないことが大切です。 このような紹介制度の流れは、一見複雑に見えることがあります。チラシなどで、そのことをわかりやすく説明する工夫が必要でしょう。

4.下取り制度
下取り制度は、顧客が所有している商品が古くなったり、使い勝手が悪くなったりした場合に、その商品を売り手が引き取って、その評価額分を新品の購入時に割り引く制度です。 自動車販売が代表的ですが、パソコン、ゴルフクラブ、電気製品、楽器などの耐久消費財に広く応用できます。法人向けにも、コピー機をはじめ、精密機器などでこの方法が使われています。 一般的に下取り制度は、たとえば同一メーカーの車を下取りし、新しい車に買い替えさせる手法です。下取り商品や価格の設定によって効果に差が出てきます。価値ある商品を適正な価格で設定することが、成功の秘訣といえるでしょう。 最近、百貨店や大手流通業では、家庭内の不用品を下取りし、割引券を発行する「下取りキャンペーン」が成功したケースも少なくないようです。 本来、家庭内で眠っている洋服などの不用品は、「タンスの肥やし」などといわれるように、「いつか着る機会があるだろう」と長い間、家の中でしまい込まれていました。その「タンスの肥やし」を買い取るという下取りキャンペーンに、消費者の購買意欲がかき立てられたのです。 また、エコロジーの考え方が広まり、環境にやさしい生き方を大切にする志向として、モノを大切にする人たちが増えています。そうした消費者に安心感を植え付けることで、買替え購入を促進することができます。 下取り制度の注意点は、単なる値引きによる下取りはマンネリ化を助長しかねないばかりか、下取りに伴う費用が増えて利益を圧迫することにもなりかねないことです。再販できる仕組みなどの工夫が必要でしょう。 呉服屋による「着物下取りキャンペーン」が有名です。これは、着物の下取りをして、購入商品の割引を行なうものです。下取りした着物はリサイクル品として販売します。 リサイクル品の販売は、年に数回イベントとして開催します。「オープン懸賞」を行なうなどして、見込客の情報収集につなげることも可能です。

5.保証制度
保証制度とは、顧客満足度を高めるため、購入時や購人後の顧客の不安をなくすため、顧客が購入した商品の機能について、事業者が一定期間保証する制度です。保証内容は、保証書などに規定されています。
保証期間については、「製品購入日より○年間」という規定が一般的です。
購人日を明確にするため、販売店の名称・購人日・印などの記載欄が、保証書に設けられています。ただし、家電量販店では、保証書の記載を一つにまとめたゴム印を保証書に押したり、専用のシールを渡して購入者が自分で保証書に貼ったりという方法がとられます。 パソコンの直販メーカーでは、メーカー側で出荷日や機種、製造番号、販売先が記録されていることから、そもそも保証書がないこともあります。 なお、販売店から消費者が商品を購入した瞬間が、保証期間の始点となります。購入直後に、消費者が商品を使おうとして、正しい操作方法にもかかわらず、まったく動かなかった場合には、たいてい不良品とみなし、その販売店で購入したことが証明できるレシートを添付すれば、新品の交換に応じるケースが多いです。 保証制度は、販売店でも対応がまちまちです。販売以降は、メーカーの保証期間に応じて修理に対応する場合や、1週間程度であれば交換に応じる場合、1か月程度であれば応じる場合など、さまざまです。 保証期間の長さは、お店や商品によって異なります。たとえば、家電製品では1〜2年、ベッドやソファーなどの家具では3〜5年、住宅では10年程度です。 故障しやすいもの、買替え周期の短いものほど、保証期間も短くなる傾向があります。 その一方、企業側の経営理念や、自社製品の設計・製造技術に対する自信によっては、「無期限保証」「生涯保証」といった長期の期間を設定しているケースも時にはあります。 一般的に耐久消費財は、メーカーの保証が付けられていますが、それだけでは消費者は安心できません。そのためには、販売店側の工夫も必要となります。
保証する対象の違いから、次のバリエーションがあります。

(1)返金・返品保証
無料試用などを採用できない場合、あらかじめ商品の代金を支払ってもらう代わりに、実際に使ってみて気に入らなかったときは返品を認める制度です。その返送運賃を企業負担とし、商品の代金を顧客に返す仕組みです。
美容器具、健康器具、健康食品の返品保証などがそうです。 トライアル客の獲得に効果が期待でき、認知度の拡大に有効です。
返品保証制度は、インターネット販売やカタログ販売において、絵画や美術品のような顧客が商品の情報と実物との
違いを懸念する可能性のある場合の不安を取り除き、購入行動を後押しする効果があります。

(2)修理保証
製品の動作を消費者に保証するため、販売後の一定期間、動作保証を付けることで、消費者に製品の優位性をアピールできる制度です。この場合の「動作保証」とは、設計時にあらかじめ定められたスペック(性能)を満たすことです。
製品の外観(美観)や設計時に想定された範囲以上の性能は含まれません。 オーディオや時計、アクセサリーの修理保証などがそうです。
高価または長期に使用される製品の場合、見た目だけでは判断できない品質を保証することによって、顧客の購人後の不安を取り除けるので、購入行動を後押しします。

(3)点検保証
顧客に対して、購入時にある一定の期間、点検を保証する仕組みです。主に耐久消費財で使われます。自動車販売が代表的です。たとえば、次の車検時まで、無償または低額の点検費用を保証します。
住宅販売やリフォームはもとより、車・バイク、医療器具、カメラなどの精密機械を使用することで、故障や不具合などが懸念される商品が対象です。点検を保証することで、顧客の利用に対する懸念を取り除くことができます。

(4)期間延長の保証
顧客に対して、保証期間を延長することを提案する仕組みです。家電量販店では、「顧客獲得サービス」の一環として、延長保証制度を設定している場合があります。これは、事業者の設定した保証期間を過ぎた製品について、一定の期間中の有償修理の費用を販売店が代わりに負担する制度です。
この制度を利用するための手続きや手数料、延長保証期間の長さ、販売店の負担割合(全額とは限らない)、利用できる回数などは、店舗によって異なります。
また、メーカー自身が「ユーザーサポート」の一環として、修理保証を有償会員制サービスに含めて行なうケースも見られます。
これらは、一種の保険のようなものです。消費者は任意にこれらの保証の延長を選択することができます。
家電量販店によるテレビ、エアコンなどの大型家電の延長保証がそうです。メーカー保証が3年であれば、延長期間2年をプラスした5年保証を設けます。他店との差別化を図るのに有効です。

(5)2倍の額を返金保証
商品・サービスが気に入らなかった顧客に、返品を認めるだけでなく、その代金を2倍にして返済することを保証する仕組みです。商品・サービスに絶対的な自信をもち、劇的な効果を生み出せるときに有効です。
学習塾、美容食品で、決められた方法での利用(または学習法)を促したい場合に確実に効果が期待できます。高額なブランド品にも向いています。

(6)下取り保証
購入時に、あらかじめ下取りの金額を保証する仕組みです。たとえば、新築一戸建ての販売で、将来、新しい物件を顧客が購入する際、中古物件の売却の下取り保証として、購入時の○%の金額を保証するなどがそうです。
家電店や宝飾店、中古車販売店でよく行なわれています。同じ店舗で買替えをしてもらえれば、買替え時に旧製品を下取り保証するなど、古くなっても価値を残す商品である場合に実施します。この方法は、購入行動を促すほか、見込客の確保にもつながります。

(7)全額買い戻し保証
(4)「期間延長の保証」に似ていますが、コレクション的な意味合いのある限定版の商品で用いられます。 5年間程度の指定期間内であれば、顧客の支払った元値で買い戻すことを保証するような仕組みです。顧客に対して商品の価値を確信付けるのに有効です。
アンティーク(ビンテージ)品、美術品、コレクターズ商品、車や宝飾品、保険や金融商品など、時間が経過しても同等の価値を見込める商品を扱う場合に活用できます。

6.レンタル制度
レンタル制度とは、高額で、顧客の使用頻度が少ない商品を、ある一定の期間貸与する制度です。試用してみないとよさが実感できない耐久消費財で、見込み客を発掘するために活用できる方法です。

試用体験手法は、「商品サンプル配布」「お試し体験」など、比較的低額の商品・サービスに短期間の試用体験で購買を促進するものでした(※Hこちらを参照)。レンタル制度は、このようなケースに当てはまらない高額な商品に活用します。 耐久消費財の自動車、楽器、スポーツ器具などが当てはまります。楽器やスポーツを習い始めたばかりの顧客が、そのための器具の購入を躊躇している場合にレンタル制度は効果的です。 レンタル制度は、法人向けの商品・サービスで多く使われている制度です。たとえば、コーヒーメーカーや、医療用機器などの精密機器がその対象です。 有料レンタル自体がビジネスモデルになっているケースもありますが、あくまで販促手法として、無料、有料にかかわらず、レンタルから最終的に購入につなげることを目的としています。 レンタルした顧客が購入する場合、レンタル時期に支払った費用を割り引くなどの便宜を図ることによって、購入につながりやすくなります。 呉服店の事例を紹介しましょう。 お茶やお花教室の協力を得て、体験レッスンを開催し、教室に入門した人を対象にしたレンタル制度をスタートしました。それだけでなく、体験レッスンの参加者には、お茶会や音楽会(有料)のイベント開催のお知らせを発信しました。

このように、利用シーンが限られている商品を販売する際は、利用を継続してもらうことを重視した展開を行なうとよいでしょう。

⑥店頭手法(イベントを除く)

「POP広告」は売上に直結するツール

店頭で活用される手法は大きく2つに分けられます。「店頭でのイベントによる販売促進」と「店頭装飾による販売促進」です。 店頭でのイベントによる販売促進は、店頭で顧客に注目される催しを行なうことです。実演販売、産地直売会、試食会、試乗会、見本市、演芸会、サイン会、カラオケ大会、クイズ大会などがあります(第6章で「イベント活用型」として取り上げます)。 店頭装飾による販売促進とは、何かしらモノを用いて通行人に告知する方法です。いわゆる「POP広告」といわれるものです。 POP広告は「Point Of Purchase Advertising」の略で、購買時点における広告物を指します。 POP広告の役割は、単に商品・サービスを「知らせる」だけの役割ではありません。販売に直接的につなげることが重視されます。 店頭手法として、POP広告以外にも、「接客系アプローチ」、「『待ち時間』の活用」を紹介します。

1.POP広告
POP広告とは、お客様を売場の商品へ誘導するために用意される一連のツールのことで、その置かれる位置と役割などによって、以下の表のように分けられます。

■POP広告の種類(役割別)

・店内POP
入店した顧客に店内を案内し、目的の売場へ導くためのもの。売場案内や、トイレ、エスカレーターなどへの誘導表示、催事やセールのお知らせなどの販促情報を告知するものも含まれる。飲食店にあるメニューブックも、工央次第で効果的な店内POPの一つになる。

・陳列時点POP
顧客を実際の購買に結び付けるためのもの。ブライスカードとショーカードがある。プライスカードは、商品の品名や価格、セーリングポイントを記したもの。ショーカードは、商品の特徴や機能、
効用、用途、サイズなどを記したもの。どちらも商品のすぐそばに置く書店で見かける、本のあらすじやおすすめ理由を表記したカードなど。購入衝動を実際の行動につなげるためのツール
■主要素材別

紙・段ボール
低コストなので、替える頻度の高いものに利用するのに最適。親しみやすさ
や手軽さを出す場合に有効。加工してオリジナリティーを出すこともできる

プラスチック
丈夫なので、長期利用できる点がメリット。定番商品、屋外の利用に向いてい
る。什器と—体型にし、床置きの陳列棚として利用することもできる

木材
読ませることを目的とした場合に有効。上質感や信頼性を印象づけるために向いている素材。文字や形状の選択が重要

金属・ワイヤー
吊り下げや飛び出しなど、設置場所に合わせた形状のものが選べる。また、他の素材との組み合わせにより、インバクトのあるしかけや形を取り入れることも可能

■付加仕様別

動きを伴うタイプ
視線をキャッチするためのもの。存在自体をアピールしたい場合に有効。
多くの商品が並ぶ場所、商品自体が小さな場合などに効果が期待できる

音の出るタイブ
気配を感じさせるためのもの。五感に働きかけたい場合に有効。人の流れが遠い場所や、注意を惹き付けたいときに効果が期待できる

照明を使うタイプ
明暗によって商品を際立たせるためのもの。関心や興味をもたせたい場合に有効。印象付けなどに効果的

映像を用いるタイプ
商品の情報やイメージを提供するためのもの。商品のイメージや特徴を記憶に働きかけたい場合などに効果的

インタラクティブ機能をもつタイプ
しかけを伴うもの。感情に働きかけたい場合に効果的。付加仕様別の他タイプとの複合により、多様な効果が期待できる

 

■使用場所別

シーリングPOP(天井から吊り下げるもの)
売り場の案内や店内の雰回気づくりに効果。アイキャッチやプランディングに有効。省スペースの売り場でも展開可能

ウオールPOP(壁に取り付けるもの)
顧客の購入意欲を促進するためのもの。情報提供を目的としたタイプ。顧客の目線に合わせた表示ができる。セール表示やポスターなど

フロアーPOP(床置きのもの)
立体的な形状にもできる。什器としても活用可能。特設会場での商品陳列に活用できる

ショーカード(カード形POP)
商品に直接取り付けたり、棚に取り付けたりするもの

大量陳列キットPOP(シェルフ・エンドでの商品の特設陳列時などに用いるもの)
売り場を目立たせることに有効。キャンベーン、セール品のアピールや、ブランディングなどに用いる

店外サイン
(店舗の入り口などで用いるもの)
ウィンドウに貼り付けるPOPや店舗の入り口に置く案内板など。店内への誘導に効果が期待できる
POP広告のツールは、果たすべき機能も、用いられる場所も、形状もさまざまなため、制作仕様が多様になっています。また、機能、使用場所によって、使用する主要素材が異なります。さらに、「動く」「音が出る」といった付加仕様も、効果的なPOP広告になることもあります。
POP広告は、お客様にすれば、お店の手引き以外の何物でもありません。ガイドが適切で、行きたい売り場に迷わずにたどり着くことができれば、ショッピングを楽しんでくれるはずです。
しかし、ガイドが適切でなく、売り場に迷ったりすれば、買い物をするどころか、不快感を抱かれてしまう恐れがあります。
また、POP広告は、配置や表現を工夫しなければなりません。雑然としていれば、落ち着いて買い物ができないお店になってしまいます。
失敗例として目立つのは、店側の視点で考えられているPOP広告です。お客様に理解できない用語を使ったり、お客様の目が届かないところに置かれていたりなど、その役割を果たしていない例が少なくありません。
POP広告は、お客様が知りたい情報を、知りたいときに知りたい場所で得られるものでなければなりません。そのためには、内容も、配置場所も、お客様の視点に立ち、その動脈をよく考える必要があります。

 

2.接客系アプローチ
店頭手法の中には、接客を絡めたアプローチによって、売上に影響を及ぼすケースが少なくありません。
このことから、積極的に接客を絡めた販売効果の高い方法を取り入れているお店もあります。
代表的な方法は次のとおりです。

(1)専門家を売り場に配置
買い物に困っている顧客への対応によって、新しい需要を取り込めるといった、これまでにない販売効果が期待できます。そのため、資格保持者などの専門家が、接客対応するお店が増えています。
ある酒店の事例を紹介します。 30代の女性が来店しました。来客用に数本のワインを購入するためです。ワインアドバイザーである店員は、予算内におさまるように3種のワインをコーディネートしました。飲みやすい低価格の「発泡」、一般的に知られているある程度の価格の「白」、残った予算で購入できるコクのある「赤」をおすすめし、「来客時は発泡、白、赤の順で出してください」とアドバイスしました。
数日後、その女性が再来店し、前回と同じ赤のワインを購入しました。理由を聞くと、「結局、来客当日は、発泡と白しか出せず、赤は自分用に飲んだ。手軽に購入できる価格だったし、独特の味わいに魅了され、普段もこれを飲みたくなった」と答えました。これは、ワインとワインアドバイザーに満足した証拠です。常温で保存ができ、オリジナルの味わいがある赤を、もしかしたら残るかもしれない3木目にすすめたことが功を奏したのです。

(2)クロスセリング
顧客が希望する商品・サービスに関連するものを推奨し、購入してもらうことで、顧客単価を増大させる手法です。
よりよいサービスや高い付加価値を商品にもたせることで、顧客満足度の向上につながるクロスセリングが求められます。
クロスセリングの例として、洋服を購入したお客様に装身具を併せてすすめるといった施策が挙げられます。
クロスセリングの成否は、顧客ニーズの見極めや、需要を喚起する販売促進の組み合わせで決まります。売れる商品に、売れない商品を抱き合わせて販売するようなやり方では、“空振り”に終わることがあるので注意が必要です。 紳士服売り場での事例を紹介します。ある男性が葬儀に着用する礼服を探していました。この男性、いつも通っている有名店をすでに回っていましたが、ふだんなじみのない装いを選ばなくてはならず、どれにするか決めかねていました。最後に訪れたのは、これまで足を運ぶことがなかったこの紳士服売り場でした。 男性が簡単に事情を説明したうえで、販売員にアドバイスを求めたところ、販売員はデザインの好みや体型ではなく、 「結婚していますか? おいくつですか? どんな立場で出席されますか?」といった質問を男性に投げかけました。 「結婚しています。 30代後半です。親戚です」と回答した男性に対し、「これからも着用する機会があるでしょう。そして、その際には、年齢相応の礼儀やふるまいを見せられた方が、あなたの人としての価値を上げることができます。ですから、ある程度長く着られるものを選び、その服に合わせたタイや靴を用意していくことをおすすめします」と、販売員はアドバイスしました。 こうして男性は、礼服を購入しただけではなく、格式や礼儀に合わせた紐靴や黒と白のタイも購入したのです。

(3)アップセリング
顧客が希望する商品・サービスよりも高級または高価格のものを推奨し、購入してもらうことで、顧客単価を増大させる方法です。よりよいサービスや高い付加価値を商品にもたせることで、顧客満足度の向上につながるアップセリングが求められます。 「元祖アップセリング」とまでいわれるアップセリングの例として有名なのが、ハンバーガーチェーンのマクドナルドの「ご一緒にポテトもいかがですか?」です。 現在は、より注文をしやすくするためにフライドポテト付きセットメニューが開発され、前述の言葉をかける必要がなくなりましたが、これを実施していた当時は、この言葉で10%以上の人がポテトを注文したといわれています。世界のマクドナルドの店舗数を考えると、相当な効果になるでしょう。 アップセリングの成否も、クロスセリングと同様、顧客ニーズの見極めや、需要を喚起する販売促進の組み合わせがカギとなります。 「マニュアル」のように、いつも同じことをいわれると、顧客はうんざりして、不満を抱くことにもなりかねません。ですから、顧客視点をもつことで、状況に応じたニーズを把握するといった柔軟な対応も必要となります。

(4)名刺類の活用
小売業をはじめ、美容室やエステサロンなどのサービス業の場合、担当スタッフの顔写真やイラスト入りの名刺を準備しておくのも、販売につなげるための効果的な販促手法の一つといえるでしょう。 顔写真やイラスト入りの名刺は、受け取るお客様に強い印象を残すことになります。これにより、再来店時に指名してもらいやすくなります。顧客満足度を向上させ、お店のフアンになっていただくためのきっかけづくりにもなります。 ちなみに、インターネットのポータルサイトによる「印象に残る名刺」アンケートでも、1位が「顔写真付き」、2位が「似顔絵入り」、3位が「台紙の素材が特殊」という回答結果でした(2009年)。
欧米のビジネスカード(名刺)は、日本のものほど堅苦しくありません。誰に対しても気軽に渡しています。その人の個性やインパクトを重視しているものが多いようです。
美容室やエステサロン、マッサージ店のお客様は、プライベートな時間を使って来店しているので、カジュアルで印象的な名刺をもらうほうが、よりお店に対して親近感を感じることでしょう。
毎月、名刺の裏に入れる情報や顔写真を変えたり、手書きのメッセージを添えたりというように、来店時の話題を提供している店舗もあります。

(5)領収証の活用
会社・お店にとって領収証は発行する義務がありますが、お客様から求められたら発行するが、求められないと発行しないなど、その扱いはまちまちです。
お客様が財布に入れて持ち帰り、何かしらの動機付けを起こせるように、領収証の裏面にお得情報を載せているところもあります。
ある美容室の事例です。領収証の裏面に次のような販売促進の機能をもたせています。

①お知らせ
②メール会員の募集
③お客様の声の募集
④QRコードとアドレス告知によるホームページおよび携帯ホームページヘの誘導
②③④は、ほぼ記載内容を固定しています。①は、時期によって変更するようになっています。たとえば、頭皮ケアの新サービス、季節ごとのキャンペーンの紹介、駐車場の拡充計画などです。
このように、領収証の裏面も立派な販売促進のスペースとして活用することができます。

3.「待ち時間」の活用
ヘアサロンやエステサロン、歯科医院では、お客様が「予約した時間どおりに来たのに待たされる」という不満をもつことがしばしばあります。もちろん、待たせないように対応することが最も重要な解決策ですが、この待ち時間の不満を解消しながら、販売促進の機能をもたせることも不可能ではありません。
たとえば、お客様が待ち時間に読めるマンガを置くことは方法の一つです。ありきたりのマンガを置くのではなく、来店するお客様の層に合わせた人気作品を揃えるのがポイントです。お客様のリクエストに応じて、一定期間でマンガを入れ替えるレンタルサービスを利用するところもあります。 このような施策によって、待ち時間の不満を解消するどころか、来店するのが楽しみになったというお客様は少なくありません。ここから、顧客満足度を上げ、リピート率のアップや、ロコミによる紹介のアップにつなげることもできます。 また、待合室などにさりげなく見てもらえるPOPを準備することによって、販売促進の効果を上げることも可能でしょう。 宮崎大学病院では、外来棟の待合室で、ゲーム機(ニンテンドーDS)持参の来院患者を対象に、医療関連情報の提供やアンケートの実施をしています。病院施設の案内や、医療関連のコンテンツの配信は、来院患者の待ち時間を活用したサービスの一つといえます。デジタル世代の子どもたちをターゲットにした新しい方法です。 ただし、このような独特な方法は、利用できる人が限られてしまいます。前述のマンガのような利用者を限定しない方法との併用が望まれます。

以上の店頭手法は、全マーケティング活動が結実する瞬間である購買時点の販促手法です。もし、この時点で商品が選ばれずに売上につながらなければ、これまでの商品開発、生産、商品配送、広告費、営業経費に至るまでの活動のコストは無駄になってしまいます。

現在、多くの「購入ブランド決定」は、購買時点でなされています。だからこそ、購買時点での店頭手法における優位性の確保がますます重要になります。期待される役割も極めて大きいといえるでしょう。
また、小売業だけでなく、サービス業である美容室、エステサロンでも、他のサービスメニューを顧客にすすめることや、店販商品につなげたりなど、購買単価を上げることにも寄与します。
最後に、これまで紹介してきた展開手法が、どの業種に適用できるのかを一覧にしました。次の表を参考にしてください。

展開手法例

展開手法例

 

新規顧客向け媒体活用型

①折込チラシ

新聞以外にも、コミュニティ紙・タウン誌に挟み込む

ここで取り上げる「媒体活用型」の媒体(販促媒体)とは、マス広告(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)を除く媒体です。
販促媒体は、「新規顧客向け」(新規顧客獲得型)と「既存顧客向け」(既存顧客関係強化型)の2つに大きく分けられます。
この章では、新規顧客向けを見ていきます。チラシの特性を考える
代表的なのが「新聞折込広告」チラシです。
新聞折込広告チラシは、キャンペーンやイベントの告知に利用されることが多いです。特定のエリアに集中した販促展開ができる地域密着型ビジネスの王道といえます。

新聞折込広告チラシとは、宅配新聞に挟み込み、配布する販促媒体です。 読売新聞、朝日新聞に代表される一般紙や、日本経済新聞に代表される経済紙のように、新聞のタイプによる購読者の属性を選定することができます。また、新聞販売店ごとに配布エリアがあるため、お店の商圏や告知したい配布地域に合わせて選定することもできます。 新聞折込広告チラシは、訴求対象に効率的に展開できるため、地域に密着した密度の高い告知活動が期待できます。 しかし、新聞購読率が落ちてきているので、若年層にリーチするのが以前より格段に困難になってきています。特に20代〜30代の女性の購読率が大幅に減っていることから、ターゲットの年齢層によっては、販促媒体として適さない場合もあるので注意が必要です。 新聞折込広告チラシを見る人が最も多いのは、土曜日という調査結果もありますが、商品・サービス、またはお店の商圏によって効果が異なるので、適した曜日を選ぶことも大切です。 通常、商圏調査を実施し、ターゲット層の多いエリアを選ぶ必要があります。 なお、新聞折込広告チラシの仕様で最も多いのは、B4判です。これは、新聞のサイズ(タブロイド判)の中で、最も露出面積の多い大きさになるからです。インパクトを高めるため、縦長サイズや、大型サイズ(3つ折)など、競合店との差別化を図るための仕様も数多くあります。 新聞折込広告チラシの特性を次にまとめておきます。

・宅配により、確実に対象者に到達されることができる。
・特定のエリアに集中した販促展開ができる。
・読者層やエリアを細かく絞り、最小ロットが少なく実施できるので、テストマーケティングに向いている。
・新聞購読率が落ちてきているので、全体のパイが減少している。
・医療関係、医薬品、健康食品の広告表現には厳しい制約があるなど、日本新聞協会加盟新聞社による「新聞折込広
告基準」の規制がある。

もちろん、チラシを挟み込むということでは、新聞ではなく、「コミュニティ紙・タウン誌」といった情報誌を活用する方法もあります。新聞と比べて保存されやすい情報が掲載されているコミュニティ紙・タウン誌は、販促媒体として、お客様の購入の検討が長期にわたる商品・サービスに適しています。
チラシの特性として、「手に取りやすい」「ハンディさ」「ひと目で判断される」「自由さ」が挙げられます。さらに、地域的な情報源(地域密着性)としての特性を活かすことで、効果が最大化します。
チラシは、商品・サービスの売行きに直結する、地域の消費者と売り手をつなぐのに有効な販促媒体です。
どんなチラシにも、売り手が必ず伝えたいメッセージがあります。そのメッセージをお客様に伝えるために、目につきやすく、興味を引かせる工夫が必要です。

受け手(お客様)が理解し、実際に行動を起こしてこそ、チラシの役目は完結します。
そのためには、伝える(配布する)方法を考えなければなりません。
次の図表などを参考に、最も効果を上げる配布方法を選択しましょう。

チラシの配布方法とメリット

チラシの配布方法とメリット

 

いうまでもなく、「チラシの表現」も重要です。次から、チラシの見せ方を具体的に見ていきましょう。

お客様の感情を呼び起こすためのチラシ
チラシは、「アイキヤッチ」(最初に目を引くビジュアル)のインパクトと、共感性の両方を高めるように、表現を工夫しましょう。
(1)子どものビジュアルを使う
どんな人も、子どもに対して、基本的には無意識に「共感」してしまいます。もともとある共感性をベースに、インパクトを加え、好奇心をくすぐるビジュアルで、子どもに対する消費者の共感をいかに表現できるかがポイントです。

 

(2)数字を大きく使う
数字は、お客様の目を引く大きな要素です。「1週間の絶好調が、わずか500円!」などのように数字を明示できるのであれば、前面に出しましょう。しかも、単に数字を明示するだけではなく、消費者がイメージしやすいように、数字にまつわるビジュアルを使って工夫します。

(3)シズル感を打ち出す
食品会社や飲食店において、食べ物をビジュアルとして前面に出す広告では、「シズル感」を打ち出しましょう。シズル感とは、英語のsizzle(肉や揚物がジュージューと焼ける音)に由来します。音や香り、味などを感じさせるシズル感が打ち出せれば、それに勝るインパクトはありません。

(4)ワクワク感を醸し出す
イラストや写真を広告誌面に目いっぱいに数多く配置して、ワクワク感を醸し出すことで、すぐれたアイキャッチの一つにすることもできます。

(5)「新しい」を簡潔に
お店の新規オープンやリニューアルオープン、商品の新発売のタイミングであれば、「新しい」をアイキャッチとして前面に出しましょう。

理解を深めるチラシ
お客様がチラシで商品・サービスの理解を深めるために、「詳しく、わかりやすく伝える」ことはもとより、「安心感を伝える」ことにも留意しましょう。

(1)詳しく、わかりやすく伝える
他社にはない商品・サービスの利点や特徴を、数字などを使って、わかりやすく説明するのがポイントです。たとえば、業界人でなければわからないような商品・サービスの専門的な内容も、誰でも理解できるように伝えなければなりません。 また、消費者は人気のあるものに対して、他の人も選択しているという安心感を抱きます。ですから、人気商品をアピールすろことも大切なことです。
そのための有効な手法として、「ランキングにして見せる」ことが挙げられます。たとえば「当店の人気ランキング」と謳い、ビジュアルを使って、人気・商品がひと目でわかろようにします。商品の自発プロセスや使用手順について、文字に頼らずに見せろことも重要です。

(2)安心感を伝える
社長、店長をはじめ、社員、スタッフの顔写真やプロフィールを掲裁することによって、安心感を伝えることができます。整体院、エステサロン、美容室、飲食店でも、基本的には一度お店に入ったらサービスを受けてお金を払うまで外に出られません。お客様が感じるリスクは、店側が考えている以上に温度差があります。ですから、店内の様子を詳しく見せることは重要なポイントです。

記憶に残るチラシ
チラシを見た人が、商品・サービスの特徴やこだわりなどの記憶が残るようにするために、「時間の流れで表現する」ことと、「広告誌面上で体験してもらう」ことで工夫しましょう。

(1)時間の流れで表現する
「なぜ、このお店をやっているのか?」「なぜ、このお店を開いたのか?」「なぜ、この商品を開発したのか?」といった「なぜ?」を伝えることは、お客様の記憶に残ることに大きく貢献します。具体的な方法として、「会社、お店の歴史を語る」「社長、店長のこだわりや生きざまを語る」「商品開発の苦労話を載せる」「生産者の声を入れる」といったことが挙げられます。

(2)誌面上で体験してもらう
比較的簡単にできるのは、たとえば整体院が広告で「自己チェック表」を準備するように、誌面上にチェックリストを用意して、お客様にチェックしてもらう方法です。 もう少し高度な見せ方として、ある中学受験の学習塾のチラシでお母さん、お父さんそれぞれに国語と算数の問題をつくり、解いてもらうやり方もあります。 こうした方法は、広告(チラシ)に感情移入してもらうことが目的です。確実にお客様の記憶に残ります。 ですから、整体院や学習塾のように問題や悩みを解決する商品・サービスで活用すると効果的です。誌上体験することで、潜在的なお客様の問題を顕在化できるからです。

矛盾や葛藤を解消するチラシ
この役割はとくに重要です。お客様がチラシに注目し、それに感情を喚起され、理解も深め、記憶に残ったとしても、 「本当にこの商品、大丈夫?」と、何かしらの矛盾や葛藤が働くものです。 たとえば、「本当に身体によいのだろうか? 逆に身体に悪いものだったらどうしよう……」「少し値段が高いようだが、本当に価格に見合った商品なのだろうか?」「においは大丈夫だろうか?」「簡単につくれるのだろうか? 思ったより複雑で、時間がかかったらどうしよう……」など、お客様にはこのような「リスク回避」の考えが、一瞬にしてたくさん頭をよぎるのです。 このことを誌面上で解決できなければ、「買う」というアクションにつながりません。そこで、次のことを工夫しましよう。

(1)圧倒的な証拠を見せる
小売店の場合、商品の取扱数・展示数が多い、もしくは販売数・取引数が多い、
あるいは経験年数・創業年数が経っているなどの実績があれば、それらを強調することがポイントです。

(2)Q &Aの掲載
ターゲットの疑問を先に予測し、解消する手法です。

(3)お客様の声の掲載
「お客様の声」を数多く載せるに越したことはありませんが、チラシの誌面スペースにも限りがあります。できるだけ見やすく、読みやすい工夫を凝らしましょう。
たとえば、実際にお店を利用したお客様の笑顔だけでなく、個人情報保護法に抵触しない程度に、「○○市在住」「○○町在住」など、お客様のある程度の住所を記載します。お客様の許可を得られるのであれば、実名を載せることによって、よりリアル感が増します。

(4)保証する
商品・サービスについて、故障や不具合を起こしたときに長期保証ができるに越したことはありませんが、その保証書の実物を一緒に見せることも効果があります。また、返金保証を付けるという方法もあります。

(5)権威付けをする……資格・受賞歴
レストランなら「ソムリエ」、葬儀社なら「お墓ディレクター」というように、何かしらの資格があればチラシに掲載します。コンテストの受賞歴の掲載も効果的です。全国規模、世界規模でなくても、地元のちょっとしたコンテストだとしても活用しましょう。
美容室の場合、スタイリストのコンテストが比較的頻繁に開催されています。実際にコンテストの受賞歴を掲載している美容室は少なくありません。

(6)権威付けをする……著名人、業界有名人 チラシでも、芸能人を使えばインパクトがあります。人気のあるタレントは広告使用に莫大なお金がかかるので、大企業以外では掲載はむずかしいかもしれません。 意外に盲点なのが業界の有名人の起用です。例を挙げましょう。和菓子店にもかかわらず、“権威”として広告訴求に起用したのが、地元で有名なイタリア料理店のシェフでした。 実際にこのシェフの声を前面に打ち出したことによって、地元のお客様の信頼を得ることができ、集客に大きく貢献しました。

(7)権威付けをする……推薦状、マスコミ掲載記事専門家の権威として、医師や大学教授などに推薦状を書いてもらうことも一つの方法です。チラシに、マスコミの掲載記事を二次利用するという方法もあります。 マスコミといっても、大袈裟に感じる必要はありません。新聞・テレビ(全国紙と全国ネットキー局)でなくても、地方紙やタウン誌、ケーブルテレビ(CATV)などでもいいのです。
つまり、第三者から何かしらの切り口で認めてもらった事実をチラシに掲載できれば、いままで以上に信頼が得られます。

行動を喚起するチラシ
ここまでチラシの見せ方を設計したとしても、まだ足りません。お客様はとにかく忙しいのです。よほどのことがない限り、じっくりとチラシを見ている暇はありません。ですから、わかりにくいこと、面倒くさいことは排除しておきましょう。

(1)購入、来店の動機付け
お客様に「いますぐ」行動に移してもらうには、「お試し体験」や「モニター期間」のように、限定感を出して、動機付けを後押しすると効果的です。
さらに、「いつまで?」「何名まで?」といった期間限定・数量限定であることを、チラシに明示するのがポイントです。

(2)簡単な申込み方法
申込みの手続きや方法がわかりづらく、むずかしい場合も、お客様が買うという行動に移れない要因をつくってしまいます。そうならないためには、手続きや申込みの簡単さをチラシで伝えることが大事です。
「お申し込みはとっても簡単!!」といったひと言を、うまく表現できるかがポイント。単なる文字情報だけでなく、お客様が行動しやすいように、写真やイラストを使ってビジュアルで伝えましょう。

(3)レスポンスデバイス
「レスポンスデバイス」とは、チラシを受け取った人が、申込みや問合せをする手段のことです。
フリーダイヤルの電話やファクスの番号、返信先の住所、間合先のメールアドレスやURL、モバイル用のQRコードなど、チラシの誌面スペースが許す限り、数多く入れましょう。

(4)オファーの選択
オファーとは「特典」のことです。たとえば、エステや学習塾での資料請求用の小冊子、ガイドブックのほか、サンプル(試供品)のような「形のあるもの」と、お試しの体験コースのような「形のないもの」があります。
お客様はイメージできないものには手を出しません。ですから、小冊子、ガイドブックには実物の写真を使って、明確に見せることがポイントです。

(5)クーポンの活用
『Hot Pepper』など、クーポン付き情報誌(フリーペーパー)が人気です。
それほどクーポンは、購買の動機付けをするために大切な要素です。
クーポンには、「数種類用意するクーポン」「数枚用意するクーポン」の2通りがあります。
数種類用意するクーポンは、宅配ピザ屋のチラシによく使われます。たとえば、メニューを数種類用意するなど、お客様に選択肢を与えることで、反応率を上げられます。
数枚用意するクーポンは、リピートが比較的容易で、かつ知人や家族などへの紹介も見込める業種に向いています。例えば、飲食店がそれにあたります。

②ポスティング

「挨拶状」「ニュースレター」で開封率を上げる

ポスティングが効果を上げる工夫
個人宅の郵便ポストや新聞受けに販促媒体を投函する手法を「ポスティング」と呼びます。郵便ポストに投函するという点では、DMに近い販促媒体であるといえます。 しかし、基本的には無差別に投函するわけですから、想定した顧客(ターゲット)に確実に届くかどうかという到達率の点で、まだまだ課題が多いです。ただ、エリアはもとより、「一戸建て」「ガーデニングのある家」というように選別することも可能です。 また、新聞折込広告チラシと違って、サイズをいろいろと工夫したり、封筒に同封物を入れることもできます。そうすることで、ターゲットの開封率を上げて、購買の動機付けを高められるのです。 なお、マンションの管理組合は、ポスティングをセキュリティや公序の問題で禁止していることが多いので注意が必要です。

あるテニススクールでは、3か月に1回、スタッフが近隣地域にポスティングをしています。最初にポスティングをしたときは、4000枚の配布に対して80名の集客を実現することができました。2%の反応率という結果は、テニススクールの集客としてかなり高い数値です。これだけの反応をとるのは、簡単なことではありません。
写真のように、チラシ自体を封筒に入れ、さらに挨拶状、ニュースレター(情報誌)を入れました。封筒の宛名部分には「○○市○○地区の皆様へ」と、4000枚すべてスタッフの手書きにして、親近感と地域限定感を醸しだしました。
この販売促進策が効果的なのは、挨拶状です。ポイントを3つ挙げます。

①宛名は「○○市○○地区の皆様へ」として、地域密着サービスの案内を入れる。
②地域密着特典として、1050円で受講できる体験レッスンに「先着25名様をペアで無料ご招待」を案内する。
③入会特典として、入会金6300円を無料、加えてオリジナルシューズもプレゼントする。

重要な点は、地域密着を志向しているので、「ターゲットを絞り、限定する」ということです。ターゲットを絞った特典にすると、「これは自分のことを言っているな」というように、限定感が強くなり、入会の動機付けにつながっていきます。 「ペア特典」もかなり効果があり、友人、家族も誘ってきてもらえたようです。この「ペア特典」実施後の入会率は、以前より10%も上がりました。 前述のように、マンションヘのポスティングは許可を取りにくいものです。しかし、このテニススクールではスタッフ自らがユニフオームを着て、「こんにちは。○○テニススクールです」と、明るく挨拶をしながらポスティングをしました。マンションの管理人に、「ご近所さんだけの特典をお知らせする挨拶状が入っています!」と明るく挨拶することで、何件ものマンションで投函が許可されたといいます。 これら一連の工夫とスタッフたちの努力の結果、以前配布していた新聞折込広告チラシに比べて10倍以上の反応を得ることができました。

③街頭配布(ダイレクト・ハンド)

手から手へ直接届けられるが、「許可」が必要

「手鏡」付きのダイレクト・ハンドも
人通りの多い街頭や駅前、繁華街などで、地域周辺の住民、通両者に手渡しで配布する販促媒体を「ダイレクト・ハンド」といいます。 最もなじみがあるダイレクト・ハンドとして、「チラシやポケットティッシュにクーポンを付けたもの」が挙げられます。 狙ったスポット・ターゲットにピンポイントで、手から手へ直接届けるという接触に対する意識度の高い、販促媒体といえます。 ですから、手渡す人の挨拶、服装、立ち居振る舞いなども重要になるのはいうまでもありません。 より高い販売促進の成果を出すために、記念品、粗品などのノベルティグッズを添付したり、タイアップイベントと同時に実施したりなど、さまざまな方法があります。

なお、駅前、街頭、公共施設内でダイレクト・ハンドを行なうときは、施設管理者の事前許可が必要になります。駅構内の場合は、駅に申請を出す必要がありますが、許可がむずかしい状況にあります。公道の場合は、所轄警察署の交通課に道路使用申請をして、それぞれ許可を受けることが必要となります。

 写真は、ある美容室が駅前に移転りニューアルオープンするときに、エコバックに手鏡、チラシ、ニュースレター (情報誌)を同封したダイレクト・ハンドの例です。 同封物のチラシやニュースレターには、お店のこだわりやスタッフの顔写真付きのメッセージを掲載し、クーポンを付けています。このような親近感をもってもらうための工夫が、ふんだんに盛り込まれています。 なかでも、手にとってもらうためのプロセスで最も効いたのは、いうまでもなく手鏡です。事前に予算内で「ターゲットの多くが欲しがるノベルティとは何か?」という調査をしたところ、多かった答えが手鏡だったのです。この手鏡欲しさに、一度通り過ぎてからわざわざ取りに戻って来る人もいました。コストは多少かかるものの、単に駅前でチラシを配布したり、ティッシュを配ったりするよりも効果的ではないでしょうか?
集客のためには、まずお店の情報を知ってもらうことが大切なので、ここぞというときに、こうした方法も一考の余地はあるかもしれません。

④店頭・屋内設置(テイク・ワン)

視認性を高め、手に取ってもらうことが重要

DM、アンケートにも使える
スーパーやレストランなどのレジ検や店頭に、簡易なパンフレット、小型のチラシを専用のラックやケースに設置して、お客様に持ち帰ってもらう販促媒体を「テイク・ワン」といいます。 基本的にはお客様が持ち帰って、商品・サービスの利用を検討してもらうための方法ですから、何よりもまず手に取ってもらわなければその役割を果たせません。 そこで、「どこに、どのように設置するのか?」によって視認性を高めることが、テイク・ワンの実施において大切なポイントになります。 また、POP広告との連動、イベントの告知に合わせることで、販売促進の効果を高めることができます。 テイク・ワンに活用する販促ツールは、わざわざこのためだけに新規に作成するのではなく、DMを流用するなどして、コスト面を考慮し、コスト対効果を高める必要もあるでしょう。

もちろん、専用のラックやケースに何も入っていないと、イメージダウンにつながるので、補充にも気を遣わなければなりません。
ある生命保険会社では、顧客リストを取得するために、テイク・ワンを活用しました。
具体的には、ハガキ付きの縦長のチラシをスーパーのレジ横などに設置し、チラシに記載された生命保険に関する意識調査のアンケートに答えると、3大特典プレゼントがもらえるというものです。
ちなみに3大特典は、500円の図書カード、家計節約術の小冊子、生命保険のキャラクターのシールでした。
このチラシのハガキは、各エリアの営業所に届くようになっており、実際に見込客を増やし、さらには成約につながるなどの効果を出しています。

⑤ダイレクトメール(DM)

送付先を特定する作業、顧客リストの活用が不可欠

DMの構成要素 ダイレクトメール(DM)とは、郵便・宅配・インターネットなどによって直接、広告やセールスのためのメッセージを伝える販促媒体です。 たとえば、ハガキ・封書・カタログ・小冊子・CD-ROM・電子メールなどの形態があります。これらを個人宛・会社宛に送付します。 新聞折込広告チラシで触れたことと同じように、ターゲットの関心のありそうな情報を伝えることで、レスポンス率、ひいては購入率が上がります。 DMでは送付先を特定することが最も重要な作業です。過去の見込客、既存顧客のデータを蓄積したうえで、「顧客リスト」を活用することが求められます。しかし、新規顧客獲得型の媒体として、DMは個人情報保護法の施行後、個人向けに使えなくなりました。法人向けは、ターゲットの属性を見極めたうえで、DMの基本構成と表現を工夫して、費用対効果を高めます。

■DMの構成要素
①外封筒
DMを届ける入れ物。開封率が最も重要なので、外封筒でDMの第一印象が決まる
②挨拶状(カバーレター)
顧客への挨拶として、コアメッセージを伝える重要な要素。すぐれた挨拶状は、顧客の心を動かし、その他の情報に目を移してもらえる
③パンフレット
商品・サービスの内容を理解してもらうために同封する案内。折り方や説明の展開の仕方がカギとなる
④申込書
商品・サービスの申し込みをする機能をもつ。できるだけわかりやすいものにしたい
⑤ドアオープナー、封筒窓
開封率を上げるために、DMの中に人れておくノベルティグッズなど
の立体的な小物。封筒の窓をつくって見せることもある
⑥チラシ
⑦返信用封筒
キャンペーンや特典などを個別に案内する小型版のチラシ申込書を返送してもらうための封筒。申込害を兼ねて返信用ハガキにする場合もある
⑧チケット
招待券、優待券、割引券、抽選券などをチケット形式にして同封するこ
とも効果的。複数枚同封することで、紹介促進につながることもある
セールスを目的とするDMには、上の表のような要素と機能があります。
①〜④が、基本的な構成要素です。⑤〜⑧が、①〜④を支えるその他の要素となります。
DMの目的に合わせて組み合わせを考えるといいでしょう。

ティーザー・コピーを必ず入れる
DMの場合は、お客様に開封してもらわなければ、販売促進の機能を果たせません。そのため、封筒の表面の目立つところに、次のような「ティーザー・コピー」を添えて、開封率を高める必要があります。

■ティーザー・コピーの例
・「いますぐ、ご開封ください。素晴らしい特典が用意されています!」
・「ご招待券在中このチャンスをお見逃しなく!」
・「サンプル在中! いますぐお試しください」
・「カタログ専用割引券在中!」
・「いまご購入されますと、先着○○名様に限り□□を差し上げます目
・「数量限定キャンペーン無料○○のお知らせ」
・「このシールをはがしてください。当選者には素晴らしいブレゼントをお届け
いたします!」
・○○にお住まいの皆さまへ「謹んで▲▲からお届けいたします。いますぐ中
をご覧ください」
・「お友達をご紹介ください。素敵な贈り物を差し上げます!」

ティーザー・コピーとは、商品・サービスの情報を詳細に伝えるのではなく、“少しだけ“伝えることにより、消費者の興味や好奇心を喚起させる広告手法です。
ウェブサイトやモバイルサイトのトップページでも、ティーザー・コピーは多用されます。
「ティーザー」は、オファー(特典)やギミック(しかけ)、数量限定、期間限定と組み合わせることで、より高い開封率が期待できます。
飲食店を中心とした法人向けに「お客様サービスの向上・危機管理」における覆面調査サービスの利用促進を告知したときのDMを紹介します。
「【重要】経営に直結する情報です。是非お読みください!」というティーザー・コピーを封筒に入れています。
さらに、封筒に「いまだけ、1店舗無料で体験できるキャンペーン実施中!」というシールを貼ることで、限定効果を狙い、開封率を上げる工夫をしました。
写真のように、同封しているパンフレットは「虫眼鏡」がモチーフになっています。表紙面をくり抜いて中が覗ける構造で、中面で解決策を提示するようにしました。
この他、飲食店の店舗改革に必要なお客様視点を見せるために、「調査レポート」を準備し、覆面調査サービスの必要性をアピールしました。
しかも、無料体験の中込み用紙を準備し、電話、FAX、ウェブで、覆面調査サービスの申込みを促しています。
個人向けに比べて法人向けは、FAXで中し込む習慣がまだまだ多いので、FAXでの中込み方法、問い合わせ方法を必ず明記したいところです。

⑥FAXDM

DMより安価で、中小企業に人気がある費用対効果が高く、再注目
FAXDMとは、その名のとおり、FAXで送るダイレクトメール(DM)のことです。 FAXーDM、ファックスDM、FAX同報、FAX一斉、FAX一斉同報、FAXダイレクトメール、FAX広告ともいわれています。 このFAXDMは、もともと「FAX一斉同報サービス」という「同一文書を複数の宛先に一斉に送る」システムを利用することによりスタートしました。新規顧客獲得型の媒体として、DMと同じく、法人向けに利用できます。個人向けとしては、既存顧客にあらかじめパーミッション(許可)をとったうえで、情報提供を中心とした位置付けで送信するのであれば可能でしょう。 通常のDMと比べて1通の料金が安く、費用対効果が高いFAXDMは、中小企業に人気の方法です。 法人向けの広告、セールスとしてのFAXDMは、インターネットが普及するにつれ、一時期に比べて少なくなりました。しかし最近は、インターネットの氾濫により、インターネット広告の反応率が下がっています。逆に、準アナログ式の広告であるFAXDMの費用対効果が上昇してきて、再注目されています。 質の高い名簿(顧客リスト)をもとに、まずはターゲットである会社のキーマンに訴求する内容をつくり、他のFAXDMに埋もれないようなタイミング・時間帯を考慮してFAX送信する必要があります。 このとき、注意すべき点は、なるべく少ない枚数(基本的には1枚)で、最初に「突然のFAXをお許しください」などの丁寧な挨拶と、「今後このような情報が不要な方はお知らせください」というような記載を入れておくことです。 東京都内にあるオフィスのレイアウト、内装工事、引越関連のサービスを手がけるオフィス内装工事会社では、外資系企業、デザイン開運の会社など、ターゲットとなる業種を絞ってFAXDMを送っています。 FAXDMには、オフィスのレイアウト変更の必要性、オフィス移転時のコスト削減方法などが情報として盛り込まれています。 基本的には1枚にまとめ、FAXの下に資料請求や問い合わせの返信がしやすいように、そのための欄をしっかりと設けています。 反応を計り続けることによって、どの業種、どの表現方法がよいかを見極めることができ、最終的には、費用対効果のよい組み合わせを見出しています。

⑦同封・開梱広告

他社の販売ルートを使う、通販会社でおなじみの手法いろいろな同封・開梱広告の媒体
同封・同梱広告とは、特定の会員や顧客に発送する「会員誌」「通販カタログ」「請求書」などにチラシを同封・同梱をする広告手法です。他社の販売ルートなどを使って、“相乗り”という形で行ないます。
低コストでターゲット層にアプローチできるため、近年は活用する企業が増えています。
同封・同梱広告は、
①年代・趣味などターゲットが明確なため、セグメントが容易
②単独で郵送するDMに比べて、配布コストが安い
③ロイヤリティの高い会員に送るので、高い開封率が期待できる

というようなメリットがあります。
こうしたことから、新規顧客を効率よく獲得したい通販会社でおなじみの手法です。
同封・同梱広告には、次の表のような種類があります。いずれも実施の可否は個別交渉が前提になります。

会員誌・定期購読誌

会員誌・定期購読誌

会員誌・定期購読誌

 

「おだし」(無添加の調味料)を開発した食品販売会社の事例です。
「乳幼児に食べてほしい商品」というコンセプトのもと、「食育」に関心のある0〜6歳の子どもをもつ母親をターゲットに設定し、同梱・同封広告を利用しました。
以前この会社では、新商品が出ると、新聞折込広告チラシで販売促進を行なっていました。しかし、ターゲット層を決めたことで、同梱・同封広告の媒体が選択しやすくなりました。
ターゲット層が比較的多く購読している『TOMA・TOMA(トマトマ)』をはじめとする通販カタログをピンポイントで選び出して、「おだし」のチラシを同梱したところ、新聞折込広告チラシと比べて格段に効果を上げることに成功し
ました。

⑧フリーペーパー

『Hot Pepper』『ぱど』など、クーポン付きが主流
フリーペーパー=クーポン付き情報誌!?
フリーペーパーは、広告収入をもとに定期的に制作する印刷媒体で、特定の読者層に無料で配布します。ちなみに、「フリーペーパー」は和製英語です。英語では「free daily newspaper」「freesheet」などと称します。
このフリーペーパーは本来、広告だけを掲載した「集合チラシ」とは一線を画す媒体として、地域情報や生活情報の記事を掲載していました。しかし、近年はフリーペーパーという表現の普及とともに、これらの情報を全面に出す割合は以前より少なくなってきています。
フリーペーパーの配布方法としては、新聞折込、ポスティング、オフィス配送、街頭ラック設置、街頭手渡しなどが挙げられます。
最近のフリーペーパーの多くは「クーポン付き情報誌」です。『ぱど』や『Hot Pepper』がおなじみですが、各店舗の割引特典や、サービス特典が付いています。

フリーペーパーの種類↓

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フリーペーパーは、地域性、対象者層、配布部数の実態、熟読率に大きく影響される販促媒体といえます。ですから、同じフリーペーパーでも発行している地域によって、集客効果が違ってきます。 たとえば、こんなエピソードがあります。 あるエステサロンチェーンでは、新規出店する際の一番の指標を、立地条件などのロケーションに置きませんでした。 「集客できる媒体があるかどうか?」を調査し、販促効果の高いフリーペーパーが定着しているエリアに出店するようにしました。 エステサロンは、広告に頼らざるを得ない業種です。販促効果の高い媒体があるかどうかによって、集客が左右されるという側面が大きいからです。 フリーペーパーが、新規出店時のエリアの選択という経営戦略上においても大きな影響力をもつことを示すエピソードではないでしょうか? フリーペーパーの中でも、クーポン付き情報誌を販促媒体に活用する場合には注意が必要です。それは、クーポンだけが目当ての“浮遊客"がいることです。 浮遊客が来店しても、必ずしもリピートにつながりません。浮遊客は、お店を選ぶ基本的な判断基準が、価格である可能性が高いからです。 実際、美容室やネイルサロンでは、クーポン付き情報誌がきっかけで来店した顧客のリピート率が10%以下というところも少なくないようです。
このような場合、価格を訴求するのではなく、最初からリピートを目的としたお店の明確なコンセプトを打ち出し、それにターゲットが共感できるように広告の表現を工夫することが大切です。

⑨交通広告

電車内の中吊り広告など、エリアマーケティングに必須
メディアミックス媒体として利用機会が増加
鉄道、バス、タクシー、飛行機の車内外、駅、空港の構内施設、敷地を利用して掲出するのが交通広告です。 生活環境を取り巻くさまざまな交通機関、交通関連施設のスペースを利用する広告媒体です。 交通広告の中でも、最も企業の広告出稿量が多いのは「電車広告」です。 交通広告には、電車の車内の中吊り、窓上、ドア上のほか、ホーム、路線敷地内、駅構内に掲出するポスターやサインボードなど、さまざまな種類があります。 交通広告は、掲出路線、駅を特定することで、地域を限定した対象に告知活動ができるというメリットがあります。 通勤・通学など、日常生活において消費者(生活者)とコミュニケーションができるので、「エリアマーケティング」に欠かせない販促媒体ともいえます。 また、通勤・通学者は毎日、ほぼ同一時間の同一車両を利用することから、短期集中かつ至近距離で交通広告に接触することになります。訴求内容をじっくりと理解してもらえて、短期間に集中して訴求できるという効果があります。

交通広告の種類を見ていきましょう。
(1)電車広告
電車広告とは、電車の乗降客に訴求するための広告です。ビジネス層をターゲットとした経済雑誌や、女性ファッション誌の広告、沿線レジャー施設の広告などに多く利用されています。
(2)駅広告
駅広告とは、駅の利用客に訴求するための広告です。駅周辺のお店や施設への道標として利用されることが多いです。看板は、1年以上の長期掲出が可能です。

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(3)バス広告
バス広告には、「バス車内広告」と「バス車外広告」があります。
バス車内広告は、バスの利用客に訴求するための広告ですが、バス車外広告は、バスが行き来する路線の生活者(車や歩道から見る人々)に訴求するための広告です。

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(4)タクシー広告
タクシー広告は、タクシーの乗降客に訴求するための広告です。閉ざされた空間で、経済力・購買力のあるビジネスパーソンを独占的に訴求することができます。 タクシー広告は、従来からのエリアマーケティング的な活用を含め、「アウト・オブ・ホームメディア」(OOHM)として、広告効果が大きく注目されています。アウト・オブ・ホームメディアとは、家の外で接触する媒体の総称で、日本では主に交通広告(車内・駅構内・車両ラッピング広告など)と屋外広告を合わせたメディアを指します。 特に交通広告は、街の移両者の広告に対する認識を確実に捉えられる媒体として、マス媒体とのメディアミックス媒体として利用される機会が増えてきています。 また、交通広告の規制緩和が進んだことより、車体に広告をペイントした「ラッピングバス」や、1編成の車内すべての媒体を1社で独占し、1つの商品・サービスの広告を展開する「トレインジャック(またはメディアジャック)」も多く見られるようになりました。 車両という閉じられた空間で、同じ商品・サービスを繰り返し目にするわけですから、新商品キャンペーンの場合に、イベント的な要素も含まれ、知名度の促進にその効果が期待できるでしょう。 芝浦工業大学では、新学部・新学科・新キャンパス誕生の告知のためのキャンペーンを、「ひとあじ、違うぜ。」というキャッチコピーと、魚の「アジ」をメインのビジュアルとして、雑誌広告、ウェブサイト、交通広告など、さまざまなメディアに展開しました。さらに夏休み期間中、オープンキャンパスの開催に合わせて、JR山手線でトレインジャックを実施しました。 大学の広報らしくない「アジ」というモチーフと、シンプルな広告表現が、高校生、受験生だけでなく一般の人にも受けました。これにより、芝浦工業大学の名前が認知され、常に進化を続ける元気な大学であることの訴求に貢献しました。

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⑩屋外広告

ネオンサイン、突き出し看板……不特定多数にアピール

ビルの側面、空中など、使用場所はいろいろ
屋外広告は、街を通行する歩行者やドライバーなど、対象者を問わない幅広い層にアピールするための広告媒体です。
この媒体の特性は、長期間に設置する場合はもちろん、短期間に集中して設置する場合でも、一定期間の継続的な露出で、商品・サービスの訴求ポイントを繰り返しアピールできるという点です。訴求する商品・サービスの内容によって、アピールする対象地域を選択し、より多くの人の目に触れる機会をつくらなければなりません。
代表的な種類として、ネオンサイン、ビルボード、突き出し看板、懸垂幕、のぼり、野立看板、ポスターボード、アドバルーン、LEDボード、大型ビジョンなどが挙げられます。
主なものを見ていきましょう。

(1)ネオンサイン
ビルの壁面や屋上に設置するネオン管などを使用した看板です。 主に、都市部の人通りや交通量の多い大規模駅周辺、幹線道路沿いのビルの屋上や外壁に設置します。業種に限らず、幅広く利用されます。 ただし、歓楽街の代名詞として「ネオン街」という言葉が存在するように、キャバレーやクラブ、パチンコ店で使われることが多いです。

(2)ビルボード
ビルの壁面や屋上に設置する、木製や金属に広告を塗装・掲示する看板です。 日本では、都市部のビルやマンションの屋上で多く見かけます。高速道路など、車を運転している最中の視認性の高い場所も同様です。 海外では、街中でも多く使われています。主に立体物を併用し、実際に何かが起こっているようなリアリティをもたせています。 たとえば、『Hubba Bubba』というメーカーのガムの広告では、巨大な男の子がフーセンガムを割ってしまった様子がリアルに表現されています。このように、人目を引く面白い内容のものが海外には数多くあります。 屋上看板は、高い所に設置するので遠くからでもよく見えますが、逆に近づきすぎると消費者の視界に入らなくなります。日本では、単純な内容で、会社ロゴや商品名だけという形が多いです。

(3)突き出し看板
ビルや電柱から突き出して掲出する看板です。「突き出しサイン」ともいいます。店舗から街頭へ突き出している小型の看板を指します。袖看板がタテ長なのに対し、突き出し看板はヨコ長になっています。
建物の壁面から突き出して取り付ける看板ですから、お店や会社の前に看板を設置する空きスペースがとれないときによく利用されます。
大型のビルに、各階のテナントの看板が上から下まで連なっているものが代表的です。看板の中に照明器具を入れて、内照式になっているものが多いです。
突き出し看板は、お店や会社の前を移動している人に対して正面を向いています。しかし、人間の背丈よりも高いところにあるため、視認性は低くないものの、スタンド看板に劣ります。

(4)懸垂幕
ビルの壁面に垂らして掲出する布製の広告幕です。テント生地や厚めの丈夫な生地を屋上やベランダから吊り下げます。一般的に、縦長のものを「垂れ幕」といい、横長のものを「横断幕」といいます。百貨店の短期のイベントや、マンションの入居者募集に使用されることが多いです。
百貨店の場合、懸垂幕にあらかじめ専用の取付け器具が付けられ、イベントの期間を過ぎると取り外す、または取り替えるようになっています。

(5)のぼり
旗ざおなどに取り付け、歩道上や電柱、街灯柱に掲出するものです。飲食店、不動産、小売店、自動車関連の業種で、顧客を呼び込むための必須アイテムとしてロードサイドでよく使われます。また、イベントやキャンペーンを盛り上げる場合にも適しています。
交換がしやすいので、季節ごとにサービスの内容、新しいメニューなどをローテションし、効果的にアピールすることができます。
小型のサイズであれば、店内に設置して、POPに近い役割をもたせることもできます。

(6)野立看板
鉄道、道路の沿線に掲出する広告板で、それだけで独立した看板となっています。建物と離れた場所でも効果を発揮します。懸垂幕と同様、「一時的なお知らせ」として建物などに立て掛けて使うものを「立看板」といいますが、その性格から「捨て看板」とも呼ばれます。

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(7)ポスターボード
1つの絵柄を分割し、部分ごとにポスターに印刷して、それらを貼り合わせて掲出する大型の広告板です。
屋外広告として、イベントの宣伝・告知のほか、商品・サービスの販売促進、交通安全運動の啓蒙などで幅広く使われます。
基本的にポスターは、お店の中で販促イベントを知らせるための掲示物として使われます。
最近では、屋外でも耐性の強い素材やインクの技術が進化し、長期間キレイに掲示できるようになっています。

(8)アドバルーン
広告を吊り下げて空中に揚げる係留型の気球です。係留型の気球の浮力により、気球自体を20〜50メートル程度の高さに揚げて使用します。 たとえば、横1メートル、高さ10メートル程度のバナー(横断幕)に文字を配置した広告を、屋外の不特定多数の人々に、店舗やイベントの場所の目印とともに空中から標示します。 意外にも、アドバルーンは日本発祥の広告手法です。 1913年に化粧品会社が使用したのが最初とされています。 屋外用として、主に郊外の低層階の店舗や、イベント会場、展示会場などで利用されています。また、屋内の展示場、見本市会場、イベント会場、大型ショッピングセンターなどでは、室内装飾としても用いられています。 最近は、話題性を高めるために、自動車や魚、企業のキャラクターの形をしただけの、宣伝文のない変形気球も見られます。

(9)LEDボード
発光ダイオードを利用して、文字、映像をカラー表示する広告板です。明るく表示するLEDボードは、昼・夜を問わず、通行人の目を引き付けます。 手書きの文字や絵がカラフルに発色する電飾LEDボードを組み込んだディスプレイスタンドや、ポスターをパネルに入れるものなど、さまざまなタイプがあります。 表示内容も多様に変更できます。季節ごとのキャンペーンに適しています。目立たせたり、見やすくしたりといった工夫によって、集客率、購買率のアップが期待できます。 最近は、省エネタイプのLEDボードが増えてきており、ランニングコストを抑えられるものが主流になってきています。

(10)大型ビジョン
ブラウン管を使用した大型の映像表示板です。テレビ中継や、TVCM、音声の出力も可能です。「街の顔」となり得る大型ビジョンは、対象エリアを限定でき、地域に密着することができます。視聴者の素早い反応が得やすい販促媒体です。 大型ビジョンの魅力は、迫力ある映像と音の演出により、通行人が思わず足を止めて見人ってしまうことです。圧倒的なインパクトを与えることができます。地域密着型の特定エリアに集中した展開から、キャンペーンなど全国にまたがってのネットワーク展開、通信衛星やインターネットとの連動による双方向企画など、フレキシブルな可能性に富んだ販促媒体といえるでしょう。  2009年、東京・渋谷にある街頭の大型ビジョン(マイティビジョン渋谷)において、『mabuya(マブヤ)』(株式会社ドリームエッグス)というモバイルと連動した通販番組がスタートしました。雑誌『Ranzuki』などで活躍中のモデルが、現在流行しているグッズを番組内で紹介し、これを観た若者は、携帯ショッピングサイトから購入することができます。 「マイティビジョン渋谷」周辺の通行量は1日(平日)に約50万人で、信号待ちや待ち合わせの人々の目を引き付けられるスポットです。 「渋谷の若者」という明確なターゲットと、そのターゲットにマッチした商品をアピールし、さらには、その商品を目にしたターゲットが直接商品を携帯電話から購入できるというメリットもあることから、効果的な販売促進活動として注目を集めています。 なお、屋外広告は、安全性・風致・美観のため、都道府県、政令指定都市、中核都市には、「屋外広告物法」(国土交通省)に基づいた条例があります。実施の際には、各条例または専門家に問い合わせるといいでしょう。

既存顧客向け媒体活用型

「顧客情報」から「顧客リスト」へ

ご意見カード、会員カードなどから収集する
前章では、「媒体活用型」のうち、新規顧客向け(新規顧客獲得型)の販促媒体を説明しました。この章では、既存顧客向け(既存顧客関係強化型)の販促媒体を紹介します。 継続的に顧客に来店または購入してもらうことは、販売促進の中心テーマです。同時に、永遠にレベルアップを図っていかなければならない課題でもあります。いくら既存顧客、常連客であっても、今後、来店または購入しつづけるという保証はどこにもありません。 そこで、販売促進の成否のカギを握るのが、「顧客のベネフィット」に焦点を続った情報の提供です。たとえば、美容室であれば「髪を傷めないために自宅でできること」など、髪の専門家だから伝えられる情報も顧客のベネフィットの1つです。 特に、常連客や会員だけが享受できる情報提供や生活提案をタイムリーに発信し、双方向のコミュニケーションを継続的に展開していく必要があります。

CRMをもとに顧客の階層を理解
既存顧客向けの媒体を活用する目的は、「ステップ③ 常連客育成促進」が中心となります。 販促媒体には、手紙、ダイレクトメール(DM)、ニュースレター、カタログ、Eメール(電子メール)などがあります。 こうした販促媒体を活用するためには、「顧客リスト」を取得しなければなりません。 顧客リストを集めるにはどうすればいいのでしょうか? それには費用対効果を考慮して、氏名、住所、電話、メールアドレスなどの「顧客情報」を収集することが求められます。 顧客情報の収集の大前提は、「顧客の階層」を理解することです。 「顧客」あるいは「お客様」の定義を明確にし、販売促進に関わるすべての人の認識にズレがないようにすることが大切です。 販売促進を効率よく成功に導くには、「ターゲット」を明確に設定することです。顧客の階層も明確に設定する必要があります。「どの階層の顧客にアプローチするのか?」を見誤ると、見当違いの販促活動に陥る可能性が高くなります。 そこで重要になる考え方が「CRM」です。 CRM(Customer Relationship Management)とは、「顧客関係性管理」のことで、情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築くための手法です。

CRMの構築により、詳細な顧客データベースをもとに、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームヘの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理することで、顧客との長期的でかつ良好な関係性が実現できます。 顧客ニーズにきめ細かく対応することで、顧客の利便性と満足度を高め、顧客を「常連客」として囲い込むことが可能になります。 CRMは、企業の収益率の最大化を図ることを目的としています。そのためには、顧客のライフサイクルに合わせて、継続的にコンタクトをとる必要があります。入学や就職、結婚、家庭生活、老後など、顧客のライフステージを区分したものに合わせて、必要な情報や特典を提供していかなければなりません。 このためには、いうまでもなく、顧客情報をよく知ることです。 株式会社ベネッセコーポレーションでは、「よりよく生きる」を経営理念としていて、教育、語学、生活、介護の4つの事業領域において、人々の生活を部分的ではなく、トータルでサポートしています。 たとえば、顧客それぞれのライフステージにおけるニーズに応えるための身近な商品として、「フォト<エピソード>年賀状」があります。これは、同社の総合通販サイト『ショッピングモール』で販売している、赤ちゃん・子どもを中心としたファミリーをターゲットに想定したオリジナルフレームの年賀状です。 たとえば、「お子様の誕生」「入園・入学」「楽しい家族の日常のひとコマ」など、「家族が成長するライフステージごとの<エピソード>」のフレームをピックアップし、それに合う写真を組み込めば、家族で盛り上がれる楽しい年賀状ができ上がります。 ベネッセコーポレーションでは、このようなサービスをはじめ、顧客情報の収集とタイムリーなアプローチによって、継続的な顧客獲得につなげています。

顧客情報の収集方法
氏名、住所、電話、メールアドレスなどの顧客情報は、郵送、電話、面接などによるアンケートによって収集するのが一般的でしょう。ポイントカード、会員制度の入会申込書でも収集することが可能です。 しかし、よりきめ細かいCRMを行なうには、趣味、趣向、生活習慣といった、より詳細な顧客情報が必要ということで、次の方法がよく使われています。

(1)ご意見カード
「お客様の声」などとして、顧客の目につく場所に質問用紙を用意して、お店や商品・サービスについて気づいたことを自由に記入してもらう方法です。 ご意見カードは、旅館やホテルでは客室に、飲食店では各テーブルに置いてあることが多いです。

実施にあたっては、質問用紙を記入するための場所がわかりにくいなど、顧客満足という本来の目的を見誤らないように気をつけたいものです。

(2)会員アンケート
顧客を組織化した会員に、定期的にアンケートを送り、企業側への意見や希望、期待を含めて必要な情報を人手する方法です。
会報誌にアンケートを挿入し返信してもらう方法が一般的です。インターネットを活用して、電話、メール、ホームページ上でアンケートに答えてもらう方法もあります。

(3)観察メモ
接客中の顧客の関心の示し方、性別、年代、購入した商品・サービスなどについて、販売スタッフが顧客に気づかれ
ないようにメモする方法です。
大手チェーン店では、専門のスタッフがいる場合もあります。「覆面調査」などで外部に依頼することも少なくありません。

(4)ヒアリング
顧客に直接、お店や商品、サービスについて質問する方法です。アンケートシートと併用して行なうことが多いです。
たとえば、家電や家具の量販店では、顧客が商品を選択し、引き渡すまでの間、販売員が許可を得たうえでさりげなく質問します。

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以上の方法は、単に顧客が気づいた点を注意してもらうというアプローチではありません。「アンケートに答えてもらった方には、抽選で素敵なプレゼントを差し上げます」というように、特典を用意することによって、顧客情報を収集しやすくする工夫も必要です。
収集された顧客の声を、今後の商品・サービスの開発や販売促進、ラインナップ、メニューの見直し、さらには接客態度をはじめとする売場づくりにも役立てながら、最終的に顧客満足を高めていきたいものです。

顧客満足度(CS)調査で有名な経験則に、「ほぼどんな商品・サービスでも、それに満足している顧客は60%にすぎず、残りの40%は何らかの不満を抱いている」という法則があります。 この不満層40%を、さらに詳細に分析してみると、具体的に不満を「苦情」として企業にぶつけている顧客は、わずか4%にすぎないといわれています。不満層のうち、96%の人は、心の中で疑問を抱きながら、不平・不満を言いません。ということは、これらの人は競合他社の商品・サービスに移っている可能性が高いわけです。 この不平・不満を言わない人を、「サイレント・マジョリティ」と呼びます。 原因もわからないままに顧客を逃してしまうことは、会社やお店にとって大きな損失です。 ある小売店では、顧客アンケートのチェックシートに「不満足」と選択されているのに、その理由が明確に記述されていないときは、確認のために手紙や電話で本音を聞き出すアプローチをしています。 顧客満足度調査は、ターゲットに向けて、再度、来店や購買を促すために目を向けてもらうようにするアプローチ方法です。本音でじっくりとコミュニケーションを求める活動として重要です。

「顧客情報」はこうして活かす

今後の販促活動に役立つ顧客のグループ化・細分化
顧客のライフステージを把握できることが重要

販促活動は前述の「顧客情報の収集」だけで終わりません。次に、顧客のライフステージ、ライフスタイル、ライフシーンに応じて、それぞれのニーズやウオンツにマッチした商品・サービスを、タイムリーに提供しつづける双方向型のコミュニケーション活動が重要となります。 たとえば、ある温泉ホテルでは、顧客のライフステージごとに、「想い出に残るカップル旅行を楽しむ宿泊スタイル」 「ご夫婦で大切な休日を過ごす宿泊スタイル」「赤ちゃんと安心して温泉旅行を楽しむ宿泊スタイル」「家族旅行を想い出いっぱいで楽しむ宿泊スタイル」「母娘で楽しむ宿泊スタイル」といったメニュープランを用意しています。 このことによって、カップルが結婚して、子どもを産み、その子どもが大きくなり、成人に至るといった成長のプロセスに応じて、長期的な関係を継続することが可能になります。 それぞれのライフステージに合わせたメニュープランと特典を設定し、顧客に定期的かつタイムリーにアプローチすることで、効果的に成果を得ることができます。
このような成果を上げるためには、顧客のライフステージを把握できる情報を的確に集める必要があります。また、収集するだけでなく、効果的に活用できなければ意味がありません。顧客情報の項目も多ければいいというわけではありません。
代表的な顧客情報の項目をまとめたのが次の表となります。

■顧客情報の代表例

本人情報
氏名、住所、電話、メールアドレス
年齢、性別、職業、学歴、未婚or既婚、家族構成
生年月日、趣味、購読雑誌、購読新聞、生活習慣、住居形態
身長、体重、3サイス・(バスト、ウエスト、ヒップ)
年収、クレジットカードの種類

勤務先情報
社名、業種、職種、役職、所在地、電話

商品・サービスの購入履歴情報
購入日、品名、個数、単価、金額、商品の特徴

家庭の記念日情報
結婚記念日、新築記念日

住居情報
築年数、立地、建築規制等、建物規模、構造、間取り

家族情報
氏名、年齢、性別、本人との関係、同居or別居、誕生日、職業、趣味
情報を活用するためには、コストや労力の無駄にならないように必要な範囲で当てはまる項目を選ぶことが大切です。
上の表には、業種や商品・サービスによっては、必要のない情報もあります。
たとえば、勤務先情報に関しては、一般的な小売店などには必要ないでしょう。
そのような必要のない情報まで集めると、無駄に労力がかかり、効率性の面でマイナスです。

そこで、次の項目を勘案して選ぶといいでしょう。
①ターゲット層を定義する項目
年齢、性別、職業などの基本項目がこれに当たります。
②取扱商品・サービスの特性をアピールするために必要な項目
たとえば、リフォーム会社では家族構成、築年数の項目が必要となりますし、エステサロンでは体重、3サイズ、生活習慣の項目が必要となるでしょう。
③販売促進に有効と思われる項目
レストランや飲食店では、家庭の記念日情報をもとに、今後の販売促進に活用することもできます。家族への紹介促進を狙う場合は、家族情報が必要になることもあるでしょう。
また、販売促進に必須な項目として、商品・サービスの購入履歴情報があります。
④その他の項目

エステサロンや美容室で、待合室にどのような雑誌を置くのがいいのかを確認するために、顧客が購読している雑誌の情報を収集することもあります。
また、美容室やネイルサロンが福利厚生としてのサービスを近隣の企業にアプローチして成功しているという珍しい例もあります。このような法人需要を見越して営業アプローチを考えている場合は、勤務先情報が必要になることもあります。
選んだ顧客情報の項目は、今後の販売促進などにつなげられるように、たとえば予定しているキャンペーンの目的別に仕分けし、業種や商品・サービスによっては、さらに情報を顧客のライフステージ別に細分化します。そして、必要情報がすぐに検索できるように整理しておくことが重要です。

顧客情報を活用する手順
顧客情報を整理し、活用する手順は次のとおりです。

①メニュー開発、売れ筋商品を明確にするためなど、自店の商品・サービスの構成を整理する
②販売促進に有効と思われる項目など、顧客関係方針に対応して選定した項目をグループ化する
③上の②の各グループの顧客を、成人、結婚などのライフステージ別に細分化する
④上の③で細分化した顧客層のライフスタイルに応じて、具体的な販売促進策を計画する
⑤上の①〜④の手順を踏み、定期的な生活提案を中心とする情報提供に活用する
前述の温泉ホテルの事例を見てください。いくつかのメニュープランがある場合、どんな手順を踏んでいけばいいのでしょうか?
まず、今後の販売促進活動につなげていくために必要な項目が氏名、住所、電話、メールアドレスであることは、いうまでもありません。年齢、性別を加えた基本項目とともに、誕生日や家庭の記念日を販売促進につなげることを想定して、生年月日、結婚記念日といった情報も押さえておく必要があります。
温泉ホテルの場合、今後のメニュープランを検討するためには家族情報が必要になります。この情報は、紹介促進に活用することもできます。
さらに、商品・サービスの購入履歴情報として、来館頻度、時期、選択したメニュープランなどを、今後の顧客関係方針のために把握しておく必要があります。
そのうえで、今後どのようなメニュープランを提案するのかという検討材料として、結婚や出産、そして子どもの年齢に応じて、データベースなどを活用しながら情報を細分化、整理します。
細分化された情報をもとに、たとえば、小さい子どもをもつ母親には、「赤ちゃんと安心して温泉旅行を楽しむ宿泊スタイル」のメニュープランを提供するというように、具体的な販促策を展開します。 このような販売促進策は、ただ単に売り込むのではなく、「ニュースレター」(※17こちらを参照)などを使って、赤ちゃんをもつ母親にとって役立つ内容を中心に情報発信していくことも重要です。 顧客に商品・サービスを売り込むというスタンスではダメです。あくまでも顧客にとって役に立つ情報を中心に提供します。また、オープンに意見や質問を受け付けるスタンスも大切です。 このことは、顧客にダイレクトにアプローチしていくダイレクト・マーケティングの考え方でもあります。今後は、 「ソーシャルメディアの活用」など、効率的なロコミを起こしていく視点も求められるでしょう。

①手紙

「手書きのお礼状」は効果絶大
「お礼」「定期的」がポイント

お客様との人間関係をよくするために手紙は出すべきです。中でも、「手書きのお礼状」を出すことは、電子メールが当たり前の時代だからこそ、手間はかかりますが、お客様にとっては心がこもっている印象が高く、顧客ロイヤリティを高めるには効果的です。
お店でお客様に接触する美容室、エステサロン、ネイルサロンはもとより、紳士服量販店や百貨店の婦人服売り場には有効でしょう。
手紙の内容は、あくまでお客様に購入や入金をしてもらったときの「お礼」としての役割が必要です。
年賀状や暑中見舞い、季節のお便りも、あらゆる業種にとって大切なアプローチです。
たとえば、手間をかけたほのぼのとした温かみのある「絵手紙」は、お客様の心を打ちます。
葬祭場をもたない小さな葬儀社の絵手紙の事例を紹介します。この葬儀社では、「葬儀がわかる小冊子」の資料を請求してきた見込客をリスト化して、年に4回、季節のお便りを送っています。定期的にさりげなく接触することにより、
自分や家族の身にもしものことがあったときに思い出してもらいやすくすることが目的です。
葬儀業界は、消費者側に需要がなければ成り立たないビジネスです。だからこそ、需要が起きるまでの間、辛抱強く、季節のお便りを送り続ける必要があります。

②ダイレクトメール(DM)

受け手を安心させる、反応率を高めるためのコツ

DMの上手な活用事例
ダイレクトメール(DM)は、ハガキや封書を直接郵送する方法です。個人に直接アプローチできる広告の一つです
が、次のような利点があります。
①特定の相手に的を絞って、効率的アプローチができる
②定期化することで、顧客との関係を深めることができる
③反応に対する効果測定がしやすい
DMも広告の一つですから、警戒心を強める人も少なくありません。見せ方や送り方を間違えると、反応がまったく得られない場合もあります。

少しでも反応率を高めるためには、受け手を安心させる必要があります。その工夫のポイントは次のとおりです。

・いかがわしい感じを与えないように注意する
・DMを送った理由をはっきりと示す
・特典を設けるなど、受け手に優越感を与える
・名前やサイン、添え書きなどで親近感を感じてもらえるようにする

ある美容室が新商品の発売にあたって、常連客向けに送ったDMの例です。
この美容室は、年間の来店回数や購入金額などで常連客を「超VIP客」と「VIP客」2つに分けました。
最初に「超VIP客」向けに、「モニターキャンペーン」を実施し、無料体験の特典を付けてDMを発送しました。特典がよかったこともあり、ほぼ全員が来店し、その後のリピート率も50%以上となりました。
次に「VIP客」向けに、「新商品デビューキャンペーン」を実施し、特典として500円の割引チケット2枚と、「超VIP客」の声を集めた「お客様の声」のレポートを同封したDMを発送しました。その結果、6割以上の人が来店し、さらに8人の紹介客が来店しました。
超VIP客の声のレポートを同封したことにより、VIP客の来店数が増えました。さらに割引チケット2枚を封入したことで、紹介客の促進効果がありました。

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③ニュースレター

販売に結び付けるためにさまざまな工夫が必要
ニュースレター=売り込みではない

ニュースレターとは、自社発行の「手づくり新聞」のようなものです。「お店通信」「情報誌」「会報誌」「瓦版」など、呼び方はさまざまです。
ニュースレターの特徴は次のとおりです。

①売り込みが少ない、あるいはほとんどない
商品・サービスの売り込みは、誌面上にはほとんどありません。チラシなどのセールスツールが必要な場合は、ニュースレターとは別に準備するか、クーポンを同封します。

②受け手にとっての利益をもたらす情報に焦点を当てている 美容室であれば、「髪を傷めないために自宅でできること」というように、髪の専門家だから伝えられる情報が求めら
れます。話題はお客様のベネフィットに焦点を当てて、店側の売り込みは極力抑えましょう。

③専門家の立場からのアドバイスやお役立ち情報が多く盛り込まれている
たとえば、「○○講座」「プロの裏ワザ教えます!」「間違いだらけの○○」「○○研究所」「トレンド情報」「素朴な疑
問Q&A」といったタイトルを付け、これらに沿ったコンテンツを用意します。

④社長、店長、スタッフのパーソナルな話題が盛り込まれている
お店での裏話、感動話から、映画・音楽の感想、新人スタッフ紹介、コンテスト発表、編集後記まで、親しみやすいコンテンツを用意します。

⑤会社やお店の理念や歴史、商品・サービスに対してのこだわりが掲載されている
たとえば、「○○History」「○○物語」「私たちの想い」「店長の本音」「○つの約束」「こんなことにこだわっています!」といったタイトルを付け、これらに沿ったコンテンツを用意します。

⑥地域情報など、身近な話題が掲載されている
たとえば、「冒険隊」「スタッフピックアップ店」「オススメ店紹介」といったタイトルを付けます。そして、これらに
沿ったコンテンツとして、読者である顧客も思わず行きたくなるような近隣のお店の情報を用意します。

⑦双方向コミュニケーションで、顧客参加型の内容が含まれている
投稿コーナー、クイズ、アンケート発表、伝言板、お客様の声、イベント情報などのコンテンツを用意します。

このように、ニュースレターには売り込みがほとんどありません。役に立ち、親しまれる情報が中心です。 DMとは違い、継続的に出しても顧客に警戒心をもたれないという利点があります。
ただし、それだけでは販売につながりにくいでしょう。ニュースレターの記事と連動して、新商品・サービスの告知をさりげなく入れたり、店頭で記事と関連した内容について声をかけたりする工夫も必要となります。

ニュースレターの活用事例
ニュースレターの活用方法としては、既存顧客向けが中心です。お客様に郵送する場合と、店舗に設置してお客様の
来店時に持ち帰ってもらう場合があります。工夫次第では、「紹介促進」や「新規顧客獲得」を目的として、顧客の階層別に活用することもできるでしょう。 ある美容室のニュースレターは、A5判8頁でつくられています。このお店のコンセプトメッセージは「人と人との出会いを大切にする」です。このメッセージを中心に、次のようなコンテンツを展開しています。 「○○の素晴らしい関係」という店長の挨拶にはじまり、「ゆかいな仲間たち」というタイトルで、お店のスタッフ全員を紹介し、「美しさは自分で変えられる」というタイトルで、自分でカラーリングする方法について、髪の専門家の立場からアドバイスしています。このとき、「自分はこのような想いで、常にお客様に対して接している」というような、店長のこだわりもふんだんに入れています。さらに、「冒険隊」というタイトルで、近隣のおすすめののお店にスタッフが出向いて、実際に食事の体験をした様子をレポートしています。 このニュースレターは、基本的には来店したお客様に手渡ししていますが、それ以外にも、通行人が取りやすいように店前に設置し、時にはスタッフが店前で配布しています。このことによって、新規集客にも高い効果を出しています。 この事例では、ニュースレターを新規集客用に活用する際に工夫していることがあります。 1つは、ニュースレターの最終ページの隅にステープラー止めで、「特別ご招待チケット」というクーポンを付けていることです。このクーポンがなければ、既存客との関係性の強化はもとより、新規集客は実現できないでしょう。割引にこだわる必要はありません。期間や数量を限定した特典を用意することによって、ニュースレターを見た人に「来店しよう」という動機付けができて、行動に移してもらえるようになるのです。

もう1つは、ニュースレターのサイズ(半り型)です。見やすさを考えると、大きめのサイズがいいのですが、A5判というコンパクトなサイズにしています。A5判は、ハンドバックに入れて容易に持ち歩くことができるサイズで、女性にとっては読みやすいし、友人や家族などにも渡してもらいやすく、紹介促進にもつながりやすいといえるでしょう。

④カタログ

単なる説明に終わらなければ、販促ツールになる
「掲載内容」「仕様形態」で分けられる

カタログは、販売促進に欠かせない重要アイテムの一つです。商品の特性や機能、スペックなどの基本情報を的確に説明するためのものです。また、顧客のライフスタイルの提案をすることもできます。
提案型カタログとして、構成内容、見せ方、そして商品の特性を具体的なイメージが喚起でき、購買決定の動機付けにつながる内容になれば、効果的な販売促進ツールとしての役割を果たすでしょう(表参照)。

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⑤Eメール(電子メール)

手軽なアプローチ方法だからこそ配慮すべきこと
数多くの利点がある「メール」だが……
前述のDMに代わって、いまや既存客へのアプローチ方法として主役となっているのが、Eメール(電子メール)でしょう。
Eメールはいうまでもなく、パソコンや携帯電話にメールを送信するものです。
次のように数多くの利点があります。
①Eメールが通信手段の主流になっている
②顧客は見たいときに見られるので、送信時間に縛られない
③まとめて多くのリストに簡単に送信できる
④定期的な送信が容易である
⑤紙媒体のDMと比べて、制作や印刷のコストがかからない
⑥紙媒体のDMと比べて、制作や印刷の期間がかからないので、最新情報が配信できる
⑦その場ですぐに申込みや応募をしてもらえる
⑧メールアドレスだけであれば、顧客リストが比較的入手しやすい
⑨データベース化が容易にできるので、ターゲットを絞った販売促進ができる
⑩メールの転送が容易なため、紹介促進につながりやすい

このように利点がたくさんありますが、注意点もあります。
最も気をつけなければならないのは、顧客にEメール配信への許可(パーミッション)を得ることです。これは、最低限の条件です。
また、許可を得ていたとしても安易に活用すると、既存顧客から信頼を落としかねません。
既存顧客との信頼関係を継続するためにも、次の表のような点に配慮する必要があります。

Eメール配信において配慮するポイント

送信先は自社に関心をもつ人に絞り、そうでない人への配信は控える。
基本的には、ホームページ上で登録された人、または店舗などで許可を得て、メールアドレスを記載された人に送る。たとえば、名刺交換をした人などには、できればその時点で、メールを送る旨などを伝えておくといい。

継続して送信する場合は、相手の了承を得ておく
名刺交換をした人などには、にのメールは、名刺交換していただいた方にお送りしています。今後、このようなお知らせが不要な方、配信先の変更などをご希望の方は、○○○」といった文面をメール内に入れておく。配信時ごとに相手の了承を得ておかなければならない。

役に立つ情報やゲーム的要素を入れるなど、受信者にとって喜ばれる内容に工夫する。
ニュースレターと同じように、専門家の立場からのアドバイスやお役立ち情報を入れることや、イベントなどの情報を中心に入れ、売り込みはできるだけ少なくする。

配信元には、会社や店の名前を入れることはもとより、担当者の名前も入れる。
たとえば、フッター(メール文の下部)などで、発行責任者、編集担当者などの個人名も入れておく

いつでも配信停止ができることと、その方法をわかりやすく明記しておく。
たとえば、「配信停止はこちらからお願いいたします。」というような文面を、本文の最後などに記述し、配信停止のURLに簡単にアクセスできるようにしておく

あるオーガニック系のイタリアンレストランでは、来店したお客様の中から、メールアドレスを教えてもらえる人を募り、月に1回程度、Eメールによってメッセージを送り続けています。
配信する内容は、料理教室やアロマ教室などのミニイベントの告知、自宅でできるオーガニック料理、季節の料理としての新メニューの紹介などです。売り込みはほぼありません。
この活動を始めてから約3年で、4000人以上のメールアドレスを自力で取得しました。そのうちの2割近くの人が、このEメールの配信がきっかけで再来店しています。

 

イベント活用型

イベントは5つのタイプに分けられる
代表的な「店頭型イベント」のアイデア

「イベント」とひと言でいっても、国家規模で開催されるオリンピック・万博をはじめ、ショッピングセンターでの店頭実演販売、商店街での福引き・縁日など、その範囲は幅広いです。 ちなみに、百貨店ではイベントのことを「催事」と呼んでいます。 販売促進の分野でいえば、文化・スポーツ催事、ショー、発表会、展示会、博覧会などの総称が、イベントになります。 販売促進におけるイベントの強みは、他の販促手法、販促媒体と比べると、見込客に対して、商品・サービスの特徴、さらにはブランド全体の価値を直接的に体験してもらえる点にあります。消費者の“五感”に訴えることによって、その場限りの体験で終わらない、思わず人に知らせたくなるほどの長期的な記憶をつくることも可能です。 すべてのイベントに共通していえるのが、より多くの人を一つの場所に乗客しなければならないことです。 ただし、乗客数の多さがイベントの最終目標ではありません。あくまでも「相互に参加している」という場の共有感、一体感をつくることが目的です。その結果として、イベントの実施企業、店舗、さらには商品・サービスに対しての共感を与え、購買に貢献することが最終目標になります。
販売促進におけるイベントは次のとおりです。

1.セールス型イベント
直接販売につなげるイベントのことで、次の3つに分かれます。

(1)デモンストレーション
デモンストレーションは、主として小売業の店頭・店内で行なわれる販促活動の一つです。略して「デモ販売」または「実演販売」とも呼ばれます。
実際に実演販売者(デモンストレーター、マネキン)が商品を使ってみて、その商品の機能や性能、使用方法、使い心地を消費者に直接的に訴えかけることで、購買に結びつける方法です。
たとえば、スーパーで実演販売者が料理方法を実演し、消費者に試食してもらう「試食販売」は、デモ販売の代表例です。
食品や飲料、調理器具、家電製品、健康器具などでもよく利用されています。一般的に、メーカーや問屋から実演販売者を派遣して行なわれることが多いです。 デモンストレーションは、商品の宣伝や試用が主な目的です。消費者に対して、その商品の直接的な宣伝・試用の機会の提供になります。特に新商品販売の際に効果的でしょう。 ぶどうや梨などの果物をデモ販売している事例です。パート主婦が実演販売者になり、スーパーの店頭、店内で果物のおいしい食べ方から保存方法はいうまでもなく、生産者の苦労、情熱も消費者に伝えています。もちろん、実際に試食してもらい、販売につなげています。

(2)販促キャラバン
販促キャラバンとは、イベント的な要素が強いデモンストレーションのことです。「キャラバンセールス」ともいいます。これは、メーカーが自社製品の販促および消費拡大を狙い、営業部隊やPRスタッフを組織して、取扱店や消費者の集まる場所で商品の使用実演を行ないながら販売する方法です。 新商品の発売時をはじめ、「○周年記念イベント」としてよく利用されています。そのほか、実演販売者が家庭や職場に出向いて、そこで商品の使用実演を行ないながら販売することもあります。 あるヘアケア商品を扱うメーカーでは、「髪質診断イベント」を全国の主要都市で開催しました。プロのヘアケアコンサルタントが特殊な機械を使って、参加者の髪の太さと状態を測るというイベントです。 参加者は、ヘアケアコンサルタントのアドバイスに熱心に耳を傾けていました。さらに、参加者同士で美容情報の交換も活発に行なわれました。また、多くの美容雑誌の編集者やジャーナリストの興味を誘うことにも成功しました。

(3)展示販売
家具展やガーデニング展などが有名です。地域性を前面に出した物産展(特産品展)、コレクション展、展示即売会、特別招待販売会などもあります。 関連企業が集まって開催する場合や個店で対応する場合など、その形態はさまざまですが、いずれにしても展示スペースを設けるイベントが展示販売です。 たとえば、地域を限定して、農産物や海産物などの特産品を集めて展示即売する物産展は、百貨店全体の売上にも大きく影響を及ぼすようになっています。中でも群を抜いて人気があるのが『北海道物産展』です。どの百貨店も、目玉企画として実施しています。 2010年は、東京・新宿の伊勢丹、小田急、京王の百貨店で、ほぼ同時期に“秋の北海道物産展”が開催されました。同じエリアで同じ北海道の物産展が3つ重なるという人気となっています。特に9月の北海道は、海産物や農産物がとくに充実しています。ウニ、鮭、エビ、サンマ、栗、カボチャ、ジャガイモ、キノコ、メロンなどの味覚の数々を堪能することができます。 また、「B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」が主催する「B級ご当地グルメ」の日本一を決める大会、 『B-1グランプリ(ビーワン・グランプリ)』も、この類に入るイベントでしょう。 2010年9月に神奈川県厚木市
で開催された大会では、2日間に43万5000人を集めるほどの人気を集めました。

2.認知促進型イベント
認知促進型イベントは、新商品・新サービスのキャンペーンなど、既存ブランドの認知拡大を図ることが目的のイベントです。
認知促進型イベントには次の2つの種類があります。

(1)パフォーマンス・イベント
コンサートやスポーツ大会、講演会などのパフォーマンスによって、顧客動員業務が中心になるイベントです。
東京のJR飯田橋駅に隣接した商業施設に「飯田橋ラムラ」があります。飲食店、小売店を中心に約30店舗のテナントが出店しています。ここで毎週、「ラムラミュージックライブ」が開かれています。
開催場所は、1Fのちょうど真ん中あたり、「区境ホール」と名づけられた新宿区と千代田区の境に位置する2Fにつながる階段のあるスペースです。決して大きくない広場です。このスペースは、もともとイベントを開催するための場所ではありませんでした。 しかし、いまでは毎日40〜50名程度のお客様がこのイベントに観客として集まっています。中には毎日来る人もいるほど、人気のイベントになっています。 「毎日、どこかで何かをやっている商業施設」をテーマに、ほんの小さなライブでも続けていることで、出演者、お客様、テナント従業員同士の輪が確実に広がっています。

(2)パブリシティ・イベント
話題拡散を目的とし、マスコミに取材してもらい、記事にしてもらうなど、話題づくりに重点が置かれるイベントです。 宝島社は、40代女性に向けた総合ファッション誌『GLOW(グロー)』を、2010年10月28日に創刊しました。これを記念して、松屋銀座の外壁に、“GLOW"の文字を飾り、さらに“リボン"をかけて大胆にラッピングしました。 発売日には、松屋銀座の店頭でキャッチコピーである“ツヤっと輝く、40代女子力"にちなんだ直径約3.3mmのオリジナル天然ルビーを、事前に抽選で選ばれた40代女性400人にプレゼントしました。 当日は悪天候にもかかわらず、朝10時半から並んだ人もいたほど、当選者が松屋銀座に行列をつくり、一時現場は騒然となりました。これらの模様は、多くのマスコミで報道されることになりました。

3.社会貢献型イベント
文化貢献や、環境問題に対応する社会貢献などがコンセプトのイベントです。自社の主催では負担が大きい場合は、各自治体と協賛するなどして、イベント活用の目的を達成することもできます。
ある飲料メーカーでは、「クリーン大作戦」という、湾岸や島のゴミを除去する活動を主催して、環境美化に積極的に取り組んでいます。また、少年サッカーやトライアスロンのスポーツイベントから、中学校の弁論大会、地域のお祭りまで協賛しています。年間を通して、さまざまな社会貢献のためのイベントを主催、協賛しています。
こうした活動によって、企業のイメージアップにも貢献しています。

4.商談型イベント
一定期間に集中して販促活動を展開するキャンペーンでは、メーカー、卸、小売店との商談も、集中的に行なう必要があります。商談をすみやかに進めるには、実際にキャンペーン対象の商品を見てもらったり、サービスを体験してもらったりすることも必要です。
そのためには、あらかじめ会場を準備し、関係者を招待して集まってもらうことが効率的です。そこで実施されるのが商談型イベントです。 商談型イベントには、「メーカーが卸売店や小売店を対象に開催する見本市で、商品を見せて販売担当者が説明し、その場で直接取引するイベント」や「卸売店やディーラー、特約店を対象にメーカーが販売協力体制を固めるために開催する集会型のイベント」などがあります。 また、販促方法や陳列方法など、具体的な販売方法を提案するタイプのイベントもあります。 歴史が古く、最も有名な見本市に、日本自動車工業会主催の「東京モーターショー」があります。国内外の自動車メーカーからコンセプト・カーなどが出展される国内最大級のィベントです。 1954年に日比谷公園で開催されたのが始まりで、その後、後楽園球場、晴海埠頭と移り、1989年(第28回)から幕張メッセで行なわれています。 1999年(第33回)からは「乗用車・二輪車」と「商用車」の2つに分かれ、交互に開催されるようになりました。 その他、見本市は、食品、ファッション、IT、広告、出版をはじめ、ベビー用品から葬儀用品に至るまで、あらゆる業界で行なわれています。

5.店頭型イベント
人、物、金などの経営資源が少ない中小企業や個店でも対応できるイベントに、店頭型イベントがあります。店頭型イベントには、次の表のようにさまざまなパターンがあります。

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イベントは、大上段に構えるのではなく、想像力とアイデア、そして実行力があれば、成功する企画が立てられます。 あるテニススクールが、ゲーム系、遊び系、クイズ系、プレゼント系、スポーツ参加系などのパターンを採用した事例です。 このテニススクールは、オープンから1年で2500人の生徒を集めました。短期間で多くの生徒を集客できた要因は、さまざまな販促活動によるものです。その中には、顧客との長期的な関係を築く施策として、週替りで年間50回開催するイベントがありました。 週替りのイベント内容の一部はこうです。まず、クイズ系のイベントがあります。たとえば、「テニスルールクイズ」 「写真当てクイズ」です。 「テニスルールクイズ」は、コーチが生徒にテニスのルールについてクイズを出し、当たった人に景品を渡すというものです。このクイズを通して、生徒はテニスのルールを覚え、よりテニスに興味を抱くという効果があるようです。 「写真当てクイズ」は、スクールのコーチやスタッフ十数名が子どもの頃の写真を持参し、生徒にそれぞれの写真を見せて、「いったい誰なのか?」を当ててもらうというものです。「テニスルールクイズ」と同様、当たった人に景品を渡します。生徒がコーチやスタッフに対して親近感を抱いてもらう施策でもあります。 クイズ以外では、「球技大会」「ハロウィン仮装レッスン」「コーチ紅白戦」など、さまざまなイベントを週替りで用意しています。

イベントの内容は、どれを見てもむずかしいものは1つもありません。たしかに最初のうちはそれなりに大変ですが、3〜6か月継続すると、ある程度ノウハウがたまってくるので、顧客満足度、コスト面、運営上の面など、改善点も見えてきます。継続すればするほど効率化が図られ、より顧客満足度を上げることも可能になります。

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店頭型イベントを成功させる7つの秘訣

「目的・目標の明確化」から「定例化」まで
イベントを実施する際のチェックポイント
店頭型イベント以外は、比較的大がかりのイベントになります。イベントの開催にあたって、緻密に計画を立てて、
入念に準備することは当然のことです。
店頭型の小さなイベントであっても、実施マニュアルを準備し、それに基づいて運用していきたいものです。目的・
目標を明確にすることをはじめ、アフターフォローや定例化する流れまで、イベントに関わるスタッフすべての人と共
有することが大切です。

ここでは、店頭型イベントを成功させるためのポイントを7つ挙げます。
(1)目的・目標を明確にする
まず、「話題づくりのため」「固定客を増やすため」「売上を上げるため」というように、イベントの目的を明確にしておきます。
さらに、「売上を上げるため」であれば、どれくらいの売上を上げるのかという数値目標も必要です。イベントの集客人数も目標になるのであれば、具体的な人数を明確にしましょう。具体的な数値目標をあげることによって、あとで検証することができます。
(2)話題性をつくり上げる
友人や知人に話したくなるのはもとより、マスコミ(まずは地域誌などでもよい)に取り上げられるような話題性をつくり上げることが大切です。 認知促進型イベントのように、話題拡散を目的としたイベントはもとより、他のパターンのイベントでも、イベントの話題性をうまくつくり上げられれば、地域誌であっても取り上げられる可能性は高いです。そもそも話題性があると、口コミなどが広がり、集客に大きく貢献することができます。
(3)参加者に具体的なメリットを与える
「楽しかった」「おいしかった」「もらって得をした」などの有形無形のメリットを、参加者に与えましょう。
参加者にメリットを与えることによって、前述のようにロコミが広がりやすくなり、商品・サービス自体と、イベントの主催者側の信頼性が高くなります。このことにより、ターゲットの購買行動に大きく貢献することができます。
(4)参加型にすることが大切
前項の5店頭型イベントで紹介したテニススクールの事例のように、ゲームや抽選に参加することはもとより、お得な買い物ができることも参加型として大切な要素です。
また、直接販売目的の商品を試食してもらうだけでなく、テーマ性をもち、それに関連する試食を開催するといったアイデアもあるでしょう。
さらに、小規模でも、コンサートやトークショー、コンテストを開催するというアイデアもあります。
いずれにしても「食べる」「見る」「開く」「触れる」「体験できる」など、参加者の“五感”を刺激することで、記憶に残り、次回のイベントにリピートしてもらいやすくなります。また、直接販売につながることや、ロコミにもつながりやすくなります。
(5)ネーミングは大切な要素
イベントのタイトルを聞いただけで、ターゲット層がワクワクするようなネーミングを考えましょう。
ただし、話題性であるインパクトが高いネーミングとしてだけでなく、顧客ベネフィットであるターゲット層の共感性を考慮したネーミングを考えたいものです。
(6)タイアップにより魅力をアップ
イベントには多くの人が集まります。ですから、イベントは多くの人に情報発信できる媒体としての価値もあります。 メーカーに協力してもらい、サンプルなどの展示を行なえれば、高いPR効果が得られます。 また、地域でターゲット層を共有できる店とのタイアップによって、よりコスト対効果の高いイベントも可能になります。 前述のテニススクールのイベントでは、地域の駄菓子屋や飲食店と提携して、購入券や割引券などをクイズの景品や参加賞として活用しています。タイアップによって、自社、提携先、参加者であるお客様の“三方良し“を実現することができます。
(7)定例化する
小規模のイベントでも継続して行なうことで、ファンを増やし、「名物イベント」に仕立てることも可能です。定例化することで、最初のときと比べてイベントに費やすコストや労力を小さくできますし、顧客満足を実現することもできます。 また、定例化することにより、地域の消費者に「このお店は、いつも楽しそうなイベントをしている」という印象をもってもらえるので、地域での認知度が高まり、最終的には販売につなげることにも貢献することでしょう。
店頭型イベントは、以上のようなポイントを押さえることによって、アイデア次第で効果的なイベントを企画・実施することができます。 また、不特定多数を呼び込むイベントの場合、来場者数は気になる点でしょう。しかし、単なる話題性だけで、そのときに来場者が多くても仕方ありません。商品・サービスの販売につなげるためのテーマ性をもち、企画からアフターフオロー、販売までの戦略が明確でないと、単なる“打ち上げ花火”で終わってしまう可能性が高いでしょう。 イベントを活用した販売促進の利点は、ターゲット層と直接コミュニケーションをとれることです。そのメリットを活用し、対象者に商品・サービスの認知を高めてもらうと同時に、顧客ニーズの把握も目的に据えることが大切といえるでしょう。 その意味で、参加者数がある程度限定されても、対象者をセグメントしたほうが効果的な場合もあります。集客についても、このことを勘案して実施することが必要です。 成功するイベントを実施するためのチェック事項(チェックリスト)を次に挙げておきます。

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イベント終了後のアフターフオロー

アンケート、顧客リストの収集を忘れずに

次回の集客につなげられてこそ成功 どんなイベントのタイプであろうと、目的に応じたターゲット層がどれだけ集まるかがイベント成功のポイントになります。 イベントのときは、来場者に対して必ずアンケートをとり、顧客リストを収集することを忘れないようにしたいものです。 前述の「商品の認知度を上げる」「商品の品質や特徴をアピールする」「消費者の購買行動を促進する」「イベント自体の話題性でパブリシティ効果を狙う」以外に、イベント運営において重要なポイントは、「顧客情報を収集し、ターゲット層の実態を把握し、顧客ニーズを正確に把握する」ことです。 そのためには、イベント会場にアンケート用紙を置くだけでなく、アンケート協力者へのプレゼント提供などの工夫も必要です。

トレードショー(産業見本市)では、入場券にプロフィールを記入してもらう方法もあります。 店頭型イベントでは、サンプルやサービス券の提供で、メーカーやタイアップ先の協力を促すとよいでしょう。 占い系イベントを開催している宝飾店では、イベントの開催当日である鑑定日から3日以内に、宝飾品の購入者へのアフターフオーローとして、オレンジ色のタオルと、その使い方を説明した手紙を送っています。「しあわせ色鑑定」を受けた人にとってオレンジ色は、見ているだけでも元気(健康)になれる意味をもつので、このタオルはサプライズなプレゼントです。 オレンジ色のタオルは、その場で宝飾品を購入しなかった人にも送付しています。次回の集客にもつなげられるように、アンケートやお客様の声シートも一緒に送付しています。実際にその場で宝飾品を購入しなかった人からも、「参加してよかった」というお礼の手紙が寄せられています。 イベントが無事に終わったとしても、来場者リストの収集と、そのリストを活用し、アンケートなどによる改善点の把握や、次回のイベントの案内、関連商品の告知といった展開につなげられてこそ、そのイベントが本当の意味で成功したといえるのです。 イベント終了後のアフターフオローとして、「イベント自体の目的に対する評価」と「顧客リストの収集と活用に対する評価」のチェック事項を次の表にまとめておきます。

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インターネット活用型

「インターネット・プロモーション」のプロセス

ウェブサイトヘのアクセスの促進から始める
いまや販促に欠かせないインターネット インターネットは、情報の発信者と受け手側が、双方向で情報のやりとりができる便利なコミュニケーションツールとして、近年、目覚ましい発展を遂げてきました。情報の送受信がリアルタイムでできるという特徴は、販売促進活動において、はかりしれないメリットがあります。 インターネット黎明期であった1990年代には、主に宣伝・広報の目的でインターネットを利用していた企業が多かったのですが、21世紀に入ると、販売に直接つなげる媒体としての活用が目立ってきています。 その中でも多いのが、セールスキャンペーンの告知メディアとしての活用です。テレビ、新聞などのマス媒体では、放映時間、掲載スペースが限られるうえ、コストも相当かかります。しかし、インターネットであれば、消費者に多くの情報を好きな時間に観てもらうことができます。マス媒体では言い尽くせないキャンペーン情報を、ターゲットに楽しんでもらいながら十分に伝えることができるのです。 また、インターネットは「オープン懸賞」「クローズド懸賞」の応募窓口としての活用にも大きなメリットがあります。消費者にとっては、プロフィール情報やアンケートの回答内容を人力するだけで懸賞への応募が完了します。ハガキに記入し、ポストヘ投函する手間がなくなります。ただし、懸賞応募者の個人情報の取扱いには注意が必要です。 さらに、ダイエット食品やカツラなど、来店して相談するのに気兼ねがあるような商品・サービスのターゲット層の発掘にも、インターネットは威力を発揮します。電話での問い合わせですら抵抗があるターゲット層でも、インターネットやEメールであれば、気軽に購入もできるという心理的特性を活かせられるからです。 ところで、インターネットで販売促進活動を実施することを、「インターネット・プロモーション」といいます。インターネット・プロモーションは、ウェブサイトを中心に実施します。次に挙げるプロセスが重要です。

ステップ① ウェブサイトヘのアクセスの促進
インターネット・プロモーションでは、ともすればウェブサイトの内容に焦点が当てられがちですが、そのサイトに誰もアクセスしないのであれば、何も生まれません。そのため、次のようなウェブサイトを見てもらうしかけがまず必
要になります。

・検索連動型広告
・バナー広告
・メール広告
・他のウェブサイトからのリンク
・マス媒体やパンフレットなどによるウェブサイトのアドレス表示

自社・自店のウェブサイトヘのアクセスを増やすために、具体的にはアドレス(URL)をより多くの人の目に触れさせる工夫、検索機会が増えるキーワードを考える工夫になるでしょう。 関東圈でマッサージ業を手がけている株式会社ベアハグ(東京都港区)では、ウェブサイトヘのアクセスアップのために、店外のタペストリー、POP、パンフレット、街頭配布用の割引チケットなどあらゆるものに、自社のウェブサイトのアドレスを入れています。 同時に「ベアハグで検索」というメッセージも入れています。その結果、ウェブサイトヘの訪問者のうち、「ベアハグ」という指名検索が増えています。「マッサージ」などの一般名詞で検索しないようにユーザーに促すので、競合他社と比較されにくいというメリットがあります。

ステップ② ウェブサイトの内容の工夫
販促活動を目的として考えると、販売に直接結びつけるためのウェブサイトの工夫が必要になります。
たとえば、キャンペーンの場合、その内容をターゲット層にとっておもしろく、興味深いものにしなければなりません。自社のウェブサイトに訪問する人がロコミを起こしてくれるようなアイデアを練ってみましょう。
もちろん、リピートも促進できるように、ターゲット層に応じた内容はもとより、こまめな更新も必要でしょう。
販促活動に効果的なウェブサイトの条件は次のとおりです。

①ページ全体を理解するのに時間がかからない
②適切な見出しやアイキャッチがあり、訴求内容がすぐにわかるようになっている
③商品・サービスヘのこだわりの情報を掲載している
④信頼性が高い内容になっている
⑤購買動機を刺激できるようになっている
⑥購買方法がわかりやすくできている

その好例が、コンサルティング業のアドバンスパートナーズ株式会社(大阪市北区)のウェブサイトです。 同社では、中小企業などの顧客先に対して、事業資金の調達コンサルティングを提供しています。わかりにくい事業内容であることと、それがまだ世間一般に認知されていないことなどから、以前はウェブサイトからの問い合わせがほとんどない状況でした。 そこで自社のウェブサイトの上部に事業内容が伝わりやすい写真と、対象顧客が抱える資金繰り、資金調達の悩みを掲載しました。たとえば、顧客として多い建設業者やドラッグストアの現場で指導している写真によって、事業内容が直接指導する現場型のコンサルティングであることを、見込客に印象づけることができます。見込客にはこのウェブサイトを見てもらってから、事業内容の説明を行なうようにしました。 また、見込客ははじめから有料のコンサルティングを中し込むことが少ないため、ウェブサイトでは無料のコンサルティングヘの中込みだけを受け付けるようにしました。以降は、ウェブサイトでの無料のコンサルティングヘの申込みが増加し、結果として多くの人が、有料のコンサルティングも中し込むことにつながりました。

ステップ③ 顧客データベースづくりによるフォローアップ
販売促進の観点で考えると、ウェブサイトにアクセスしてきた顧客は次の3つに大きく分かれます。
①商品・サービスにまったく興味がない
②商品・サービスになんとなく興味はあるが、いまは購入するタイミングではない
③商品・サービスに興味があり、その場で資料請求・購入する

ウェブサイトにアクセスしてきた顧客が①の場合、ある意味どうしようもないことかもしれません。
②の場合、アクセス時に顧客に何かしら足跡を残してもらう必要があります。たとえば、「お買得情報、新商品の入荷
情報を配信するメールマガジンに登録してもらう」「価格を伝えるための見積依頼、より絹かい情報を掲載した資料を請求してもらう(問い合わせをしてもらう)」「業界の最新情報やお買得情報を配信することで、ブログのRSSリーダーに登録してもらう」などの工夫を施すことによって、次回以降の購入するタイミングを失わないようにすることが大切です。 ③の場合、リピート促進をしてもらうためのフォローアップの工夫を考えましょう。 販売促進では、顧客データの有効活用で効果を上げなければならないですが、インターネット・プロモーションにおいてもそれは同じです。 インターネット・プロモーションは、顧客データを活用するためのデータベースづくりに最も適しているといえるでしょう。 ウェブサイトにアクセスしてきた顧客に対して、Eメールアドレスのほかに、年齢、職業、その他のプロフィールを回答してもらえるようなフオームを準備しておけば、そのまま顧客データとして登録することが可能でしょう。 もちろん、ウェブサイトに何度もアクセスしてもらえるように、内容のリニューアルや、定期的かつ頻度の高い更新も必須です。 キャンピングカーを販売している株式会社ノースライフ(北海道札幌市)という会社があります。北海道のユーザーが圧倒的に多く、全国で幅広く販売したいという意向がありました。そこで、Yahoo!やGoogleの検索エンジンを使って「キャンピングカー」と検索し、自社のウェブサイトにアクセスしてきた見込客に、キャンピングカーでの旅行の写真をまとめた書籍やDVDを無料でプレゼントしています。 これをきっかけに、見込客がこのような書籍やDVDをウェブサイトを通じて中し込む際、キャンピングカーの見積りを希望するかどうかを選択できるようにしています。 キャンピングカーの見積りを希望する見込客には、営業担当者が直接電話をかけて、詳細なニーズを確認しています。キャンピングカーの見積りを希望しない見込客には、キャンピングカーの楽しさ、使い方、選び方、イベントなどの情報をメールマガジンで配信して、購入に結びつけるようにフォローしています。 これまで資料請求からの購入率は2割程度でしたが、このことにより、現在は4割を超えるまでに向上しています。

インターネット系媒体の表現方法

「惹きつけ続けるテクニック」など3つのポイント
インターネット系の販促媒体の特徴は、幅広い層にアピールできる点、特定の客層に限定してアピールできる点にあります。従来の販促ツールとは異なり、スペースに制限がないことも特徴です。
一方で、他の販促ツールよりも詳細な商品・サービスの説明を掲載するといった配慮も必要となります。次の3つのポイントがあります。

ポイント① 惹きつけ続けるテクニック
情報を検索し、情報を発信する能動的な態度をもつのがインターネット利用者です。彼らの興味や関心にどれだけ近づけるかが重要になります。
従来の広告媒体のように、数秒間で多くの人にすべての情報を伝えるような広告表現ではありません。現在、インターネットを利用しているターゲットの心理を刺激し、興味を引く導入部としての広告表現では不十分です。具体的にはそこから自社のウェブサイトにつなげて詳しく知らせるリンクを張り、さらにリンクを待ち受けるウェブサイトの写真、キャッチコピー、説明する文章などをつくり込む必要があります。 果物のマンゴーを販売している株式会社ヤマサン(京都府宇治市)では、ウェブサイトでの販売量を増やしたいと考えました。 消費者は「おいしさ」と「安心」という点を気にします。これらを伝えるために、子どもがマンゴーをおいしそうに食べている写真をトップページの上部に持ってきました。さらに、マンゴーに関する生産者、生産地、マンゴーの大きさなどを詳細に説明しました。そのような説明の追加と子どもの写真を使うようになってから、購入率は約3倍もアップしました。この他にも、食品題販では、子どもの写真を使うことで、高い購入率を維持しているケースが少なくありません。

ポイント② セグメンテーションの重要性
アクセスしてきたユーザーの履歴データとして、「ウェブサイトのログ情報」をもとに、「ターゲティング配信」が可能です。 ウェブサイトのログ情報とは、そのウェブサイトに、「いつ、どのサイトから、何人が、どんな検索キーワードで訪れたか、あるいはどれくらいの時間滞在したか」という情報です。 ターゲティング配信とは、携帯電話からの人には携帯電話用の画面、ウインドウズパソコンからの人にはウインドウズ用の画面というように、ユーザーがアクセスした端末に沿った画面を配信することをいいます。 パソコンからのアクセスなのか、携帯電話からのアクセスなのかで、どの画面に振り分けるのかという、個々のニーズやウオンツに対応したきめ細かな広告表現が重要となります。 インターネット系の販促媒体では、興味や関心のレベルがある程度高いターゲットに対して、より詳細で深い情報の提供が可能となります。 株式会社イタミアート(岡山市)は、岡山県内の企業向けに広告物の企画制作を行なっています。県内に限らず、インターネットを使って全国展開を図ることを計画しました。そこで、手始めに販売促進用のうちわをインターネットで販売することにしました。 まず、販売促進用のうちわを販売する専門のウェブサイトを立ち上げました。このウェブサイトを訪れる見込客を分析すると、「うちわ」と検索するユーザーよりも「うちわ印刷」と検索するユーザーのほうが、うちわの購買率が圧倒的に高いことがわかりました。「うちわ」と検索するユーザーには「アイドルの写真入りうちわ」を自作したい個人顧客が多く、「うちわ印刷」と検索するユーザーにはガソリンスタンド、飲食店、祭りを主催する団体といった大口の法人顧客が多いことに気づいたのです。 最初のウェブサイトは2か月で月商が200万円を超えました。さらに6か月かけて「うちわ印刷」に特化したウェブサイトを立ち上げたことで、月商が1000万円を超えるようになり、初年度から約1億円の部門年商を達成することができました。

ポイント③ タイミングやシーンに合わせた広告表現
PCはもちろんですが、モバイルでの展開は、ターゲットの生活行動やそのときのニーズやウオンツをリアルタイムに把握し、場所やタイミングに合わせた広告表現、購買動機を高めるための広告表現が求められます。

ターゲティングの手かがりとして、次の方法があります。
①ドメイン別の記憶
国、組織形態別に、広告を配憶します。
②OS・ウェブブラウザ別の記憶
Windows、MacなどのOS別、lntemet Explorer、FireFoxなどのウェブブラウザ別に、ウェブサイトを閲覧できま
す。
③IPアドレス別の配信
東京、大阪、台湾などの地域別に、広告を配信します。
④時間帯別の配信
ユーザーがアクセスした時間に応じて、広告を配信します。
⑤検索連動型の配信
たとえば、「キャンピングカー」など、検索エンジンで人力するキーワードに連動して、広告を配信します。
⑥コンテンツ連動型の配信
たとえば、「公認会計士合格ブログ」のように、SNSやブログに書かれた内容に対応して、記事の内容と関連性の高
い広告を配信します。
⑦行動ターゲティング型の記憶
過去のウェブサイト訪問者、すぐにウェブサイトから離れた訪問者、資料請求をしなかった訪問者などに絞って、適切な広告を配信します。

霊園事業を手がける株式会社西嶋(大阪府交野市)は、大阪郊外に2つの霊園を販売しています。同社では、チラシの費用対効果が落ちていることを背景に、インターネットによる見込客の獲得に力を入れようと考え、ウェブサイトを制作し、広告を出稿しました。
このウェブサイトは、検索キーワードごとに、ユーザーに閲覧させるページを変えています。
ユーザーが検索エンジンを使って、「牧野 霊園」と検索したときは、大阪府牧野市にある霊園の紹介ページを表示し、「交野 霊園」と検索したときは、大阪府交野市にある霊園の紹介ページを表示しています。
これにより、ユーザーは、ウェブサイトを訪れて、さらに地域を選択するという手間を省くことができます。そのことによって、ウェブサイト訪問者の離脱率が減少し、大きな成果を上げることに成功したのです。

インターネット系媒体 PC販促ツール

「検索連動型広告」「コンテンッ連動型広告」など

PC広告の種類
PC販促ツールとは、ブラウザによって閲覧可能な広告です。
(1)検索連動型広告
検索エンジンに人力したキーワードに関連して露出する広告です。テキスト形式で検索結果画面に表示されます。
これを「リスティング広告」といいます。クリックごとに広告主(クライアント)の費用が課金されること(クリック課金、P P C : Pay Per Click)から、「PPC広告」とも呼ばれます。 Yahoo!リスティング広告(スポンサードサーチ)、Googleアドワーズが有名です。
「インターネット系媒体の表現方法」ポイント①で紹介した株式会社ヤマサンは、2009年11月に急速、青森県産のりんごを販売することになりました。 りんごの需要がピークになるのは12月から1月中旬までです。急な案件だったので、準備期間がないという問題を抱えていました。
そこで、すぐに出稿できる検索連動型広告を利用しました。 りんご販売専用のウェブページを制作し、検索連動型広告を出稿しただけでしたが、1か月半という短期間にりんごを2.7トン販売することに成功しています。

(2)コンテンツ連動型広告
消費者が自ら情報を発信するメディアとして、ブログやSNSがあります。
このブログやSNSに記載されている記事を解析し、内容と関連性の高い広告を配信するシステムが、コンテンツ連動型広告です。
たとえば、ネイルサロンに行った感想を書いた個人のブログに、ネイルサロンの広告が出ているのがそうです。
コンテンツ連動型広告は、サイト運営者と広告主のどちらにも管理が容易で、Googleアドセンスの登場により、爆発的に普及しました。 Googleアドセンスは、ウェブページの内容に応じて関連した広告を表示し、サイト運営者に新たな収益源をもたらすサービスです。 サイト運営者にとっては、JavaScriptの広告タグを設置するだけで、コンテンツにふさわしい広告が自動的に表示されるので、「アフィリエイト」と比べてメンテナンスの手間がかかりません。 広告主にとっても、自動的に自社の商品・サービスと関連性の高いページに広告を出せることから、広告運営の手間をかけずに潜在客を獲得しやすいという利点があります。 ブランド品の買取りを行なっている株式会社ベストライフ(大阪市北区)は、ヴィトンの鞄、財布などのレビューをしているウェブサイトやブログにコンテンツ連動型広告を出稿しました。 同社はもともと検索連動型広告を利用していました。しかし、競合他社の広告出稿が増えて、結果的に顧客獲得の単価が上昇し、仕入価格が高くなるという状況に陥りました。当然、利益も出にくい状態でした。 そこで、コンテンツ連動型にも広告を出したところ、通常の半分以下の広告費で、月間30件以上のブランド品の買取りに成功しました。

(3)バナー広告
ウェブサイトのページ内に表示される横断幕(バナー)型の広告です。 728×90サイズ、200, 200サイズなど、特定のサイズがあります。 GIFファイル、FLASHファイルなど、画像ファイルで表示するものです。クリックによって、リンク先のウェブサイトのページに飛びます。
バナー広告には、「掲載期間を保証する」「露出回数を保証する」などの広告掲載方法があります。
明和製紙原料株式会社(岡山市)では、同社が手がける機密文書処理サービスを岡山県内に広げようと、岡山県在往者に向けて、Yahoo!JAPANの提供する『Yahoo!地図』や『Yahoo!』天気情報に機密文書処理サービスのバナー広告を出稿しました。
見込客はそのバナーをクリックして、同社のウェブサイトを閲覧し、問い合わせをしてきます。その結果、電話での問い合わせが1日平均3〜4件ありました。

コストは2週間で10万円程度。同社の場合、機密文書処理の担当者が総務・人事担当者に多いことがわかっていたので、Yahoo!JAPANのIDの登録情報をもとに、出稿場所を「岡山県」、職種を「人事総務」に絞り、少額から広告を出稿したわけです。
バナーとウェブサイトを連動させたことで、通常の3倍の問合せ電話を獲得するという大きな成果を得ることができました。

(4)テキスト広告
ウェブサイト上でテキストだけを用いて表現する広告です。 Yahoo!JAPANなどのポータルサイトや自治体などのウェブサイトの中に、文字による比較的短い広告文(テキスト形式)を掲載し、それをユーザーがクリックすることで、自社のウェブサイトヘ呼び込むことができます。つまり、企業や自治体などの他者が運営するウェブサイトに、テキストでリンクを張ってくれるという広告です。
リンクには人気投票のような側面があります。多くのリンクを集めるウェブサイトに対して、「人気があり、ユーザーにとって有益である」と、検索エンジンは評価します。検索エンジンが評価すると、上位に表示される可能性が高くなります。検索エンジンの上位表示対策にも、このテキスト広告は有効です。

(5)メール広告
インターネットの電子メール機能を利用した、文章を主体とする広告がメール広告です。メールマガジンに挿入する全角35文字×5行などの文字による広告のほかに、オプトイン・メール広告が代表的です。
「オプトイン・メール」とは、ダイレクト電子メールの一種で、ユーザーにあらかじめ受け取りを許可するジャンル(グルメ・健康など)を登録してもらい、そのジャンルの広告だけを送るというサービスです。
また、画像や映像を添付したメール広告も多くなりつつあります。

株式会社大昭建設(兵庫県三木市)の「相続税対策セミナー」におけるメール広告の事例です。このセミナーは、相続税対策に有効な不動産活用法を解説するという趣旨のものです。新聞広告であれば2万〜3万円かかる1人当たりの顧客獲得コストを、メール広告を使うことで約4000円にまで削減することができました。 現在、同社は複数のメール広告をテストしています。そして、中込率の高いメール媒体に絞り、メール広告を出稿しています。

(6)ストリーミング広告
ネット広告での動画配信は、配信する時間帯や動画の長さなどの枠にとらわれない自由さがあります。 最近では、ブロードバンドの普及に伴い、大容量の映像が容易に配信可能になりました。 たとえば、外壁塗装業を営む株式会社コバック(兵庫県芦屋市)のストリーミング広告を見てみます。同社は、顧客開拓やリピート促進のために、20人以上の顧客インタビュー、30以上の施工方法をYouTube上で紹介したところ、意外なことに定年退職した60代以上の人がその映像を観て問い合わせをしてきました。このストリーミング広告により、2年以上にわたって、毎月1件の受注を継続しています。 現在、パナソニックの『ビエラ』など、インターネット機能が付いたテレビが販売されており、パソコン以外からもインターネットでの映像配信が有効になっています。今後ますます企業の動画配信、消費者のインターネット動画の閲覧に拍車がかかることが予想されます。

(7)成果報酬型広告(アフィリエイト)
ウェブサイトの運営者が、商品を販売したい企業と、アフィリエイトプロバイダーを介して提携し、アフィリエイターとなります。販売が成約したとき、その対価として、販売手数料や紹介手数料を受け取ります。これが成果報酬型広告です。
ある不動産コンサルティング会社では、月額10万円程度の不動産関連の情報配信サービスを提供しています。インターネットでこのような高額商品を当初、直接販売することは非常にむずかしいと考えました。いきなり年間120万円の買い物をしてくれるとは思えなかったからです。
そこで、不動産売買のノウハウをまとめたDVD教材を販売することにしました。これは、DVD教材の購入者に情報配信サービスをすすめるためです。

DVD教材を販売するにあたって、Yahoo!リスティングやGoogleアドワーズなどの検索連動型広告を利用しました。このとき、検索連動型広告に150万円を役人して、DVD教材が100本売れるという状態でした。つまり、顧客獲得コストがI人当たり1万5000円になる計算です。 この顧客獲得単価を下げるために利用したのが、アフィリエイトです。アフィリエイトプロバイダーと契約し、DVD教材の販売を代行してくれたアフィリエイターには1万円を支払うことにしました。 その後、600人以上のアフィリエイターが参加し、彼らが積極的にDVD教材を販売したことによって、顧客獲得コストの30%削減に成功しました。さらにDVD教材の販売数も、当初の4倍に増えました。

インターネット系媒体 モバイル販促ツール

「ピクチャー広告」「メール広告」など

「モバイル」とは、携帯が可能な情報端末のことです。モバイルPC、PDAなどがあります。中でも最も身近な端末は「携帯電話」でしょう。
ここでいう「モバイル」は、主に携帯電話を指します。
モバイルは、かつては単に持ち運びが可能な電話というだけでインパクトがありましたが、現在はインターネットにアクセスし、モバイル・サイトを閲覧することまで可能になりました。電子メールの送受信ができる機能のほか、カメラ、テレビ、クレジット決済機能、プリペイドカード機能、GPS機能、QRコード読み取り機能、ゲーム機能なども搭載しています。

モバイル販促ツールの種類
(1)ピクチャー広告
『ガールズウオーカー』『モバゲー』など、アクセス数の多いポータルサイトに掲載する画像ファイル形式の広告がピクチャー広告です。媒体社ごとの規定のサイズ内で展開します。
PC上のバナー広告と同様の効果が期待されますが、PCと違って画面が小さいこともあり、「出稿するウェブサイトの基本カラーと色合いを変える」「できるだけ短くわかりやすいメッセージにする」といった工夫が必要です。
バナー上に配置するコピーは、長文でなく、15文字以下の短文にします。また、高画質の重い画像ファイルは読み込みに時間がかかり、嫌がられる傾向が強いので注意が必要です。

(2)コンテンツ連動型広告
SNSやブログのコンテンツの上部、下部にあるのがコンテンツ連動型広告です。
ブログやSNSのウェブサイトの中にある記事、文章と同じような内容の広告を出します。
たとえば、個人のダイエット日記のブログページに、ダイエット食品の広告が出るようになります。消費者が「ダイエット」とウェブサイトで情報収集している際に出てくる広告であることから、効果の高い広告だといえます。
また、個人がブログやSNSを利用するようになって以来、このようなウェブサイトが日を追うごとに増加しています。このことから、大幅なアクセスアップを期待することができます。

(3)メール広告
配信メールの全文が広告情報であるものです。メルマガの先頭部分(ヘッダ)に掲載する5行程度のテキスト広告や、許諾者宛のオプトイン・メール広告も含まれます。
たとえば、ペット好きのためのメールマガジンに登録している読者に対して、ペット関連商品を紹介するメール広告を出します。こうすれば、興味をもっているユーザーだけに広告を出すことができます。
メルマガによっては、細かく年代、性別、職業、地域などでセグメントできるものもあります。

(4)検索連動型広告
携帯電話キャリアの公式サイトやYahoo!モバイル、Googleモバイルなどのモバイル検索エンジンの利用が一般化していることから、PCでの展開と同様の検索キーワードに連動したリスティング広告が可能となりました。
たとえば、「大阪 歯医者」と検索するユーザーに、大阪にある歯科医院の広告が検索結果の一番上に表示されます。
モバイルでの検索連動型広告は、電話番号も表示することが可能です。ユーザーが表示された電話番号をクリックすると、広告主に直接問い合わせることができます。お店の予約や、商品の注文がすぐにできるわけです。

モバイル販促が企業・消費者にもたらす効果

タイムリーな情報発信、購買行動の無駄がなくなる

モバイルを販売促進活動に活用する際に、企業サイドと消費者サイドの双方から見た効果について説明します。

モバイル販促が企業にもたらす効果
モバイル販促が企業にもたらす効果には、次の3つがあります。
(1)タイムリーな情報発信
1つ目は、ターゲット層に向けたタイムリーな情報発信です。
サントリーの缶コーヒー『BOSS』の「スグBOSSキャンペーン」では、ランチ前の11時台に、BOSSジャンなどの応募者の名簿をもとにキャンペーンの内容を集中して告知することで、昼食時の“指名買い”を促進しました。
モバイルであれば、朝、出勤前、通勤時間帯、オフィス滞在時、昼休み前、残業時、帰宅前の夕方、帰宅時など、企業はターゲット層の行動パターンを見越して、タイムリーに情報を発信することができます。
情報の発信やクーポンの提供などは、タイムリーであればあるほど効果が高いのは当然です。
飲食店で利用できるクーポン付きの情報なら、お腹がすき始める頃に配信すれば、ターゲット層の購買意欲をストレートに刺激するでしょう。
こうした効果は、誰もが身近に携帯しているモバイルならではの効果といえます。

(2)タイムリーな取引
2つ目の効果は、タイムリーな取引(交換)です。
JR東海の『エクスプレスE予約』(新幹線の会員制ネット予約サービス)は、「みどりの窓口」が混雑しているときでも、タイムリーな取引を消費者に提供することができます。
モバイルの特徴の一つに「双方向性」が挙げられます。企業が一方的に消費者に情報を配信するだけでなく、消費者も企業に情報を発信することができます。消費者は、企業から与えられた情報に対し、その決定内容を企業に即座に伝えることができるのです。
認証機能、クレジットカードの決済機能も、この双方向性があるために可能になります。

(3)個別顧客へのカスタマイズ
3つ目の効果は、個別顧客へのカスタマイズです。
ジーンズメイト(東京都渋谷区)では、お客様をチラシやウェブサイトからモバイルに誘導し、モバイルに送信するクーポンを発行する代わりに会員登録(顧客情報の提供)をすすめています。
同社は、POSレジと連動して購入履歴を蓄積していますが、このデータベースを分析して活用することによって、個々の会員属性に適したキャンペーン情報をモバイルにメールで配信しています。会員には、最も近い店舗で行なわれているバーゲン情報や新商品の入荷情報を送っています。このように、モバイルを介して会員組織を構築しているのです。
顧客情報として、単に年齢や性別だけでなく、購買履歴を加えて分析することによって、きめの細かい販促活動が可能になります。

ここで解説した3つの効果は、PCを介したインターネット・プロモーションでもすでに実現しています。
特に3番目の効果(個別顧客へのカスタマイズ)は、AmazonのCRM(顧客関係管理)が有名です。
たとえば、顧客特性を分析し、「この本を買った人はこの本も買っている」という情報を案内したり、過去に顧客が購入した著者の新作が出た際にタイムリーに紹介したりしています。このような組み合わせを数多くデータベース化しているため、より細かい提案を行なえるようになっています。

モバイル販促が消費者にもたらす効果
モバイル販促が消費者にもたらす効果には、次の2つがあります。

(1)購買行動の無駄を排除
消費者にとって、いつでもどこでも電話やメールで人とつながり、コミュニケーションができることが、モバイルの効果です。モバイル販促において大きな効果は、購買行動の無駄を排除することです。
買い物の場面で、自身の商品の知識が乏しく、店員の説明も悪かった場合、的確な商品を選択できなかったり、時間ばかりかかってしまったりすることが少なくありません。このような消費行動における無駄によって、消費者は不満を抱いています。
ある商品の購入までに、見込客がクリックしなければならない回数が7回ありました。そこで、できるだけ早く購入できるように、購入に不要なプロセスを排除することで、クリックしなければならない回数を3回に削減したところ、購入率はI.5倍から2倍になりました。
見込客はわかりにくいフォームはもとより、どのようにサイトにたどりついたか? 趣味は何か? といった過剰な情報提供を嫌がり、購入を控えるというケースが少なくありません。
この点を改善することは非常に簡単です。コストもかかりません。
お客様は、入手した商品自体の満足水準以上に、その商品を人手するまでの購入プロセスに対する満足水準が低いということが、意外と多いのです。

(2)消費情報価値が高まる
消費者はテレビCM、新聞広告など、日々膨大な商業情報に接していますが、その大半は自分には関係のない情報です。
特にマス広告をはじめ、伝統的なメディアがもたらすさまざまな情報の中で、モバイルがもたらす情報は、消費者に
ヒットする確率が高いといえるでしょう。これは、前述した「タイムリーな情報発信」効果と、「個別顧客へのカスタマイズ」の効果が要因となります。
モバイルであれば、個々の消費者に可能な限り適切な情報が配信できるため、受け手である消費者がその情報に価値を見出す確率が高まります。
モバイルを利用した情報提供の仕組みに「メッセージフリー」があります。メッセージフリーとは、バケット通信代無料で提供される各種の情報です。

たとえば、コカ・コーラのサイトに登録してアプリを利用していると、不定期でキャンペーン情報が配信されます。
受信者の年齢、性別、地域などが加味されているため、送られてくる情報はその人にとって価値のある情報と認識される可能性が高まります。
メッセージフリーに対する反応率は、従来のメディアに比べて非常に高いことが知られています。

インターネット×他の販促手法

「インターネット広告とウェブサイト」ほか組み合わせ事例

インターネットを使った販売促進ですが、今後は単独での活用だけでなく、他の方法と組み合わせて使うことで、さらに効果を高められます。
そのような組み合わせのパターンを紹介します。

パターン① インターネット広告とウェブサイトの組み合わせ
販売促進におけるインターネット広告とウェブサイトの組み合わせは、大きく3つ考えられます。
1つ目は、異なるメディアを組み合わせて、初回接触メディアからバーゲンや新製品の人荷などのメッセージを伝え、ウェブサイトに誘導する方法です。たとえば、メルマガでメッセージを発信し、その誘導先であるウェブサイトで、さらに商品やキャンペーンの詳しい情報を伝えるというものです。
2つ目は、企業側からの告知に対する受け皿を、ウェブサイト以外にもつ方法です。たとえば、ウェブサイトで問い合わせや資料請求を募って、電話してもらうというものです。 3つ目は、バナー広告やリスティング広告によって、バーゲンや新製品の入荷などの情報を告知し、ウェブサイトに誘導する方法です。これは、チラシやDMを配って店頭に来てもらうという販促手法と構造自体は同じです。 購買、資料請求、電話による問い合わせといったアクションを、いかにユーザーにウェブサイト上で起こしてもらうかが、これからのインターネット・プロモーションでは重要になります。より反応してもらいやすいウェブサイトを実現することが、企業にとって重要な課題となっていくでしょう。 たとえば、「ブランド 買取」と検索したユーザーに「ブランドを高く買い取れる理由とは?」という広告文を検索結果に表示し、どこよりも高く買い取れる理由をウェブサイトで詳しく説明します。さらに、ウェブサイトで取引実績が多数あることを表示したり、「高く買い取ってくれた」という顧客の声を掲載したりすることで、さらに強くアピールすることができるでしょう。 また、広告専用のページでは、訪問者に対して3秒以内にどのような特徴があるのかを伝えなければならないため、写真、コピー、メリット、顧客の声、問い合わせ方法などを明示する必要があります。

パターン② ウェブサイトとインバウンドコールの組み合わせ
ウェブサイトで商品・サービスの情報を伝えた後で、「より詳しい情報は電話で」というように、電話での問い合わせを促すのが、ウェブサイトとインバウンドコールの組み合わせです。 ポイントは、ウェブサイトですべてのコミュニケーションを完結させようとしないことです。特に高額の商品・サービスになればなるほど、ウェブサイトで完結しません。 お客様は情報収集には非常に熱心です。ですから、できるだけウェブサイトに情報を掲載し、お客様がもつ個別の二ーズを相談できるようにすることが重要です。 たとえば、株式会社目標管理トレーニング(東京都千代田区)では、公的資金の調達代行というサービスの受注を目的としたウェブサイトを運営しています。このウェブサイトを訪れるユーザーは「自分も公的資金を受けられるのか?」 「公的資金の調達方法を知りたい」「公的資金の金利は?」といった多種多様なニーズをもっています。まず、公的資金の概要を説明し、自社のサービスを理解してもらいます。しかし、このサービスは複雑で、顧客によって解決方法がさまざまです。当然、ウェブサイトでの受注は非常にむずかしい状態でした。
そこで、ユーザーがもつ個別の公的資金の調達という課題に対して「私が無料で相談に乗ります」ということを告知しました。そうすることで、ユーザーはとにかく相談してみようという動機が生まれます。ユーザーがどのようなサービスなのかを知ったうえで相談し、その結果、同社は受注につなげることに成功しています。
実績として、昨年対比3倍の相談をウェブサイトから上げています。ウェブサイトで完結させるのではなく、実際に会って受注するというプロセスをつくったことが成功の要因です。

パターン③ ウェブサイトとアウトバウンドコール
ウェブサイトとアウトバウンドコールの組み合わせとは、まず消費者に電話をかけ、ウェブサイトヘのアクセスを促すというやり方です。 見込客に「クーポンコード」を提供し、ウェブサイトヘのアクセスに対してインセンティブを与えることもできます。
クーポンコードとは、割引を適用させるための数字などのコードのことです。
電話でのスクリプトを作成し、ウェブサイトヘ誘導します。ウェブサイト上に中し込みやすいページや、十分な説明がなければ、注文というゴールには結びつきません。電話とウェブサイトがスムーズに連動するように構築することが必要です。
たとえばGoogleは、電話で「グーグルの広告が使える5000円分のクーポンチケットを差し上げます」と伝え、ウェブサイトに誘導し、会員登録した後に広告出稿のサポートをしながら、Googleの広告を使ってもらうということを行なっています。

パターン④ ウェブサイトとDMの組み合わせ
ウェブサイトヘのアクセス誘導の方法としてDMがあります。 DMやFAXDMを送り、そのDMだけで申込みや資料請求は成立しますが、もっと詳細な情報が欲しいという人に向けて、ウェブサイトヘ誘導するという方法です。
この方法が効果的なのは、そもそも消費者がインターネットを積極的に使わない場合です。 DMできっかけを与え、その後、ウェブサイトヘ誘導します。
「7ー3 インターネット系媒体 PC販促ツール」の(7)成果報酬型広告の例としても紹介した、不動産を販売したい個人の情報を不動産業者向けに配信する不動産関連サービス業の事例です。この会社は顧客の不動産業者を獲得するため、Yahoo!リスティングやGoogleアドワーズなどに広告を出して、DVD教材を販売していました。しかし、顧客獲得コストが1万円を超えました。
そこで、全国の不動産業者向けにFAXDMを送信しました。 FAXDMだと、顧客獲得コストが3000円程度に抑えられ、顧客獲得単価を引き下げることに寄与しました。
また、インターネットを使わない層からの注文もありました。
企業の広告費がインターネット広告に集中していて、FAXDMやDMなどの旧来型の告知を採用する企業が減っていることから、逆にチャンスだともいえます。

パターン⑤ ウェブサイトとマスメディアの組み合わせ
テレビCMで「続きはウェブで」と告知することは、ウェブサイトとマスメディアの組み合わせによりアクセスを獲得する方法として定着しています。
15秒か30秒のCMからウェブサイトに誘導するのは、より多くのメッセージを伝えるために有効な方法といえます。
消費者をウェブサイトに誘導するスタイルのCMでは、「ストーリー型」と「サプライズ型」が中心となっています。
ドラマの一部をCMで観せて、その続きもウェブで閲覧してもらうケースがストーリー型です。一方、サプライズ型は、消費者を驚かせ、続きを観たいという欲求をつくり、ウェブサイトヘ誘導するケースです。
こうした方法のよい点は何でしょう? これまでCMの反応率は計測がむずかしかったのですが、ウェブサイトヘの閲覧数を見れば、広告の効果測定が一目瞭然になります。
新聞や雑誌などに広告を出して、アクセス数と各メディア別の中込数を計測することで、効果の高いメディアにはさらに多くの広告費を投入し、効果の出ないメディアは切り捨てるという“選択と集中”が可能です。そうして広告費を最適化することができます。
レベルファイブ(福岡市)が、ゲームソフト『レイトン教授と不思議な町』のCMで、「ナゾトキ」と検索させるプロモーションを行なった際は、次のグラフのように検素数が大幅に増加しました。

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パターン⑥ ウェブサイトと店頭の組み合わせ
ウェブサイトとリアル店舗の販売の組み合わせは、店舗ビジネスでしかできない有効な方法です。ウェブサイトで予約を受け付け、店舗で商品を手渡すほかにも、ウェブサイトでクーポンを発行して、来店を促すことができます。 今後は、ウェブサイトでの初回アクションだけではなく、店頭で会員登録をしてもらい、ウェブサイトヘ誘導する方法もとることができます。 企業にとって、顧客情報の取得は重要なテーマです。たとえば、店舗で得られた顧客情報をもとに、新製品の入荷やバーゲンなどのお知らせを送ると、必ず一定数の来店が見込めます。地理的になかなか訪れることができない不利な立地でも、このような方法でリピート率を向上させているケースは多く見られます。 株式会社たこ満(静岡県菊川市)では、店舗内のいたるところにメール会員への入会案内が設置されています。できるだけ多くの顧客にメール会員になってもらい、新商品の案内やバーゲン、限定品の告知をするのが目的です。名刺サイズの入会案内のほか、トイレにも会員になったときのメリットや送信するメールのサンプルを貼ってあります。 来店している顧客は、どのようなお店であるかを理解しているので、安心してメール会員になります。このメール会員に対して、限定品などのオファーをメールで送ると、レジに行列ができたという事例もあります。

パターン⑦
モバイルとインバウンドコールの組み合わせ モバイルとインバウンドコールの組み合わせですが、モバイル・サイトで商品・サービスの情報をお客様に提供する場合、画面が小さいために商品・サービスのメリットを訴求しにくいという問題が発生します。
また、モバイル・サイトから、お客様がメールやフオームを通じて問い合わせをしようとすると、文字人力に大きな手間や時間がかかります。
このようなケースでは、できるだけ電話をかけやすくすることです。電話番号を表示し、お客様がそれをクリックすれば電話がかかるようにするだけでなく、問い合わせに必要な情報として、受付時間、オペレーターのプロフィールや写真なども表示することが大切です。
サイトのいたるところに電話番号を表示することで、電話の問い合わせ件数が大幅に増加した事例もあります。

パターン⑧ モバイルと店頭の組み合わせ
「ORコード」が開発されて以降、モバイルと紙媒体の組み合わせが多用されるようになりました。 QRコードとは、携帯電話で読み取りが可能なバーコードのことです。
モバイルとの連携が最も有効なのは店舗への来店促進です。
たとえば、雑誌やチラシに掲載したQRコードを、お客様が携帯電話で読み取り、店舗のウェブサイトにアクセスします。このとき、クーポンをダウンロードできる代わりに、会員登録(無料)をすすめます。会員には、メールマガジンを配但し、店頭でそのメールマガジンやクーポンを提示すれば割引やプレゼントなどのインセンティブが得られるようにします。 このような仕組みを構築することによって、店舗と顧客が継続的にコミュニケーションをとることが可能になります。 前述の株式会社たこ満では、メール会員の獲得に力を入れていますが、その活動として、クリスマスケーキをモバイルサイトから予約してもらうと、300円の割引チケットを配布するというプロモーションを行ないました。これにより、4000人近いモバイルのメールアドレスを獲得することに成功しています。 1年で見ると、最もメール会員が増えるのはクリスマスシーズンでした。この時期に、集中的にメール会員の獲得を行なったのです。 なお、モバイルに限定品やセールなどの情報を配信すると、多いときでメール会員の15%程度が来店するようです。

販促計画の立案と効果測定

販促計画はこうして立てる

「販売促進戦略」にもとづいて進める

販売促進の業務は、経営戦略の一環として策定された「販売促進戦略」にもとづいて進めていくのが一般的です。販売促進戦略とは、顧客をいかに獲得し、その獲得した顧客にいかに購買してもらうかといった総合的・長期的な計画です。
販促計画の作成手順は、次のとおりです。

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手順① 現状分析
小売店、サービス業などの地域密着型ビジネスが、販売促進を実施するにあたって確認しておくべきことは何でしょうか?
「この地域に自店の顧客になりそうな人はどのくらいいるのか?」
「他店ではなく、自店に来店してくれる人たちはどういうタイプで、どのようなやり方をすれば、来店や購買の動機付
けを刺激できるのか?」
「他店ではなく、自店だからこそ来店してもらうようにするには、どのような方法をとればいいのか?」

こうした疑問・課題を解決できるように、ターゲットとなる顧客層の実態をつかみ、競合店の情報を知っておく必要
があります。
そのためには、「データ収集」が必要不可欠です。
たとえば、公的機関や業界団体が発行する白書、新聞・雑誌、インターネットなどのオープンデータがあります。こ
うしたオープンデータを調査するとともに、関係先や協力先にヒアリングして、自社・自店を取り巻く最新のマーケッ
ト情報をできる限り集めます。
その集めたデータを、自社、自店の販売促進の目的に応じて分析し、実際に活動を行なうときの参考にします。
中でも、地域密着型ビジネスにおいて重要な調査は次の4つです。

(1)市場・商圏調査
商圏に対する市場規模の推移などの定量調査や、市場概況などの定性調査などにより、市場の規模、市場の傾向をつかみます。
具体的には、「利便性」「地域特性」の周辺調査により、商圏自体の特性や立地条件を調べて、どうすれば自店に有利に展開できるのかという対策の参考にします。
まず、商圏人口、人口構成比などの「人口動態」は重要です。
たとえば、ここ10年以内にできたマンションが多い場合は、若年人口、子どもの構成比が高いことが考えられます。
逆に、計画的につくられた街で開発展が古い場合は、老年人口が多くなります。
また、都市計画などの動向にも気をつけなければなりません。計画によっては、商圏の性格が急激に変わる可能性もあるからです。これは、ビジネスの根幹に関わることもあるので注意が必要です。
地方自治体の役所に行けば、「住民基本台帳」から、当該地域の人口動態を割り出すことができます。さらに、国や自治体が発行したり、ホームページ上で公開していたりするデータからも、その地域の基礎情報を得ることが可能です。
数年後あるいはそれ以降を含めた予測値も手に入れておくとよいでしょう。
これらのデータは、販促計画の最も土台となるものです。できる限り最新の正確なデータを把握するようにしてください。

①利便性
交通手段、駐車場など、商圏内の利便機能を調査します。 たとえば、山や川、交通路はどうなっているのか? 幹線道路の交通量、鉄道の路線、主要駅の乗降客数といった調査です。 川を隔てた先のことを「川向こう」というように、一般的には、地域の消費者にとって川は障害物であり、境界というイメージが強く、心理的に人の流れを遮断します。 ロードサイドに展開するさまざまな業種の大型店は、特に交通の動向に敏感です。郊外型の店舗の場合、車の通行量や地域の流人経路などを考えた立地を心がけています。商圏が広い超大型店などの場合、インターチェンジの付近に大量の駐車ができる店舗を構えることが多いです。 こうした場合の販促計画は、「大量の陳列・在庫が可能」「売り場の買いやすさ」「イベントの開きやすさ」といった「店の特長を意識したものを心がけるべきでしょう。 逆に、駅前の商店街の立地などを考えるときは、該当する駅(バスなどの公共交通機関も含む)の乗降数、駅からの人の流れをまず把握します。そして、求心力のある店舗やスポットヘの人の流れを意識した販促計画を立案します。 自店が「気軽に立ち寄れるお店」なのか、「わざわざ出かけるお店」なのかで、販売促進の施策は違ってきます。

②地域特性
地域の成り立ちや地理的な特性、気候風上、食の傾向、あるいはお祭りやイベントの行事、地元の人たちの関心事を調べることで、それらに合わせた企画や商品の品揃えを、あらかじめ考えることができます。
その上地の「成り立ち」は重要です。たとえば、県庁所在地は、おおむね歴史のある古い街が多いものです。それも城下町から発展した町で、官公庁や学校が多いところと、門前町から発展し、どちらかというと観光地として成り立ってきたところでは、街の性格がかなり違ったりします。
工業が中心なのか? 農林業・漁業などの第一次産業が中心なのか? 企業城下町のような地域もあれば、学園都市のような性格の地域もあります。都市近郊であれば、ベッドタウン的要素が強いのか? 近郊でも中核的な街なのか?
当然、気候風上、食の傾向も、販売品目・数量や販売時期に大きく影響します。
地域のお祭りや定期開催のイベントもチェックを欠かさないようにしてください。地方のお祭りは、季節の節目に行なわれることが多く、お祭りを境に売れ筋が変わることもよくあるからです。
これは、中長期の販促計画や出店などの計画には欠かせない作業です。

(2)商品カテゴリー調査
「過去3〜5年の需要の推移」、「今後1〜3年の需要の予測」を、統計資料などから調査します。自社・自店で販売する商品・サービスが、今後市場の中でどれだけのシェアを獲得できるのかを予測します。 商品カテゴリーに関しては、まず自社・自店のカテゴリーごとの売上推移を土台として予測しますが、さまざまな需要変動の要素が存在することを忘れてはなりません。 家電製品など、技術的な進歩や変化が激しいジャンルでは、I〜2年で既存商品は陳腐化していきます。そのあおりで姿を消す商品も少なくありません。 たとえば、過去隆盛を誇ったMDを使った携帯音楽プレーヤーは、iPodの登場以降、急速に姿を消しました。PCも、陳腐化の激しい商品の一つです。このように買替えが発生しやすい商品は、購買動向も変化しやすいので、最新の製品リリース情報、メーカーの開発情報を得るように心がけてください。 家電製品など、商品カテゴリーの変化が激しい市場でなくても、各社の商品・技術動向あるいは世界的な趨勢に注意することが必要です。 景気は当然、商品の価格帯に影響します。「エコポイント」などのように、行政的な施策により、急に売行きが変化することもあります。 販促計画にはできるだけ正確な予測値を得たうえで、こうした変動要素を織り込むことが必要になります。

(3)競合店調査
各店の市場シェアの定量調査が基本になります。 その他にも、販売促進や広告展開の状況などの情報があれば、競合に対する具体的な対処方法を打ち出すことができます。 まず、競合店の店頭の概要を調べます。 店舗の雰囲気、客数、客層、売り場構成、商品構成比、売上などの経営的な数値は可能な限り、有料データベースも活用し、正確な数値を把握しておきます。 こうした活動を定期的に継続することにより、競合店の変化から自店の変化まで、客観的なデータとして把握することが可能になります。 これら比較データの継続的な蓄積は、商売、ビジネス上の重要な指標になるほか、自店の長所短所の把握、改善の方向性の割り出しに大きな力を発揮します。 ここで注意すべきは、競合店が必ずしも売上にマイナスに働くばかりではないことです。「パソコンの東京・秋葉原」 「古書の東京・神田」などの専門店街が有名ですが、集積することによる効果がその地域全体に及ぶからです。 競合店があることによるプラス効果も考慮したうえで、最終的な販促計画を立案すべきです。 競合店調査では、「できるだけ客観的な目で、謙虚に見る」ことが必要です。競合店などの欠点をあげつらうような調査は慎むべきです。

調査方法は次の3つがあります。
①一般調査
民間のデータバンク、業界団体、業界誌から情報を収集します。
たとえば、帝国データバンクや東京商エリサーチなどの企業情報データベースやレポート、日経テレコン21などのオンラインデータベースから、おおよその状況を把握します。
②観察調査
自店のスタッフで実施することも可能です。また、調査会社に依頼することもできます。
%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-11-28-11-01-14 おおよその概要を、実際に競合店に出かけて目視により割り出します。
数値で表わせるものはできるだけ数値化します。完全に正確な数値は出せませんが、慣れてくると、あまり実際と乖離しないデータをはじき出せるようになります。
目視しか調査方法がない場合は、あらかじめ調査のやり方を共有したうえで、複数人で調査すると正確なデータに近づきます。
また、顧客として競合店へ行き、実際に店内を歩き、商品を購入してみましょう。つまり、「顧客体験」をしてみることです。
データに現われない、体験でしか把握できない事実も、意外に顧客の気持ちを左右していることが多いからです。

「なんとなく買ってしまう」ような場合、スタッフの動きやちょっとした心遣いなど、販促計画以前の顧客に対するオ
ペレーションの部分に違いがあることが少なくありません。
そのうえで、時系列でのチラシの収集、周囲の店舗の様子の観察、そのお店で買ったことのある人への聞き取りなど
を行なってみましょう。
③面接調査
調査会社などに依頼するか、伝手をたどり、競合店の店長や店員に直接インタビューする手法です。彼らの就業時間
外に、店舗とは別の場所で聞き取りを行ないます。

(4)顧客・消費者調査
顧客や商圏内に住む消費者の中で、どれだけの人、どういう人が自店の顧客となり、どのような販促活動を展開すれ
ば、より多くの顧客を獲得・維持できるのかという「根拠」を調べるものです。

次の4つが代表的な調査です。
①通行量調査
商圏内の要所に調査ポイントを設定し、その通行者数を調べて、性別や見た目での年齢なども確認します。
イスに腰掛けて手動式のカウンターを操作する人をよく交差点で見かけると思いますが、これは、行政などによる都市計画の立案・実行のための幹線道路の通行量調査です。
通行量調査は、大型店などの出店計画や販促計画の上台づくりに欠かせない調査です。店舗のレイアウト決定にもこの調査は使用できます。
通行者の人数(曜日ごと・時間帯ごと・経路ごと)、通行者の年齢構成などの把握が可能です。専門の調査会社に依頼するのがベターかもしれません。

②グループインタビュー調査
顧客の対象になる人を集めて、知りたい目的に合ったインタビューを実施します。
商品開発やブランドの浸透度を計量したいときに、大手企業などがよく実施する方法です。
販促計画であれば、販売促進の施策の計画段階で、アイデアごとの受容性を開いたり、自店あるいは競合店の長所短所やブランドイメージを探ったり、商品カテゴリーごとの購入意向、顧客の消費動向を確かめたりするのに使えます。
専門の調査会社に依頼し、条件に合致した顧客層を抽出し、一定数(5〜6人を数グループ)集めたうえで、“誘導尋問”にならないように注意しながら、設定したテーマについての直接的な声を開きます。 グループインタビュー調査は、顧客の生の声をニュートラルな状態で聞けるという利点があります。定量的な調査と
併せて行なうと、より精度の高い顧客像が描けます。
この調査の場合、質問の設計と「モデレーター」(インタビューを実施する司会者役)の質が結果を左右します。簡単なものでよければ自社・自店でも実施可能でしょう。しかし、正確なものを望むのであれば、調査会社に依頼すべきです。

③インターネット調査
インターネットを利用して、顧客・消費者にアンケート調査を実施します。これは、簡易的な定量調査の方法です。
インターネット調査を行なう会社は、ウェブ上で数多く見つけることができます。
質問の項目数などに応じて、調査料金は変わります。基本的に見積りは無料です。抱えている登録者の数や経験値で、調査の精度も変わってきます。目的に応じ、専門性とコストを比較検討してオーダーしてください。
顧客のメーリングリストなどがあれば、メールやメルマガによって、回答してくれた人にプレゼントを贈るなど、返送率を上げる施策をつけたうえでの調査も可能です。

④訪問調査(面接調査)
顧客の生の声から、おおよそのニーズをつかみたいときの調査方法です。顧客リストから、あるいは商圏内で無作為に抽出したお宅に調査員が出向いて、質問方式のインタビューを行ないます。
この方法は手間がかかりますが、地域の傾向や顧客の本音を知るには有効です。また、面接以外にも、質問表を対象者宅に置いておき(留置調査)、一定期間後に回収する方法もあります。
これらの調査を通じて、商品カテゴリーの利用頻度、商品・サービスの選択ポイント、購入場所など得て、顧客、消費者に対する効果的な訴求方法を導き出します。

 

新製品の販促計画によく使われる方法が、③インターネット調査と②グループインタビュー調査との組み合わせです
膨大な対象者から任意のターゲット層を選んで調査するには、インターネット調査が適しています。商品の受容性や購入意向、ライバル商品のブランドイメージのポジショニングなどの定量調査を実施します。
その後、グループインタビューで、商品カテゴリーの捉え方、ブランドイメージの詳細、実際の商品・広告・販促計画の印象・感想などを把握する定性的な調査を行ない、計画プランに矛盾やズレがないかを確かめます。
インターネット調査とグループインタビュー調査の組み合わせは、「顧客満足度調査」にも使われます。調査会社にな頼すれば、調査会社のモニター会員に対して、さまざまな角度で質問を投げかけ、自社・自店、あるいは商品への満足度(どこに満足し、どこに不満があるか)を把握することができます。

その調査をベースに、グループインタビューを実施すれば、より深い視点から、顧客の満足・不満足の中身を探ることができ、販促計画や経営計画にまで活用できるようになります。

手順② 課題とチャンスの発見
手順①の「現状分析」により、課題(問題点)がいくつか出てきます。
逆に、競合店と比較して、特徴などが浮き彫りになり、機会(チャンス)も見えてきます。
このような課題(問題点)と機会(チャンス)を、詳しく見ていきます。
(1)商品・サービスの需要動向
扱っている商品・サービスが属するカテゴリー全体の動向を見ていきます。その商品・サービスのカテゴリーで、どのタイプの需要が成長しているのか、もしくは停滞しているのかを確認します。
注意しなければならないのは、そのカテゴリーが導入期あるいは成長期にあるのか、成熟期や衰退期にあるのかという見極めです。カテゴリーの状態は、次のさまざまな要因に左右されます。

■商品・サービスのカテゴリーを左右する要因

・政治的要因
法律の改正、規制強化あるいは緩和など政策の転換、税制の変化など

・社会的要因
経済状況、社会状況、インフラの変化、生活スタイルの変化、人口動態の変化など

・無意識的な要因
人々の流行や考え方の傾向、嗜好や意識の変化など

・技術的な要因
科学的な発見、革新的技術の出現、関連技術の進化など
特に中長期の計画を立てる場合は、これらのさまざまな要因を勘案することをおすすめします。
たとえば、昨今でいうと、iPhoneの出現によって、ユーザーが携帯電話に求めるものが変化し始めました。これは、 「電話に機能を付加してきた携帯電話」から「電話もできる超小型パソコン」への転換です。「スマートフオン革命」と
いえるでしょう。
また、直感的な操作の快適さを覚えたユーザーは、多機能なだけで面倒な携帯電話に二度と戻らないでしょう。
携帯電話というカテゴリーは成熟期にありますが、スマートフオンというカテゴリーで見ると、成長期の始まりといえます。

(2)競合店動向
これからしかけていく市場には、どんな相手がいて、どのような競争が繰り広げられているのか、また自社・自店はどの程度の競争力をもっているのかを知ることが大切です。
中でも、売上面での現状を明確にすることで、競争の最終結果である市場シェアの動向を把握することができます。
一般的に、市場シェアが拡大しているのであれば、強みとする優位市場への対応はもちろんのこと、弱み市場への対処も可能です。しかし、市場シェアが縮小しているのであれば、優位市場への対応が原則となります。
たとえば、「SWOT分析」があります。自社・自店を、「Strength : 自店の強み、Weakness:自店の弱みや課題、Opportunity : 機会、市場でのチャンス Threat : 市場の脅威」という4象限で区切って行なう分析手法です。

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自社・自店の強み・弱みを明確にする作業を行なってください。
また、競合店の売上や伸び率など、手に入る多くのデータを比較し、数値的な把握をしっかりと行なうことも重要です。指標ができると、何をどう頑張ればよいのか、何がムダで、何に可能性があるのかを把握することが容易になります。

(3)消費者動向
ターゲットとなる消費者の情報として参考になるのは、省庁が発表する消費動向の調査や、広告会社、総研が発表する消費者の意識調査などです。
たとえば、「アラフオー」のブームを呼んだ35〜44歳の女性世代は、新人類世代とその後の世代として、消費を牽引してきました。
このところ定着してきたエイジレス的な感覚が美容分野だけでなく、ファッションや日々の生活スタイルまで変えていることが、広告会社の調査から浮き彫りになっています。その上の「アラフィフ」世代も、同様の自己投資的な消費を好むことがわかってきました。
このことは、そうした女性たちをターゲットとするときに、機能的な訴求よりも、「自分磨き」のように自己向上的なベネフィットを意識して販促を行なったほうが効果的であることを示しています。
また、社会的な動向により、消費者の消費傾向が左右されることも少なくありません。
近年のエコロジーブームにより、本来的には商品・サービスの付加価値であるところの環境性能が、商品選択の重要な条件になってきています。
たとえば、車、家、白物家電は、そうした傾向が強いのではないでしょうか? 食品および飲食店でも、有機・無農薬野菜へのニーズは強まりこそすれ弱まることはありません。
顕在的な動向と併せて、こうした潜在的な動向を探ることが重要です。
消費者の意識変化や傾向を知ることは、新鮮な訴求のメッセージづくりや売り方を考えることに役立ちます。

(4)店舗特性
店舗の特徴に関する情報として、具体的な強みを明確にしておきたいものです。
消費者の購買動機、来店動機には、店舗で扱う商品の特性や、売り場構成、駐車場施設が少なからず影響しています。
そういうときは、その根拠となる強みを具体的に訴求することも、販売促進の施策として必要です。たとえば、

・自店に強みがある商品の場合、陳列のボリューム感のある手法を採用して、競合店との差別化を図る
・入口付近は話題品や価格競争力のある商品を置き、中に入るに従い、体験的な要素を強くして、奥の落ち着いた売り場はゆったりと構成して商談に適したスペースにする というように、顧客の視点から売り場構成やレイアウトを見直すことも必要です。
顧客が選びやすく、購買意欲を刺激する店内(売り場)構成は、費用もかからず、すぐに実施できることです。競合店と比較して、動脈や陳列方法、売り場のレイアウトが劣っている場合は、改善策を考えましょう。
この他、幹線道路沿いで駐車場が充実した郊外店あるいは駅前店では、来店のしやすさをアピールすることも、販売促進に寄与します。

(5)販売促進活動状況
今後の販売促進施策を考えるうえで、いままでどんな内容の販売促進活動を行ない、どんな成果を上げているのかをもう一度確認しておく必要があります。 もし、店舗の認知状況に比べて来店率、購入率が低ければ、来店・購買の動機付けの展開が重要な選択肢となります。 逆に、店舗の認知状況に比べて来店率、購入率が高ければ、さらなる認知向上が来店数、購入額を上げるのに効果的かもしれません。このとき、認知状況と購入(来店)率を、当面の競合店と比べることがポイントです。 たとえば、各競合店の販促活動の内容、特徴、成果などに関する情報を整理しておく必要があります。 そこで、主要な販促活動において、次の表に挙げるような項目をキャンペーンごとにまとめておくとよいでしょう。家電量販店におけるキャンペーンを例に説明します。これは、大学生、新社会人など、春からの一人暮らし用のシンプルな家電製品に的を絞ったキャンペーンです。

■家電量販店の販促活動例

①キャンペーンタイトル
斬入学・新社会人おめでとう!
独立応援! 春いちばんま家電大特価キャンペーン

②キャッチフレーズ
いまがチャンス!
必要なアレコレがまとめて大特価!

③期間
3月上旬から4月中旬

④対象地域
商圏内

⑤認知経路
(チラシ、DM、地域雑誌など)
駅頭でのチラシやフリーマガジンヘの広告出稿、地域でのポスティング、新聞折込広告チラシ、家族に該当世代のいる顧客へのDM、メール

⑥特長
まとめ買いパッケージでの特価販売

⑦主要販売品目
冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、炊飯器、掃除機、洗濯機、電話機、ドライヤー、卓上スタンド、照明器具、テレビ、パソコン、プリンタ、無線LAN設置サービスおよびその組み合わせパッケージ商品

⑧特典施策
パッケージ特価、ポイント2倍サービス、10万円以上お買い上げでドライヤーか卓上スタンドのプレゼント、店頭での抽選会など

⑨予想来店客数
キャンペーン対象客数8000人

⑩予想売上
2億4000万円

必須の家電数点のまとめ買いパッケージをつくり、配送・設置まで責任をもって行なうことをアピールし、併せて,親御さんや親戚のお祝い・贈り物の掘り起こしも狙ったものです。
当然、「課題とチャンスの発見」のためには、(1)〜(5)の内容や数値を詳細に把握しておくほか、来店者に対するアンケート調査や出入り口での聞き取り調査などで、顧客の満足度も含めて把握することを心がけてください。
これらの作業により、解決が可能である課題(問題点)を取り上げ、機会(チャンス)を探っていきます
課題(問題点)と機会(チャンス)は、できるだけ絞り、それぞれ1つにするなど少ないほうが望ましいでしょう。
販売促進の観点から考えると、複数になることで、焦点がぼやけたり、時間がかかりすぎたりしてしまうからです。

手順③ 目的の明確化
販売促進を実施するにあたって、第一に行なわなければならないのは実施する目的の明確化です。
販売促進は、購買に直接的に働きかける活動ですから、手順①の「現状分析」から明らかになった課題を解決しながら、消費者、顧客にどのような行動を導くかという視点が中心となります。
「目的」の例として、次のものが挙げられます。

①新製品の試し買い促進を図る
②既存顧客のリピート促進を図る
③新規オープン時などに、認知促進と来店促進を同時に図る
④トライアル客のリピート促進を図る
⑤休眠客の掘り起こし促進を図る

地域での新規顧客の掘り起こしがほぼ終わり、大きな成長が見込めないようであれば、休眠客の掘り起こし促進が、売上アップのための重要な施策の一つになります。
顧客リストのリピート客の中から、来店頻度が落ちている人、あるいは一定期間来店がない人を選び出し、クローズドのキャンペーンを行なうことが考えられます。この場合、何らかの理由があって、来店しなくなっているのですから強い誘因理由が必要です。
たとえば、期間および商品を限定した特典付き、特典価格でのクローズドのセールを行なうことです。このとき、手書きやカラーコピーでも構わないので、限定客向け・上得意客向けの色合いの濃いDMに、特典のチケットやキャンペーン用のクーポンを封入しておけば、来店してくれる可能性は高くなります。
ボーナスシーズンであれば、その期間に先行してこれらを発送します。来店客に持参してもらうわけです。
こうした顧客が来店した場合、購買のモチベーションが高く、高い頻度で購入に至ります。
休眠客を掘り起こした後は、フォローアップが大切になります。ハガキやメールで購人後のフォローをして、継続的な来店動機の醸成を図っていきます。
一度目的が明確になれば、施策やフォローアップまでを含めた販促計画が、一つの方向のもと、明解さをもって立案できます。
あるいは、新規オープンやリニューアルオープンのための来店促進が目的であれば、折込チラシ、DM、ポスティング、特設ウェブページなど、さまざまな認知経路を使って、事前認知を徹底させます。
店頭型イベントを開催し、お祭り気分を盛り上げ、幅広い客層、該当地域全域から集客することを目指します。この場合、できるだけたくさんの来店客を得ること、つまり見込客の獲得が、販促計画の目的になります。
目的が異なれば、販促計画も異なります。当然、販促計画の評価軸も異なったものになります。
休眠客の掘り起こしの第一の軸は、DMへの反応率になります。新規オープンであれば、売上と同時に来店者数や購入者数が重要な指標になります。
「何のために販売促進をするのか?」をはっきりさせることが、施策を成功に導く、第一のステップなのです。

手順④ 目標の決定
目的を明確にしたうえで、次に「何を、いつまでに、どうしたいのか?」という目標を決めていきます。
目標は、数値として設定します。売上金額、売上数量、市場シェア、利益額、利益率など、具体的な数値です。
販売促進の目的に対応した数値目標となります。前述の「目的」の例に対応した「目標」の例は、次のとおりです。

①新製品の試し買い促進を図る
⇒○月末までに新製品の試し買い個数○個
たとえば、新発売のドリンクの拡販をかける場合、通常、同種ドリンクの売上が1店舗I週間2ケース48本平均で売れているとすると、35%売上アップ/週販65本(週販17本増)などと、明確な目標値を設定します。
目標を設定することで、店頭の施策の量や力の入れ具合も明確になってきます。
この場合の目的を、新製品拡販ではなく、新発売を機にドリンク売り場の活性化、売り場全体の売上アップとすれば、また違ったアプローチでの施策が展開可能になります。

②既存顧客のリピート促進を図る
⇒○月○日〜○月○日の期間に、リピート率を対前年比○%UP
飲食店のキャンペーンで日常的に利用されているのがサービスクーポンの配布です。既存顧客のリピートを図る場合、こうしたリピート率を計測できる販売促進の施策で目標値を設定し、実施します。ポイントカード、クローズド懸賞、特典などがそれに当たります。
以前の顧客リピート施策での実績を活用して、目標値を設定してみてください。

③新規オープン時などに、認知促進と来店促進を同時に図る
⇒新規オープン後3か月で○名の来店
商圏内の人口動態と新規オープン前の来店者数、競合店の事例、告知チラシやDMの配布数・配布時期などから、新規オープン後の来店客の動向を勘案したうえで、「日ごと、週ごと、月ごと」の目標値を設定します。

④トライアル客の再来店促進を図る
⇒○月○日〜○月○日の期間に、お試し客の再来店率を○%にする
短期での顧客リピート施策は、飲食店の販促計画でよく見かけます。専用クーポンやタイムサービス、特別コースの提供、キヤツシュバツクなど、顧客にとってお得感の強い施策を打ち出します。
以前のリピート実績や競合店の状況などから、目標数値を割り出します。

⑤休眠客の掘り起こし促進を図る
⇒一度来店している顧客の中から、過去3年間6か月以上来店していない顧客から○名来店
たとえば、期間および商品を限定した特典付き、特典価格でのクローズドのセールを行なう場合、その告知にはDMを使います。

特典チケットやキャンペーン用のクーポンを封入しておけば、来店の可能性はさらに高くなります。
来店客にはDMを持参してもらい、人数をカウントしていきます。休眠客の実数と、その中から何%を掘り起こせば、どれだけの売上寄与が可能なのかを逆算して計算し、目標値を割り出します。
販売促進の実施後の評価を、次の販促計画につなげるためにも、目標を具体的に数値化することは重要です。
目標の数値は、売上高、商品別売上高、新規顧客数、総顧客数、媒体別の告知効果など、計測できるものはできるだけ数値化、グラフ化しておくことを目指しましょう。
日々集計できれば、販促計画の進捗を的確に把握できるほか、計画の途中で目標値を下回りそうな場合は、素早く手を打つことができます。また、数値化やグラフ化することで、マネージメントの標準化・共有化にもつながります。

手順⑤ ターゲットの設定
販売促進は、広告やPRに比べると小回りが利き、ターゲット層に限定的かつ直接的に到達することが可能な活動です。
たとえば、ターゲット層だけにテレビCMを見てもらうということは不可能です。
しかし、販売促進においては、適切なターゲットの設定と手法の選択で、ターゲット層への到達率がかなり高くなります。 こうした販売促進の特性を考えると、目的に適応した具体的なターゲットの設定は、重要な要素であることがわかります。 ターゲットの設定とは、自社・自店にとって商圏内で最も可能性のある顧客層を選び出す作業です。 顧客層のボリューム、購買力、リピートの可能性、競合状況などを考慮し、ターゲットとして遇するに値するかどうかを検討します。 まずは市場を「セグメント」して、その中で可能性のあるセグメントをピックアップし、絞り込んでいきます。 たとえば、フアストフアッション系の店舗であれば、その商圏の10代から60代までの幅広い層からターゲットを抽出します。自店の商品ラインナップ、商品機能、価格帯、店舗の立地などにより、ターゲット層を設定し、中でも中心的な層をコアターゲットにします。 高後車やジュエリーなど、嗜好性の強い高額商品の販売であれば、商圏の中の特定層がターゲットです。職業や居住地域、年収などが、ターゲットを選定する際の重要な指標になります。 前者であれば、折込チラシでの特売キャンペーンで集客を目指すことになります。後者であれば、試乗会やイベントなどのクローズドのイベントで集客を図ります。 ターゲットの設定によって、販促施策の打ち出し方も、告知の経路も、まったく違ったものになります。

具体的に見ていきましょう。
(1)顧客の階層別アプローチ
第2章でふれたように、顧客の階層別のアプローチとして、次のどのステップにアプローチするのかを検討します。
1.新規顧客、トライアル客を集める(ステップ①)
2.見込客をトライアル客になるよう促す(ステップボ)
3.トライアル客をリピート客になるよう促す(ステップ②)
4.トライアル客、リピート客を常連客に育てる(ステップ③)
5.紹介を促進する(ステップ④)
6.休眠客を掘り起こす(ステップ⑤)

上記が設定できたら、そのステップのターゲットのすべてなのか、またはさらに絞るのかを検討します。
ステップ①の新規来店促進はもとより、その他のステップでも絶対数が多い場合は、「セグメンテーション」を行ないます。その後、「ターゲット」を設定します。

(2)セグメンテーション
「セグメンテーション:Segmentation(セグメント化)」とは、市場細分化であり、市場をある基準で分割・グループ
(セグメント)化することです。
分割する基準は、次のようにさまざまです。

■セグメンテーションの基準
要素
基準
①人口統計的要素
年齢、性別、学歴、職業、既婚、未婚、家族数、家族構成
②経済的要素
収入、貯蓄、資産
③社会的・文化的要素
生活様式、社会的ステイタス
(例=インドア派、アウトドア派、本物志向、家族主義、都会志
向、田舎志向、ロハス志向、健康志向など)
④地理的要素
住居形態、職業、学校の所在地、環境(都市、郊外など)、居住地の
人口、規模
⑤移動手段的要素
徒歩、自転車利用、バイク利用、自動車利用
⑥心理的要素
価値観、趣味、嗜好、習い事、スポーツ活動、購買動機
⑦情報取得的要素
購読新聞、購読雑誌、テレビ、インターネット、モバイル
⑧購買行動的要素
自店との関係の深さ、セール企画への反応度、ブランド・ロイヤリティ、競合店との関係の深さ、競合するブランドの愛好者

セグメンテーションされたグループから、狙うべき市場を選定することが「ターゲット」の設定です。
これを「ターゲティング」といいます。
いわゆる「消費者」全体の中から、「見込客」を選定するということでもあります。
ターゲットの設定は、たとえば「○代女性、年収○〜○万円、○○地区」というように、セグメンテーションされた要素から、複数の組み合わせによって決まります。
同じビジネスでも、ビジネスの業態によって、「セグメント〜ターゲティング」は変わってきます。
スーパーマーケットという業態を見ても、ロープライスが売りのチェーンであれば、「30代〜50代女性・専業および兼業主婦・年収300万〜600万円・半径3km以内に居住」というターゲティングが考えられます。
しかし、品質と品揃えに注力したいわゆる高級店では、ターゲット設定はまったく異なります。「30代〜50代女性・
専業主婦」は同じでも、「年収1000万〜2000万円・車での移動30分以内の地域の居住・食に関心の高い層」というように変わってきます。
当然、店舗の立地から商品構成、価格帯、サービス、収益の構造自体も大きく違います。
同じジャンルでも、総合店と専門店では、まったく違う業種と呼べるほどターゲットが異なることがあります。
書店でも、駅前のビルなどに入る総合書店であれば、ターゲットは近隣で働く人や住民などの幅広い層になります。
しかし、マンガ専門店では、ターゲットは全国から来店する特定層になります。
同じ販促施策でも、総合店は店頭でのフェア開催や近隣へのチラシのポスティングなどかもしれませんが、専門店は同人誌やマンガ専門誌への広告出稿やブログ、ツイッターなどでの情報発信になります。
このように、セグメント、ターゲティングで販促計画は大きく姿を変えるのです。

選定する場合に注意しておきたいことが2つあります。
1つは、いきなりターゲット層を決めるのではなく、一度、セグメンテーションを行なうことによって、あらゆる市
場をもれなく抽出してから、ターゲットを選定していくことです。
もう1つは、商品や自店の特性を無視して、「このような層に売りたい」だけでターゲット層を決めるのではなく、
「このような層に売れる」という着眼点で決めるということです。

手順⑥ 販促テーマの開発
扱っている商品・サービスの強みを絞り込み、具体的な利点を明らかにします。
同時に、前述のように想定したターゲットに対し、そのターゲットが生活の中で、その商品・サービスについて

「どのような意味を感じているか?」
「どのような価値を見出しているか?」

ということを明確にすることが大切です。
テーマ設定とは、ターゲット層の生活の中でニーズ(必要)やウォンツ(欲求)と、自社や商品との接点を見つける作業でもあります。それはマーケティングでいうところの「USP(Unique Selling Proposition : ユニーク・セリング・プロポジション):自社や商品の独自の強み」の上に築かれなければなりません。
日用品や家電製品など、全国どこでも共通に手に入れられる商品であれば、販売促進は品揃えや価格、特典など、商品そのものの機能の訴求以外に、ターゲットの来店動機となるようなセールスポイントの設定と、展開の仕方を考えなければなりません。
たとえば、車やジュエリー、高額の服飾系ブランドであれば、機能・品質への信頼感と同時に、成功者のシンボルといったようなステイタス感が重要な価値になってきます。
広告やPRから一貫したメッセージで、プレなく、販促計画を設計する必要があります。
飲食などであれば、その業態ごとに顧客が感じる意味・価値は違います。
いわゆる多店舗展開のファストフードなのか? 居酒屋チェーンやファミリーレストランなのか? あるいは街場の個人営業のレストラン・飲食店・専門店なのか? テイクアウト専門店なのか? どの業態か? などで、テーマ設定は違ってきます。
次に挙げる(1)(2)(3)手順でイメージを具体的にした後、生活スタイル、価値観、悩み、困っていること、どんな未来を望んでいるのかなどを抽出し、ターゲットに合った販促テーマを考えていきます。
メッセージの受け手であるターゲットと、そのターゲットの価値付けを考えることで、訴求したい商品・サービスと受け手を結ぶ販促テーマを導くことができます。

(1)自店の「商品・サービス」を一番必要としている人を考える

たとえば、駅前のファストフード店であれば、駅の乗降客である近在の住民、主婦層、近隣のオフィス勤務の人にな
りますが、実際に頻繁に利用するのは子連れの主婦層かもしれません。
美容室であれば、自店から徒歩圏内に在住の20代から50代くらいまでの男女がターゲットになりますが、美容室へ通
うこと(つまり髪のスタイリング)が生活上で重要な意味合いをもつのは、30代前半までの独身男女かもしれません。
ターゲットの中でも、その「商品・サービス」を最も必要としている人たち(コアターゲット)は誰かを考えます。

(2)その人たちの「生活スタイル」「価値観」「悩み」「困っていること」「望んでいる未来」を考える

いつ、どのような時間に何をしているのか? 何に重きを置き、大切にしているのか? その場合の悩みは何か?
実際に解決したいと思っていることは? どんな日常を将来送りたいと思っているのか?
たとえば、30代前半の独身男女がターゲットだとします。そろそろ仕事では会社の中堅として活躍し始めるころで、毎日忙しくしています。友人を大切にしていますが、自分一人の世界も大切で、部屋は自分色の世界観で統一しています。悩みは出会いがないことで、困っていることは時間がとれないことです。将来的には独立して、自分が好きなことで食べていきたいと思っているとします。
このように、できるだけ具体的にリサーチして、ターゲット像を明確にしていきます。 1人の典型的なキャラクターをつくるつもりで描き出すとよいでしょう。
仮想のターゲット像をつくることで、そのターゲットが心を動かすテーマを考えるのが容易になります。

(3)その人たちに合う「商品・サービス」のセールスポイント(販促テーマ)を考える

30代前半の独身男女をターゲットに、美容室の販促テーマを設定するとしましょう。すると時間という切り口で、早朝や深夜の専用カット予約キャンペーンが考えられます。あるいは出会いがないことが彼らの悩みであれば、顧客サービスとして、店舗スペースを使ったパーティの開催も可能でしょう。
子連れ主婦層がターゲットのファストフード店であれば、ポイント制による子ども用のおもちや・子育て応援グッズのプレゼントが力を発揮するかもしれません。
いずれにしても、ターゲットの生活や心理的な側面を把握することで、テーマやアイデアを深く掘り起こすことが可能になります。

販促テーマの切り口の具体例を挙げます。
毎年、秋になると、「ボジョレーヌーボー」のフェアが、スーパーマーケットや量販店で行なわれています。多くの人が楽しむボジョレーヌーボーですが、ターゲットのニーズを考えると、11月の解禁日に新酒のワインを売るだけではない販促計画が可能です。 次に挙げる表の切り口でいえば、 「ゆとりをもった生活を望んでいる人が」 「仲間を集めてお酒や料理を楽しむ場で」 「心豊かに楽しく過ごすために」 というように、何ができるかを考えていくと、販促のテーマの切り口が出てくるのではないでしょうか。 小規模のスーパーマーケットであれば、 「簡単なフレンチをつくれる食材と一緒に販売する企画」 「近隣のレストランと提携して、事前予約で調理済みフレンチを用意する企画」 「チーズフェア」 なども可能です。あるいは、この時期だけフランス産の高級食材を予約で用意するのもありでしょう。 酒店であれば、解禁日の小イベントや、テイスティング・イベント、ボジョレーパーティの開催、ケース単位の注文での特典、ソムリエによるワイン講座の開催など、さまざまな施策が考えられます。 ボジョレーを売るのではなく、ボジョレーを家庭で楽しんでもらうための舞台装置を売ると考えれば、さまざまなテーマが考えられるのです。
このように、抽象的なイメージを具体的に置き換えることによって、購買の動機付けをイメージできるセールスポイント(販促テーマ)をつくることができます。

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手順⑦ 年間販促計画表の作成
「年間販促計画表」を作成する手順を見ていきます。
最初に「年間販促行事表」「販促企画表」をつくり、行事、記念日、または地域の特性を確認したうえで、年間販促計画表の作成につなげていきます。
(1)年間販促行事表・販促企画表
祝日などの「社会行事」や季節の行事や地域のお祭り、運動会などを含む「一般および地域行事・習慣」をベースに、気象状況や社会状況・動向などを考慮し、年間の生活の動きを想定したうえで、行事や記念日に対してどのようなアプローチをするのか、年間を通してどのようなアプローチをするのかを、具体的に検討していきます。
年間販促行事表とは、これらの動きに合わせて、より効果的な購買機会をつくり出すにはどのような販促計画がいいのかを考えていく計画策定の第一段階となります。
具体的には、次の表のように、「社会行事」「一般・地域行事・習慣」「ギフト関連」「今年度の特徴」を月ごとに記入し、これらをもとに、「今年の販促計画」「対象商品・サービス」を1年の流れを考えながら検討し、記入していきます。

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(2)年間販促計画表
販売促進は、売上を上げるという目的をもった業務です。ですから、計画段階で明確な目標数値を設定し、費用と効果をチェックすることが必須です。年間販促計画表は、そのためのものです。
次の表のように、月ごとに販促企画の内容として、たとえば「期間」「ターゲット」「重点販売商品」「告知ツール」など、月ごとに前年度の売上実績と今年度目標として、たとえば「販促予算」などを記入します。

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実際に記入したら、次の①②③についてチェックしていきます。
①前年度の売上実績と今年度の売上目標を比較して、どれだけの差が出るか?
たとえば、商圏内の需要にそれほど変動がないような商品・サービスであれば、売上の目標は、まず前年分を確保し
たうえで、どれくらいのシェアを奪取できるかで変わってきます。
逆に、伸びが予想される商品・サービスであれば、需要予測を正確に割り出すことで、「売上の伸びしろ」がわかりま
す。
それを前提に、今年度の売上目標を設定します。
②売上の予測に対して、販促予算は適切か?
利益額や、売上に対する販促予算のパーセンテージを比較し、適切な予算管理を行ないます。
販促予算は顧客に対する投資と考えましょう。その投資を1回の販促企画で回収するのか、年間を通した全体の販促
企画で回収するのかで、予算の評価は違ってきます。
目的と意図を明確化したうえで、適切か否かを判断するようにしてください。
③対象商品に対して、販促計画や販促手段は適切か?
ターゲットに届く企画・手段で組み立てられているかどうかが重要です。どれだけ精緻な計画をつくっても、ターゲットに届かない限り、それは"絵に描いた餅"で終わってしまいます。告知の手段、ルートから商品購入までのストーリーを、ターゲットの視点で点検することをおすすめします。
場合によっては販促計画そのものを改善するなど、「採算が得られる仮説なのか?」「今期は販促費を投資と捉えて、
今後にどう活かすのか?」を検討していくことで、はじめて計画は確定されることになります。

販売促進の効果を判定する方法

今後の販促活動に活かすための3つのポイント

販売促進の効果測定にあたっては、まず販売促進活動自体の調査をし、さらに個々の販促策を効果測定しなければな
りません。そして、その結果と評価を、次の販促計画に活かしていくことが大切です。

販促活動自体の調査方法
販促計画の立案をする前に、「市場・商圏調査」「商品カテゴリー調査」「競合店調査」「顧客・消費者調査」を行なう必要があることは、すでに述べました。
販促活動自体の調査も、必要に応じて、さまざまに実施されます。
なぜ、このように頻繁に調査を実施するのかというと、販促活動は往々にして、アイデア比べの自己満足に陥りやすく、顧客の存在を忘れ、現実と離れたものになりやすいからです。
繰り返しますが、販売促進は、顧客への直接的な購買の動機付けのために行なうものです。顧客の存在を忘れると、いかに陳腐なものになるかはいうまでもありません。
そのようなことを犯さないためにも、常に顧客との関係性を見定めておく必要があります。
販促活動自体の調査はそのためのものです。主な調査は次の2つがあります。
(1)自社・自店の評価、評判調査
自社・自店がどのように顧客と関わり、どのような評価、評判を得ているのかを調査します。
たとえば、自店で実施する場合、郵送方式のハガキによるアンケート調査や、店内で実施するアンケート調査、メーリングリストがあればメールを使ったアンケート調査も可能です。
また、外部の調査会社を入れて、街頭調査や訪問調査あるいはインターネット調査を行なうこともできます。予算がある場合は、複数の方法を組み合わせて、調査精度を上げることができます。
(2)商品、サービスの売り方調査
特定の商品・サービス、または組み合わせについて、顧客がどのように関心をもっているのかを調査します。
たとえば、(1)自社・自店の評価、評判調査と同様の方法で調査が可能です。この場合は、顧客にインタビューするなど、直接ヒアリングしたほうがよい結果が得られます。可能であればグループインタビュー調査を実施してください。

調査の方法は具体的には次のようなものがあります。
①街頭調査
交通量や入店客数など、調査員が実際に目で確認して調査する方法です。
②観察調査
街頭でランダムに通行人にインタビューをして調査する方法です。自店から半径Okmと範囲を決め、経路ごとに行なっていきます。
③訪問調査
既存顧客を中心に一定人数の対象者を選び出し、直接訪問し、その場でアンケートに記入してもらう方法です。後日、記入してもらったものを、郵送もしくは直接訪問で回収する方法もあります。
④電話調査
既存顧客を中心に一定人数の対象者を選び出し、電話で質問をする方法です。オペレーターが聞き出す方式と、自動応答による方式があります。
⑤FAX調査
既存顧客を中心に一定人数の対象者を選び出し、FAXを送り、記人後返送してもらう方法です。
⑥郵送調査
既存顧客を中心に一定人数の対象者を選び出し、アンケートを郵送し、記人後返送してもらう方法です。
⑦グループインタビュー調査
既存顧客に限らず、数名をある一定の場所に集まってもらい、モデレーター(進行役)により、事前に設計したインタビューをしてもらう方法です。専門の調査会社に依頼することが多いです。
⑧インターネット調査
ウェブサイトに質問を掲載し、回答してもらう方法です。メルマガヘの返信で回答してもらうこともできます。

以上のような調査を組み合わせて、ターゲットや顧客が、自社・自店や販売促進企画に対してどのような感想、イメージをもっているのかといった、数値に現われにくい顧客の志向性や傾向、満足度、購入意向などを探ることができます。
いずれも質問の設計を、自社・自店有利の誘導をしないように、慎重に設計する必要があります。
なお、顧客向けに行なう場合と、非顧客も含めて行なう場合があります。
これらの調査は、すべてを実施するということではなく、回答率、経費、所要期間、結果のバランスなどを考慮して、調査の目的や予算に合わせて適切なものを選ぶか、組み合わせて行ないます。
販促計画ごとの調査で、顧客名簿のようなものがあれば、電話・FAX・郵送調査で個別のアンケートを行ない、既存顧客がどれくらい動いたか、どのようなところがうまくいって、どのようなところがうまくいかなかったのかを見る
ことができます。

個々の販促策の効果測定方法
個々の販促活動、つまり販促策については、それによってどれだけの成果が得られたかを調査し、その分析結果をもとに、「より効果の高い販売促進活動は何をすればいいのか?」を探る効果測定が必要です。
販促策の効果測定には、前年比、「前月比などで比較できる数値的な効果測定」と、「顧客の好意度のように数値化しにくい効果測定」があります。
前者の数値的なものについては、事前と事後の比較をすることによって、正確に効果を分析することができます。
販促策を実施する直前と直後の2回、同じ条件で実施するとよいでしょう。

(1)コミュニケーション効果測定
知名度や認知度といった消費者への浸透度を見るものです。これを知ることによって、今後の販促活動の可能性を確認します。
具体的には、次の3種類のチェックポイント(A、B、C)があります。いずれも街頭での無作為の抽出で、通行人に聞き取り調査をします。

■コミュニケーション効果測定のチェックポイント
チェックA
地元の人たちに自店がどれだけ認知されているのかを調査する。たとえば、正しい道順が答えられるか、おおよその販売品目や店内の構成を答えることができるか、など
チェックB
自店を認知している人たちの自席への好感度を調査する。競合店などと一緒に中間的な立場で聞き取りを行なう
チェックC
販売促進活動を通じて、自店がどれだけ地元に浸透し、関心をもたれているかを調査する。販促施策そのものの認知度について聞き取り調査をする

この調査で大切なことは、まず認知されているかどうかです。

次に重要なのが、好感度をもって捉えられているかどうかです。また、狙っているターゲット層にきちんと届いているかも重要です。
認知が拡散したイメージで、ただ薄く広がっているだけであれば、販促計画のテーマや方法、告知の仕方が間違っていることが考えられます。
しっかりと調査を行ない、成功したポイント、改善するポイントを明確にしていきましょう。
前回の調査や事前と事後の調査を比較して、何がどれだけ変化しているのかを継続して観察することも必要です。継続することによって、最初は見えづらかった課題が徐々に見えやすくなってくることも少なくありません。

(2)売上効果
売上効果の測定は、販促策によって、対象とする商品・サービスが、実際にどのくらい売上を伸ばしたのかを見るものです。
キャンペーンなど、特定の商品・サービスの販売に直接関係する場合は、事前と事後ではっきりと数字の違いが出ます。対象とする商品・サービスの売上額の差額を計算すれば、それが販促策による売上効果となります。
小売店であれば、POSデータで簡単に出すことできます。それ以外のお店でも、販促策の実施期間中とそれ以外の期間での変化を比較すれば、簡単に売上効果を把握することができます。

また、キャンペーンやイベントなど、単独ではなく他の媒体を絡めて販促策を実施した場合、何による影響で、売上に影響を及ぼしたかがわかりづらいことがあります。
このようなときは、「販促活動(販促策)の実施日から1週間」というように、ある一定期間の売上を他の時期と比較することによって、その期間の販促策がどのように売上に影響したのかを分析できます。そうすれば、今後の販促活動の予測を立てることができます。
売上効果については、実績を見るだけでなく、現在の販売促進活動の正当性を確認するためにも必要です。

(3)個別媒体効果
媒体のパワー(効果)を計測したいときには、媒体に番号・記号入りのクーポンやプレゼントを付けて、店頭で回収することにより、どの媒体経由の顧客なのかを把握できます。
たとえば、ボーナスキャンペーンのチラシに付けた割引クーポンに、配布時期や配布地域別の記号を割り当てれば、店頭での回収数で、どの時期・どの地域に配布したチラシの効果が高かったのかを簡単に割り出すことができます。
通販企業などでは、媒体別に記号(中込み番号)をひも付けすることで、どの媒体がどのような効果をもたらしたかを正確に把握するように努めています。
また、近年インターネットを活用しているIT企業は、インターネット上での追跡調査が容易なこともあり、ホームページごとの流人量、バナーの媒体効果などを計測し、マーケティングや販売促進にごく当たり前に活用しています。
インターネットを使って効果を高める販促策を、データをもとに実施しているのです。
いずれにしても、媒体の効果測定は、費用対効果の意味で重要です。
同じ広告表現でも、出稿する媒体や、日取り、配布地域、あるいは出稿場所によって、かなり変化します。こうした経験値を積み重ねていくことが、広告の効果を高める近道なのです。
新聞折込広告チラシやDMなどの個別媒体を単独に効果測定する場合、明確に効果を測定する指標があります。
その指標の中で代表的なものが「CPI」「CPO」です。

■個別謀体の反応を計測する指標
CPI(Cost Per lnquiry)
1人の見込客を獲得するのにいくらかかったのか?
CPO(Cost Per Order)
1人の注文・成約を獲得するのにいくらかかったのか?

一つの指標、CPIは、Cost Per lnquiryの略で、問い合わせ1件当たりにかかる費用です。[広告費÷引き合い数]
の計算式で算出します。
たとえば、あるエステサロンが30万円をかけてフリーペーパーに広告を出したとします。 30人の問い合わせがあった場合、計算式は[30万円÷30人]で、問い合わせI件当たり1万円のコストがかかったことになります。 CPIは1万
円ということになります。
もう一つの指標であるCPOは、Cost Per Orderの略で、注文I件当たりにかかる費用です。[広告費÷注文数]の計算式で算出します。
たとえば、ある飲食店が50万円をかけて新聞折込広告チラシを出して、100人の来店があった場合、計算式は[50万円÷100人]で、来店I人当たり5000円のコストがかかったことになります。 CPOは5000円ということになります。
CPIやCPO以外にも、個別媒体の反応を計測する指標はいろいろあります。中でも、「レスポンス率」という指標はよく使われます。
たとえば、ある飲食店が5万部の新聞折込広告チラシを配布して、100人の新規顧客が来店した場合、計算式は
[来店数÷配布部数]で[100人÷5万部]となり、0.2%のレスポンス率ということになります。
ただし、ここで注意しておかなければならないのは、レスポンス率というのは、配布部数に対しての比率になることです。
ですから、配布部数を正確に自分で把握するのがむずかしい場合には、当てはまらないケースが出てきます。
このことからも、さまざまな媒体を試すときには、どの個別媒体に対しても適応できる指標が必要になります。

こうした計測方法は、多くの通販企業が当たり前のように取り入れています。 CPOまたCPI(CPR=Cost Per
Responseとも表記される:サンプル請求や資料請求する見込客1人を得るのにかかった費用のこと)は、特に広告を出す媒体の選定と、出稿パターンの決定に活用されます。
以上から、個別媒体の反応を計測する指標は、次の4つの要素の掛け算から成り立ちます。

「媒体」×「タイミング」×「オファー(特典)」×「表現の工夫」

これら4つの要素の掛け合わせによって、反応に違いが出てくるのです。指標をもとに反応の計測を継続し、検証していくと、媒体の特性による効果の違い、タイミングによる効果の違い、オファー(特典)による効果の違い、そして表現の工夫による効果の違いがだんだん見えてきます。
逆に、このような指標をもち、検証しなければ、そもそも何が成功で、何が失敗かを計ることもできないことは、いうまでもありません。

販売促進をPDCAサイクルで回す
販売促進の大きな利点の一つに、「短期即効性」があります。
たとえば売れ筋の商品を目玉に特売セールなどを行なえば、文字どおり、短期間で売上を大幅にアップさせることができます。
このために、販促計画において長期的な視点が欠けてしまうことが少なくありません。
あくまでも、販売促進は一度実施して終わりという類のものではありません。計画して実施した結果とその評価を、次の販促計画に活かしていくことが大切です。
そのためには、他の業務と同様に、販促計画と実施を「PDCAサイクル」として捉える必要があります。
PDCAサイクルは、アメリカの経営学者ピーター・F・ドラッカーの著作に記されているものです。日本では、1950年代に「目標管理」の手法として紹介されました。特に製造業では、生産性を向上させる手法として普及しています。
ちなみに、PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する4段階の頭文字をつなげたものです。

■PDCAサイクル
Plan(計画):現状を把握し、予測などをもとにして業務計画を作成する
Do(実行):計画に沿って業務を行なう
Check(検証):業務の実施が計画に沿っているかどうかを検証・評価する
Act(改善):実施が計画に沿っていない部分の改善・見直しをする

計画立案後(Plan)、実行し(Do)、その結果を検証したうえで(Check)、改善すべき箇所は見直し、改善する(Act)

このようにサイクルを、螺旋を描くように1周ごとに向上させていくことで、次のPDCAサイクルにつながり、継続的な業務改善を行なうことが可能になります。
販売促進のメリットのIつが、消費者・顧客の購買に直接的に動機付けを行なうことで効果が測定しやすい点であることを考えると、販促計画の実施後の評価を次の販促計画に活かすことは、大きな意味を持ちます。
販促計画の全体をPDCAサイクルで回すことはもちろんですが、

【手順①】現状分析
【手順②】課題とチャンスの発見
【手順③】目的の明確化
【手順④】目標の決定
【手順⑤】ターゲットの設定
【手順⑥】販促テーマの開発
【手順⑦】年間販促計画表の作成

という7つのステップそれぞれにも、PDCAサイクルがあることを、理解しておいてください。

もし、販促計画があまりうまく回らない場合は、どこかに原因が潜んでいます。7つのステップそれぞれを遡って検証することができれば、それがどこに起因するのかを明確化できます。 たとえば、「現状分析」が甘く、商圏の市場規模を過大に捉えていることがあります。その結果、販促予算に比べて効果のうすい販促キャンペーンになってしまったりします。 あるいはターゲットの嗜好やニーズを読み違えてしまい、まったくターゲットに響かないテーマを設定しまうこともあります。そうした場合は、「現状分析」そのもののステップや方法論を検証したり、「ターゲットの設定」の間違いが生じた原因を考察したりすることで、次回への教訓とすることができます。 逆に、想定以上の売上や人店者数になったといううれしい誤算も、その原因をできるだけ明確にしておくことが必要でしょう。それぞれのステップの思考・決定の過程が明確化され、誰でも把握できるような状態になっていることが、PDCAサイクルを回す基本なのです。 社内で議論した過程も簡単なレポートのような形で残していると、特に検証・改善の過程で力を発揮します。 このPDCAサイクルをきちんと回せるのであれば、失敗からも成功からも学べるということです。経験を積むほどに、成功への精度が高くなることを意味します。

PDCAサイクルは、すべてのビジネスの基本です。
販売促進にも、ぜひこの考え方を活用してください。
成功体験を社内に共有財産の形で残していく、あるいは実施に当たっての細かいノウハウや独自の方法論を受け継いでいくためにも、PDCAサイクルで回していきましょう。

最後に

最後に、販売促進の観点から押さえおくべき大切なことをお伝えしたいと思います。
まず大前提として、「何のために販売促進をするのか?」という問いを考えてみましょう。
一時的に売上を上げること、利益を確保することは、販売促進のやり方によっては可能なことですが、一時的ではなく「いかにビジネス・商売を長く継続していくのか?」が、私たちの常なる課題であることは改めていうまでもありません。そのために、多くのお客様に来店してもらい、そのお客様に何度も繰り返し来店してもらって、お店のファンになってもらう必要があることは、大前提のテーマです。
では、このように長期的に商売繁盛を続けていくために、いったいどのようなことを押さえておかなければならないのでしょうか?

①約束していることを変えない!
当たり前のことですが、商売はうまくいっているときと、うまくいっていないときがあります。うまくいかなくなると、販売促進のやり方を変えたくなり、そこで問題が生じることが少なくありません。
変えること自体を否定しているのではありません。「変えてもいいこと」と、「変えてはいけないこと」があります。
また、うまくいっているときでも、「本当にこのまま続けてもよいのだろうか?」という心の動きが、くせものになることもあります。どちらにしても、まさに“不安との戦い”なのです。
では、変えてはいけないこととは、いったいどのようなことなのでしょうか? それは、消費者のマインドに届けているメッセージの中で「約束していること」です。
約束していることとは、お店や商品・サービスのコンセプトのことでもありますが、これは変えてはいけません。この「約束していること」を変えるということは、いままでのお客様や消費者を無視した行為になるからです。
このようなことは、企業規模にかかわらず、当てはまるケースをよく見かけます。不用意に、いままでの消費者、顧客のマインドに届けているメッセージを変更することは、「約束をしていること」を破る危険性を秘めていることを認識しておきたいものです。

②勝ちパターンを見出そう!
販売促進を毎回「やりっぱなし」にしている例を見かけることがありますが、これはいけません。実施後には、必ず検証しましょう。当然、うまくいかないときは「何がうまくいかなかったのか?」を検証し、改善して、次の実施につなげなければなりません。
逆にうまくいったときでも、反省をする必要があります。それは、「何がうまくいったのか?」を確認する作業です。
うまくいったときは反省せずに「やりっぱなし」にしてしまうことが多いように思いますが、とてももったいないこと
です。なぜなら、うまくいった販売促進の施策の中には、“勝ちパターン”の要素が含まれていることがよくあるからです。
何度か検証していくうちに、共通の勝ちパターンが見えてきます。このような勝ちパターンを見据えた販促計画は、
企業利益に大きなインパクトをもたらすことはもとより、長期的に使えます。そして、コスト効果的にも大きな威力を
発揮します。
販促効果の測定方法は、コツコツと仮説と検証を繰り返し、勝ちパターンを見出していきましょう。

③販売促進は万能薬(魔法の杖)ではない!
販売促進だけで、販売上のすべての問題が解決できるわけではありません。お客様が試しに買う、来店するといった行為に至ったとしても、実際に商品・サービスのクオリティが悪ければ、どんなに緻密でインパクトのある販売促進を実施したとしても、まったく意味がありません。それどころか、むしろ逆効果になる可能性もあります。 販売促進とは、あくまでもターゲットに向けて、購買の直接的な動機付けを行なう活動にすぎません。商品・サービスをはじめ、ホスピタリティも含めた接客など、お店とそこで働くスタッフのクオリティを向上する努力を怠るべきではありません。そのことなしには、せっかく販売促進の知識と知恵を身につけても、台無しとなってしまいます。

これらのことを念頭に置く必要があるでしょう。 なお、このページでは、販売促進活動におけるコンプライアンス(法令遵守)については扱っていません。景品提供方法に関する規制、表示に関する規制、個人情報保護法などは、実施にあたって必要な知識ですので、他の書籍や資料を確認してください。

 

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